小説家になろうへ投稿するときはこれのさらに二次創作という形にして、著作権を侵害しないようにしようと考えています。
宝石サンゴの鮮やかな海が、エメラルドに輝いている。
観光客の絶えないビーチは、地元の子供逹に馴染みの深い遊技場。南国の強烈な日差しにも負けず、はしゃぎ合う。
この日、中でも注目を集めているのは、岸から100m前後離れて、全長20m程度の小型船と、それにつながれたグライダー付きボートだった。
「ヒューッ」
「上手いもんだな。あんなにちっちゃいのに」
グライダーは風を受けて飛ぶ。忙しく揺れる両翼が、風の不統一を示すが、それでも落ちないのは、操縦者である少女が全てさばいているからだ。
海鳥と並んで飛ぶ姿は、まさに優雅。世間を忘れたいリゾートにぴったりの絵で、見ているだけで身も心も緩んでいく。
と、しかし、グライダーは急降下する。
「あ、危ねェ!」
「うわあ!」
見物人逹は海に叩きつけられる様を想像し、何人かは目をそらす。
ぶつかると思われた瞬間、しかし、グライダーは半円を描いて浮かび上がった。
「ヒューッ」
「笑ってやがる」
「わざとなのか。なんて嬢ちゃんだ」
美しい黒髪の少女が、作戦成功とばかりの笑みを浮かべ、観衆に手を振る。が、その瞬間風に煽られ、片手では支えきれずに落ちた。
「あ」
バシャアアン。音と共に水しぶきが上がる。
観衆の若干の心配の中、少女はひょっこりと顔を出した。
「空気の読めない風ねえ」
顔の水を払いながら、少女は船に登ろうとする。差し出された手をつかみ、引っ張りあげてもらう。
と、正面に少女と似た顔。にやにや笑っている少女と目が合った。彼女も黒髪で、違うのは、ビキニと身長と髪型くらい。相手の方がやや背が高く、160センチくらいで、髪はきれいに揃えたおかっぱ。ビキニは白色。引っ張られた方は155センチくらいで、髪は後ろに2つ束ねている。ビキニは水色。
「風の読めない自分、でしょう?」
「むっ」
言われて顔を顰める水に濡れた少女。
しかし、続いて寄ってきた下は8歳から上は20歳までの4人の男女に、一瞬嬉しそうに、すぐさま尊大そうに笑む。
「すごいよアニスちゃん! あんなにたくさん飛べるなんて!」
金髪で青い瞳。8歳の女児がうれしそうに笑う。
「あれくらい当然よ」
「ううっ。私はいくら練習してもできないのに」
悲しそうに嘆くのは、黒髪少女逹より背の高い、17歳で長い金髪の少女。青い瞳は目の前にいる8歳の妹とそっくりだ。
「地味に着水の体勢が良かったよなあ。あれなら痛くない」
その後ろで、日によく焼けた20歳の青年が感心したようにつぶやく。
「クッソ次俺だ! 俺がやるぞー!」
少し離れて、肌の真っ黒な、14歳の坊主頭の少年が悔しそうに叫ぶ。
「というか順番があなたなだけよね」
「無理だと思うけど頑張れば?」
「メアリー、アニス。そんな言い方しなくても」
刺々しい黒髪姉妹に、年長の少女は困り顔。その横で、小さな少女は無邪気にヘラヘラ笑う。
「むふふ。あたしも無理だと思うなあ。だってマルスって下手くそ」
「コラ! ナンシー!」
「痛っ! なんであたしだけ!」
小さなナンシーは「むーっ」とぐずりながら、恨めしそうに姉のエミリーを見上げる。
「あんたはチビなんだから生意気言うな!」
「差別だ! 差別!」
「これは正しい差別よ。正しい差別はいいことだって、シャルル代表もおっしゃってるわ」
「むーっ」
そんなやり取りに、黒髪姉妹はクスクス笑う。
「やってやらァ!」
「ま、怪我だけはしないようにな」
ちょっと離れて、よく日に焼けた少年マルスは、1人気合を高めていた。