テストが落ち着いたら、もっと早く投稿できるのに……今回アルタラスは出てきません。許してくださいなんでもしますから。
UA4000越えとお気に入り登録11、ありがとうございます!これからも「イシュトヴァーンよ永遠なれ」をご支持頂くと幸いです!……今考えたら、私の名前のモデル、デブレツェンが一切でてきてませんね。いつか出そうかな。
それでは第十四話、流れ星の夜です。プラセンタの名前の由来、半分はP-chanⅡ様の影響ですね。もう半分は、なんつうか恐ろしい響きでしかもくクラスター爆弾の雰囲気に合ってるなあって思って。
それではどうぞ。
知ってるかい?プラセンタっていうのは、胎盤を意味する言葉だって。この恐ろしい親子爆弾は、本当その襲名の通りだよ。まるで本当に胎盤みたいに、一瞬だけ傷つけて消えていく。そこからは、無力に堕ちるだけの存在さ。
「へえ、そうなんだな。」
軽いノリのオルガに驚き、スタメナは思わずチョップをかます。そして肩をぐいっと掴んで言い放った。何か、聞き分けの悪い子供にぎゃんと言い聞かせるように。オルガはコケのむした近くの岩肌に腰掛け、話を聞く事にする。
「いいか民兵のお兄さん!俺たちはな」
その時スタメナの顔の前に手のひらが突き出された。思わず面食らってスタメナが仰反る。空では、赤い夕焼けが綺麗なオレンジ色を映し出していた。その夕日に照らされたオルガの白肌が、妙に艶やかに見えて。スタメナは少しうっと躊躇いながらも、もう一度向き直る。それを見てから、オルガの口がもう一度開いた。
「ストップ。いくつか言わせてくれ。まず僕はお兄さんじゃない。」
驚きのカミングアウトに、面食らうスタメナ。しかしスタメナはそこでフリーズするほど融通が効かないわけじゃない。
「じゃあおじさんか、すまないねおじさん。」
すると今度は自分がチョップを食うスタメナ。あいて、と声を出すと、ちょっとだけ心配し撫でてくれるオルガだった。何だろう、こういう妙なところで聡いのは本当やめてほしい。まだちょっとだけ痛みの残る場所を押さえながら、スタメナは少し向き直す。オルガは腰掛けた岩肌から立ち、その夕日を覗んでいた。まるで、優しい女神のように。
「いいかい僕は女の子だ。女の子。」
「わかったわかったオトコの娘のオルガさん」
「誰か僕のM1ガーランド持ってきて〜!」
「だあああもうわかったわかったジョークの通じない奴だなあ…」
スタメナは頭に手を当てて首を振る。この状態だと、かえって夕日が綺麗なのを恨めしく思った。エモーショナルな情景が、とことん似合わないから。
「それで、何だっけ?」
「ええ……それ忘れちゃう?」
しょげた顔をするオルガが、やれやれという風に首を振った。沈みつつある夕日が二人を照らしている。すると、宥めるようにそっとオルガがスタメナの肩に触れた。
「……俺たちが、使うことに決まった。自走砲から発射する。クラスター爆弾を!パーパルディア皇国軍に!」
「落ち着けスタメナ!え、ええと、その……何で砲兵が?」
まるで夕日と同じほど顔を赤くして、決まり悪そうに目を逸らすオルガ。どうやらその感じ、クラスター爆弾が何かを分かってないらしいから教えてやることにした。
「いいか一言に爆弾って言ってもな、ロケットみたいに発射したり、大砲で打ち込んだり、いろいろあるんだよ。俺たちがやる事になったんだ。それを。民間人を、戦後ずっと苦しめる作業をな。」
少し辛辣な口調で言うスタメナ。煙草を一本取り出すと、それに夕日と同じくらい明るい火をつけて、蒸し始める。ため息に、ニコチンの臭いがふわっと混じった。ざわざわと草木が風に揺れて、レティニエにぶわっと強風が吹く。剣のように刺すオルガの視線が、私の体を貫いてならない。その顔に、私は何と言葉をかけていいか分からなかった。この少女に、スタメナという立場から言うべきことは何か。それは、少なくとも黙秘することじゃあない。それはスタメナも分かっていたのである。しかしそれでも、口は糸で縫われたみたいに固くって。何も喋れなくて。俺の体にまるで岩盤が押し潰してくるような、そんな感覚に飲まれたのである。
