半端な気持ちで入ってくるなよ……Lifeの世界によぉ!!   作:まさみゃ〜(柾雅)

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ガチャピンやっと降臨(続かない)

この回は大体外伝漫画の3巻あたりの内容を想定(【02】の前書き書くときにふと浮かんできた設定)


踊れ! 死のダンスを!【03】

 道路を駆けて逃げる男。

 その後ろ姿はもはや人間だとは思えないほど醜い姿だ。

 頬を撫でる風を感じつつ、落ちないように彼の後ろにしがみつく。

 

「……いや、なんなんだよこの状況は!?!?」

 

 帰宅ラッシュに入っているのか、車が多い。

 しかし、逃走する男の姿はただの黒い風に見えている様だ。

 その風を追いかける俺と不動プロ。

 それも、彼のバイクで。

 

「しっかり捕まっていろ……!!」

 

 見事な運転技術で車の合間を潜りながら不動プロは風との距離を詰める。

 ファイトはまだ途中。であるというのに逃げ出したあの男の考えはわからないし理解したくも無いが、これが時間稼ぎだということは分かる。

 

『──我を使え』

 

 そして先程から頭に響く声。

 声のトーン的に男っぽいが、ノイズ混じりで聞き取りにくい。

 だが、先程から妙に右手に熱を感じていた。

 

「あーもう! さっきからうっせーな! 使えばいいんだろ使えば!!」

 

 声に言われるがままに黒い風に目掛けて手をかざす。

 俺の行動に不動プロが何か声をかけてきていたが、それと同時にソレは起きた。

 

 俺と不動プロを原点に淡い青の炎が広がる。

 炎に巻き込まれた他車両から何も反応は無く、ただ炎が通った後には何も残っていない。

 

「これは……!?」

 

 両脇の炎は一定の範囲広がるとそのまま壁となる。

 一方前方には壁はなく、時々横に広がる壁が曲がり道を示しているのか誘導するかの様にそこにある。

 違和感に気付いた黒い風も逃げ出そうとするが、炎の壁に触れると悲鳴を上げながら離れたりしていた。

 

「……何だこれ」

 

 思わずそう溢してしまう。

 あとさっきよりも風を感じて寒いし、視界には謎の布切れが見切れている。

 

「ぐ、ぅ……ドロー……!」

 

 ファイトが続行になった為か、ボードが相手のターン開始を知らせる。

 手札と土地が増え、場に幻獣が問題なく召喚された。

 召喚された幻獣をボードで確認する。

 コスト3の幻獣、<奇術師 ピジョン・ハット>。

 【飛行】持ちであるためブロックができない。

 しかし、男は攻撃を行わずそのままターンを終了した。

 

 そして不動プロにターンが回る。

 ……待て、この人今バイクを操作してるよな?

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 いつのまにかボードとバイクが合体している。

 もともと変な形状のバイクに乗っていることで有名だったが、もしかしてこの人このために改造したのか?

 左腕のハンドルにはボードのデッキ収納箇所が嵌め込まれ、そして手札を固定する場所も付いている。

 幻獣を召喚する場も、何故かバイクにそのまま接続されていた。

 

「魔石<瓦礫の山(ジャンク・ファクトリー)>をセット、そして0コストで秘宝<名義貸し>をセット!」

 

 <名義貸し>……確か幻獣1体を対象に発動してその対象のクリーチャー・タイプ、つまりは種族を他の幻獣に一時的に追加させる効果だったよな。

 で、魔石の方はクリーチャー・タイプがジャンクの幻獣に対して攻撃力をプラス1させる効果。それと任意のコスト分の幻獣をリリースして手札・デッキからリリースした分のコストを持つ幻獣を召喚する効果。

 

「<屑鉄の炉心>を対象に<名義貸し>の効果を起動、対象のクリーチャー・タイプを適応させる。そしてコスト2<絆の船(フレンド・シップ)>を召喚!」

 

 帆に笑顔の顔絵文字が描かれた木造船がバイクと並走しながら現れる。

 その船には何かが乗っているようで、次の瞬間場にそれらは飛び出してくる

 

「<絆の船>が召喚に成功した時、デッキからコスト2以下になるよう効果を持たない幻獣を召喚できる。

 来い! <カプセルボム>! <優しい兵隊>!」

 

 どちらも効果を持たないコスト1の幻獣。その代わり攻撃力が高いがそれでも毛が生えた程度である。

 しかし、現在は<名義貸し>の効果によってジャンクという種族が追加されているため、攻撃力がプラス1状態となっている。

 

「更に、コスト3<同期する屑鉄>を召喚」

 

 これは……まさかもう出せるのか!?

