てな訳でどうぞ。
毛利拓也に友達はいない。
人見知り、コミュ障……もなくはない。しかし、それは根本的な原因ではない。むしろ、その根本的な原因が壁を作り距離を置いているのだ。
その哀しみから、無情な現実から逃げるように、本日も部屋で演奏に没頭している。近所迷惑にならないよう、ヘッドホンに繋げて。
普段から主に弾いているのはアニメソングやゲームソング。メジャーではないだろうが、個人で楽しむ程度だから別に構わないだろう。ネットに上げる気もないし、選択肢自体が存在しない。万が一でも身バレしたくないから。
貯まっていた小遣いにお年玉を使って購入した中古のショルダーキーボード。始めた頃は安物の電子キーボードでやっていたが、見た目のカッコよさでショルダーキーボードへと転向した。当然、弾き方も演奏の難易度も違うので初めは苦労したけど。
ショルダーキーボードはギターやベースのように手持ちで演奏できるけど、子供の楽器のイメージが強い。実際、ショルダーキーボードは廃れてきているし。今使っている【AX-Synth】も発売から九年も経過している。
今使っているのが壊れたら、音源の関係から据え置きタイプに戻るんだろうなぁ。そもそもショルダーキーボード自体、店に置いてあるかすら怪しいし。据え置きタイプを携帯タイプに改造するなんて、自分には無理だし。そう思いながらスマホでポチポチ検索していたら……
「……え?新しいモデルが出るの?本当に?」
検索結果の一つに、AXシリーズの新モデルの発売があった。音源豊富、鍵盤数も多め。お値段は……15万弱。
「……高ーい。高すぎて、手が出せない」
中学三年、春から高校生の自分に15万の壁は高い。高すぎる。年内発売だから、発売自体はまだ先だけど。
「毎月の小遣いの貯金……じゃ厳しいよな。15万なんて、小遣い何年分?三年分くらい?」
三年間我慢すれば買えるかも……けど、実際はもっと掛かるかも。小遣いの前借り……できる金額じゃない。数万円ならまだしも、15万円は多すぎる。
お金を早く貯めるには……バイトしかない。
「けど、バイトはぁぁぁぁ……」
いや、中学卒業ですぐ働こうと考えていたんだから別にいいんじゃない?いや、仕事先は身嗜み……厳密には帽子やサングラスがアウトで、マスクはグレーゾーン。バイトの定番(偏見)のコンビニなんて、その辺りは厳しい筈。そもそも進学より就職を選ぼうとしたのは――
自分は現実逃避するように自身の頭を触る。フサフサではなく、ペタペタ。頭部の色は肌色一色。
そう。自分は病気でも何でもなく、頭が禿げているのだ。毛根が死滅しているレベルでハゲなのだ。この15年間、一ミクロンも頭から毛が生えたことがないのだ。
小さい頃から『お坊さん』『クリ○ン』『一○さん』『お地蔵さん』『病人』『宇宙人』『子供オジサン』と笑われ続け、カツラを着ければ『ハゲがカツラを被ったー!』と揶揄された。
こんな頭だから、小中の学年行事は全部休んだ。体育の授業がある日はズル休みした。いや、中学校は週に一、二回しか顔を出さなかった。ほとんど不登校だし、写真だって一切撮っていない。ハゲバレを恐れて。
高校だって、親が『せめて高校は卒業した方がいい』と泣いて言ってきたからだし……!本当に、何で自分はハゲなんですか!?
