今年も間も無く終わりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。作者はボチボチです
…多くの方が大変な時期だというのに、作者は趣味の小説云々を続行中という
それもいつまでできる事か。不安もある中…
ゴッデス改めパイオニア。
ニューテールを抜きにした、定期的な集会の日がやってきました。
緊張しますね。 会社でいうプレゼンとか会議とか、或いは手術前の周知事項みたいで。
いうて逃げる訳には参りません。 レッフとリリスの手前、共に行くしかない。
そして予め決めておいた集合ポイントには皆様が勢揃い。 そこに踏み入る勇気は大変に必要でした。
「よぉ、皆の衆! 元気してっか?」
「レッドフード、堂々遅刻とは偉いですね」
「来た事に変わりない。 無事で良かった」
「ええ。 お元気そうで何よりです」
「相変わらずの姿を見れて安心したよ」
レッフが明るく挨拶すれば、返ってくる馴染みの声達。
ドロシーの皮肉。 淡白なスノウ。 素直に受け取るラプンツェル。 呆れ半分の紅蓮。
そして───
「悪い。 今日紹介したいのがいてよ……まぁ怒らず聞いてやってくれ」
「お、お久しぶりです皆様方……」
「「リリーバイス!?」」
「……ゴッデスの、私たちの隊長かい」
記憶保持者のドロシーとラプンツェルには驚愕されるも、紅蓮は僅かばかり。 記憶が無いから仕方ないでしょう。 リリスの棺桶を作ったのは彼女だけど、その記憶も怪しいものでしたからね。
だけどスノーホワイトは違った。
「お姉ちゃん……! 思い出した……私だ……私です、リリスお姉ちゃん……覚えていますか? スノーホワイトです!」
「あなた、記憶が……!」
「おチビちゃん、スゲェ懐いてたからなぁ」
ドロシーとラプンツェルが記憶の復活に驚き、レッフは想定していたのか感動が薄いのか、ただ笑って見守るのみ。
スノウ。 わなわなと震えた手を私に伸ばす。
機械でできた義手だったけど、それを拒絶するほど冷めていません。
その雪のように冷たい手を取り、純心を素直に受け取ります。 同時に申し訳ないと謝罪を添えて。
「ごめんなさいスノウ。 私の身体は確かにリリスだけど、中身はナグサです」
「ナグサ? もう1人の、お姉ちゃん……駄目だ、顔が上手く思い出せない……ごめん、ごめんなさい、お姉ちゃん……」
「謝るのは私です。 貴女や皆が大切にして、棺に収まったリリスを乗っ取っているのですからね。 本人の意識はこの体にありまして、会話も出来れば許可も得ていますが、他者から見れば尊厳破壊。 侮辱されて殴られても仕方ありません」
「いや、いい……リリスお姉ちゃんが許したのなら。 それにもう1度会えて良かった……」
ここまで泣かれるとは思いませんでした。
スノウやドロシーに殴られる覚悟はしましたが。
「棺からリリスお姉ちゃんのボディが消えた時、私はラプチャーの仕業だと疑った。 だけど違った。 ナグサお姉ちゃんの意識が乗り移ったからだったのか……早くに知れて良かった」
「全く貴女という人は、人騒がせな。 宇宙ステーションに残ると言われた時、私達がどんな気持ちだったか想像できますか?」
「すみません、返す言葉もありません」
「ナグサさん、では本体は今も宇宙に?」
「そうなります。 クイーンの意識、残滓と共に漂っていますよ。 奴のボディは始末したのですが、それだけでは足らないようです」
「ほぅ。 クイーンはまだ生きとるか。 なんとかして斬り捨てねばな」
「皆でロケット作って打ち上げるか? 楽しそうだし、私は構わないぞ」
「相変わらずお気楽ですねレッドフード。 そんな技術も資材もないでしょう」
覚悟はしていましたが、割とアッサリでした。
案ずるより産むが易し、でしょうか。
ならば会話に続かねば無作法というものか。
「技術の相談はエイブ博士にしましょう。 或いはアークが落ち着いたら、そちらの技士と相談する手段もあるかと」
「アークに頼りたくはありませんが、将来的な手段としては候補に入れておきましょう」