 

「魔石<瓦礫の山>の第2の効果! 俺はコスト3<同期する屑鉄>とコスト2<絆の船>をリリース!!」

 

 テンションが上がったのか、不動プロはバイクの速度を上げる。

 いや今でも結構なスピード出してたのにまだ上がるのかよ!?

 

「集いし絆が、限界をも打ち砕く力となる! 出よ! <屑鉄の戦士>!」

 

 場には攻撃力が1の<屑鉄住まいの鼠>が3体と<屑鉄の炉心>、<大道走鳥>、そして攻撃力が2の<優しい兵隊>と攻撃力が3の<カプセルボム>。

 <名義貸し>によってジャンクとなった幻獣も<瓦礫の山>の効果で更に攻撃力がプラス1で合計17点の上昇値となった。

 そして<屑鉄の戦士>もともとの攻撃力は5であるため最終的な火力は23。

 これはブロックしなければ大打撃だ。

 

「この魔石の効果で召喚した幻獣には【速攻】が付与される……バトルだ!」

 

 不動プロは<屑鉄の炉心>と<大道走鳥>を残して、攻撃可能な幻獣でフルアタックを仕掛ける。

 相手の残りライフはターン経過により28。

 <屑鉄の戦士>の攻撃を通してしまえば、後がなくなってしまう。

 しかし<屑鉄の一撃>を握ってたらブロックされてもダメージが入っていたが、握っていなかったようで、そのまま<奇術師 イリュージョン・ハンズ>でブロックされてしまった。

 

「……俺は<屑鉄の炉心>の効果でカードを1枚ドローしてターンエンド」

 

 防がれたのは<屑鉄の戦士>と1体の<屑鉄住まいの鼠>の攻撃。

 よって与えられたダメージは4点。

 <屑鉄住まいの鼠>は<機構奇術師 ローベル>にブロックされたため戦闘破壊された。

 ボードが俺のターンを知らせる。

 不動プロのプレイングで現実逃避していたがいい加減認めよう。

 

「俺のターン、レディ・アップキープ・ドローフェイズ」

 

 先程まで身に付けていた衣服が変わり、やや露出の増えたものになっている。

 ビキニトップのような胸部を覆う何かとホットパンツ。

 足には左右非対称なダメージソックスとややヒールが高いブーツ。

 おまけにボロ布とも呼べる見た目のフード付きマント……いや、ローブかこれ?

 首にも何かある感触があるのでおそらくチョーカーでも巻かれているのだろう。

 

「ライフデッキから1枚墓地へ置き、メインデッキから1枚ドロー……」

 

 引いたカードを確認する。

 コスト4の幻獣。このデッキには1種類しかない為次の動きは決まった。

 

「【無手】このカードをドローした時コストを支払わずに召喚する。その後、デッキから<無手ノ悪魔>か<契約>のカードをいずれか1枚を手札に加えるか墓地へ送る」

 

 <無手ノ悪魔 コーラー>を召喚してカードをサーチする。

 サーチするカードはコスト1魔法<悪魔龍降臨の契約>。

 

「コスト1支払い、魔法<悪魔龍降臨の契約>をプレイ」

「そのカードは──ッ!?」

 

 不動プロが何か反応した気がするが、よく聞き取れなかった。

 俺は場のコーラー2体を生贄に捧げて追加効果を得る。

 

「漆黒の帳 その深き闇より冥府の瞳は見つめる 開眼せよ! <無手ノ悪魔龍 ワンハンドレット>!!」

 

 3体のワンハンドレットが顕現する。

 制約としてこのカードで出した幻獣でしか攻撃出来なくなるが、大きな火力で殴れば問題ない。

 そして1体の効果を起動した。

 

「1体目の効果を起動。墓地の同じ色の、つまり黒の幻獣を除外してそいつの効果を得る。除外するのは<無手ノ悪魔 ミラーシ>」

 

 墓地にはコーラーが2体。

 つまり今から行うのはこの2体の蘇生。

 

「ミラーシの効果を得たワンハンドレットをリリースして墓地からコーラーを2体蘇生させる」

 

 手札0枚での召喚のため、カードを2枚墓地へ。

 送ったカードは<無手ノ悪魔 ミラーシ>と<無手ノ悪魔 イビル・セージ>。

 

「【無手】墓地へ送られたことによってイビル・セージの効果が起動。デッキから<無手ノ悪魔>1体を墓地へ、俺は<無手ノ悪魔 ベトレイア>を墓地へ送る」

 

 そしてもう1体のワンハンドレットの効果で墓地のミラーシを除外して効果を得る。

 そしてリリースしてイビル・セージとベトレイアを蘇生。

 

「ベトレイアをステイして効果を起動。コイツを相手の場に送りつける」

 

 ちなみにベトレイアにはブロックが出来ない効果を持っているので嫌がらせにもなる。

 まぁ、これも茂札に仕掛けたら返しのターンの前に簡単に瞬間魔法のコストにされたけどな! チクショウ!

