宇宙へ。
専門的な知識がなく曖昧な描写が多いです
ロケットの打ち上げというと、大掛かりなイメージがありますが、今研究されているものや、先進的な未来技術では、飛行機と同じように滑走路から離陸して行けるのでしょうかね
ニケの世界はどうなっているのか…軌道EVを作れる技術はあったのですから…ニケという人間そっくりで何でもあり感な戦闘用アンドロイドも作れる訳で。謎は多いですが
宇宙船というとスペースシャトル、巨大な燃料タンクに飛行機を取り付けて、それを垂直に打ち上げるイメージがありましたが。
御多分に漏れず、エデンで組み立てられた機体も似た物でした。
セシルとエイブ曰く。
「土地を大きく使う滑走路を用意する暇がありませんでしたので、従来の方法で行います。 確立された技術ですので信頼性もあるかと」
「Gが凄く、快適な宇宙旅行とはならないだろうが、幸い私たちはニケだ。 生身の人間が耐えられたものが、ニケに耐えられない筈がない」
「という事ですので、加速度は割増で一気に上昇。 ラプチャーに撃ち落とされる前に軌道にのせて、勢いでステーションに接近。 戦闘機とシンデレラを分離してシャトルを護衛しつつ乗り込んでください」
「重力下での戦闘ではないから勝手は違うだろうが、ニケは生命維持装置が無くても多少活動できる。 推進剤を上手く活用してくれ」
簡単に言ってくれますねぇ。
まぁなるようにしかならない。 最悪、全滅なんて事態になりますが。 宇宙の藻屑。 そして考えるのをやめた、です。
陸戦機であるニケですから、スペック通りの性能は出せない。 推進剤が切れたら永遠の宇宙旅行か、良くて地球に落下して流れ星ですよ。
それでもやる価値があると信じて、皆はそれぞれ宇宙船に乗り込んでいきます。
リリーバイスと私はシャトル後部の殆どを占めている格納庫、そこに翼を折り畳まれて固定されている宇宙戦闘機のコックピットに乗り込みます。
暗く冷たく、ひんやりとした椅子と操縦桿。
場合により棺桶となりますから、今のうちに良く見ておきましょうねぇ。
「いよいよね」
「ええ。 ここまでありがとうございました」
「何言ってんのよ。 これからでしょ」
「ええ。 戦う前に打ち上げの事故で自爆して終わるのは詰まらないですよね」
「またそういう事をいう……皆の、私の命を貴女に預けているの、忘れないで」
「勿論。 生きて帰って貰いますよ」
グッバイ地球。 グッバイ息子。
私なんかに付き合ってくれた皆様の事も、勿論忘れたりしません。 ですので皆様もどうか、私の事を忘れないで。 それだけで私は十分です。
後の未来は生き残った者達に任せますよ。 無責任ですが、今できる事はやっているつもりです。
機体が垂直に上がり、シートにボディが押しつけられる感覚。 緊張が走ります。
通信越し、レッフは子供のようにはしゃぎ、それをドロシーが咎め。 シャトルが縦に持ち上がる様をナニかと妄想してはぁはぁするラプンツェル。 格好良いと操縦桿を握り、目を輝かせ感動するスノウ。
紅蓮は新幹線での移動か何かの感覚なのか、酒を煽る始末。 これから仕事ですよ?
