「わーたーしーがー、普通にドアから来たっ!!」
バンッ───
勢いよく開かれた扉の向こうから、オールマイトの巨体が現れる。相変わらず彼だけ画風が違うように見えるが、それが彼らしさなのだろう。
今日行われるのはヒーロー基礎学。
その名の通り、ヒーローとして活動するための基礎を築く授業である。本日の内容は戦闘訓練。
そしてそれに合わせて、入学前に提出した個性届と要望書に基づき、各自の個性に適した戦闘用コスチュームが配られるという。着替えを済ませた者から順にグラウンドβに集合との指示が下された。
もっとも、ソロは変身の個性だ。
どうせ姿を変えるのだから服など不要だと申請していた。だが、1人だけないのは良くないと判断されたのか、普通にコスチュームが送られてきていた。毛髪と細胞が欲しいと言われた時はギョッとしたものだが、断るのも不自然なので提出した。あれはこの為だったのだろう。
(これに着替えろってことか……なるほど。悪くない。道化師みたいな格好を想定してたけど、こっちの方が俺らしい)
驚くべきことに、そのデザイン案は黒い狐をモチーフとしていた。本来の異形の姿を誰にも見せたことがないのに、偶然にしては見事だった。
彼のコスチュームは中華風。
赤と黒を基調にした漢服のような衣装に、金の刺繍が走る。肩から流れる赤いマントの縁には、白銀のファーがあしらわれ、顔の上半分は狐面で隠されていた。
5分ほどで全員が集合した。グラウンドβには、入学試験でも使用されたような人工の住宅街が広がっている。まるで映画のセットのような光景に、ソロは改めて思う。
(……いったいどこから資金が出ているんだ?)
そんな場所で今日は対人戦闘訓練を行うという。しかも室内戦。昨日今日と、またしてもソロに有利な形式だった。彼は戦い方を本能で知っている。素人の学生に遅れを取るはずもない。
「軟禁、監禁、裏商売……このヒーロー飽和社会において、真に賢しい敵は屋内に潜む!これより“ヴィラン組”と“ヒーロー組”に分かれ、2対2の屋内戦を行ってもらう!」
状況設定は単純だ。
ヴィランがアジトに核兵器を隠し、ヒーローはそれを奪還しようとしている。ヒーローは時間内にヴィランを捕まえるか、核を確保すれば勝利。ヴィランはそれを守り切るか、ヒーローを捕まえれば勝利。単純明快、実にわかりやすい。
ペアと対戦相手はクジで決定。ソロの相棒は糖分を摂取するほどパワーが上がる個性の少年、砂藤になった。
最初の対戦は緑谷、麗日ペアVS爆豪、飯田ペア。緑谷と爆豪の間には何やら根深い因縁があるようで、序盤から火花が散っていた。結果はヒーロー側、緑谷麗日ペアの勝利。実戦なら論外の動きだが、子供同士の訓練としては十分だろう。
続いて第二戦。ヒーロー側は轟、障子ペア。ヴィラン側は尾白、葉隠ペア。こちらは一瞬で終わった。轟が開始と同時に建物ごと凍結させ、勝負あり。
(轟……確かNo.2ヒーロー、エンデヴァーの息子が雄英にいるって言ってたっけ。それがあいつかな?でも炎のヒーローの子供が氷だけってなに……?)