 

「そんで自分の土地を任意の数ステイにして場のイビル・セージの効果を起動。デッキからステイした分のコストのカード1枚を手札に加えるか墓地へ送る」

 

 墓地へ送るのはコスト3魔法<煉獄への扉>。

 メインでやることはこれで終わったためバトルに移る。

 デストロイの攻撃はローベルのブロックにより相打ち。

 そしてワンハンドレットの方は……。

 

「<悪魔龍降臨の契約>の効果によりワンハンドレットには【速攻】が付与されているためそのまま攻撃! インフィニティサイト・スクリーム!」

 

 そして攻撃時に自分の場にいるワンハンドレット以外の<無手ノ悪魔>の数、つまり5体分スタッツが上昇し脅威の10/10。

 これが通れば勝ちに近づけられる。

 

「……その攻撃に連鎖(スタック)します」

 

 だがそう簡単には通らなかった。

 男は自身の場の<奇術師>幻獣を任意の数、イリュージョン・ハンズとピジョン・ハットを墓地へ送り手札から魔法をプレイする。

 

「魔法<変身マジック>。攻撃中の幻獣を破壊し、その後私の場の幻獣1体を送りつけます。と言うわけでお返ししますね──グッ!?」

「ベトレイアはコントロールが移る際、手札が存在するとコントローラーに2点のダメージを与えてから場を移るんだよ」

 

 だから除去方法は生贄にする必要があったんですね。

 24から22へ相手のライフが減る。

 捲れたライフカードはどちらも効果付きの土地。

 だがこれで終わりだと思うなよ。

 

「……そして破壊されたワンハンドレットの第3の効果。デッキからとあるカードを目覚めさせる」

 

 いつのまにか俺と不動プロの真上に心臓のような石のオブジェが現れる。

 吊り上がりそうになる口。

 抑えようにも、もう抑えきれない。

 脈動する石造りの心臓に右手をかざす。

 

「……キヒッ。我が神を目覚めさせるとはなかなか良い踊りだったぞ?」

 

 俺の口が勝手に動く。

 しかし同時に、この感覚になぜだか懐かしさを覚えていた。

 

「だが、まだまだ足りねぇみたいだ。まぁそうだろうよな。あんなチンタラした踊りじゃあ満足出来ねぇよなぁ!」

 

 心臓から大きな衝撃が走り、逃げる男の横を掠める。

 衝撃が当たった地面は大きく抉れており、直撃してしまえば命はないだろう。

 腹の底から笑いが込み上げてくる。

 

おい! しっかりしろ! 自分を見失うな!

 

 誰かが叫んでいる。

 けれどこんな愉快な気持ちを抑えられるわけがない。

 

「あ、あぁ……」

 

 いつの間にか黒い液体を心臓が吸収し、激しく脈動している。

 時は満ちた。

 

(くう)を見上げよ そして畏怖せよ 是なるは封ぜられし一柱への楔 解放の刻 ここに来たれり……!」

 

 脈動する心臓が止まる。

 そして眩く光を放つと、それは現れた。

 

「降臨せよ <巨縛神 Grande Monarc(グランデ・モナルク)>!!

 

 背後から巨大な人型の影が伸びる。

 視線をそちらに向けると、カードのイラスト通りの姿でそれは現れていた。

 まるで、地面から這い出てきたかのように。

 

「降臨したグランデ・モナルクの効果! 貴様の土地を全て墓地へ送る! ランド・サブサイデンス!!」

 

 【速攻】を持たないため出ただけで終わりだが、相手の土地を破壊することができた。

 あとはじっくりと嬲るのみ。

 

「エンドフェイズに移行。この瞬間、墓地に存在する<煉獄への扉>の効果! このカードを墓地から除外し、自身の場の幻獣1体を生贄に捧げてデッキからコスト0秘宝<煉獄門>をセット。そしてターンを終了する」

