おじさんが魔女裁判に連れてこられてしまったときの話   作:長雪 ぺちか

10 / 23
おじさん殺人事件③

【審問開始】

《橘シェリー》

「まずは現場の様子ですね!現場にはおじさんの体液と思われる液体が大量に散乱していました。ちょっとした血飛沫みたいですね」

 

《橘シェリー》

「他にもおじさんの周りには本が散らかっていましたね。おじさんは本でも読んでいたんでしょうか」

 

《氷上メルル》

「おじ様は日夜、大魔女を見つける方法を探していました……。私たちが全員生きて帰れるように……」

 

《紫藤アリサ》

「あのおっさんそんなことしてたのかよ。ウチらのために頑張ってくれてたんだな」

 

《沢渡ココ》

「もしかしてあてぃしら、めっちゃ有用な人を失った感じじゃね!? おっさんきしょいとか言ってごめん!」

 

《橘シェリー》

「となると本を読んでいた間に襲われたのかもしれませんね。他にめぼしい情報はなかったように思います。他に何か気付いた人はいますか?」

 

《遠野ハンナ》

「そもそもあの遺体を分析してる人なんてシェリーさんくらいしかいませんわよ……」

 

《橘シェリー》

「えー!どうしてですか?せっかく事件が起きたのにみなさんノリ悪いですー」

【審問終了】

 

 

《桜羽エマ》

「シェリーちゃんすごくイキイキしてる。事件が起きたのがそんなに嬉しいのかな」

 

《桜羽エマ》

「今の話でおかしいところはなかったかな。ううん、違う。なかったのが逆におかしいのかも。そこを指摘すれば……」

 

 

【審問開始】

《橘シェリー》

「まずは現場の様子ですね!現場にはおじさんの体液と思われる液体が大量に散乱していました。ちょっとした血飛沫みたいですね」

 

《橘シェリー》

「他にもおじさんの周りには本が散らかっていましたね。おじさんは本でも読んでいたんでしょうか」

 

《氷上メルル》

「おじ様は日夜、大魔女を見つける方法を探していました……。私たちが全員生きて帰れるように……」

 

《紫藤アリサ》

「あのおっさんそんなことしてたのかよ。ウチらのために頑張ってくれてたんだな」

 

《沢渡ココ》

「もしかしてあてぃしら、めっちゃ有用な人を失った感じじゃね!? おっさんきしょいとか言ってごめん!」

 

《橘シェリー》

「となると本を読んでいた間に襲われたのかもしれませんね。他にめぼしい情報はなかったように思います。他に何か気付いた人はいますか?」

 

 

<ガラスの割れる音・エマの論破スチル>

 

《桜羽エマ》

【反論】「ちょっと待って。他に“めぼしい情報がない”というのが情報なんじゃないかな?」

 

《橘シェリー》

「え? どういうことですか?」

 

《桜羽エマ》

「ボクが言いたいのは、この死体には“外傷がない”ってことがわかるってことだよ」

 

《遠野ハンナ》

「つまりエマさんは、おじさんの死因がそれによって絞れると言いたいのですわね?」

 

《橘シェリー》

「なるほどー! それは盲点でした。そうなると死因として考えるのは……」

 

《桜羽エマ》

「“毒殺”じゃないかな? 外傷がないってなると……それが真っ先に思いつくよ」

 

《橘シェリー》

「それか“腹上死”というのも考えられますねー」

 

《遠野ハンナ》

「“腹上死”? それはどんな死に方何ですの?」

 

《橘シェリー》

「性行為の途中、ないしは行為後に死んでしまうことですね。行為中の血圧の上昇などが原因と言われています。おじさんの年齢的にも可能性は低くないように思います」

 

《紫藤アリサ》

「それってやっぱりおっさんの自爆じゃねえか」

 

《桜羽エマ》

「で、でもそれだとこの中におじさんと……そういう行為をした人がいる……ってことになるよね? それってありえるのかな?」

 

