マスターマインドの力の獲得時期はウェザエモン戦直前ということで。
よろしくお願いします。
「...これって相当強いよな。」
ケテルが自身のステータスを確認すると、そのステータス数値の高さに絶句する。
「それにしても、
「仮にも世界を1度滅ぼした相手だ。今の僕が勝てるとは思えない。」
空にはケテル以外に誰もいなく、冷たい風が吹く音のみが木霊する。
地上に視線を移せば、
「...とりあえずあの街に行ってみようかな。多少目立ってしまうが、ゲームの設定をもっと理解するには欠かせない要素だ。」
「それに、目の前でPKに襲われている人がいるというのに無視するのも気が引けるしね。」
ケテルはそう呟くと、その体は地面に向かって降下する。
青い閃光が空を切り裂き、ケテルはその2人の目の前に着地した。
爆発音とともに地面にヒビが入り、乾いた風に混じって金属の軋みが聞こえた。
「そこの君、大丈夫かな?」
「お...おう...」
砂煙が晴れ、
片刃の大剣が握られ、大きな光輪を浮かばせたその姿は正しく神そのものであり、威厳を感じさせる。
「派手な登場だね。まるで映画のワンシーンみたい。」
そう呟いた女の声は、どこか聞いたことがある声だった。
アーサー・ペンシルゴン...悪名高いPKクラン阿修羅会の副団長であり、かつて別のゲームでケテルがとある青年2人と打ち倒した鉛筆戦士その人だ。
「鉛筆戦士...かな?久しぶりじゃないか。ユナイト・ラウンズであの2人にボコられて以来かな?」
「君...まさかゲブラーくん?」
「そうだ。今はケテルとしてやらせてもらってる。」
「それで、大丈夫かな?サンラクくん。」
「全く問題ないが...まさかお前までこのゲームをやっていたとはな...」
「本当に嬉しいよ。まさか数少ない友達2人とこんな所で会えるなんてね。」
「君たちとなら普通に話せるし、かなり気が楽だよ。」
ケテルはそう言いつつも鉛筆戦士もといアーサー・ペンシルゴンと相対すべく大剣を構える。
「でも、僕は理不尽が嫌いなんだ。レベル28相手にレベル99が喧嘩を売るなんて、そう易々とスルーできるものではない。」
「殺るなら僕にしろ。」
アーサーは薄く笑みを零し、握っていた剣を弄るように構えた。
「そう意気込むのは構わないけど、君レベル1でしょ?」
「いくら見た目が派手だからって、慢心するのは良くないな!」
返す間もなく、彼女の足が地面を蹴り、風切り音と共に切りかかってくる。
動きは鋭く、一閃は肌に冷たい測りを入れるかのように正確。
ケテルはそれを大剣で受け流し、冷静に間合いを測る。
観察、そして研究。それが彼のやり方だ。
「【オーサライズ・ブースト】」
ケテルがそう唱えると、彼の両目から青い光が漏れ出し、動きが素早くなった。
「速い!!」
ペンシルゴンの目の前からケテルは消え、 その姿は突如として目の前に現れる。
ケテルは一瞬にしてペンシルゴンの剣を投げ飛ばし、その首に大剣を振るう。
殺意が込められた不可避の一撃。
だがその剣は首筋に届く直前で止められ、ペンシルゴンがキルされることはなかった。
「このくらいで十分だろう。僕とて、PKする趣味は無い。」
「凄いね...レベル1でこの強さ、チートでも使ったの?」
「チートを使う程僕は弱くない。あんなの使って何が楽しいのか、理解に苦しむよ。」
「うちの弟とは正反対だね...」
「とりあえず、許して貰えたってことでいいのかな?」
「まあ...そう?」
ケテルは真顔で大剣を担ぎ、戦闘態勢を解除する。
「ま、借りは返すよ。そのうちね。」
ペンシルゴンがそう軽口を叩くと、サンラクが肩を竦めた。
「『そのうち』って...また面倒事に巻き込まれそうな予感だな。」
「面倒事も、コツコツやっていけば自ずと無くなっていくものだよ。」
「はぁ...疲れた。これからどうしようかなぁ。適当に
「何の話だ?」
「何でもない。こっちの話。」
「ひとまず解散にしよう。僕は寝る。」
「分かった、じゃあな!」
「またねー。」
「うん、また今度。」
こうしてケテルはシャンフロからログアウトし、眠りについた。
一応ここで言及しておきますが、本作ヒロインは斎賀 百です。