「ぁあああああああああああああっ!!」
その日も八つ当たりのようにキーボードを弾きまくった。
~♪~♪~
高校に入学して早一月。今のところハゲバレはしていない。
地元ではハゲバレの確率が高いから、出来る限り低くするために県外の、それも二時間掛けて通学する学校を選んだ。
それでも、学校生活は本当に辛い。学校側には(さすがに)事情を話して体育の授業だけは免除してもらっているが……毎回休んでいるから嫌でも目立つ。もちろん悪い意味で。
周りからどんどん浮き初めているけど、ハゲがバレるよりは一億倍マシだ。高校生活の青春なんて、自分には夢物語だし諦めてもいる。ハゲがバレたらその日から地獄なんだから。
今日も家に帰ったら部屋に籠ってキーボード……高校生になってもやることは一つも変わらない。誰とも、ネットですら友達を作れないぼっちだ。友達を作ろうと行動すら起こせない、正真正銘のぼっちだ。
同じぼっちかと思っていた女子――後藤さんはギターバックを持ってきたり、アレなTシャツをピンクジャージの下に着たりと友達作りの行動をしていた。周りからは奇行に見えたかもしれないけど、あれは目立って話し掛けて欲しいのアピールだ。自分には、そのアピールすら出来ないのに。
キーボードだけが、トモダチさー(泣)。
勝手にぼっち仲間と思っていた後藤さんにすら見捨てられ、自分は一人寂しく帰路に着く。本来は真っ直ぐ駅に向かうところだけど、今日だけは宛もなく歩きたい。バッグに常備している帽子にマスク、サングラスを掛けたフル装備で。
「何あれ、不審者……?」
「しっ、見ちゃいけません」
周りがヒソヒソ呟いて距離を取っているけど、ハゲがバレるよりはずっといい。もしバレでもしたら……想像すらしたくない。
ああ、そういえばバイトはどうしよう。あのショルダーキーボードは欲しいけど、15万円は本当に高いし……小遣いやお年玉だけじゃ買えないし……前借りしようにも15万は前借りできる金額じゃないし……やっぱりバイトをするしか……でも、バイト先でハゲバレしたくないし……顔を隠しても大丈夫そうな場所は……
コンビニ、アウト。飲食店、アウト。販売店、アウト。配達員、グレー?
新聞配達……通学の関係で無理。それ以外……そもそもバイクの免許がないと無理。詰んだ。
やっぱりハゲにはバイトの入口すら厳しい……キーボードがいくら弾けても、バイトの役に立たないのだから。
キーボード……音楽……バンド……ライブ……ライブ、ハウス。
「ライブハウス……」
そういえばライブハウスって、たしか地下にあるんだよね?地下は無法の巣窟。バンドマンの格好は不良のイメージあり。そこの店員も、見た目の制限は緩い……筈。
ライブハウスでバイト……応募してるならやってみようかな?
~♪~♪~
翌日。
「あの、すみません。ここでバイトの募集はしていますか?」
学校帰り等から、ネット検索で見つけたライブハウスは【STARRY】。そのライブハウスの受付にいる人に聞いています。もちろん、顔を隠したフル装備で。
「……えっと、店長を呼びますね」
受付の人は凄く困った顔で店長さんを呼びに行きました。電話なしで突然来てごめんなさい。電話で確認する勇気がなくてごめんなさい。
少しして、受付の人が柄の悪そうなお姉さんを連れて来ました。
「ヒィッ!ゴゴゴ、ごめんなさい!!」
「何でいきなり謝っているんだ?ま、取り敢えず入れ」
店長さんに促され、自分は店長さんと一緒に店の中に入っていきます。大丈夫、怖くない、怖くない……
「一応、マスクにサングラス、帽子は外しとけよ」
「お願いします全部は勘弁して下さい。せめてどれか一つだけは残させて下さい」
「震えて土下座するほどか!?」
自分にとってそれは死刑宣告なんです。全部外して万が一があったら……想像すらしたくない!!
「一応、バイトしたくて来たんだろ?さすがにそれで仕事は……」
「申し訳ありませんでした。貴重なお時間を奪ってしまって本当にすいません。今すぐ帰りますので許して下さい」
「そんなにか!?最近の男子学生は顔を隠すのが普通なのか!?」
すいません普通じゃないんです。自分が異常なだけなんです。その理由を話せなくて本当にごめんなさい。
「土下座を続けながら後ろに下がるとか器用だな!?分かった!帽子は勘弁してやるから、せめてマスクとサングラスは外せ!!」
「はっ、ハイ……ありがとう、ございます……」
店長さんが海より広い心で帽子を許してくれたので、自分はマスクとサングラスを外して改めて店長さんと向き合う。ウウ、本当に怖い……ハゲバレしないか、本当に怖い……この帽子だけは、絶対に死守しないと……!