《橘シェリー》

「否定はできないのではないでしょうか? 現に、メルルさんはおじさんと同衾をしていたわけですし」

 

《氷上メルル》

「みなさんはおじ様のことが嫌いなのですか……?」

 

《二階堂ヒロ》

「何にせよ、現場の証拠から“腹上死に見せかけた毒殺”、または“腹上死”そのものと考えるのがいいだろう」

 

《橘シェリー》

「そうですね。死因が大方絞れたところで、次は犯行時刻について考えていきましょうか」

 

 

【審問開始】

《橘シェリー》

「この中に前日おじさんを目撃した人はいますか?」

 

《氷上メルル》

「わ、私です……夕方ごろに図書室でおじ様に会いにいきました。エマさんの看病で医務室が使えないということを伝えないといけなかったので……」

 

《氷上メルル》

「おじ様は通常、医務室で寝ていたんです……本当ならレイアさんと同室だったはずですが、ゴクチョーさんのはからいでそうなっていました」

 

《蓮見レイア》

「なんと! 危機一髪だったようだ。ありがとう、ゴクチョーさん! いや、ゴクチョー様!」

 

《橘シェリー》

「なるほど。普段と異なる動きをしたところを狙われてしまったんですね。他に目撃者はいますか?」

 

《城ケ崎ノア》

「のあは夜中におじさんに会いに行ったよ。最近一緒にお絵描きしてるんだー」

 

《紫藤アリサ》

「“バルーン”とお絵描きって……おっさん役得すぎるだろ」

 

《城ケ崎ノア》

「えへへ……そういえば、おじさんが図書室で寝ることになったこと、のあもそのとき聞いたよ。だからメルルちゃんの話は本当だと思う」

 

《橘シェリー》

「そうでしたか。他に目撃者は……いませんね。それでは犯行はおおよそ夜時間が始まってからということになりますね」

 

《沢渡ココ》

「やっぱ犯人はメルっちじゃないの? これまでもおっさんと同衾してたっしょ? ヤルことやっておっさん死んだから焦って逃げたんじゃね?」

 

《氷上メルル》

「ち、違いますっ! 私そんなこと……絶対しません!」

【審問終了】

 

 

《桜羽エマ》

「おじさん、普段は医務室で寝てたんだ。ボクはおじさんと会うことがほとんどなくて、一緒に生活をしているという実感がなかったよ」

 

《桜羽エマ》

「犯行時刻についてはおおむね正しいと思う。でも、今の会話でひとつあり得なそうなところがあった気がする。そこを指摘してみようかな」

 

 

【審問開始】

《橘シェリー》

「この中に前日おじさんを目撃した人はいますか?」

 

《氷上メルル》

「わ、私です……夕方ごろに図書室でおじ様に会いにいきました。エマさんの看病で医務室が使えないということを伝えないといけなかったので……」

 

《氷上メルル》

「おじ様は通常、医務室で寝ていたんです……本当ならレイアさんと同室だったはずですが、ゴクチョーさんのはからいでそうなっていました」

 

《蓮見レイア》

「なんと! 危機一髪だったようだ。ありがとう、ゴクチョーさん! いや、ゴクチョー様!」

 

《橘シェリー》

「なるほど。普段と異なる動きをしたところを狙われてしまったんですね。他に目撃者はいますか?」

 

《城ケ崎ノア》

「のあは夜中におじさんに会いに行ったよ。最近一緒にお絵描きしてるんだー」

 

《紫藤アリサ》

「“バルーン”とお絵描きって……おっさん役得すぎるだろ」

 

《城ケ崎ノア》

「えへへ……そういえば、おじさんが図書室で寝ることになったこと、のあもそのとき聞いたよ。だからメルルちゃんの話は本当だと思う」

 

《橘シェリー》

「そうでしたか。他に目撃者は……いませんね。それでは犯行はおおよそ夜時間が始まってからということになりますね」

 