 

 生贄に捧げるのは<間抜けな傭兵>。

 ワンハンドレットによる召喚ではグランデ・モナルクの自壊を1ターン遅らせられるためそのままターンを渡す。

 が、土地を全て流されてしまった為に、やつの土地はせいぜい1つまでしか増えない。

 

「わ、私のターン……ドロー」

 

 土地は引けたようで1つおいてターンは不動プロへ。

 だが、彼は何故かデッキに指をかけない。

 

「……あ? どうしたんだ?」

「お前は……何者だ!」

 

 突然投げかけられる疑問。何者かと言われれば俺は俺だとしか言えない。

 と言うかせっかく気分が良くなってきたと言うのに急に水を差してきたが、もしやこの人も敵なのか?

 

「何故お前がそのカードを……<巨縛神 Grande Monarc>を持っている!」

 

 荒いハンドリングで彼はそう問いかけてくる。

 そうは言われてもこのカードは──に_.-.・_──俺が元々持っていたカードだ。

 

「ああ? んなこた今はどうでも良いだろ。リュ・ウ・セ・イ?」

 

 だから彼の名前を呼んでやる。あれ? なんで俺は不動プロを名前で呼んでいるんだ?

 だが、不動プロと呼ぶよりかは違和感がない。

 

「っ!? ……俺のターン、ドロー!」

 

 やっとそれぞれのデッキからカードを引く。

 土地を増やし、場に幻獣は増やさずそのまま攻撃を彼は選んだ。

 

「<屑鉄の戦士>で攻撃!」

「チィッ! <機構奇術師 ローベル>でブロックします!」

 

 場に残っている幻獣は多くない。しかし、23もダメージを軽減させる手段がない為ブロックせざるをえないのだ。

 その瞬間、リュウセイは魔法を割り込ませる。

 

「コスト2支払い、瞬間魔法<屑鉄の一撃>! ジャンク・フィストォォオオ!!」

「グッ……ローベルは自身の場の<奇術師>をリリースすることで破壊を逃れられる……!」

 

 手札交換要員であった<奇術師 ザ・シード>を破壊してローベルは生き残る。

 それでもダメージを受けた事に男は驚いていた。

 いや、こいつリュウセイのファイトを見た事ねぇのか?

 と言うか<屑鉄の一撃>はお前が現れる直前でも使っていた筈だ。

 

「だが【貫通】の分のダメージ、17点を受けてもらう!

 そしてエンドフェイズへ移行。<屑鉄の一撃>のさらなる効果で<機構奇術師 ローベル>を破壊する!」

 

 風前の灯。

 ローベルは破壊という処理であればそれを味方に押し付けて生き残ることができるので、現状残っているのはローベル1体。

 

「……キヒッ。俺のターン、ドロー」

 

 ライフデッキからカードを1枚墓地へ置き、メインデッキの1番上のカードを確認する。

 コストが足りずにプレイできない魔法カード。

 ならコストにしてしまおう。

 

「<煉獄門>の効果を起動。コスト1と手札1枚を捨てる事でこのターン、我が神は相手ファイターに直接攻撃が可能となる……これで終いだ!」

 

 コイツを始m_.-.・_倒す時が来た。

 バトルフェイズへ移行し、攻撃を宣言する。

 

「踊れ! 死のダンスを! そしてその淵で自身の犯した過ちを悔いるが良い!

 我が神グランデ・モナルクよ、裁きの鉄槌を振り下ろせ!!」

 

 のっさりとした動きで拳を構える巨大な影。

 ゆっくりとこちらへ振り下ろされる拳が近付くたびに風が強くなる。

 

「やめろ! このままではあの男が死んでしまう!」

「俺を信じて下さい、()()()()

「っ!?」

 

 振り下ろされた拳は遥か前方の大地を砕く。

 その衝撃は凄まじいが、何故だかバイクで走行していた俺たちに被害はなかった。

 逃げていた男はと言うと、その衝撃で吹き飛ばされて気絶している。

 

「……アンティはカードに生命力を奪われる、だったみたいだな」

「不動プロも体験したことあったんですね」

 

 まさかこの人からこの手でのアンティという言葉が出るとは思わなかった。

 いや待て、そう言えばこの人は中学時代にヤンチャしていたって話もあったっけ。

 

「とりあえずこのカードは俺が預かろう。稀に闇のファイトを挑まれていたからツテはある」

 