「それでよくバイトしようと思えたな?」
「あ、えっと……ライブハウスなら、その辺は緩いかなと、勝手に思ってて……そうでないなら、素直に諦めます……バイトを」
「格好じゃないのかよ!どんだけ顔を隠したいんだ!?」
ごめんなさい名も知らない店長さん。その理由だけは絶対に話したくないんです。自分からハゲだなんて、口が裂けても言えないです。学校にだって両親が代わりに説明しましたし。最初は信じなかった先生も、わざわざ家に来てもらって確認したら凄く目が泳いでいましたし。
「……黙りか。その理由も話せないんじゃ、ウチで雇うことは出来ないんだけど?」
「ごめんなさい。本当にごめんなさい。自分のことは忘れてもらって構いませんから。今すぐ帰りますから」
「泣くほどか!?本当にそれでよくバイトしようと思えたな!?」
「すみませんすみません。買いたいものがあって小遣いじゃ全然足りないからバイトしてお金を貯めようと安易に考えて本当にすみません」
やっぱりハゲにバイトは無理でした。今すぐ消えていなくなりますので許して下さい。
「だから帰ろうと――」
店長さんが引き留めようと声を上げると同時に、頭が急に冷たくなりました。
「「…………え?」」
頭皮が……冷たい。いや、そんな、まさか……
自分は信じたくない思いで頭に手をやると……ない。帽子と、カツラが、ない。
つまり……見られた。見らレタ……ミラレタ……ハゲヲ、ミラレタ。
「え……あっ、その……」
「ま、間違えて髪を全部剃っちゃったんだね!そうだよね!?そうなんですよね!?」
マチガエテソッタ……マチガエテ、ソッタ……
「ソウデスネ。ウマレテカライチドモフサフサジャナイデスケドネ」
「ぎゃああああっ!?崩れた!砕かれた岩のように崩れ落ちた!!」
アハハ……コンナカタチデハゲガバレルナンテ……
「どどど、どうすれば……!?」
「どうしたのお姉ちゃん?急に大声上げて……殺人現場!?」
「帽子にカツラ……ハゲ?」
ハゲ……ハゲニソンザイスルケンリハナインダ……
「どんどん人の形が無くなっているんだけど!?本当に何があったの!?」
「説明は後です!いや、説明するのも躊躇われるんですけど……」
「説明できないほどなの!?」
「取り敢えず、ノリでくっ付けてみよう」
「そのノリどこから持ってきたの!?」
アア、カミサマ……ジブンノトウヒハアナタサマニヨッテソラレタノデスネ……
「ほ、ホントにノリでくっ付くかな?」
「あっ、えっと……こ、米粒で、た、たた試してみますか……?」
「米粒は駄目。米粒が勿体無い」
カミヨ……ジブンニケヲアタエタマエ……
「駄目だ!ノリじゃ全然くっ付かねぇ!!」
「一か八か、ヘアスプレーを吹き掛けてみます?」
「さすがにそんな方法じゃ……ホントにくっ付いた!?」
ヘアスプレー……カミヲモツモノノトッケンデスネ……
「何とか人の形に戻ってきていますね……」
「あれ?この人って……」
「触れるな虹夏。絶対に触れないでやってくれ」
「……カツラを被せて、元通り」
……ハッ!?
自分は一体何を……!?いや、ハゲが店長さんと受付の人にバレて……それに周りに知らない人が……後藤さん!?
「ひょべばにびゃびゃびゃにびゃびゃびゃッッッ!?!?!?」
「奇声と同時に砕け散った!?」
オワッタ……ホントウニ、オワッタ……クラスメイトニハゲガバレテ、オワッタ……
ホントウニジブンハナニヲシタトイウノ……?ドウシテハゲナダケデ、コンナメニアウノ……?
ドウシテ……ドウシテ、ドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテドウシテ――
「あれ、ここは……?」
知らない天井。ここは本当に何処何だろう……?
