父さん、ニケになるってよ。   作:ハヤモ

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前書き
カン◯リーロードかな?
チマチマと短め蛇足回を重ねつつ


旧友の故郷への道

再生力や侵食の力を手に入れた私ですが、未だ及ばぬ存在がいる事に畏怖する事暫し。

足踏みしても仕方なし。 今後をリリスと相談しながらアテもなく歩き回ります。

道中、ラプチャーと邂逅しては素手で薙ぎ払い、千切っては投げを繰り返す光景を続けながら。

 

 

「リリス、これからどうします? 軌道EVには謎の力が働いていて詮索できません。 他にラプチャーの謎に迫る方法があれば良いのですが」

 

「(素直に皆に会いましょう。 アークに入れる訳でもないんでしょ? 補給のアテもない。 動けなくなったらどうするの?)」

 

「確かに。 侵食で皆さんが何処にいるかは把握出来ますからねぇ。 とはいえ、何と言えば良いのか」

 

 

笑顔でやっほーなんて言えば殴られそう。

勝手に宇宙に残って、意識をリリスの体に移して放浪しているのですから。

 

 

「(そこは謝りましょ。 乗り越えないと)」

 

「ワンチャン殴られずに済むかも知れませんからね。 なにせ、この体はリリスです。 もし殴りに来たら返り討ちです」

 

「(サイテーね)」

 

「褒め言葉ですねぇ! 人間らしいでしょ?」

 

 

言い合いながら隊員を検索。

拠点を持ち腰を落ち着けそうな、私が寄生できそうな相手といえば限られます。

ドロシーはまだ新天地を探している最中でしょうし、エイブの所はファンガールがいるとはいえ大家族で手狭でしょう。

スノウは思考転換を起こしてラプチャー絶対潰すウーマンとして動き続けてるし、群れる事を好まない。 それにリリスの寵愛を最も受けていた最年少隊員。 会うのは罪の意識を呼び起こしたりと色々キツいでしょう。

ラプンツェルも旅を続ける身。 最も巡礼者と呼ぶに相応しいのかも。 各地で散ったニケを弔い回るのを目的としていますからね。

紅蓮は畑を作って酒を嗜んでいますが、決まった拠点を持っている訳ではないでしょう。

となると、あとは……。

 

 

「レッドフード、ですかねぇ」

 

 

1番私の事を殴りそうな相手故に会いたくないのですが仕方なし。

レッドフードは故郷に帰りました。 つまり家に、町に腰を下ろしたという事。

もう人間はいないでしょうから空き家だらけでしょうし、いたとしても長くは持ちますまい。

静寂が支配した町に美少女2人(+1人)。 残りの余生を彼女の家で同棲する、というのが1番楽できる時間の過ごし方ではないでしょうか。

地上のラプチャー殲滅なんて、パイオニアとニューテールだけでどうにかならないでしょう。

武器弾薬があって、その他物資があっても難しいのでは? それこそ百年掛かっても。

ここはアークから斥候や戦闘部隊が編成されるまで足掻かない方が良いと思います。

 

 

「(レッドフードの故郷に行くのね)」

 

「はい。 竹を割ったような性格の彼女なら、捻くれた敗者の言い訳を赦すかと」

 

「(あまり甘えちゃダメよ)」

 

「それを貴女が言いますか。 まぁ行ってからのお楽しみですよ」

 

 

侵食ナビを開始。

視覚に目的地までの距離と方向を表示。

そして荒廃した地上を歩き続ける。 目的がない旅は気楽ですが時に苦痛ですからね。

 