「……いいかオルガ。俺たちは大統領の先手必勝戦法により、アルタラスに向かう」
「え?だって僕ら民兵だよ?どうして。」
「どうやら先の上陸から、使えると判断したみたいだねおめでとう。」
スタメナは、「おめでとう」の部分をまるで揶揄するようにトーンを変えて言った。口が寂しくなったので、また煙草を吸おうとしたその時。
「……ふざけないでよ、僕らだって戦いたくて戦ってるわけじゃ…」
「……そりゃあお互い様だよ。だったら、せめて。」
スタメナは立ち上がると、その夕日に向き合う。後ろには、愛すべきオルガという民兵が立って居た。その、オレンジ色の影に合わせるように、スタメナは振り向く。妙に、感傷的な時間が過ぎて行った。
「……無双を楽しむしかなかろう。」
そしてまだ煙を燻らせる煙草を、緑の芝生に落とした。卒爾黒色の軍靴がその煙草を踏みつけにする。オルガには一瞬これが、この言動が、まるで未来への暗示に見えて。一瞬にして溜めていた涙と絶望が溢れ出てきた。顔を濡らすオルガに振り向くスタメナ。その顔にはどうしても、何度見ても。ゆめゆめ、殺人鬼の顔は映っていなかったのである。スタメナには泣き崩れるオルガの髪の毛を、そっと撫でることしかできないのだった。
「知ってるか?俺はきっと天国にはいけない。」
「僕もだよ、そんなの。だからスタメナの後ろにずっとついていく。カルガモみたいにね…」
そんなよくわからない例えに、思わず声を上げて笑うスタメナ。そんなにつけつけ笑わなくてもいいじゃないか。オルガは、頬を膨れさせて見せるが、スタメナは辞めない。
「いやいや、結構だよオルガ。さあ、もうすぐ日没だよ。知ってるかい?グリーンフラッシュって。日が沈むその瞬間その時だけ、小さくぱっと緑色に光ることが、あるんだってさ。」
「ふうん。あっ。」
その時、2人の目前に、一風変わった緑色が輝いた。その、エメラルドのように輝く異色に、思わず見惚れる軍人と民兵。まるで、その瞬間輝くためだけに生まれたようで。
「いいかい?これはこいつと同じだ。」
小さいエメラルドが消えてから、スタメナがそっと言う。その目に、涙はなかった。
「……俺たちだって、こうやってすぐ消える。功績も、勲章も罪も。」
そう思わせてくれ。と、スタメナは付け加える。オルガが首を振ると、言った。生ぬるい空気の中、沈む夕日が美しい。
「…ううん、そう思わなきゃ僕に至っては、どうにでもなっちゃいそうだよ。」
よかった。スタメナもオルガも、皆んなやっぱり。平和な世界に生まれていればきっと、会う事も無かっただろうに。
「さあグズグズしてねえで、そのガーランドとやらをとっとと整備しろ!手伝ってやるから。」
「え?いいの?この後一杯引っ掛けない?」
「悪くない。」
夕日は、もう沈み切っていた。ただ、残喘を保つオレンジ色が、2人を照らしていた。
同じ時刻、広大な朱色の屋根に1つ異質な平原があった。こここそ、ハンガリーの最も重要な空軍基地であるケチケメート基地。ここでは、夕日の暮れる中作戦をするつもりなのか。古い銀翼たちが倉庫から出されていく。
「今回の作戦では、第二航空師団がプラセンタⅠを持つです。言わば、爆撃機の役目をするですね。」
「ああ。分かっているよ。所で、私はどうすればいい。」
ヘッペシュが、スーツのまま問いかけると、ヤーノシュが答えた。しかし、その目には少し迷いがあったのを、ヘッペシュは見逃さない。でも、どうしてそんな顔をするんだ。いつだって、澄ました顔して冷静なヤーノシュが。
「なんかあったんですか?」
