限界少女とハイスペックダメ人間   作:スティック/糊

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初めまして、貴方が……

 

 6月上旬、藤宮周は自身の通う私立誠城高等学校の体育祭の後、学校で一番の美人ともっぱらの噂である椎名真昼と言う少女と交際を開始した。

 

 そこに至るまでは彼女の小さないじらしさと、自身の弱さがあったりと色々あった。

 

 今の結果に不満がある訳ではないが、自身が足踏みしている間に彼女には相当な我慢をさせてしまったようだ。

 

 だからか、周は彼女のやりたいことを自身の叶えられる範囲で叶える所存であった。

 

 

 

 体育祭の出来事から2週間。

 

 周と真昼の交際が公になってから人に囲まれるのも少し落ち着き始めた頃のこと。

 

 

「よし、二人が付き合ったってことでなんかこう……お祝いみたいなのしようよ!」

 

 

 例によって周宅にたむろする親友の彼女である白河千歳が唐突にそんなことを言い始めた。

 

 彼女が唐突に何かをしようと言い出すのはすっかりと慣れてしまったものだ。

 

 その内の幾つかは碌でもないもの、と周は形容してしまうような突拍子のないものである。

 

 罰ゲームありきのトランプで女装させてきたり、宿題を持ち込んでみたり。

 

 椎名真昼とのお隣さんであることがバレたクリスマスの出来事も彼女が提案したか、もしくはその彼氏で周の親友である赤澤樹であったかは今では定かではないところだ。

 

 そんなこともあって、周はまた千歳が何か言い始めたと呆れた目をしてしまう。

 

 

「ほーらちぃ、あっつあつの新婚さんの所にお邪魔しちゃだめじゃないか」

 

「えー、いっくん2週間待ったよ!」

 

「それなら……いいか?」

 

「何でおれに尋ねてくるんだよ」

 

「そりゃあ周んちが開催場所になるから?」

 

「……百歩位譲って俺んちを使うのはいいとして何をする気なんだ」

 

「それはこれから決める!」

 

 

 何も決まってないのか。

 

 とりあえず何かやる、と言うことから始まる光景もすっかりと慣れてしまったものだ。

 

 

「そうだなぁ……みんなで囲ってワイワイしたい!タコパとか!」

 

「タコパ、ですか」

 

 

 以前はやいのやいのと学校でしている時でも真昼は除け者の様になってしまっていたが、今ではこのメンツにすっかりと馴染んで会話に加わっている。

 

 そんな光景に、堂々と付き合い始めて学校で遠慮せずに会話をする様になった結果だな、としみじみしてしまう。

 

 

「うちにはタコ焼き器ないぞ」

 

「私の家にもありませんね」

 

「当然俺の家にもない」

 

「ついでに私の家にもない」

 

「ならなんでタコパなんて言い始めたんだお前は」

 

 

 やはり完全なる思い付き。

 

 準備のじの字もなく思い付きで行動している節がどこかある。

 

 

「でもこう。みんなで好きな具材を持ち寄ってやりたいじゃん?ロシアンルーレットたこ焼き!」

 

「その内お前は闇鍋したいとか言いそうで怖い」

 

「今はあっついから冬にやろ!」

 

「やらないからな」

 

「えー」

 

 

 ……冬になったら絶対また言い始めるな。

 

 一つ深くため息を吐き、真昼のほうに周は視線を向けた。

 

 可愛らしい小振りな顔に付いた形のいい唇に触れる程度に指をあて、その口からは『タコパ……』と繰り返し呟かれていた。

 

 真昼はやかましい事……と言うかパーソナルエリアに入れていない人間に囲まれた状態で何かをすると言うことは好まないが、一度懐に入れた人間とワイワイとするのは結構好きなタイプだ。

 

 周はそのことを察しつつ、脳内にうっすらと浮かぶお財布と相談する。

 

 たこ焼きプレートってどれくらいの値段だったけ。

 

