父さん、ニケになるってよ。   作:ハヤモ

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前書き
エデン建設、そこを拠点に目的を果たすべくナグサ達が動く流れへ
原作的には、エデンとゴッデスは意見の相違で共に行動していませんね…クイーン打倒は共通していますが、アークへの怨み云々で一緒じゃない感。後々合流して共闘、新しい装備まで貰うようになりますが
当作では最初から合流して、共にクイーン打倒を目指します。エデンが造られた時期は不明ですが、原作の時系列は曖昧な部分もあったりなかったりしますからね。誤差です(ご都合主義


地上の楽園

私の思考誘導による結果とはつい知らず。

ドロシーは改めてアークと取引を行い、結果、資材や人材を融通して貰える事になりました。

それらはドロシーを隊長とした、私たちゴッデス部隊により護衛されながら拠点予定地に到達。

直ぐにも光学迷彩が展開され、建設が始まりました。 この迷彩は視覚だけでなく、音や熱センサー等にも引っかからず、偶然入りそうになっても、上手い事相手を誘導するというご都合主義万歳な超技術。

これさえあれば、ラプチャーに見つからず、地上に堂々拠点を構えられるという寸法です。

 

 

「しかしステルス迷彩ですか。 戦前より構想や研究はされていたと聞きますが、ここまで実用化、いや、進化するとは……装置が大掛かりでニケに装備出来ないのが惜しいですねぇ。 普及したらしたで、ラプチャー側が対策してしまいそうですが」

 

 

開発者のセシルは優秀ですねぇ。

なのにアークは手放した。 いえ、逃したというべきでしょうね。

思考誘導もありますが、本人の意志でもあります。 どうもセシルの脳を使って生体CPU、AI云々作ろうぜと画策した倫理観ドブ捨て上層部がいたらしく、身の危険を感じて逃げ出した形ですね。

一方、新星と持て囃されたイケメン指揮官のヨハンですが。 指揮能力は優秀なのですが、どうも上層部と衝突気味というか、社交辞令スキルが皆無に近い跳ねっ返りな性格のせいで怨みを買い、有る事無い事の罪を擦られて左遷に近い形となっております。

まぁ私としては都合良く働いてくれるなら構わない身の上話ですよ。

余程の事が無ければ良いのです。 後は私が個人的に調整すれば良い。

 

 

「侵食はボディの修復や強化、思考や記憶だけでなく、頭の回転率にも貢献しているようで。 人間にも一定の効果がある。 いやはや便利過ぎるでしょ。 医者の私は用無しです」

 

 

何にせよ。

これで漸く、宇宙に再挑戦できる基盤が整っていくという訳ですねぇ。

アークとしては煙たい跳ねっ返り共を人材として厄介払い。 その上、員数外で地上の情報を得られる。 資材は消費するが、大規模な部隊を派遣するよりコストは低い。

普通なら我々を怪しんで、ここまでとんとん拍子に事は進みませんが、そこは思考誘導さまさま。 昔みたいな内ゲバで現場が混乱するなんて事をさせない。 第2世代型の実戦投入が遅れていたのも上層部が何処の管轄かで揉めていたのであるし。

 

 

「クイーンちゃん、待っててくださいね。 私の身体を好きにできるのも今のうちですよぉ」

 

 

そんな訳で。

地上でもトントン拍子に拠点が築かれていく。

一応不測の事態に備えてヨハンを指揮官とした防衛線を構築、そこにゴッデスは組み込まれて待機状態を維持しています。

他にも不要と判断された稼働時間的に寿命な旧式量産型ニケや、癖強で汎用性に欠けた試作機、それに準じたニケとか、指揮官や隊長に反発する不良や単純な能力不足、暴力沙汰や横領をした犯罪者とした問題児が集まる落ちこぼれ部隊のインキュベーター部隊のニケが組まれています。

それらは能力値が偏っていたり、何の取り柄も無い低レベル。 なので侵食強化を施し、いくらかは生存率を上げておきました。 肉壁くらいには使える。 鶏肋という奴です。

 

 

「量産型ボディはともかく、オリジナルボディの娘まで来るとは。 意志の強さで自分だけの体を手に入れたのに無能力やら上官不服従やらで此処に左遷とは可哀想、うわぁ可哀想。 お陰でエデンの勢力は強まりますがねぇ!」