かつて都市部だった場所は廃墟と瓦礫の山。

人の気配が無いコンクリートジャングルを抜けていきます。 元人間の亡骸と思わしきアレコレを避けて歩くも、風と己の足音のみが聞こえてくる寂寥感。

かつての喧騒の記憶が嘘のようです。 もうあの時代は戻らないのでしょう。 片鱗はアークで復活するでしょうが、それらを本物とは思えない。

よく言えば、地上は自然の揺籠に戻された。 時が経てば草木が生い茂り、文明の痕跡は緑に飲み込まれるでしょう。

ラプチャーも、建物等の人間が作った物を破壊しているから、その傾向は今後益々加速するものと思われます。

一部の動物……海洋生物などはラプチャーによって捕食されたり、戦争の余波で絶滅したとかなんとか聞いた気がしますが。 その代替品のように何かしらの動物を模倣したラプチャーもいます。

 

……なんでラプチャーは建物を壊して、生物的な形を真似たのでしょうね。

そのうち人間みたいなラプチャーも出るかも知れません。 そうしたら会話が出来たり、新たな文明が築かれるのかも。

そうなる前に殲滅出来れば良いですが。

……言い過ぎかもですね。

 

歩いているうちに建物が少なくなる。

ひび割れた人工の大地から、自然の緑を踏み締めて。 川を尻目に見えてくるは小さな集落。

人口密度の低そうな、背の低い建築物群。

エンジェルヒップとかいう、店主の癖が出ていそうな名前の酒場。

空は高く広い。 地平線も見放題でしょう。

 

 

「ココがあの女のハウスですね」

 

 

ザ・田舎……!

特産とかランドマークとか特に無さそう!

失礼のないよう口には出しませんがねぇ!

娯楽が無く、若者にはツマラナイでしょう。

でも静かに過ごすなら越した事はないかも。

そんな場所が、レッドフードという不良娘を生み出した故郷なのでした。

 

 

「ああ、心の準備が……」

 

「(今のナグサ、恋人に会う前みたい。 初々しくて可愛いわ)」

 

「どちらかというと門限破りをして、怒られる覚悟をする子供の面持ちといいましょうか。 というか、私の心は男のつもりなのですがねぇ」

 

「(そうなの? 可愛い服とかに興味がありそうだったから)」

 

「…………女性型のボディになったのですし、身嗜みとか多少はね。 ドロシーみたいに、人の目とか評価を少しは気にしたまで」

 

「(じゃ、余裕があったら色々教えてあげる! ナグサなら何着ても似合うと思うわ!)」

 

「なんで貴女が楽しそうなのですか。 私の体は空の上なのですよ。 それとも、貴女が私の着せ替え人形になると? そんな趣味は無いんですがねぇ」

 

「(時には息抜きも必要でしょ。 私のボディでオシャレを楽しんでも良いと思うわ)」

 

 

急に、これからの生活が不安になりました。

今まで自己統一性とか、なるべく考えないようにしていましたし、戦場に忙殺されていて余裕自体ありませんでしたが。

今後はプロテウス効果? とやらで精神が引っ張られてしまうのでしょうか。 寒気がしてきましたよ。

……別に女性蔑視をしている訳ではありません。 断じて。 ですがコレとソレは話が違くないですか?

 

 

「あー……今はレッフを訪ねます。 話はそれからですねぇ」

 

 

ああ、怖い。 殴られたくない。

そうならないよう無理矢理思考誘導すると、不自然さに彼女自身が混乱、二律背反云々、思考転換のリスクが起きます。

なので私の方で多少覚悟します。

ああ、本当に親に怒られる子供の気持ち。

 

 

「親子……」

 

 

脳裏に浮かぶ色褪せた写真、セピア色の記憶。

…………そう。 私にも子供がいたのでしたね。

 

 

「(大丈夫よ。 きっと)」

 

 

リリスが励まします。

それは今と過去、或いは未来の私に向けて?

きっと全部です。 そう思い、私は前進した。




後書き
終わり方どうしよう(n回目)
放置している宇宙のナグサボディが大変な事になって、原作の流れになるパターンを考えていたりします
……未だ原作での謎が多くて、先手を打てないのが大きいですかね……
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