 2000-3000円程度あれば4人でつつくくらいのものは買えるだろうか。

 

 真昼と過ごす日々が増えるにつれてゲームよりも勉強に力を入れるようになり、そう言った出費はあまりしないようになってきたから多少の余裕は……ああ、先日買った参考書が結構いい値段してたのを思い出す。

 

 それでも気になっているのかどこか落ち着かない様子の真昼を見ていると自分で買うと言い始めることだろう。

 

 彼女も彼女で家計管理はしているのだろうが自身の様な男よりはやはり出費はそれなりにあるはずだ。

 

 そうなると周の力でどうにかしたい。

 

 

 ふと、脳裏に一つの案が浮かび上がった。

 

 

「あーちょっと兄貴にタコ焼き器持ってるか聞いてみる」

 

 

 周はポケットからスマホを取り出してあまり頻繁に連絡を取る訳ではない兄へのメッセージアプリを開いた。

 

 別に兄にコンプレックスがあるとかではなく、男兄弟など特段大きな用がなければ連絡はしないだけだ。

 

 

「え、周ってお兄さんいたの!?」

 

「四つ上で兄貴も都内で一人暮らししてる。割かし興味を持ったら変な調理家電買ったりする人だからもしかしたらあるんじゃないかなと」

 

「以前お会いしたあの人ですか」

 

「そう、その人」

 

 

 千歳は周に兄がいると言う事実に驚くが、樹とはなんやかんや話はしていたからそこまで大きなリアクションはなかった。

 

 真昼はああ、と言った様子で先日母の志保子からの仕送りと言う名の真昼に食わせたいものの一部を届けにやって来た時の様子を思い出したのだろう。

 

 周よりもほんの少し背が高く、筋肉の付きづらい自分とは違って男らしい体格をした職業小説家の兄だ。

 

 如何せん口数が多い方ではなく、どこか誤解されがちな人なのだが圧倒的善性の持ち主だ。

 

 今では和解しているが自身が塞ぎこんだ中学時期に色々と心にない事を言ってしまったこともあった。

 

 本当に困った時には頼りになるし、ちょこちょこと気にかけてくれて、過度に干渉してこない理想の兄貴像の様な人なのだが天然気味と言うか、真昼とは違った方向性で純朴と言うか……そんな人だ。

 

 

「あるって」

 

「え、ほんと!?」

 

「ああ、卓上のガスコンロに置くタイプと電気式の両方あるから持ってきてくれるってさ」

 

 

 一つメッセージを送ってみれば『両方いるか』の文字と共に写真が送られてきた。

 

 周の家にはIHの卓上コンロはあるのだが、ガスボンベ式のコンロは無いと言えばそちらも持ってきてくれると言う。

 

 『必要な日が決まれば言え』と短い言葉も写真の後にぽつりと。

 

 

「周の兄貴ってそんなワイワイするタイプなのか?」

 

「ワイワイするタイプって訳じゃないが、基本的に好奇心で動くタイプ。多分タコ焼き器を買ったのもガスと電気式の食べ比べをしてみようとか唐突に思ったんだと思う」

 

「……なんというか癖の強い人なんだな」

 

「すごく真面目なんだけどたまに思い付きで行動する人なんだよ」

 

 

 まだ周が実家にいた時も唐突に『そうだ京都に行こう』とか『富士山の初日の出が見たい』とか言って本当に日帰りで行ってしまうような人だ。

 

 志保子とはまた別の行動力の化身。

 

 ……いや遺伝か?

