ゴッデス、宇宙より帰還。
童話型試作6号機ナグサ
ナグサの侵食攻撃の活躍により、クイーンに致命的な損害を与えるも、ボディに致命的な汚染を受けたとして宇宙ステーションに残留、自己隔離。
戦闘の余波でステーションは空中分解。 軌道エレベーターと分離、アクセス不可の為、回収及び状況確認の偵察は困難である。
試作6号機は侵食に耐性があり、知識のある機体であるが、それらが敵側に寝返る可能性について憂慮するべきとした意見もある。
童話型全機にもナグサによる侵食強化が行われている事から、それらニケに対し危険視する声も上がっているのは事実である。
しかし人類連合軍の戦力が底をつき、調査や研究に割く人員も欠けている中、処分は妥当ではないとして、そのままアーク防衛戦力に組み込まれる予定。
抽選で選ばれた避難民を護衛、誘導するアークガーディアン作戦が立案、進行中。
なお、指揮官及びリリーバイスは別途呼び出し。
アンチェインドに関する話及び、重要な任務を充てる予定である。
軌道エレベーター周辺のラプチャーは霧散。
他、エイブ博士が開発した地上のラプチャー数測定器によると、無限表示だったものが有限に変化したとのこと。
これらはラプチャークイーンが破壊された影響と見られるが、依然として多種多様な機体が地上に残存、跋扈している事実に変わりない。
それら機体は戦闘行動を停止する様子を見せず、ただプログラムされた通りに動き続けているように見える。
人類連合軍は事実上壊滅状態であり、これらを殲滅する力は残されていない。
予定通り地下都市アークへ撤退して潜伏、状況の打破を模索する事になる。
地下都市アークは未完成である。
人口約1千万人を収容できる巨大地下シェルターであり、隔壁により地上とは断絶した空間を形成、ラプチャーという脅威から人類を守るのを目的としている。
避難民受け入れを待ち、後に完全封鎖の為に防護壁の工事が行われる。
完了するまで、アーク入口や工事現場は死守される必要がある。 その間、ゴッデス及び志願者のニケは人類文明存続の為の『鉄壁』として機能する。
なお、すべての工程を生き延びた場合であっても、完全封鎖したアークに入る事はできない。
後の地上奪還や資材搬出入、偵察のために新たな入口が設けられる予定だが、侵食された機体や旧式機体を受け入れるメリットはなく、今後の戦力はアークで新規製造されるニケを主力とする。
備考:ゴッデスと第2世代型(仮称:ニューテール)は人類文明の存続に貢献した伝説の部隊として記録に残すが、その影響力から今後の政治活動や治安、人心掌握の分野などから鑑みて詳細な記録は回避。
同様の理由でアークへの受け入れ、凱旋拒否。
地上を追われたのはもっとゴッデスやニケが頑張らなかったから、といったような非論理的かつ他責思考者からの攻撃を回避し、名誉を守る為でもある。
避難民には抽選ではない特別枠も設けられた。
政治家、軍上層部、研究員及びその家族等、アークを運営していく上で最低限必要不可欠と判断された地位にいる特権階級の者達である。
その中に試作6号機の人間時代の子供(若干◯歳の連れ子)が含まれていたものの、その抽選券を持って入口に来たのは実の母親のみである。
聞き取りにより、息子は既に亡くなったから、代わりに私を入れろとの事。
アーク封鎖担当となったオスワルドの調査によると、難民キャンプに息子は親族と共に暮らしており、死亡は虚偽であると判明。
また、母親の再婚相手である、企業の会長(経歴偽称)はオーバードーズにより自殺したとされるが、死亡予想時刻直前に当人と会い、多額の保険金や資産の宛先を当人に変えている事などから、他殺である可能性が示唆されている。
これらの事実から信用度は低いとして抽選券は無効とし、取り上げたところ差別だ嘘じゃないだ、それを返せだのと喚き散らし、警備兵に掴み掛かった際に銃が暴発。 当人に命中し死亡した。
脳天への命中で即死の為、ニケ化も不可能とし、間も無く焼却処分。 抽選券は元の持ち主、息子の手元に戻され、無事にアーク入り。
その後、混乱が続くアーク内での動向は不明。
ゴッデス指揮官、アンダーソン負傷。