そんな考えをめぐらせている間に、第三戦。ソロ&砂藤VS常闇&蛙吹の番となった。ヴィランチームとして、彼らは核兵器のある部屋に配置される。
「なぁ、どうする?相手は蛙吹と常闇だろ?」
「蛙吹梅雨、蛙のような動作が可能な個性。常闇踏陰は影のような者を具現化して操る能力ですね」
「なんで知ってんだ?」
「体力テストの時、話しているのを聞きましたから。にゃは!こういう訓練があると少し考えればわかりそうなものを……自分の個性を軽々しく晒すとは、愚かとしか言えませんね。弱っちい個性のくせに、情報戦でまでリードを取られるようではお話になりません」
「弱っちいって、お前なぁ……言い方キツいだろ。それに愚かって……お前も言ってたじゃん、変身だろ?」
「わはは!僕は何も言ってませんよ。貴方達が勝手に推測しているだけです」
「えっ、違うのか!?」
「さぁてさてさて、どうだったかなぁ?」
「俺味方だぞ!?なんで俺にも隠すんだよ!?」
「にゃはは!」
砂藤の抗議を軽く受け流し、ソロは下の階へと視線を落とす。開始の合図が鳴ったのだ。おそらく敵ペアは慎重にこちらを探っているのだろう。
「無意味なことですね」
「……何が?」
砂藤が首を傾げる。ソロはその問いには答えず、ゆっくりと指を上げた。白い指先が、天井の角、監視カメラを指していた。
「さぁ今週も始まりました、ヒーローチャンネル!パーソナリティの福州ソロです。さてさてさぁて、今日も輝かしい未来のヒーロー候補たちのくだらない努力と尊い勘違いを、存分に見物していきましょうか!」
「なんだ急に!?定点カメラは音声ないぞ!」
砂藤が目を丸くするより早く、ソロはマントを翻した。狐の仮面がわずかに傾き、その口元が妖しく笑う。
「ヒーローってエンターテイナーでしょう?まあ今は、ヴィランなんですけどね!楽しくやりましょう!」
「ふざけんなって!」
と、砂藤が反射的に怒鳴る。しかしその声を遮るようにソロはくるりと背を向け、軽く手を振った。
「噛み殺してきます!」
それだけを残し、迷いのない足取りで部屋を出て行く。勢い余って追いかけかけた砂藤だったが、ドアノブに手を掛けたまま、歯噛みして踏みとどまった。自分まで出れば、守るべき核が無防備になる。
「……何なんだよ、あいつ」
低く吐き出すように呟くと、砂藤は大きく息を吐き、壁にもたれた。
* * *
「常闇ちゃん、誰か近づいてくるわ」
「構えろ、ダークシャドウ」
蛙吹は小さな声で常闇に伝える。薄暗い廊下を進む2人の足元には割れたガラス片が散らばり、時折かすかに音を立てた。湿気を帯びた空気が重く、耳の奥で自分の鼓動が響くほどの静寂。
(……来る。まっすぐ、こっちに)
振動。
壁を伝うその波は確かに誰かの足取りだった。軽やかで、獣のような規則正しい間隔で響く。次の瞬間、曲がり角の影が伸びる。狐の面を被った男が、ゆっくりと姿を現した。仮面の下から覗く口元が、愉悦に歪んでいる。
「今だ、ダークシャドウ!」
常闇の声と同時に黒い影が獣の形を取り、ソロに襲いかかる。しかしその一撃は、彼の鱗を纏った腕に軽く払われてしまった。
「にゃはっ。不意打ちはヴィランの十八番でしょう?ヒーローは正々堂々と戦わなきゃダメじゃないですか!王道をご存知ないとは、ド素人ですね」
大げさな身振りで肩をすくめながら、ソロは胸に手を当て、一礼した。その動作すら芝居がかっている。
「そしてハロー、御二方。僕は超絶すんばらしいヴィランの福州ソロです。貴方たちが一生懸命索敵して、勝とうとする意地らしい音を聞いてね……居ても立ってもいられず、こうやって出て来てしまいました。万に一つもない勝機を必死に探す姿は、実に愉快ですよ」