ヘッペシュが何気なく聞くと、露骨にヤーノシュが眉を寄せる。いけない。僕がここまでギロっと睨まれるんだ。きっと、何某かの大きな理由があるに違いない。ヘッペシュが、ヤーノシュの方を見ると、確かに何か思い悩んだ顔をしていた。
「……まず最初に言っておく。おれは半分、この作戦に反対だ!」
全員が、白い壁に囲まれる中ごくりと唾を飲んだ。どうしてだろうか。ただの生唾が、石のように重たい。
「でもな、それでもやらねばならぬ事もある。」
それは、みんな分かっている。僕らは曲芸師じゃない。だから、人を怖がらせるような飛び方しかできないのはすずろに悲しい。しかし、それは国のために。人のためになるなら。その、一方的な感謝を信じることしか、僕らに残された道はないのだった。
「……やるか、俺たちで。俺たちは、みんな揃って地獄行きじゃ!」
居直るヤーノシュに、みんなが思わずふっと吹き出す。さっきまであんなに重かった空気も生唾も。みんなそれを忘れたみたいに和やかになる。夕日が沈めば、ついに作戦開始だ。
「……さあ諸君!世紀の大作戦に、」
まるでロウリアが流した血のように赤いワインを、グラスにそっと注ぐ。ヤーノシュが、その盃を持ち上げると、連動したみたいにみんなも持ち上げる。これから、僕らは罪人になる。せめて、それが自分たちにとって良いものになるように。皆んな、思い思いに目を瞑り、グラスを持つ。
「乾杯!」
『乾杯!!』
くっと、ワインを飲み干すと、辛みが喉を通って行った。そうはいっても、結局味なんて分からないまま、全て飲み干した。皆んなそうだ。これから、殺すし死ぬかもしれない。未来永劫、子々孫々ずっと。ずうっとこの呪いを背負わなくちゃいけない。この、赤いワインはその契約の証のような気がした。
夜闇の中、コクピットでマスクをつける一同。その目の中には、夕日に沈み暗くなる空が写っていた。変な色のヘルメットが、きらりと輝く。
「さあ行きましょうぜヘッペシュ大臣!」
空は、夕焼けと闇が混じった、なんともいえない空。窮屈なコックピットに、今更ながら眉を八の字にするヘッペシュ。いや、多分そうでじゃない。きっと、何か別のものを誤魔化しているんだ。この、感情が。
そんな中、ヘッペシュはそっとエンジンをかけていく。懐かしい、保護色の機体がゆっくりと走り出した。バラバラという、五月蝿い音が鳴り始める。ヘッペシュは苦笑した。こんな音が鳴るんじゃあ、夜襲も何もないじゃないか。外は、もう暗くなり始めて、オレンジの背景に黒く映る古い機体たち。
「…さあ、奴らに最後の一撃をぶち撒けるぞ!」
そう気合を入れるけど、やっぱりこの空気は暗い。まるで、この夜の写しのように。一機また一機と言葉なく夜空に旅立っていく。その姿は、まるで鷲のように壮大で。でも、逆に雀のように小さい。そうして、だんまりの中ヘッペシュの心には、覚悟が今ひとつ座らないでいた。こんな、土壇場になってこんな気分になるなんて。ヘッペシュはふふっと小さく笑った。操縦桿を、そっと前に倒す。すると、やっぱり素直に相棒は前へと走り出してくれた。相棒すら、何も言わずにこうして居るんだ。僕が思い悩んだって何の問題もないさ。そうして少しずつ速度を上げていく中、ヘッペシュの顔には、やっぱり不安が抜けないでいる。でも、今はどっちでもいい。この相棒は、いいなあ。深い事考えずに、素直に、勲章だけを目指してこんなにぎゃんぎゃん飛ばせるんだから。気づけば、陸地から浮き上がるヘッペシュとbf109。両翼には、重たそうなミサイルが2つ。みんなそうだ。右を見れば夕暮れの逆光で、影が浮き上がる機体の群れがある。そうして、彼を先頭にして皆んな向かうのだ。
「……大臣。やっぱ辛えよ。」
「そりゃあ皆んな同じだ。だからせめて誇るぜ。俺は。」
