父さん、ニケになるってよ。   作:ハヤモ

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前書き
リリスを宇宙戦闘機に乗せる流れ
元最年少空軍という設定を活かしたい気持ち
あまり話数を増やさず終わらせたいですが…


宇宙戦闘機シミュレーション

宇宙戦闘機、なんてSFの話かと思いましたが。

思考誘導して何とかなるものですねぇ。 今目の前には、その実機がありますよん。

空気が無く無重力下でも、翼があってキャノピーがあります。 ただしデザインは映画等で見た近未来的な飛行機の見た目をしておりますよ。

それらを調整しているのは整備用ドローンですが、設計したのは側でタブレット操作、監視をしているセシルとエイブ。

主導はセシルで、エイブはニケの装備や武装がメインです。 畑は違うでしょうね。

 

機首の先端はレドームとなり、その左右に小口径の機関砲口に思える穴が2門。

他、翼に懸架するミサイルが何発と見える。

なんかレールガンとかレーザービームとか、超兵器を積むかと思ったら意外と既存の兵器や技術が主なのかも。

 

 

「来ましたかナグサ……と、リリーバイス」

 

 

巨乳銀髪エルフな雰囲気を醸し出す、セシルが話し掛けてきました。

この人、この見た目で人間です。 本当ぉ?

美形なものですからニケかと思いました。

全てが天然だとしたら恐れ多いですね。 食事や運動、化粧とかどうしているのでしょうか。

そんな失礼は私の思考を向こうは知らず、淡々と説明を開始します。 性格はドライですね。 笑えば可愛いと思うのですが。

 

 

「これは試作機ですが、設計段階で仮想空間内でトライアンドエラー、評価試験を繰り返して実機を組み立てました。 完成度は高いかと。 後はシミュレーション内での乗り心地の意見を元に調整していきます」

 

「まぁぶっつけは厳しいですよね」

 

「本番では他の皆さんが乗るシャトルのカーゴに格納。 宇宙空間に到達後、速やかに分離してステーションに先行。 シャトルの護衛ないし迎撃システムを無力化。 ステーションに揚陸、クイーンにアンチェインド弾を撃ち込み無力化してください」

 

 

ああ、スペースシャトルで打ち上がるのね。

そのコンテナに戦闘機を詰めると。

 

 

「シャトルのマニュアル操作は機械に強いスノウに任せるとして……クイーンは迎撃してくるんでしょうね。 向こうの有効射程や威力、武装の種類や数は前より変わっていそうですよ」

 

「一応、貴女の戦闘データを元にクイーンの迎撃パターンは組みましたが、正直信頼性に欠けます。 臨機応変に対応してください」

 

「結局はぶっつけ本番ですか。 仕方ないですが。 戦場なんていつも未知との遭遇です……やれそうですか、リリーバイス?」

 

 

脳内お姉様に声を掛けると、いつもの口調、少しほわほわとした声が心中に響く。

 

 

「宇宙戦闘機なんて乗った事ないから楽しみよ。 早速シミュレーションしましょ?」

 

「戦う前から気持ちで負ける訳にはいきませんよね。 セシル、今直ぐにも仮想空間でフライトできますか?」

 

「勿論です。 Gといった体感は、ほぼ実戦に近い感覚で再現できる最高設備の部屋を用意しております」

 

「じゃ、早速ですがセッティングを頼みます」

 

 

手元の端末を操作、準備をするセシル。

真っ白な空間に通されると、中央にはコックピット部分を再現した機首。

それに大量のケーブルが繋がり、天井から麺が垂れているかのよう。

私はそれに乗り込み、ボディの主導権をリリスに返しました。

瞳を閉じ、呼吸を整えて目を開く彼女。

視界や感覚は共感しています。 具合はどうか尋ねてみましょう。

 

 

「久しぶりのボディは如何ですか?」

 

「好調よ。 ナグサのお陰かな?」

 

「それは良かった。 ではお目覚め早々酷ですが、戦闘機のシミュレーターを経験して貰いますよ」

 

 

照明が落ち、暗転。

白い空間はプラネタリウムの要領で星海となり、どこをどうやってか、無重力を再現されて身体が浮く感覚を味わえた。

その感動を味わう暇もなく、モニタリングしているセシルの、急かすような声が木霊した。

 

 

「では始めてください」

 

 

それに文句を言わずに、リリスは得意げな顔になると、久しぶりとなる操縦桿を握り。

 

 

「コールサインは、そのままリリーバイスで。 それじゃテイクオフ!」

 

「もう浮いてますけどね」

 

「良いのよ、こういうのは気持ちだから」

 

 

呑気な会話をしながらも、操縦を始めた。

私には戦闘機の勘は分からないですが、経験のあるリリスならモノにするでしょう。

宇宙空間は上下もないし、だだっ広いし、目安となるモノが無いので、今のところ上手いのか下手なのか、どう動いているのか全く分からないけど。

 

 

「流石ですねリリーバイス。 宇宙航行が初めてとは思えない動きです」

 

 

セシルが褒めるなら、そうなんでしょう。

私は置いてけぼりですが。

 

 

「では次に移ります。 ステーションと、そこからの攻撃を投影します。 回避しつつ発射地点を攻撃してください」

 

 

刹那、コックピットを覆う眩い光。

リリスは咄嗟に操縦桿を倒し、スロットルレバーを操作。 高起動の横ロールで回避して見せる。

そのロールの動きのまま、戦闘機の予測コンピュータに頼らない内にマニュアル射撃。

バピュピュンと光線が機首から飛び出し、前方で爆炎エフェクト。

間髪入れずにミサイルがバシュシュシュと容赦の無い追い討ち連続発射。 更なる爆炎が上がった。

 

 

「お見事です」

 

「ありがとう。 でももう少し反応速度が早いと嬉しいかな。 あとコンピュータの予測によるロックオンや警報は外して。 マニュアルで動かした方が早いかも」

 

「そのように」

 

 

えぇ……今のでそういうのが分かったの?

私の知らない世界にリリスがいる……。

 

 

「あー……よく分かりませんが、本番も何とかなりそうな気がしてきました」

 

「そうなるよう努めるつもりよ。 皆の命も預かるのだから……ナグサ、あなたもよ」

 

 

…………私の事なぞ、捨て置いて。

ただ、忘れないでくれたら良いのです。

 

 

「クイーンには容赦しないで下さいね」

 

「ええ。 きつ〜くオシオキしてあげる」

 

「そんな軽い相手じゃないでしょうに。 一応、人類の命運にも関わると思いますので、どうぞ、ひと想いに殴り飛ばしてください。 愉快なフェアリーテールモデルもいるのですから。 どうか、私達の宿願を叶えて。 そして勝利の女神となって」

 

「……ナグサも、みんなでなりましょう」

 

 

甘い。 甘いですよリリーバイス。

頭の中、リリーバイス畑ですよ。

童話にはハッピーエンドを迎えて貰いますが、私という外様は退場の頃合い。

 

どうか私にも有終の美を飾らせて?

宇宙の星となるには絶好の機会なのですから。




後書き
そろそろ終わりにしたいところ
キャラの掛け合いなど、不足感あれど…
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