目が覚めた。
気分が悪かった。
ひたすらに気持ち悪い。
吐き気を催す。
朝日で目が覚める。
死んだと、そう思っていた。
いや違う。
普通の反応はそれで正しい。
実際には起こりえないことが起こっている。
そう思った。
過去に戻っていたのだ。
______
俺は高校の時に戻っていた。
まあ、なんてありきたりな展開なんだろうかと思う。
それにしても、こんな自分にもう一回チャンスをくれるなんて神様はなんて優しいのだろうか。
身支度を軽く済ませ、飯をつまみ、学校へ向かう。
とぼとぼとボッチで登校を始める。
懐かしいな。
本当に戻ったんだなと実感する。
そうすると視界の端に神がちらつく。
よく手入れされた髪。
絹みたいなそんな髪。
あぁ、こんな子いたなと思い出した。
何十年も前の昔話。
学生の頃はよく絡まれて喋っていたけあの子。
なんだろう。
この胸の切なさは。
自分は色んなことを忘れていることに対してか、
あの後、どうしていたんだろうなという懐かしさからか、
何故か涙が出そうになった。
おばあちゃんの家に何拍か止まったあとの帰りの車の中のような気分だ。
何とも言葉にできないあの感じだ。
彼女は何も言わずにこちらに近づく。
そして何も言わずに俺の方に自分のバックを押し付けた。
...っそうだ、思い出した。
こいつ、めちゃくちゃな女王様だったんだ。
「早く行くよっ!」
「お、おう」
とりあえず流されることにした。
_____
普通に授業を受けて、普通に昼休みになった。
誰にもばれないように売店でサンドウィッチだけ買って、踊り場に向かう。
四回の南校舎のこの場所は人がいない。
静かだ。
はあ、疲れた。
本当に疲れた。
高校の時の勉強なんて久しぶりだよ全く。
「コツコツ」
こちら側に歩いてくる音がした。
目が合う。
「ア」
「あ」
「すいません、失礼しましたー」
「ちょ、ちょまって」
腕をがしっと掴む。
「は、はあ」
「せっかくだからさ、一緒に食べない?」
一緒に食べることになった。
「君の名前は?」
「初瀬、ハセってよんでね、うふ」
へんな奴を引き当ててしまった。
「そういう君は?」
「空、あきちゃんて読んでねうふ」
なんとなくだが「うわ、変な奴と喋っちゃったよ」て聞こえた気がした。
それから、たわいもない雑談を繰り返していた。
その時にふと、ふと言った。
「そういえばさ、俺未来から来たんだよね」
「へー、そうなの」
「反応薄いな、ウソだと思ってるでしょ?」
「いや、ウソだとは思ってない。」
「ほんとに?」
「本当に」
ふーっろ大きな息をつく。
「一つ、聞いてもいいか」
「いいよ」
「もし、過去からきたとして俺はどうすればいいと思う?」
ハセは顎にてを添えて考え始めた。
しばし考えた後顎から手を外した。
「お前はどうしたいんだ?」
「俺は彼女作りたい、友達が欲しい、尊敬できるようなそんな人間になりたい。
」
「ふーん、なら全部やればいいんじゃない?」
「いや、そんな簡単に言うけどなあ」
「そうやって逃げ続けてきたからこんな目標掲げてんじゃないの?」
確かに、
思えばずっと逃げてきた。
なんにでも理由を付けて、逃げ回って。
うん、確かにそうだ。
「そうだな。せっかくやり直せるんだからちゃんとやろう」
「お、いい志じゃない」
「てことで、手伝ってくれない?」
「まあ、いいよ。面倒くさいけど」
「助かるよ」
こうして、俺には友達?が増えた。
学生時代名前も知らなかった友達が。