 そう言いながら彼はハンカチでカードを包め、さらに密閉タイプのプラスチックの袋に詰める。

 俺もここ最近は何度か絡まれて顔見知りの人がいるが……心配されるのも面倒だし黙っておくか。

 

「……ところで君はその……早着替えが得意なのか?」

「人が必死に目を逸らしていた現実を突きつけてくるの、やめてくれません?」

 

 ファイトが終わったはずなのに姿はまだ戻る様子がない。

 それなのに、淡い青の炎の壁は弱まり、都会の騒音が聞こえて始めている。

 

「す、すまない。とりあえずはレストランに戻ろう。今頃君の友人は心配している筈だ」

 

 そう言いながらバイクに跨り、方向を来た道へと向ける。

 装いが戻る気配がないが、この姿で歩き回るよりかはバイクで戻った方が精神衛生的に助かる。

 

「……お願いします」

 

 

 

 

 

 

「わぁ、似合っとるね、キョウカはんっ♡ とても愛らしいわぁ!」

「しれっと触ろうとするな」

 

 レストランに戻ると、既に救急車が倒れた客を運び出している最中だった。

 また、ファイトポリスも来ており、戻ってきた不動プロと不動プロと対戦していたプロファイターが対応してくれている。

 

「いやぁ、鬼柳ちゃんお疲れ様だねぇ」

「あ、おやっさん」

 

 格好がまだ戻っていなくて恥ずかしいが、この人は怪しい格好だって思ったのか一瞬だけ警戒するだけで特に何も言ってこない。

 それはものすごく助かる。

 

「百鬼のお嬢様はこれからお迎えが来るみたいだけど、鬼柳ちゃんはどうするんだい?」

「あー、スマホにメッセージが溜まってたんでいったんMeeKingってカードショップに寄ってから帰ろうかなと。この時間ならギリまだやってるんで」

 

 陽は完全に落ちきっていない。

 制服も回収したし、財布を店に忘れていたみたいだからさっさと回収したい。

 

「ああ、あそこか。ならおじさんの部下が送ってあげよう」

「マジっすか。助かります」

 

 百鬼が何か言おうとしたタイミングで彼女の従者が到着し、彼女を回収する。

 ただ、なぜか百鬼は抵抗するので、無理矢理車ませ引き摺ってだが。

 

「むぅ〜! キョウカはん! それな格好でわえを誘惑しておいてお預けなんて意地悪やぁぁああ〜〜!!」

 

 そう叫んで彼女は連れてかれた。

 ……と言うかそろそろ戻ってくれよ俺の服。

 

『……承った、我が神子よ』

 

 謎の声が聞こえたと同時に、身に纏っていた装いが粒子へと変わり、変身前の袖がレースの黒いワンピースドレスに戻りはじめる。

 そして完全に戻ったことを確認してからレストランの更衣室を借りてすぐに制服を着替える。

 

「おやっさん、待たせてごめん」

「全然問題さ。それじゃ出発するよ。

 ……安全運転で頼むぞ」

 

 こうして長い午後が終わる。

 

 ちなみに、渋滞のせいでMeeKingに到着した頃には、茂札とサレンが閉店作業を開始していたのでギリギリ明日の朝と昼の飯が無くなるところだった。危ねぇ。




 降臨せしは我らが偉大なる君主である
──<巨縛神 Grande Monarc(グランデ・モナルク)

 コスト10
 色:黒
 タイプ:縛神・悪魔
 8/8
 【縛神】……タイプ・フィールドのカードが存在しない場合この
 このカードは指定攻撃の対象にできない。
 カードは破壊される。タイプ・フィールドのカードが存在する場合このカードは効果では破壊されない。
 このカードは指定攻撃の対象にできない。
 このカードが召喚に成功した時、相手の土地を全て墓地へ送る。
 このカードが相手のコントロールする幻獣を戦闘破壊した時、その攻撃力分のダメージを与える。

 開け! 我らが故郷へのも──か、身体が燃える!?
──<煉獄門>

 カードタイプ・フィールドの秘宝。コストを支払えば自身の場の幻獣を一体選んで相手プレイヤーに直接攻撃できるようにするサポートカード。
 しかし、効果を使用したターンのエンドフェイズ時に、自身に捨てた手札の数だけのダメージを受ける。(大抵効果を使うときは勝負を決める時なので実質デメリット0)

【蛇足】
 なんか知らんけど主人公に命衣流が生えてきた。(予定外)
 あと【02】から急に朧げながら浮かんできたので外伝漫画のワンシーンの切り抜きという体でこの妄想を吐き出しております。
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