神話好き、神ゲーするってよ。   作:インビジブルです男

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自分の描きやすい小説のタイプがようやく分かってきました。
最終的に私は俺TUEEEE!系に行き着くようです。
苦手な方はブラウザバックを推奨します。


第1章
プロローグ


とある日の大学の一室。

講義が終わり、学生達が和気あいあいと帰宅の準備を進め、雑談と笑い声が交じる中、ノートを取り続ける者が1人。

容姿は整っているものの、その雰囲気は何処か近寄り難いもの。

 

彼の名は神城 昭一朗(かみしろ しょういちろう)

神話を愛す自意識過剰な天才大学生であり、中世テーマのゲームが好みの青年だ。

彼のノートには講義内容ではなく、古代語の神名が並んでいた。

 

「...ケテル、冠...世界の秩序を定める“始まりの光”...っと。」

 

ノートを閉じた瞬間、講義室の喧騒が戻ってくる。

 

「お前またそれかよ。就活どうするん?」

「神話研究家みたいな職業、ないと思うぞ?」

 

友人が笑いながら話しかけると、昭一朗は鞄を肩に掛けてこう述べた。

 

「いや、お前は何も分かってない。神話は人類の歴史そのものだ。神話を見れば人類がどんなことを恐れていたかがわかるし、人類が神に何を託したか、何を願ったかがよーく分かるのさ。」

「つまり、神話を知ることは人間の根幹を理解するってこと。」

 

真顔で語る昭一朗に、友人は肩を竦めた。

 

「その熱量をレポートに活かしてくれれば、教授も泣いて喜ぶんだけどなぁ。お前はっきり言って天才だし。」

「それで?それを理解したら就職出来るのか?」

 

「まあ、一応歴史を学ぶ過程で英語やドイツ語、スペイン語は話せるようになったし、まあ何処か雇ってくれるでしょ。」

 

「お前の頭脳が羨ましいぜ...」

 

友人は鞄を肩にかけると、講義室を出るべく歩き出す。

 

「じゃ、またな!」

「夏休み、ちゃんと課題終わらせとけよ!」

 

「わかってるさ。じゃ、また。」

 

友人が講義室から立ち去り、残ったのは昭一朗だけになった。

 

「特にやる事もないし、今日はもう帰ろうかな。今日は『あのゲーム』が届いてるだろうし。」

 

昭一朗はノートを鞄の中に入れ、講義室を後にした。

 


 

自宅に戻ると、郵便受けには包みが1つ入っていた。

宛名は確かに『神城昭一朗』で、差出人は大手通販サイト『OASIS MALL』。

 

「これがあのゲームだろうか。」

 

昭一朗はそれを抜き取り、玄関のドアを開けて自室に戻ると、その包みを開封する。

すると中から出てきたのは、VRゲームの中でも最高峰の完成度を誇るとされている『シャングリラ・フロンティア』のパッケージが現れた。

 

「見るからに面白そうだ。」

 

昭一朗は今まで数々の中世がテーマのゲーム、そして魔術があるゲームをやってきた為、世界中が熱狂するシャンフロにはかなり期待を抱いている。

シャングリラ・フロンティア―

昨年の春に発売されたゲームであり、プレイヤー数3000万人を誇るゲームだ。

少数派たるアンチが圧倒的な数のファンに押し潰される程の人気を誇り、世界が認める神ゲーである。

中世程の文明でありながら、SFの要素を違和感なく組み込んでいる世界をプレイヤー達『開拓者』は惑星ユートピアという星を探索するゲーツだそうだ。

 

昭一朗はパッケージからソフトを出し、機器に挿入し、VR機器を頭に取り付けてベッドに身を投げ出した。

フルダイブ型VRゲームが主流となったこの世界では、体を動かす必要は無くベッドに寝転べばゲームを楽しむことが出来る。

しかしその反面、ゲームに夢中になりすぎて栄養失調、水分不足、熱中症等で死んでしまうことがあるそうだ。

そのため昭一朗のベッドの下にはたくさんのお茶と保存の効く食べ物が保管されている。

 

「よし、起動っと。」

 

昭一朗がVR機器の電源をつけると、視界が真っ白に染まる。

 

「期待を裏切らないでくれよ、シャングリラ・フロンティア。」

 