第2世代型はゴッデスの後続として後から打ち上がる。 頼れる後継機、バックアップに期待しましょう。
ヨハンが激励し、セシルが淡々と応援する。
「必ずクイーンに勝ち、生きて帰れ。 そして童話のようにハッピーエンドを迎え入れろ。誰もが認める勝利の女神となって来い。 ゴッデスにニューテール。 君達の真の力を知る者は今やひと握りだろうが、その力で救ってきた命は計り知れない。 その1人として、この場に居合わせる事が出来た俺は……幸せ者だ」
「皆様の健闘をお祈りいたします。 カウントダウンいきます。 5、4、3───」
スノウが操作、エンジン始動。 機体が震える。
もう引き返せない。 短い旅が始まる。
「───ゼロ」
刹那、轟音と共にシートに押し付けられる。
「くっ!」「懐かしい感覚ね!」
ニケとはいえ、喋る余裕も一瞬。
シャトルは白煙の柱を瞬く間に空に伸ばしながら、青空へ、大空へ、やがて横向きになり地球の自転に合わせるように傾いていく。
無限に思えた青空は直ぐにも打ち止めとなり、夜空に変わり、青と黒の境界をあっさりと越えたのだった。
侵食でスノウの視界を見やると、スノウがいくつかの計器やスイッチを弄り、セシルと通信し始めました。
「目標高度に到達。 想像より早かった」
「了解。 途中、地上ラプチャーが対空砲を放ったようですが機体に損傷は?」
「ない。 ダメコンパネルを見た限りはな。 突然現れて、一気に脱出速度を越えていく機体を撃ち落とす性能は無かったようだ。 最も運もあったが」
「帰還時、余裕があればチェックするのを推奨します。 大気圏再突入時、途中で燃え尽きてしまわないように」
「余裕があればな。 後続は来るのか?」
「予定通りです」
「了解。 私達も予定通りにクイーンの元へ向かう……セシル、ここまでありがとう」
「ちゃんと帰ってきてくださいね」
真面目なやり取りですね。
これがヤンチャな奴や不真面目な奴なら、性格が合わずに反目してそう。
そうです。 レッフはどうしているでしょうか。
「うおお! また宇宙に来たのか! しかも今度は宇宙船でだぜ? いやぁ人生って何があるか分かんねぇよな!」
「煩いです。 少し静かにしてください。 そんなに宇宙が好きなら、今すぐ外に放り出しますよ」
ドロシーとは相変わらずのやり取りですね。
ある意味、同じ調子で安心しますよ。
「ああ……私達は勢い良く発射して、遂に天の高みに到達したのですね」
ラプンツェルもいつも通りで何より。
「ほほう、星海を見ながらの酒は幾度としてきたが、加えて地球の蒼さに照らされながらとは乙なもの。 ただ、酒瓶が浮いてしまって呑み難いのが難点かのぉ」
「紅蓮、もう飲まないでください。 無重力化では色々と危険があるのです。 水玉が顔に張り付いて溺れたくないでしょう?」
紅蓮にはお酌ではなくお灸を……とまで言いませんが注意しておきます。
訓練やブリーフィングで多少学んでいる筈なのですがね。 そこは飲んだくれというか。
何だかんだ、皆いつも通りじゃないですか。
私が心配する必要は皆無でしたねぇ。
「リリスお姉ちゃん、とナグサお姉ちゃん」
愛しのスノウから通信です。
「はいはい、お姉ちゃん達ですよ」
「地平線の向こうに出れば、クイーンのいるステーションが見えると同時、迎撃が始まる可能性がある。 先行して無力化、無理なら直接殴り込んで先に終わらせても良い」
「言うようになりましたねぇ」
「信頼の証だ。 2人なら出来るのだろう?」
「勿論! ねぇナグサ?」
「……やらないと、やられますからね」
全く、皆して私を虐めないで下さいよ。
「戦闘機をパージする。 お姉ちゃん、信じてる」
「信頼には応えますよ、きっとね」
上のハッチが左右に開き、光が差し込む。
同時にふわりと浮かぶように、私達の乗る宇宙戦闘機が母船より切り離されました。
私がリリスにボディの主導権を渡せば、ニッと好戦的な笑顔になって操縦桿とスロットルレバーを握るリリーバイス。
「それじゃ、始めよっか!」
「ええ。 檜舞台での頂上決戦へ」
刹那、フルスロットル。
地球を下にしながら一気に前に躍り出れば、遥か前方からビームの弾幕が。
「ッ!」「予想通りですね」
スッと息を止め腹筋に力を入れると同時、即座に横に機体を転がすようにして回避ロール。
発射地点と思われる閃光に、マニュアル照準で光線を撃ち込んでいくリリス。
「私だけじゃ勝てないわよナグサ!!」
「分かってますよッ!!」
ここで堕ちるのは詰まりませんからね。
侵食で機体を強化しつつ、ボディにも働きかけて空間の認識力を高めてリリスと並列演算。
すると動きが益々良くなり、クイーンも予測射撃を悉く外すばかりとなる。
「相手が"私"となれば、益々負けたくないですからねぇ!」
「その意気よ! そして決着をつけましょう!」
ある意味で自分自身との戦いな訳ですねぇ!
私に勝つという事は私に負けるとも言えるかもですが。 今は先の事は考えず、ただ仲間を勝たせる為に働こう。
何せ君達は勝利の女神。 人類の希望なのですよ。
後書き
ぼちぼち終わりへ向けて