 

 

「それでいつやるんだ」

 

「んー、みんな今週の土曜暇?」

 

「俺は暇だがって、明後日じゃねぇか」

 

「テヘッ」

 

 

 なんて言いつつ、みんなその日は空いていると言うことで兄にも急だけど土曜の昼頃にあれば、と送り了解の返信が返って来た。

 

 大体これで良し、か。

 

 これでタコパは開催できそうだ。

 

 真昼の表情もどこか楽しみな様子が見えたので周も頬が緩む。

 

 

「場所と道具用意してもらうなら俺らが材料用意するね」

 

「ふふふ、色々と持ってくね」

 

「変なもんは持ってくるなよ」

 

「変なものは持って行きませんー、ちゃんとそこら辺のスーパーで買える食べられるものですー」

 

「あのなぁ……」

 

「まぁまぁ、周君千歳さんもそこまでひどいものは持ってこないと思いますし、流石にあれなものは弾きますから」

 

「まひるん!?」

 

「食べ物は無駄にはしません、よね?」

 

「はい……」

 

 

 こうして千歳の突拍子もない提案により、周と真昼の交際記念とかこつけた只の高校生のちょっとしたパーティーの開催が決まったのだった。

 

 

 

 〇 〇 ……▲

 

 

 

 土曜日、夕月は真護に頼まれごとをした。

 

 先月お世話になった大鉢とは別の友人である絹岸と言う友人に急な頼みごとをされて断り切れなかったため、義弟の元にちょっと配達を頼まれた。

 

 アレに遭遇したら絡まれるぞ、アレの人に服を着せたい欲求は母さんの数倍はある。と注釈をつけたされたのである種の避難にも似たような対応らしい。

 

 悪い奴ではないが、一癖では片付けられないめんどくささがある。腕はいいのだが、とのこと。

 

 真護の衣類の大半はその人のセンスで選ばれたとかなんとか。

 

 

 

 『ちょっと大荷物で悪いが』と紙袋を二つ。

 

 夕月も特段急ぎの用もなかったので二つ返事でそれを了承した。

 

 スタンドで取り扱っていたポリタンクに比べれば軽いものでこれを運べばいいのかと住所を聞いて、そちらに向かうことにした。

 

 

 真護が居を構えている千代田区から目的の府中市まで電車で大体一時間弱。

 

 連絡を取ったら合鍵で玄関前までそのまま来ていいとのことらしい。

 

 

 以前モールに向かう際に迷子になった反省を生かし、電車の乗り換えについてある程度学んでいたのであまり恐れることはないだろうとゆっくりと向かって行く。

 

 タクシーで行ってヨシ、なんて彼は言っていたが値段を考えろ、と言ってしまいたくなった。

 

 見知らぬ土地に行くならと適当な理由を付けて電車で向かうことにしたのだ。

 

 

 スマホの地図機能を用いながら目的の住所までやって来た。

 

 

 目の前には中々立派な5階建てのマンションだ。

 

 6月も中ごろまでくるとそれなりに熱く感じてくる。

 

 寒いよりはましだが。

 

 

 移動に邪魔にならないようにエントランスの脇で真護から借りたショルダーバッグから水筒を取り出し、一口喉を潤してからオートロックを抜けてエレベーターへ。

 

 直ぐに目的の五階へ到着し、エレベーターから一番近い五〇一号室が義弟くんの住まいらしい。

 

 真護から連絡は行っているだろうからサプライズでも何でもないのだが、これが初邂逅。

 

 志保子さんから昔の写真を見ていたのでなんとなくの顔はわかるはずだ。

 

 さてはてどんな子なのやら。

 

 夕月はゆっくりとインターホンを押した。

 

 

「ごめん兄貴急にお願いしt――――」

 

「初めまして、貴方が……周さんですね」

 

 

 インターホンを押すと少し軽快な足音が聞こえ、扉が開く。

 

 開いた扉と共に、どことなく藤宮のご両親の面影と遺伝なのかそこそこ大きな背丈の少年が顔をだした。

 

 

「真護さんからの御届け物です」

 

 

 なんか固まってしまった義弟の姿に夕月は届けに来た荷物をアピールするように持ち上げるしかできなかった。

 

 ……これアレだ。

 

 真護さん必要な情報飛ばして伝えたな?