そうだ。僕は老ピューマ、ヘッペシュ。これから、罪人になる「エース」さ。そりゃあ、死ぬこたあないよ。まあ、それはそれは惨い形で殺すけど。マスクの中に籠った空気を、ぐっと吸い込むヘッペシュ。夜は始まったばかり。一番星がきらっと輝いていた。西に輝くその星へ、ぐっと手を握って祈るヘッペシュ。この、『素直な機体』以外はみんな、熱い尾を引いて夜空を泳いでいた。彼はその「流星」に向かって祈ったつもりだったのに。耳がおかしくなりそうな、五月蝿い音。それももう、その星の輝きとして受け入れられそうになった頃だった。僕の感情ははまるで賓みたいに、ふらふら、ふらふらと僕の心を彷徨い続ける。
「……ヘッペシュ大臣。大臣は何をお願いしたんだ?」
「お願い?ああ、そういえば昔そんな事もしたな。」
ヘッペシュは操縦桿を少し下げた。同じように、機体がすっと下に下がる。やっぱり、この子は素直で良いやつだ。ヘッペシュは、つくづくそう痛感した。外には、もう夕日が完全に沈み込んでいる。ただ、その残りかすのように、オレンジの光が西空に漏れていた。
「……さあて、1仕事やるとしよう。レーダーをつけろ!」
その時コックピットの中に、異様な緑がぶわんと浮かぶ。そのレーダーの中には、赤点と白点がいくつか。マイハーク、ブダペスト、ケチケメートそして『ジン・ハーク』。人の居る、全ての街。そしてそのうち1つは、今日僕らが背負う罪の権化のようで。皮肉なことにそれが、僕らを怖がらせる「演出家」だし、「ガイド」でもある。僕はまるで、借金を踏み倒された質屋のような顔をしながら、操縦席に寄りかかる。ああ。なんだか、吹っ切れた。ヘッペシュにとってそれは、初めてこの機体に乗った時と同じくらい、清々しい気分になったのである。操縦桿をぐいっと引くと、やっぱりちゃんと右に旋回する。そういう風に、みんな素直に付いてきていたんだ。愚痴を吐くのは、もうやめよう。本当僕らしくないや。我ながら。
ワルキューレは、僕らを最後の戦場に導く。そんな彼女は、やっぱり僕の罪をちゃんと認めてくれてる気がした。いいよ。なら、認めるさ。それが筋だ。僕が某風都探偵にもし「罪を数えろ」とでも言われれば、大人しくこの罪を数えるよ。ハイエナの如くじりじり近づいてくる赤点。やっぱり何度見ても見慣れないな。そして、そのまま暫くの間空の向こうをながめる。小さな灯りが、前方にぽっと見えてきた。射程距離まで、あと3、2、1と刻むたび、ヘッペシュの心臓がばくばく鳴り始める。操縦桿の赤いボタンを押す手は、ふるふると震えていた。どうしてだろうか。こんな、何くるないボタンが、ボンドで固定されてるみたいに物凄く硬い。
「……みんな、いくぞ……3、2、1、0!」
すると、銀翼に取り付けられた小さな竜が、一斉に火を噴き出して飛んでいく。それも、2つや3つじゃない。僕以外の全てが、美しいこの流星群を作った。その、さっきの夕日より美しい様に思わず言葉を失う一同。今日は、とても長かった。でもまだ一番星しか写っていないんだ。そして極め付けには、こんな散々な花火。ヘッペシュはまた、頭を落として苦笑した。これが1番美しいなんて。何よりも避けていた戦争が1番綺麗なんて。さっきの赤点が、やたら早かったみたいに、その流星群も迅く飛んでいく。これから、阿鼻叫喚の地獄を。そう、それを作り出すための星なんだ。これは。
燃え盛るその流星群は、どこまでも飛んでいく。やがて本当の隕石みたいにいくつかに割れて。よだかの星みたいだ。どこまでも綺麗で、どこまでも悲しい。プロペラの音が夜に響く。西空には、もう夕日はない。
「……大臣、攻撃はしますか。その、機関砲で。」
「無論だ。姿を晒さねば、僕たちの攻撃だなんて思わないから、な。」
ヘッペシュは、さっきみたいに頭を落とす。素直な機体は、同じように高度を落としたのだった。
ここはロウリア王国。その首都はジン・ハークという、活気に溢れた明るい街。そこはこの山のような城壁に阻まれ、竜のように強い精鋭が守るまさに鉄壁の都市。もちろん、明るいといっても喧しいというわけじゃあない。行燈みたいな、優しい光がそっと街を照らしてくれるのだ。