その声は低く、舌で転がすように甘い。だが、次に紡がれた言葉には耳を疑った。
「こんな愉快な気持ちになったのは、10年前に行方不明になった娘をいまだに必死で探す女を見た時以来かな?どうせもう死んでるのに、必死にポスターを配ってね。全くもって時間の無駄ですよ。そんなに子供が欲しいのならまた産めば良いのに。
同じ同じ。今回は勝ち目なんて最初から無かったんですから、さっさとリタイアして次の訓練に賭けるのが賢明でした」
「そんな酷い事、冗談でも言っちゃダメよ。福州ちゃん。私たちを見下すだけならまだしも、関係ない被害者を嘲笑うのは良くないわ」
「邪悪……」
ソロはその反応を見て、わざとらしく肩を震わせ笑った。
「良いですねぇ、その表情。あぁ、最高だ。……昔を思い出します。悪い奴を倒してやるのだという、その顔。ムカついてムカついて、捻り潰してやりたくなります」
ソロは笑顔でじりじりと距離を詰める。二人は息を呑み、一瞬視線を交わした。退くしかない。常闇がダークシャドウを広げ、その影が二人の姿を覆う。蛙吹はその隙に窓の外へ飛び出した。
「こら!ヒーローが逃げちゃダメでしょう!」
ソロがそう言うと同時に、壁を殴り砕いた。飛び散るコンクリート片を掴み、瓦礫を思い切り投げつける。常闇は咄嗟にダークシャドウで防御を指示した。だがその瞬間、腹部に衝撃が走る。ソロは、常闇の意識が防御に意識が向いた一瞬で彼の懐に入り込んだのだ。
「ぅぐッ!」
影が揺らぎ視界が反転する。次の瞬間、後頭部に蹴りが叩き込まれ、意識が暗転した。床に崩れ落ちる常闇をソロは容赦なく踏みつけた。首筋に体重をかけながら、明るい声で叫ぶ。
「蛙吹梅雨〜?戻ってこないと彼の頸椎へし折りますよ〜?」
仮面の下の口元は、子供のように笑っている。
(さてさて、アイツはどっちを選ぶかな……?勝利か、仲間か)
唇を舐め、仮面の奥で瞳が細まる。
『福州少年!分かってると思うけど、動けない相手を痛めつけたらその時点で失格にするからな!』
オールマイトの声がスピーカーから響いた。
「分かっていますとも。僕はただのエンターテイナー。こんな場所で一線を越えるわけないでしょう」
そう言いながら、靴底で常闇の頭をぐりぐりと押しつける。すると、『本当に分かってるのかな!?』と困惑した声が返ってきた。
次の瞬間、ソロの左腕が動く。
反射的に空気を掴むように手を伸ばすと、ぬるりとした感触が掌に絡みついた。
「ケロッ!?」
蛙吹の驚いた声。掴まれたのは彼女の長い舌だった。
「だから、不意打ちはヴィランの十八番だって言ったでしょう?」
掴んだ舌を一気に引き寄せる。蛙吹はその力を利用して蹴りを放つが、ソロは軽く身体を捻ってそれを受け流した。バランスを崩した彼女が後ろに倒れそうになる瞬間、ソロは左手で蛙水の手首を掴み、背中で支えた。まるで舞台上のダンサーのような姿勢。
「一曲いかが?お嬢さん」
「……遊んでるのね」
「こんな訓練を本気でやれと?」
「あなた、意地悪なのね。本気で相手をしてもらえないっていうのは結構傷つくのよ」
「ははは!本気を出したら粉微塵にしてしまうじゃないですか!」
「まあ良いわ。そうやって油断してくれてる方が助かるもの」
「何か誤解があるようですねぇ。僕、慢心はしていますが油断はしていないのですよ」
2人の間に、わずかに湿った風が流れた。狐と蛙。仮面の奥の笑みと、猛獣のような瞳と、真ん丸な黒い瞳が交錯する。次の瞬間、また動いた。
ソロは蛙吹が己の右手に結ぼうとしていた捕獲用ロープを奪い取った。蛙吹の指先が結び目を締め切るよりも早く、ソロの掌がそのロープを掴み、無造作に振り払う。ロープが宙を舞い、乾いた音を立てて遠くの床に落ちた。