 

 夕月は何となく察した旦那の適当な所に感づき、帰ったら文句を言ってやろうと苦笑いを浮かべた。

 

 

  

 〇 〇 ……▼

 

 

 土曜日、兄から『予定が入った。少し遅れるかもしれないが届ける』と連絡を受けたため、いつもやってくるように合鍵でエントランスは抜けて部屋の前まで来たらチャイムを押してくれと頼んでいた。

 

 無理はしないでくれと言いながらも、出来れば持ってきてほしいと甘えてしまうのは弟の気質だろうか。

 

 兄は一度決めた約束事の類いは破らない人だ。

 

 千歳たちとの集合を13時ごろ、少し遅めのお昼ごはんを想定するような形で計画していた為、兄から12時過ぎには届けられそうと連絡を貰った時は安堵した。

 

 もしもの場合はホットプレートでたこ焼きの生地をだし巻き卵の様に丸める所であった。

 

 それはそれで楽しいのだろうがたこ焼きと言えばやっぱり丸の方がいい。

 

 

 12時14分、チャイムが鳴った。

 

 

「ごめん兄貴急にお願いしt――――」

 

 

 兄だと思って玄関を開けたら真昼にそっくりの女の子がいた。

 

 何を言ってるか分からないと思うが、周も自分が何を言っているか分からなくなってきていた。

 

 

「初めまして、貴方が……周さんですね」

 

 

 目の前の彼女は自分の名前を知っているようだ。

 

 何故?と言うかどうやってここまで来た。この建物はオートロックのハズ。

 

 

 瞬時に周の頭に色々な可能性が駆け巡った。

 

 真昼と仲の悪い椎名家の人……?いや、真昼は一人っ子だと言っていた。

 

 それは仲の悪い家族の否定の意味ではなく、真に一人っ子だと言っていたような形なのでそれは違うだろう。

 

 であればなんだ。あまりにも真昼に似すぎている。

 

 以前、樹から『椎名さんそっくりの人を見かけた』と聞いた。

 

 千歳からも『ジェネリックまひるんだったよあれは』と言う話も聞いた。

 

 おそらくその人で間違いはないはず。彼女は椎名真昼と一体どんな関係だ。

 

 真昼を傷つける可能性があるのであれば、周はどういった可能性でも真っ向から立ち向かうと決め―――。

 

 

 色々な可能性が駆け巡る周をよそに、彼女は続けた。

 

 

「真護さんからの御届け物です」

 

 

 周は今度こそ固まった。

 

 真護……兄貴の名前が何故?

 

 いや、確かに今さっき扉を開けたのは兄が来たと察して開けた。

 

 と言うことは椎名家関係ではなく兄貴の関係者としてここまで来たってことになるのか?

 

 やはり周は訳が分からなくなり、固まってしまう。

 

 

 そんな周を見てか、彼女は両手に持った荷物を持ち上げ苦笑いを浮かべたのだ。

 

 

「とりあえず、たこ焼き器受け取って貰っても?」

 

「あ、ああ」

 

 

 たこ焼き器……そうだ確かに周は兄にたこ焼き器を頼んでいた。

 

 沈黙に耐えかねたのか彼女はスッと二つの紙袋を周に差し出してきた。

 

 紙袋の隙間からは確かにたこ焼き器の姿が見えた。

 

 

「まったく、どうせ真護さんが確定してる情報だけ投げて付随する情報すっぽかしてたんでしょう」

 

 

 周がその紙袋二つを受け取ると、彼女は深くため息を吐きながらそうつぶやいた。

 

 たしかに、兄は色々な情報をすっぽかしがちと言うか、変なところで言葉が足りないことがある。

 

 でも兄貴がそんなことをするのはそれをしても問題ないだろうと思う身内にだけである。

 

 周が知る限り真護がそんなことをするのは家族と兄の幼馴染と友人くらいのもので。

 

 

「私の推測になりますが周さんにあの人は『届ける』とかの短い文だけ送って、誰がどうやって……みたいなことは書かなかったのでしょう。なのでその前に『予定が入った』とか書いてありませんでしたか?」

 

「確かに予定が入ったって書いてあって―――――この文が『俺は行けないが』って意味か」

 

「おそらくそうでしょうね。行間が多すぎる。帰ったら文句言っておきます」

 

「あ、いや、兄貴は致命的なところは間違わないから………?」

 

 

 ……ん?