「ついに、だな。」
ハークと一同は勿論、今日くるかも知れない事は知っている。でも、国民はそうじゃない。いつだって、自分たちの所に爆弾が落ちるだなんて、思っているわけがない。そして、それは城下町でも例外ではなかった。その、夕暮れ時のぼんやり明るい街には、やはり夜空が広がっていた。
「あ!見て見て!」
母親の服を引いて、いたいけない子供が指差す先には流れ星。いや、流星群だ。思わず目を奪われる子供達。
「あら、流れ星ね。お願い事、決まった?」
しかしその時、暗闇の中ぱかりといくつかに分かれる流れ星。思わず親子は眉を八の字に寄せた。いや。その2人だけじゃない。兵士が、商人が、老人が、ならず者が、みんなが。この街にいる皆んながその空を眺めて怪訝な顔をしたのだ。そして、1人が呟く。
「……なあ、あの流れ星、なんか大きくね?」
やっぱり、近い。さっき分裂した時もなんだか変だった。というか、引いてる尾もなんだかこう、噴き上げる炎みたいな。兎に角流れ星のそれとは違う。というか、どんどん大きくなってこちらに……
「う、うわあああああ!落ちてくるぞおおおお!」
その瞬間小さな「流れ星」は、ロウリアが首都へと降り注いだ。まるで、雨のように、ばらばらと。
「ひいいいいい!」
「い、家が燃えたぞおお!」
「逃げろ!逃げろおお!」
それが地面に遭うと、衝撃に爆ぜて周りの物を吹き飛ばした。炎と爆風が支配する世界。燃え上がる火の手。ぼんやりした、優しい明るさはもうない。火災と死による、ただ姦しい灯りだけが。それだけが昼のように首都を照らしていた。
ことの顛末を、なべて王城から見ているハーク。その光景は、信じがたい物だった。ハンガリーだろうか?クワトイネの訳がない。かと言ってあんな真似ができそうにない。そう。「流星群を我が国に落とす」などという芸当、一体何処の国が出来ようか。無論そう見えてるだけであるが。
そうやってぼんやり眺めている間にも、空襲は進んでいく。こんな馬鹿げた話があって良いのか。どかん、どかんとその城にまで爆弾が落ち始めた。これは、天罰だろうか。あんな事をした、自分への連帯責任なのか。ハークは、まるでメデューサに睨まれたみたいに、動くことが出来なかった。しかしその時。
「お、おい!あの鉄竜はまさか!」
赤白緑の塗装を掲げて。今日もまた、あの鉄竜が飛んでいたのだ。プロペラの、空を切る音が一面にこだまする。この、ジェットと違う独特の音。あれが、音にも聞いたハンガリーのエースか。あれこそが、我々が散々にやられた『老ピューマ』そのものなのか。
「バリスタはどうした!撃ち落とせ!」
「そ、それが、あの流星群で既に指揮系統がボロボロに!」
という事は、やっぱりあの流星群はハンガリーの攻撃だったんだ。ハークはぐったりと力なく椅子に腰掛ける。天罰なんて、生ぬるい夢を見るのではなかった。ハークは今更ながら後悔したのである。この鉄壁の都市に、落ちた流星たち。その1つ1つがまた火を吹いて爆発する。こんなのに、自分は喧嘩を売ってしまったのか。もし、平和だったなら。どれだけ国が豊かになったろうか。だって、星を降らせる国なのだから。その間にも。バラバラと機関砲が鳴らされる。もう、飽き飽きするほどの弾丸を食らった。それでも、許していただけないのだ。空には、ようやく一番星以外の星も、ちらほら出た頃。ロウリアの首都は火の海となったのだった。
この出来事は後に「流れ星の夜」という伝説となり、これは、ロウリアで語り継がれたという。時に2025年、11月30日のこと。転移から、丁度1ヶ月が経とうとしていた夜だった。
いかがでしたか?
幼女戦記2期楽しみですね。私もカルロ・ゼン先生みたいな、ああいう作家になりたいといつも思います。
それでは次回もお楽しみに!
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