 

 

まぁ自業自得な奴が多数か。

しかし鍛えれば使い物になるでしょう。

ドロシーなんかは早速というかピナを始め、将来使えそうなニケに目星をつけては、エデン独自の戦力を整えようともしています。 部隊名はインヘルトにするとか言っていたかな。

あ、ピナは量産型初期ロットですが、とても優秀ですよ。 侵食強化だけで、ここまで強くはならないでしょうというくらいには。

アークガーディアン作戦前後から最前線で戦い抜き、アーク防衛戦で最後まで生き延びた強運と技術、腕は伊達ではない。

紅蓮達がゴッデスの一員だと認める程に。

他とは違うのですよ他とは! いつかオリジナルボディに換装しても不思議に思いませんよ。

 

 

「ピナはドロシーの寵愛を受けているばかりじゃなく、ちゃんと強いですからね」

 

 

ショットガンメインなのは相変わらずですが。

銃や、その扱い方を少し変えたのか、他の娘には見られないカスタム仕様に変化しておりますね。

まず銃身が少し短めとなり、ハンドガード兼ポンプ部分を縦持ちとする為、フォアグリップが装着されています。

確実な保持と、次弾装填ができましょう。

銃口を密着しても発砲ができるよう、マズルブレーキも装着。 近接戦闘を想定したカスタマイズのようですねぇ。

他の同型機と異なり、残弾ゼロでの装填時、ポンプを下げてチャンバー内に直接装填後、後部の給弾口から弾を入れるやり方をしており、リロード中に咄嗟に撃ちたい場面にて、トリガーを引けば直ぐ即射できたり。

リロード中も私の持っていた拳銃のコピー品で牽制射撃しながら、クアッドリロードをする器用さ。

銃身の横にシェルポーチ?が備わり、4、5発が綺麗に並んでいます。 リロード時間の短縮を狙っているのでしょう。

それか別の特殊弾を分けている。 散弾ではなく単発で威力のデカいスラグ弾かな。

ボディーアーマーに並ぶように、横にスピードローラーがホチキス、梯子のように並んでいますが、そちらが頻繁に使う通常の散弾なのかも。

勿論、普通に連帯も出来る。 私が仮住まいの機体として使用していたサブマシンガン持ちのソルジャー量産機と僚機を組み、弾幕不足やオトリなどを補って戦う様子です。

 

 

「とりまヨハン君の指揮能力があれば誰もが意味のある行動力を見せるでしょう。 なんならアンダーソン超えじゃないですかね。 量産型や型落ち、癖の強い娘も適材適所に配置して使ってくれますよ」

 

 

まぁ適当に寝ている内に完成するでしょう。

…おっと、ヨハン君が来ました。 軍服や軍帽はアークの物を使い回しているのですね。

恨んでいるだろうに、未練タラタラかな?

 

 

「お前が計画を立案したナグサか?」

 

「はいそうですが」

 

 

なんですかね?

イケメンで優秀だけど性格が悪い(合わない)奴に説教されるなんて、面白く無いですよ。

 

 

「宇宙に打ち上がり、クイーンを倒すそうだが、こちらから出向くなんて自滅行為だ。 大気圏内で迎撃され、墜落して爆散するのがオチだろう」

 

 

ああ、まぁ真面目にも疑問をぶつけてきた。

良かった。 無能だの虎の威を借る女狐だの、中身オカマ野郎だの言われなくて。

さても私は受け答え。 具体性があるようでそうでもない、出たとこ勝負の話をします。

 

 

「その辺はセシルに話しました。 そうならないように、真っ直ぐ奴に向かわずに地球を半周以上するようにして軌道にのり、そこから半マニュアルで奴のいるステーション残骸と同じ高度、軌道を狙います。 光学兵器を撃ちまくって牽制しつつ接近、殴り飛ばして終了です。 現場でケリがつかないなら地球に本体を蹴り落として、エデンの方で始末させる2段構えですよ」

 

「高度なマニューバを、訓練を受けていないニケができるのか? 明らかにニンフで理解できる範疇を超えているだろう。 本来不必要な知識は削除ないし詰め込まれない」

 

「その点はアテがあります。 このボディ、勝利の女神の主は元空軍、最年少パイロットでしてね。 "彼女"に任せますよ」

 

「なるほど。 さぞ優秀なのだろうな?」

 