 

 周は再度固まった。

 

 彼女は今なんといった。

 

 カエッタラモンクイッテオキマス。

 

 帰ったら文句言っておきます!?

 

 

「………すみませんが、うちの兄とはどういったご関係で」

 

 

 周は受け取った紙袋を持ったまま、恐る恐る挙手をしながらそう尋ねると、彼女は深く、深くため息をついた。

 

 

「端的に言いますと彼の妻です」

 

 

 彼女は右手で頭を軽く押さえるようにしながら左手の指を伸ばし手の甲を周に向けた。

 

 妻、という言葉でわかる通り、その左手の薬指には小さな宝石が入れられた指輪が嵌められていた。

 

 

「そう言えば春休みにこっちに来た時に兄貴がアクセサリー着けてるなんて珍しいと―――って妻ァ!?」

 

 

 あ、そう言えばと周は一瞬にして比較的優秀な記憶能力を駆使して最後に見た兄の姿を思い浮かべ、その左手薬指には確かに指輪が付いていたことを思い出す。

 

 いやそんなことではない。

 

 周はシンプルに今年一番の大声を上げてしまった。

 

 

 やっぱり伝え忘れてる……。

 

 少し遠い目をして呟いた彼女を横目に周の頭の中はこんがらがった。

 

 が、周の中の幾つかの点と点が繋がった。

 

 

 春休みに少し実家に顔を出さないかって言われてたのこれか!?

 

 

 自分で紹介してもらう機会を逃していた事実に周はいっそ膝をつきたい気分になった。

 

「改めまして、昨年藤宮真護さんと籍を入れさせてもらいました。藤宮夕月と申します」

 

 

 彼女は軽く息を払うとスッと姿勢を整え、挨拶をする。

 

 

「よろしくね(義弟)くん」

 

 

 待ってくれ情報量が多すぎる。

 

 

 周のキャパはだいぶいっぱいいっぱいになっていた。

 

 

 

 

「周くん、今大きな声が―――」

 

 

 先ほど大きな声を上げてしまったからかリビングの方から真昼が現れる。

 

 

 前を見ても後ろを見てもそっくりな顔だ…。

 

 でも見分けはつきそう。

 

 髪型とか服装とかじゃなくて、纏っている雰囲気と言うか空気みたいなので。

 

 

 ほっと息を吐き、ひと先ず不思議な関係性になった彼女、義姉について話をさせて貰おうと周は真昼の方を見た。

 

 だが真昼の様子はどこかおかしかった。

 

 真昼が彼女、夕月さんの姿をその目でとらえると何か見えてはいけないもの、見たくなかったもの―――されど憧憬を見たような複雑な表情を浮かべた。

 

 今にも溶けそうな瞳にじわりじわりと潤んでいく。

 

 

「お姉ちゃん」

 

 

 真昼はそうつぶやくと、彼女の目じりを伝って一筋の涙がこぼれる。

 

 

 ……おねぇちゃん!?

 

 やっぱり周の受け止めきれる情報量は限界を迎えそうになっていた。

 

 現に彼女も不思議そうな顔を浮かべ、小さく首を傾げていた。

 

 

 だが次の瞬間、周の背後からその体躯に似合わぬ速度で駆けた真昼は彼女に飛び込んで行った。

 

 

 危なげなく真昼を受け止めた彼女はやはり困惑顔。

 

 『お姉ちゃん』そう繰り返し呟きながら彼女を離すまいと強く抱きしめる光景に彼女は完全に困惑とした表情を浮かべ、周も困惑とした表情を浮かべた。

 

 

 




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