《沢渡ココ》

「やっぱ犯人はメルっちじゃないの? これまでもおっさんと同衾してたっしょ? ヤルことやっておっさん死んだから焦って逃げたんじゃね?」

 

 

<ガラスの割れる音・エマの論破スチル>

 

《桜羽エマ》

【反論】「メルルちゃんが犯人になるのはありえないんじゃないかな?」

 

《沢渡ココ》

「え、なんで?」

 

《桜羽エマ》

「この場にいるみんなはうっすらとおじさんに嫌悪感や警戒心があると思うけど、メルルちゃんは逆だよね。だからおじさんを殺す動機はないと思うんだ」

 

《桜羽エマ》

「それに、メルルちゃんの魔法は【治療】。もし目の前でおじさんが死にそうになっていたら、その場で治療していたんじゃないかな」

 

《沢渡ココ》

「確かに……メルっちがヤッたんだとすると事件にすらなってないわ。チートすぎるんですけど」

 

《遠野ハンナ》

「治療……そういえばメルルさんはおじさんを発見したときに【治療】は行いませんでしたの?」

 

《氷上メルル》

「もちろん治療の魔法は使いました……。でも……おじ様には効果がないようでした……」

 

《橘シェリー》

「メルルさんの魔法がどれほどの力を持っているのかわからないのですけど、死んでしまった人を蘇らせることはできないんですか?」

 

《氷上メルル》

「私の魔法は……そこまで強力ではないので……。すでに死んでしまった人には効果がありません……だから、発見したときにはおじ様は既に死んでいたんだと思います……」

 

《二階堂ヒロ》

「それならば犯行時刻は“夜時間の間”になるのではないだろうか? 死因はどうであれ、夜の間におじさんは死んでしまって、メルルが見つけたときにはもう手遅れだったと考えるのが自然だろう」

 

《橘シェリー》

「確かにおじさんの殺人は夜時間に行われた可能性が高そうですね。昨日の夜にアリバイがある人は言ってください」

 

《氷上メルル》

「私はエマさんと一緒に医務室にいました。完全につきっきり……というわけではありませんが、私とエマさんはアリバイがあります」

 

《遠野ハンナ》

「わたくしとココさんは同室ですので互いの潔白を証明できると思いますわ。他の同室の方々もそうでしょう?」

 

《紫藤アリサ》

「ああ、ウチと橘は夜時間部屋で休んでいた。間違いない」

 

《夏目アンアン》

『わがはいも昨晩はノアと一緒にいた』

 

《宝生マーゴ》

「うふふ……あら、珍しいわね。においは大丈夫だったのかしら?」

 

《城ケ崎ノア》

「のあたちは仲直りしたんだー。寝るときはお絵描きしないって約束したの」

 

《夏目アンアン》

『だからここ数日はわがはいもちゃんと部屋で寝ている』

 

《橘シェリー》

「そうなるとアリバイがないのはマーゴさん、ナノカさん、ヒロさん、レイアさんの4人ですかね」

 

《蓮見レイア》

「なんと! 私も犯人候補になってしまうとは。私は決してやっていない! みんなならきっと分かってくれるはずさ」

 

《橘シェリー》

「それでは次はこの4人に話をしてもらいましょう! 弁明、頑張ってくださいねー!」

 

(続く)




エマ視点での情報
[現場の様子]
下半身を露出したおじさんの遺体が机の上で寝ている。周囲には白い液体が大量に撒かれており、また本が散らかっている。

[死因]
おじさんの遺体に外傷がないため、腹上死、またはそれに偽装した毒殺ではないかと考えられる。

[目撃情報・犯行時刻]
最後におじさんをみたのは城ケ崎ノア。少なくとも昨日の自由時間内には生きていた。

[大魔女を見つける方法]
おじさんはこれを調べていたという。詳細についてはわからない。

[メルルの魔法]
おじさんの遺体に魔法をかけたが効果がなかった。そのため自由行動が始まる前、夜時間の間に殺されたと考えられる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。