 

訝しむように、或いは皮肉混じりの視線をヨハンは向けてきます。

仕方ない。 やるからには結果を出して欲しい。

元空軍パイロットのリリス、ご期待ください。

 

 

「最年少で花形のパイロットですからね。 厳しい条件をクリアして操縦桿を握っただけの技量、そして原初の女神になる程の強靭な精神力を私は信奉しております」

 

「ならば借物の体と能力、丁重に扱え。 そして必ず生きて帰って来い。 人類の希望、勝利の女神をぞんざいに扱う事は許さん。 命令だ」

 

「ラジャー。 まぁなるようにしかならないでしょうけど。 宇宙で奴とのドンパチは1度しておりますから……仮にその姿が私だとしても、躊躇はしませんよ」

 

 

ねぇリリス、そうでしょう?

そう脳内お姉様に語りかけます。 彼女は不安気に一拍置いてから明るく返答しました。

 

 

「ええ。 シミュレーションでのリベンジもあるからね」

 

「アレは貴女の勝ちだったと記憶しますが」

 

「能力要らずの殴り合いで勝ってないわ」

 

 

ナニを悠長な。

試合じゃないんです。 格闘技で金メダルでも取るおつもりですかね?

……ああ、私はニケになる際に金を取りましたがね。 いや取らされました。

……嫌な事件だったね。

 

 

「実戦です。 遠慮なさらずに殺っておしまいなさい。 でなければ殺されるのは私なのですよ。 それに宇宙の私は私ではありません」

 

「……相手はナグサの身体なのよ? 私が本気で殴れると思う?」

 

「思えるように脳内侵食、多めに出しておきますねぇ!」

 

「……そんなお薬出しますね、みたいな」

 

「医者でしたからね!」

 

 

リリスもまた、私にとって患者かな?

……もっと心療内科の人に知識を貰うべきでした。 メンタルケアは苦手です。

 

 

「貴女、時々冷酷というか、残酷ね」

 

「必要な処置です。 それにリリーバイス、貴女は人類の希望であり続けるべきです。 残される者、未来に託す為にも。 その最後の活躍の瞬間が宇宙で輝こうとも、真の勇気や力を理解する者がひと握りであろうと……それで救える命は計り知れない。 私はその神話を、ニケ劇場を特等席で見たいのですよ」

 

「幸せ者ね。 それに身勝手よ」

 

「貴女も幸せになるべきです。 いや、なります。 私がそうさせます。 そして早くアンダーソンと結婚しやがれください。 じれったかったんですよッ!」

 

「……ふふっ、既婚者のナグサに言われると、なんだか重たく聞こえるわ」

 

「あ、でも離婚は出来るだけしないで欲しいかなと。 両想いの純愛劇にも飢えておりましてね。 私のように詐欺に遭って毟られて子供を押し付けられた者からしても!」

 

「余計に重たいわよ?」

 

 

結構。 そのまま空間に穴を開けるほどの重力を生んでブラックホール化しましょうか。

……冗談ですよ。 ニケが可能性の塊だとしても、そこまでは無理でしょう。 無理、だよね?

 

 

「ところでリリス。 戦闘機ないし、ナニかしらの機体操縦は今でもできる自信がありますか?」

 

「うーん、実際にコックピットに乗らないと分からないかも」

 

「あー、なるほど。 今じゃ戦闘機よりもアンダーソンの操縦桿を握る方が、ゴフッ!?」

 

 

突如、頭をガツンと殴られる感覚が!?

リリスが体の主導権を握ったり、動かせるようになってきたという事か……!

しかしこんな形で知ろうとは情けない……!

 

 

「冗談ですよ……しかし、もう直ぐ体を自由に動かせるようになりそうですね」

 

「おかげさまで?」

 

「は、ははは……快方に向かい良い事です。 では早速ですが、セシルの所に向かいましょう。 開発された機体調整やシミュレーションには実際の意見を反映させないと!」

 

 

これ、クイーンごと私は消滅した方が良いかも知れませんねぇ。

だって彼女のオシオキって怖いですし!




後書き
裏で暗躍する黒幕、赤靴の人格を元にした情報生命体なミラーという不穏要素を混ぜるとややこしくなりそう。仙人のように新キャラを今から追加するのもね……このまま終わりへ向けられたら良いなとも
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