彼が着々と準備を進めると、ついにキャラクタークリエーションの画面が表示される。

 

「ほほう...髪型でもこれ程の種類があるとは...」

「僕が想定していた何倍も多いな。」

 

昭一朗が興味を示したのはカスタマイズの豊富さだ。

髪の色、目の色を始めに、アクセサリー、肌色、人種まで自由に作れる。

これだけで何時間も時間が潰せるだろう。

 

然し。

 

「でも、僕自身作るアバターは決まっている。」

 

昭一朗は数々のキャラクリがあるゲームで、だいたいアバターの見た目を統一している。

 

「髪型はウルフの黒、目は橙、性別は男...種族は人で身長は僕と同じ178と...」

 

そうして完成したアバターは目の色以外ほとんど昭一朗と同じもので、彼はそれを見てふぅ...と息を吐いた。

 

「さて、職業と出身を決めようか。」

 

シャンフロにおける職業は武器や魔法の適正、出身には上方補正、そして下方補正が組み込まれている。

 

「どれにしようか...せっかくならバランス重視で探索出来るものを選びたい。」

 

戦士は物理系の武器が得意だが、魔法関連はからっきし。そして魔法使いならば、魔法やMPに特化しているが物理はダメダメ...という感じである。

 

数多くの職業の中で彼が目を惹かれたのは...

 

「...『剣士』か。無難だが、丁度いいかもしれない。」

 

剣士。

多くの開拓者が通る『剣』の道だった。

 

「さて、次は出身か。」

「どうせなら、スポーン地がランダムなものにした方が面白いだろう。」

 

出身も職業と同じく数多くのものが存在し、彼は項目から候補を絞り出した。

 

1つ目は『彷徨う者』。

NPCから『警戒』される代わりに、行動による好感度の上昇値が高い。

探索エリアのどこかにスポーンするそうだ。

 

2つ目は『断章の探索者』。

筋力と耐久力に下方補正がかかる代わりに、器用と幸運に上方補正がかかり、探索エリアのどこかにスポーンするというもの。

 

最後に3つ目は『空位の冠を持つ者』。

初期スポーンが『神聖属性の残滓が強い場所』となり、尚且つ超低確率で『???』にスポーンし、初期全ステータスに下方補正がかかる代わりに、全ステータスの上限が引き上げられるというもの。

 

「では、空位の冠を持つ者にしよう。探索のしがいがありそうだ。」

 

出身を確定させ、昭一朗は名前を打ち込んでいく。

 

「名前は...ケテル。せっかく『冠』が名称についた職業にしたんだ、冠を意味する言葉にしなければ。」

 

最終確認のボタンを押して、いよいよゲームが始まると言ったところで、シャンフロのプロローグが流れ始める。

多くの人々はこのプロローグをスキップするが、昭一朗はゲームの設定をよく知る為にスキップはせず、しっかりとBGMと共に流れる説明文を目に焼きつける。

 

 

 

 

遥かな太古、神代と呼ばれる時代があった。 偉大なる神人達は後世に命を紡ぎ、その姿を消した。 時は流れ、神人の遺志継ぐ我々は彼らが願ったように地に広がり、そして大いなる命の流れを紡いでいく...

 

 

今を生きる我々は、歴史と遺跡の中に息づく過去の遺産から神人達の軌跡を辿る。 貴方は開拓者。東よりの風と共に現れ、幾度となく膝をつき、されど進み続け...そして風と共に消えるかもしれない者。

 

 

貴方の生きる意味は?

一振りの剣に己が身命を託す?

魔道の深淵を覗いて魔道の高みを目指す?

 

 

あるいは戦いの道を選ばないことも出来る。その全てがここにある。その全ては貴方の中にある。さぁ、一歩踏み出して。 未知を、未来を、そして可能性を切り拓いて。それがこの地に生まれ落ちし、神代よりの子らに課せられた使命なのだから。

 

 

 

神城昭一朗、プレイヤーネーム ケテルの、シャングリラ・フロンティアが遂にはじまる。




ケテルがシャンフロを始めたのは8月の始めなのでサンラクよりも若干遅いです。

黒い支配者の力の獲得時期(アニメ5話をこっちの2話として)

  • サンラクラビッツ訓練(5分間生存のやつ)
  • ウェザエモン戦直前
  • ウェザエモン戦後
  • アニメ22話くらい
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