神話好き、神ゲーするってよ。   作:インビジブルです男

3 / 4
もし神になれたら何作ろう。
国とか?


Aは創造者(Author)のA

オープニングの説明文が終わり、昭一朗もといケテルの目に入ってきたのは神殿でも教会でもなく、1面に青い花が広がる不思議な空間であった。

見上げれば青空や夜空は存在しなく、岩のみが広がる空間。

 

「綺麗なグラフィックだ。」

 

光源なんて存在しないのに、視界は青空の下と同じ程明るい。

ただ、照らしているのは太陽ではなく青い花弁そのものだった。

 

一輪ごとに淡い青の光が脈打ち、まるで呼吸しているかのようだ。

風はないのに花は揺れ、どこからともなく紙をめくるような微かな音が響く。

 

その中心には苔むした台座と手帳程の大きさの本が1冊。

 

「あれに近づけばいいんだろうか。」

 

ガイドは何もない。

ケテルは自身の勘が告げるまま本に歩み寄る。

彼が1歩進める度に花々が淡く光を強め、それはまるでケテル自信を空間が『読もう』としているかのようだった。

 

「凄いな。今まで僕がやってきたゲームの中で、1番の完成度だ。」

 

ケテルがそう言い放ち、遂に本の目の前に辿りつく。

本のタイトルは『創世の書』。

そう刻まれたその本は、誰かの夢を素材にしたかのように淡い光を放っていた。

 

「貰ってしまって構わないのだろうか。」

 

ケテルが『創世の書』に手を伸ばし、その表紙を捲った瞬間、視界が歪んだ。

 

青い花の光が粒子となって浮かび、音も熱も一斉に遠ざかる。

 

そして、声が響いた。

 


 

「此れより汝に示そう―創世の戦の記憶を。

我らが織り成した、始まりと終わりの連なりを。」

「嘗て、この世界には三柱の神が存在した。世界が構成される宇宙と、其れが込められた次元を一つに重ね、繰り広げられたたった一つの本を創りあげた者『青い創造主(オーサー)』。」

「空間と其の中で『軸』が定められた総ての存在に断続的な流れを与え、其れを自在に書き換える者『黒い支配者(マスターマインド)』。」

「然して、嘗て原始世界を満たしていた全ての不安定な存在の起源であり源『赤い満月(モナーク)』。」

 

視界が再び動き出す。

そこは、まだ「空」と「地」の境界すら曖昧な世界だった。

 

青い創造主(オーサー)が剣を振るう度に光を生み、理想のまま世界を創り出し、黒い支配者(マスターマインド)は指先で時間の流れを紡いでいく。」

「...だが、静寂の奥底――赤い月が鼓動を打った。其れは命でも物でも無い、只々他の『存在』を喰らい、増殖し続ける『純粋な力』。」

「軈て世界の秩序は罅割れ、宙が茜に包まれた時、オーサーとマスターマインドは手を止めた。」

「此れが、『創世戦争』と呼ばれる事になる戦いの発端だった。」

 

「ほほう...?」

 

ケテルは関心を示し、その声に耳を傾ける。

初っ端から神話関連の話題を聞かされて嬉しいためだ。

視界は青い大きな光輪を浮かばせた両手剣を持つ男と、黒い似たような光輪を浮かばせた男、そして茜の宙に浮かぶ真っ赤な月と、それを背景に赤い棘のようなものに囲まれた赤い光輪を2つ浮かせた男が戦う光景が映っていた。

 

赤い満月(モナーク)の力は強大だった。青い創造主(オーサー)黒い支配者(マスターマインド)が協力したとしても、我々が誕生する以前から絶対的な力を保持していた奴には叶わなかった。」

「奴が一度拳を振るえば大地が割れ、赤い閃光が天から降り注ぎ、我々は敗北した。」

「だが、黒い支配者(マスターマインド)が時を止める事で、漸く奴にも大きな隙が出来た。彼は瀕死の重傷を負いながらも赤い満月(モナーク)を封印する事に成功し、自らの力が失われぬようその力を地下深くに封じその生涯を終えた。」

 

赤い月は沈んだものの、ケテルの視界は闇で覆われた。

其れは戦の終わりを意味していたが、同時に指導者の消滅と星系の生物の死滅を意味していた。

 

「戦は終わったが、赤い満月(モナーク)は10万年に1度戻ってくる。封印が解ける日も近い。」

「人間がこの星に移り住んだが、創造主と支配者という絶対的な力を持つ者が居ない以上、奴が復活してしまえば太刀打ちはできまい。」

 