「ッ……!」
反射的に蛙吹は舌を伸ばした。だがソロはそのわずかな予備動作を察知していた。彼は左手を離し、蛙吹の顎を持ち上げた。蛙吹の舌が伸びきるより早く、無理矢理に口を閉めさせてのだ。舌を思い切り噛んでしまった蛙吹は痛みに顔を顰める。
同時に、彼はまるで優雅なダンサーのように身体をひねり、蛙水の身体を軸に回転する。視界が一瞬で反転し、蛙吹の背中に壁が迫る。
次の瞬間、乾いた衝撃音が響いた。
壁に叩きつけられた蛙吹の頭が鈍く弾み、足元に砂煙が散る。頭蓋に衝撃が走り、世界が揺れる。耳の奥で鐘の音のような響きが鳴り、蛙吹はその場に崩れ落ちた。脳が揺さぶられる痛みに目の前の光が滲んでいく。
「きゃは!頭骨折れましたか〜?大丈夫〜?」
ソロは床に倒れ込んだ蛙吹の腕を取り、滑らかな手つきで背中の後ろに回す。彼女の体がかすかに震え、「ケロケロ……」と息を詰まらせる。
そのまま捕獲用のテープを引き抜き、手早く結んでいく。結び目は乱雑で、不器用なほどに歪んでいたが、最終的にはリボンのような形を成していた。
「にゃはは!これではとても訓練とは呼べませんね!」
「ケロケロ……」
「実力が違いすぎる」
ソロは倒れ伏す二人を見下ろした。瞳に宿る光は冷たく、しかし愉悦に満ちていた。ソロは視線を定点カメラに向けると楽しそうに手を広げる。
「さぁて、なんのためにならない無駄な時間が終わりました!人助けよりも人虐め!皆さん明日も楽しく無責任に生きましょう!ではではでは、今日の放送はここまでです!バイバーイ!」
そう言ってマントの裾を翻し、肩を揺らして笑う。その姿はまるで舞台の幕が下りた後に去っていく主演俳優のようだった。
訓練が終わり、4人は待機室へと戻ってくる。蛙吹と常闇、砂藤は椅子に沈み込むように座り込み、ソロ以外の3人は露骨に肩を落としていた。部屋の空気には敗北の重苦しい沈黙と、わずかに残る緊張の余韻が漂っていた。一戦前と全く同じ光景だった。
「福州お前超強いのな!」
「肉弾戦もできるのか!漢だな!」
「すごいね!相手の攻撃をなんかこう、ヌルッと避けてた!」
「すごかったけどお前なんか酷い事言ったろ?2人の顔でわかった!そこは反省した方がいいぞ!」
ソロは笑みを浮かべ、軽く肩をすくめる。
「アハハハハ!コレがNo.1の力ってやつですよ。貴方たちみたいな雑魚キャラ相手に特殊なスキルは必要ないということ。クリボーを踏み潰してるだけなんですから、個性なんて必要ない。そして僕は顧みない!」
「ひっでぇ」
「ワンチャン爆豪より上だろコイツ」
「どっちかっつーと下だな」
生徒たちは半ば呆れ、半ば笑いながら騒ぎ始めた。張り詰めていた空気がようやく緩み、教室のような喧騒が戻る。だがその声を咳払い一つで制したのはオールマイトだった。
「さて、講評の時間だ!今回のMVPは誰だと思うかい!?」
「僕がNo.1。I’m CHAMPION」
「ウーン、自信満々!」
オールマイトは苦笑を浮かべた。
「じゃあ今の試合を見て、何か感想はあるかな?」
「ハイ、オールマイト先生」
静かに手を挙げたのは八百万だった。彼女の姿勢は凛としている。先ほどのように、誰よりも真っ直ぐに意見を述べた。
「まず4人の行動についてですが、福州さんの独断専行は決して褒められたものではありませんね。十分な説明もないまま砂藤さんを置いて行ってしまいました。通常であれば敗北してもおかしくない状況でしたが、ただ一つ、実力がずば抜けていたというそれだけで勝利してしまった、という印象です。