「あ、気が付いた?ここはライブハウス……って、ゴミ箱の中に隠れた!?」
「すみません。このまま帰らせて下さい。今日の出来事は全部忘れて下さい」
そうだ。此処の人たちに自分がハゲであることがバレたんだ。しかも、同じ学校の後藤さんにまで見られてしまって……もうお日様の下で生きていけない。
「だからゴミ箱ごと帰らないで!!気持ちは分かるけど!」
「無理しなくていいです。この歳でハゲている人の気持ちなんて、五十を過ぎた男性にしか理解できませんから」
「絶妙に反論できないチョイス!」
「大丈夫、バンドをする人にはスキンヘッドの人もいる」
「そんな軽い慰めはいらないです。小さい頃から病人やクリ○ン、お地蔵さんや子供オジサンとからかわれたので」
「……ゴメン」
「あのリョウが謝った!?」
そもそもスキンヘッドはその人が自ら望んだヘアスタイルです。自分みたいなハゲのような哀しみはないし、それを受け入れるメンタルもある。自分にはハゲを武器にするメンタルなんてない。あったら、カツラで隠すなんて真似はしない。
「もう学校に行けない。同じクラスの後藤さんにバレてしまったんです。明日からカツラとハゲの事実が学校中に……」
「え?ぼっちちゃんと同じ学校なの!?」
「あっ、あっあっあっ……ご、ごご、ごめんなさい。私、学校を止めますから……」
「こんな形で退学しないで!ぼっちちゃんが誰にも言わなければ済む話だから!」
「あっ、はい。そうですね……話そうにも、話せる人が学校に一人もいないですし……」
「ぼっちちゃんもゴミ箱を被らないで!」
お願いします。帰らせて下さい。自室に閉じ籠ってキーボードに逃げたいんです。
何とか帰宅しようにも帰してもらえず、布にくるまって面談する羽目になった。軽い自己紹介を終えて。
何故か後藤さんも別の布にくるまっているけど。
「帽子にサングラス、マスクを着用したがっていたのは……」
「はい。ハゲバレ防止のためです……帽子を被っておけば早々に違和感を感じないのと、もしカツラが取れてもサングラスとマスクで顔を隠していれば、顔バレせずに済むと思ったので……」
「切実すぎる……!」
店長さんが両手で顔を覆って泣いているように見える。同情するなら髪の毛を下さい。フサフサと言わないので、一ミリの毛を頭皮に下さい。
「凄く聞き辛いんだけど……病院には?」
「……すべての医者が両手を上げました」
「ゴメン。本当にゴメン」
いいんですよ伊地知さん。別に謝らなくても。お医者さんが辛そうに、哀しそうに告げられたら、本当にどうしようもないんですから。
「謝らなくて大丈夫です。バイトの動機から酷いですし気にしないで下さい。楽器欲しさにバイトしようした人権ゼロのハゲなんですから」
「お願いだから自虐しないで毛利くん!」
「楽器?毛利は楽器を弾いてるの?」
「はい……キーボードを、鬱憤晴らしに……」
「……キーボード?」
山田さんの質問に答えると、何故か伊地知さんが自分をマジマジと見つめてきました。何故かキーボードに反応したかのように。
「毛利くん、キーボードが弾けるの?」
「い、一応は弾けますけど……キーボードが弾けても意味ないですよね。それに、電子キーボードなんて子供の玩具程度ですし」
「それは違う。キーボードはバンドでハブられることが多いけど、あるとないとじゃ全然違ってくる。後、バンドのキーボードは電子が普通」
え?電子キーボードってバンドでも使うの?自分を慰めるための嘘じゃないの?
「あっ、その……知らないで、弾いていたんですか……?」
後藤さんが目を泳がせながら聞いてきている。これは……ぼっち特有の反応だ。慰めや嘘からじゃない、人見知りからくる反応だ。
「……はい。現実逃避できるなら、何でも良かったので」
ゲームやマンガは、どうしても飽きがやってくるし場所もお金も取られてしまう。その点、音楽なら一人で楽しむ分ならネットからでも音を拾うことができる。音は動画サイトでも拾えるし、初期金額さえ目を瞑れば没頭し続けられる。キーボードだけが、自分の唯一の拠り所なのです。
「ちなみにだけど、キーボードはどんなのを使ってるの?」
「えっと、その……AX-Synthを……」
「……AX-Synth?それってショルダーキーボード?」
「あっ、はい。ショルダーキーボードです」
「……裏切り者!!」
「ヒィッ!?ごごごゴメンナサイッ!!」
ショルダーキーボードと分かった瞬間、伊地知さんが両手でテーブルを叩いて悲痛な叫び声を上げた。やっぱり、ショルダーキーボードは子供の玩具だったんだ。期待させて裏切ってしまって……本当にゴメンナサイ!!