本格的な治療の為、アーク入り。
内部混乱の為、その後の詳細不明。
勝利の女神リリーバイス、稼働限界。
力尽きるも任務を全うする。
ゴッデスメンバーに弔いを受ける。 紅蓮、石を削り棺桶を製作。 白百合と共に納める。
備考:ナグサの侵食コード残存。 ボディ強化に伴いコアが微弱ながら稼働しているも、昏睡状態に近い。
ゴッデスメンバーの一部に思考転換発生。
作戦行動に支障なし。 任務を継続させる。
アークガーディアン作戦完遂。
収容できなかった何割かはあるものの、概ね成功。 以後、ゴッデス及びニューテール、志願した量産型ニケはアーク入口の防衛に専念する。
「───ここまで情報を得られましたが」
地球を足元に、私はボヤく。
衛星軌道上をデブリと共に漂うだけでは精神的にキツいですからね。
こうして地上に意識を飛ばし、ゴッデスや第2世代のみならず、時には量産型ニケの脳内情報を纏めておりました。
しかし、息子の情報が早くも来るとは。
朗報ですねぇ。 都合良くクソアマビッチな実の母親と邂逅、抽選券を持ってると知るや否や、今まで認知せず人に責任を押し付けて育児放棄したのに、こんな時だけ目の色変えて私は母親よ、産んでやった事を感謝してソレ寄越してアンタは死ねと強奪したと知った時は発狂しそうでしたが。
まぁでも因果応報といいますか。 私の人生を滅茶苦茶にし、ニケになった諸悪の元凶が必死に意地汚く足掻き、自滅したのはザマァ展開でしたねぇ!
しかも脳みそに弾丸受けてニケにもなれない。
オスワルド、ナイスですよぉ!
それに奴が私を捨て再婚した相手が経歴偽称で、実は企業の会長でも金持ちでもない、虚勢を張ったホラ吹き野郎だったとは。
少しは溜飲が下がる想いです。 忙しい中、わざわざ私個人の為に身体を張ってくれたオスワルド君には感謝ですねぇ!
さて息子の件は、取り敢えず安堵しても。
問題はゴッデスの皆様方。 リリスは稼働停止、戦闘不能に。 そうしたショックや今までのストレスもあり、スノウや紅蓮は思考転換を起こしてしまいました。
ただ幸か不幸か、味方を攻撃するような破綻は起こさず、記憶の消失、人格の変化で済みました。
彼女達の精神力の高さに感謝ですよ。
そして始まる、人類最後の防衛……ですかね。
アーク完全封鎖まで、ひたすら守る。
リリスがいない今、ゴッデスの隊長代理はドロシーが務めております。
極限状態。 皆の心身は蝕まれていきます。
孤立無支援状態で、どこまで持つか……。
「そろそろ別の"
そんな中。
共に戦う量産型の1機は誰でしょう?
そうです私です。
侵食コードで意識を飛ばし、乗っ取ってます。
クイーン因子はオリジナルボディから出られない事情があるのか、一緒に来ている感覚は無いんですよね。 でも知識を得れば得るほど、向こうにも流れてしまうとは思いますが。
その都合抜きにしても劇的な戦果はあげてません。
というか、量産型は動きが鈍く感じます。
同じ短機関銃のソルジャーO.W.にしましたが。
正直、機体性能が厳しかった……!
もっと早く動いてくれよ、です!
ですが、そこはナグサちゃんマジック。
侵食コードでボディを内側から魔改造。
悟られないように皮だけ量産型にします。
ゴッデスメンバーには、ナグサが帰ってきていると悟られたくないんですよ。
あんな啖呵切っておいて、ねぇ……?
え? この機体の脳みそに許可取ったかって?
はい。 今回は一応ね?
でもまぁ、思考誘導というズルはしました。
でも無理矢理カラダを侵すより、多少はね?
「あとはリリスですねぇ。 地上の情報収集をしている間に動けなくなり、棺桶に入れられちゃいましたが、侵食のお陰か、まだ生きてはいるんですよねぇ。 ただ眠っているという。 私が前みたいに乗っ取れば動きそうですが、今は"
コレも駄目になってきたら別のボディに乗っ取りますが、そのタイミングにしようかな。
リリスに意識を飛ばせば、本人とも久し振りに会話できそうですし。
ああ、でも他のメンバーはびっくりしちゃうから、そこは辻褄合わせなきゃね。
死者の冒涜?
いいえ、生きてますから。 補助ですよ、私は。