砂藤さんは、もう少し福州さんと意思の疎通を図るべきでした。置いて行かれた後に核の防衛へ回った判断自体は間違いではありませんが、通信などを通じて粘り強く連携を取る努力はできたはずです。
一方、常闇さんと蛙吹さんの連携は非常に良く取れていたと思います。戦術面でも優れた対応でしたが、結果として何も出来ずに敗北してしまったため、MVPとは言い難いでしょう。
乱暴な手段ではありましたが、勝利を収めた以上、そこに異を唱えることはできません。よって今回のMVPは己の実力を信じ、それを結果で示した福州さんだと思います。……ただ一点、気になる点があります。蛙吹さんをすぐに追跡せず、常闇さんを人質に取って呼び戻そうとした行動。あれは得策ではありませんでした。もし蛙吹さんが戻ってこなかった場合、その行動は全く意味を成さなかったはずです。少々運に頼りすぎた判断だったと感じますわ」
「うん!その通りだね。ちなみに福州少年、蛙水少女が戻ってこなかった場合はどうするつもりだったんだい?」
「あはは!ヒーローが味方を見捨てるのですか?そんな無様な姿が拝めるのならそれはそれでよし!愉快なものを見せてくれた礼に、勝ちを譲ってあげますよ。人生で何よりも大切なのは!愉快か、不愉快か!」
「君かなりの問題児だな!?」
「呆れてしまいますわ……」
八百万が冷ややかな視線を向ける。しかしソロは胸を張り、まるで勲章を受けたかのように誇らしげに笑った。
「それにしても個性ほとんど使わずに勝たれちゃうと自信無くすよな」
「俺なんて個性ありきなのに」
「上鳴は個性なかったらただのチャラいアホだな」
「ちょっと酷くない?酷いよね?」
「強い個性にかまけるだけのアホとは違うんです。僕は」
「なんでみんなそんなアホって言うの!?俺オーバーヒートしたとこ見せたっけ!?」
耳郎に弄られた上鳴は、「俺そんなアホじゃないし!」と身振り手振りで反論する。その必死な様子が余計にアホっぽく、笑いが起こった。
「そういやぁお前の個性って変身だったよな?それって何にでも、誰にでも化けられるって事か?」
今度は峰田が、好奇心の混じった声で話しかける。
「うーん、ネタバレNG。と言いたいところですけど、貴方達如きには多少話したところで問題なさそうですね」
「いちいち人を見下さなきゃ死ぬのお前?」
「命のない物と、完全にこの世に存在しないものに変身するのは無理ですね。ドラゴンは架空の生き物ですが、ドラゴンという概念は存在しているので変身できます。そうじゃないものには化けられませんので、僕は何にでも変身できる訳ではありません」
「“ぼくがかんがえた最強のモンスター”みたいなのにはなれないって事か?」
「そうなります」
「人間なら誰にでも化けられるってことか!?」
「そう言いました」
「じゃあ森野ミドリに化けてくれよ!!頼む!!」
「誰ですか、それ?」
「オイラの一番好きなAV女優」
曇りなき瞳でそう言い切る峰田を前に、ソロは腹を抱えて爆笑した。
「ハッハッハ!聞きましたか?聞きましたか!?彼には恥という概念が存在しないらしい!こんなお願いをされたのは初めてですよ!にゃっはっは!」
「目の前に森野ミドリが現れるってんならオイラは恥を捨てる」
「あっはっはっは!なんて綺麗な目をしているんでしょう!」
「頼む!一生のお願いだ!土下座でもなんでもする!靴舐めても良い!なんなら1ヶ月パシリになっても良い!半年でもッ!」
「お前そこまでにしとけよ、マジで」
懇願し続ける峰田に切島は呆れた様子で声をかけたが、峰田はなおも地に額を擦りつける勢いで懇願していた。女子たちの視線は冷え切っていた。腐った生ゴミでも見るような眼差しに晒されていた。その中でソロだけが笑いを止めず、楽しげに歯を見せていた。