気づけばケテルの視界は元に戻り、心地よい青い光がその身体を出迎える。

手には『創世の書』が握られており、その頁はひとりでに風を孕み、淡い光を放っていた。

だが、あの声は耳に届いている。

 

「そこで、この空間に生まれ落ちた人間...いいや、神の器とも言えよう汝に我々の力を継承させようと考えている。」

 

その声と共に、手元の『創世の書』は青い片刃の両手剣に、台座は黒く白銀の装飾の施された無骨な鎧に変化する。

花々の光は4つの青黒い星と8つの棘が特徴の大きな光輪に変化し、星はケテルの両側に2つずつ浮かび、光輪は頭部の後ろに浮かんだ。

 

そして――声が聞こえた。

 

「神の器――ケテル。」

「我らが記録を読み解きし汝に問おう。混沌を封ずる意思はあるか。」

 

その言葉と共に、ケテルの目の前に【新職業:『創造主(オーサー)』が解放されました】【対応武器種:全て】と書かれたダイアログが表示される。

 

「いい...とてもいい...!」

「やって見せようじゃないか...貴方達が成し遂げられなかった事...赤い満月(モナーク)の討伐を!」

 

ケテルはダイアログを閉じて両手剣を握ると、鎧が身体に装着されて身体は宙に浮く。

 

「その返事を10万年待ち望んでいた...」

「後は頼むぞ...後継者よ。」

 

その言葉を最後に声は途絶え、ケテルの身体は光に包まれて消えた。

 


 

ケテルが気が付くとそこは空の上だった。

落下はせず、ただ空に浮いている。

 

「これが...シャングリラ・フロンティアか。」

「想像以上に奥が深いようだ。」

「さて、こういうゲームにはステータス画面がある筈だ。」

 

ステータスはとても大事な項目である。

現実においても同じことだ。

力が他者より多ければ力仕事を任せられ、頭が良ければ事務作業などの作業を任せられるだろう。

ケテルはゲームおいて、自分のステータスや育成方針に合ったゲームプレイをすると決めている。

力に割振ると決めたなら前衛で活躍するし、魔力に割振ると決めたなら後衛でバフを焚いたりしている。

 

当然、このゲームにもHP(体力)MP(魔力)STM(スタミナ)STR(筋力)DEX(器用)AGI(敏捷)TEC(技量)VIT(耐久力)LUC(幸運)の9つの要素が存在する。

 

筋力が高ければより強い武器を持てるし、魔力が高ければその分より強い魔法を撃てる―と言った具合だ。

 

彼は慣れない操作に戸惑いつつも、ステータス画面を表示する。

 


 

PN:ケテル

レベル:1

職業:創造主(オーサー)

 

体力 320 魔力 420

スタミナ 180

筋力 160 敏捷 140

器用 200 技量 260

耐久力 150 幸運 90

 

装備

右:創世の剣(ジェネシス・ドライブ) 左:なし

頭:光輪(エーテルクラウン)

胴:主の鎧装(スターシェイパー)

腰:調律帯(ニューラライザー)

脚:蒼靴(アーケイン・ステップ)

 

所持金:12000マーニ

 

スキル

 

・オーサライズ・ブースト

10秒間全ステータスを1.2倍。

クールダウン15秒

・イグナイト・ブレイブ

発動中、どんな攻撃でも1度だけ耐える。

成功時クールダウン25秒、失敗時100秒

・ルーメン・エディット

20秒間、範囲内の攻撃の属性を書き換えることが出来る。

クールダウン100秒

 

魔法

 

・アナザーレルム

無詠唱。

知覚できる範囲の好きな場所に移動可能。

戦闘時使用不可。

・レルムスワップ

無詠唱。

戦闘時、味方と自分の位置を入れ替える。

創造主の威光(オーサーズ・フレイム)

無詠唱。

20秒間、範囲内の味方の全ステータスが1.35倍。

 


 

「...これって相当強いよな。」

 

あまりの強さに絶句するケテルくんなのであった。




ちなみに神様の強さ順としては

青い創造主≦黒い支配者<赤い満月くらいです。
現時点のケテルくんでは赤い満月に太刀打ち出来ないので、今後成長する予定です。

黒い支配者の力の獲得時期(アニメ5話をこっちの2話として)

  • サンラクラビッツ訓練(5分間生存のやつ)
  • ウェザエモン戦直前
  • ウェザエモン戦後
  • アニメ22話くらい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。