「だから土下座するな!見ているこっちが辛いから!」
「だだだだけど店長さん、何か期待していたような伊地知さんを裏切ってしまいましたし……!そそ、それにバイトの理由も、その新モデルが欲しかったからですし……」
「【AX-EDGE】だね。AX-Synth以来の新作だから、欲しがるのも頷ける」
山田さんも知っているからか、同意するように深々と頷いています。なんでこんなに反応が違うんでしょうか?
「ショルダーキーボードは見た目から勘違いされるけど、アレはむしろライブやバンド向けの鍵盤楽器。しかも演奏難度は本当に高い」
「そ、そうなんですか……?で、でも伊地知さんがあんなに怒ってますし……」
「気にしなくていい。あれはドラマーの八つ当たり」
そ、そうなんですか……?本当に?自分に気を使った嘘じゃないんですか?ドラマーがドラムの人なのは分かりますけど。
「あっ、あの……ショルダーキーボードは本当に、バンド向けの楽器なんです。廃れかけていたのは……じ、事実ですけど、決して子供向けの玩具だからじゃないんです。そそ、それにキーボードの役割は意外と重要でして……ドラムやベース、ギターの役割以外の全部を、請け負っているんです」
後藤さんもおどおどとした口調で、ショルダーキーボードについて語ってくれている。後、バンドとしての役割も。
「で、でも、所詮は八つ当たりですし……現実逃避のために没頭はしましたけど……」
こんなハゲの演奏なんて、聴く価値もないものですし。人様に聴かせられるものでもないですし。
「これじゃ堂々巡りだな……もう、実際に聴いてみた方がいいだろ」
……店長さん?
「そうだね!実際に聴いてみた方が早いよね!だから、毛利くんの演奏を聴かせて!」
「えっ、いや、その……」
「確かに。実際に聴くのが一番」
「あの、えっと……」
「………………」
「……今度の土日に、持ってきます」
嫌だと言えなかった。ハゲ絡みだったら断れたのに。
これが自分と《結束バンド》の初邂逅でした。ハゲバレからの演奏の強要……本当に人生の厄日です。いや、毎日が厄日ですけど。
――その厄日は加速する。
「ガールズバンドにハゲ……叩かれてハゲバレする未来が……」
「ミイラのように干からびないで!?」
「写真だけは止めて下さい!本当にどうか写真だけは!!」
「土下座するほど嫌なの!?」
「え?出さないけど?」
「……そうですよね。ハゲがいるバンドなんて、恥ずかしくて出せないですよね」
「違ぇよ!お前の有無は一切ないから!後、なんで幽霊のように消えようとしているんだ!?」
「チケット二枚……どうやって売ったらいいんだろ?友達なんていないのに……」
「わたしも友達がいないから……せっかく用意したビラも使えないですし……」
(後藤さんのギターに意地でも合わせる!!このままで終わらせない!終わらせたくない!!)
ハゲのキーボーディストは音楽を奏でる。ギターヒーローと共に。
「二人して溶けないで!」
共、に……?
オリ主紹介。
毛利拓也
今作品の主人公。ハゲ。
生まれた時からハゲだった為、哀しき人生を歩まされている。幼少からハゲを揶揄られた為、ハゲバレに対して極度の恐怖を抱いている。故に家族以外に親しい人物はいない。
唯一の趣味は自室でのキーボード演奏。理由は自分の世界に閉じ籠れるから。
演奏するなら上手く弾きたいとも思っていたので、腕前は自覚なしではあるが結構高い。
使用する楽器はショルダーキーボード。