「私も記憶が少し戻ったからか、何かを作れる気がする。 武器の整備が必要な場合でも言ってくれ。 診る事は出来ると思う、昔のようにな」
「なら私の武器見てくれよ。 ウルフスベインもだけど、セブンスドワーフゼロもあるからさ」
「希望が見えてきましたね」
「私は酒をあおりながら剣を研ぐくらいしか出来そうにない。 いや、果たして宇宙に上がる事になったとして剣を振るえるものだろうか」
三者三様な意見がばらつきますね。
でも、ここで現実的な話もしなくては。
盛り下げるようで申し訳ないですがね……。
「皆様、クイーンの意識は私のボディにあります。 なので私ごと屠る事になると思いますが、どうかその時は躊躇なく徹底的に叩いてくださいね」
「……まーたそんな事言うんだ、先生?」
レッフが不機嫌に言い、周囲は明るい表情から憂いの顔に変わります。
私は続けました。
「レッフには言いましたが、やはり現実的な部分は前もって確認したく。 レッフが持つ私の拳銃にアンチェインドが込められています。 それでクイーンの意識ごとトドメを刺せるかも知れません」
「しかし、そんな事をすればナグサは……」
ドロシーが1番曇り顔になるので、安心させるように説明します。
「こうして他の機体に意識を移せますから大丈夫です。 消えてなくなるわけじゃない」
最も、本体が消えたらこの意識もどうなる事か。
「それは確かなのですか?」
「侵食やニケの可能性は未知数です。 保証できる筈がありません」
「ハッキリ言いますね。 気に入りません」
「おお、お嬢様と珍しく意見があったわ」
「レッドフード、貴女のお嬢様呼びは更に気に入りません」
「なんで!? ナグサより気に入らないの!?」
レッフのお陰で再びドタバタ会議と化し、不安は霧散します。
ああ、彼女を侵食の魔の手から救えたのは、ピナ救出に並ぶ最善の一手だったかも。
……そういえばピナは?
「取り込み中すみません、その、ピナは?」
「無事です。 新しい候補地が見つかりましたので留守を任せております」
えっ。 大丈夫なんですかソレは。
量産型ですよピナちゃん。 数いた中では上澄みでしょうけど、1人ぼっちは危なくない?
「大丈夫なのですか?」
「ご心配ありがとうございます。 ですが1人、優秀な護衛を見つけましたので平気かと」
「護衛? 私達以外にアークから締め出されたニケを仲間にしたとか?」
「そんなところです。 アテもなく放浪していた量産型、ソルジャーO.W.を見つけまして、彼女に後をお願いしております。 侵食に適応しているのか、通常機よりかなりのハイスペックでして。 それでいて私がゴッデスと知るや更に従順な態度を示してくれました。 こうも都合の良い存在と会えた事、感謝しております」
ドロシー、悪役令嬢のような暗黒微笑……!
えぇ(ドン引き)……私も皆も、彼女のダークな考えに少し不安感を覚えますよ。
それに、そのO.W.って私が仮の体として利用した後にポイした機体ですよね?
こんな巡り合わせってある? いや良いんですけどね。 使える物は使ってくださいよ。
「ソイツが良いんなら良いんじゃね?」
「ドロシー。 丁重にお願いしますね」
「問題ありません。 全ては順調です」
「……まぁ私も時間があったら様子を見に行くとするかね」
取り敢えず今日の話は大凡この辺ですかね。
この後はたわいもない、お互いにどう過ごしているのかとか、ラプチャーとの遭遇率とか、宇宙の残滓の後始末をどうするかはエイブ博士やシンデレラ達と相談していこうとなり解散となった。
いやぁ良かった。 殴られるかと思いましたよ。
でもそうならなかった。 寧ろ喜ばれ、今後の流れを話すキッカケになりました。
進展、収穫はあった方ですかね。
「(皆、元気そうで良かったわ)」
リリスもご満悦ですよ皆様方。
私も……その筈です。
「(息子探しも忘れずにね)」
「リリスこそ、指揮官の事をね」
まだ暫く、一心同体は続きそうです。
後書き
解釈違いでしたら、すみません(今更感