おじさんが魔女裁判に連れてこられてしまったときの話 作:長雪 ぺちか
《おじさん》
「さっきのやりとりで、城ケ崎さんのことが少しわかった気がするよ」
《城ケ崎ノア》
「ふーん。のあが高校生ってことくらい、知られても大丈夫だもん」
《おじさん》
「その件は本当にすまなかった……。それはさておき、”高校生ってことくらい“ということは、他に知られちゃまずいことでもあるのかな」
《城ケ崎ノア》
「…………ふんふふ〜ん」
《おじさん》
「露骨に無視されてる……でも無駄だよ、城ケ崎さん。だっておじさんは、城ケ崎さんの秘密にもう気付いてしまったんだから」
《城ケ崎ノア》
「……っ!」
《おじさん》
「再開しよう。第二審の始まりだ」
【審問開始】
《おじさん》
「まずはありがとう。おじさんのことを信用してくれて」
《城ケ崎ノア》
「……どういたしまして?」
《おじさん》
「おじさんに秘密を知られることが大した問題じゃないということは、おじさんが他の人に言いふらしたりしないということを信じてくれたからだよね?」
《城ケ崎ノア》
「そういうことじゃないよ? おじさんのあのことおだててまた変なこと企んでるでしょー」
《城ケ崎ノア》
「それにのあは……本当はおじさんが思うほど良い子じゃないのかもしれないよ? そんなにのあのこと信じれる根拠はあるの?」
《おじさん》
「おじさんは弁護士だからね。自分が弁護する人の話は信用するんだ。信用した上で、結末をどうするか考えるのがおじさんの役割さ」
《城ケ崎ノア》
「ふーん。なんだか詐欺師みたい。弁護士ってもっとヒロちゃんみたいに正しい人だと思ってたのに」
《おじさん》
「おじさんは正義の味方じゃないからね。おじさんは、おじさんを頼ってくれる人の味方なんだよ」
《おじさん》
「だからね、城ケ崎さん。もし、おじさんに助けを求めるなら、例え悪い魔女だったとしても……おじさんは君の味方になるよ」
《城ケ崎ノア》
「じゃあのあのために死んでくれる?」
《おじさん》
「それとこれとは話が別」
《城ケ崎ノア》
「けちー」
【審問終了】
《おじさん》
「前回の会話で“本当に自分のことを知らないのか”という確認をしたことから、城ケ崎さんはSNSで有名な人なのではないかという予想は立つ」
《おじさん》
「もしかすると彼女は佐伯さんと似たような境遇なのかもしれない。つくづくSNSは怖い。おじさんの時代になくてよかった」
《おじさん》
「圧倒的に情報が足りていない。手強い相手だ……確証はないが彼女の裏の顔について指摘をする価値はあるだろう」
【審問開始】
《おじさん》
「まずはありがとう。おじさんのことを信用してくれて」
《城ケ崎ノア》
「……どういたしまして?」
《おじさん》
「おじさんに秘密を知られることが大した問題じゃないということは、おじさんが他の人に言いふらしたりしないということを信じてくれたからだよね?」
《城ケ崎ノア》
「そういうことじゃないよ?おじさんのあのことおだててまた変なこと企んでるでしょー」
《城ケ崎ノア》
「それにのあは……本当はおじさんが思うほど良い子じゃないのかもしれないよ?そんなにのあのこと信じれる根拠はあるの?」
《おじさん》
「おじさんは弁護士だからね。自分が弁護する人の話は信用するんだ。信用した上で、結末をどうするか考えるのがおじさんの役割さ」
《城ケ崎ノア》
「ふーん。なんだか詐欺師みたい。弁護士ってもっとヒロちゃんみたいに正しい人だと思ってたのに」
<ガラスの割れる効果音・おじさんの論破スチル>
《おじさん》
【反論】「あはは……詐欺師は城ケ崎さんの方じゃないのかな?」
《城ケ崎ノア》
「…………のあ、おじさんの言ってること……全然わからないよ?」
《おじさん》
「むしろ、これまで気が付かない方が変だったんだ。今思い返してみれば、城ケ崎さんの描くスプレーアート……非常に見覚えがある」
《城ケ崎ノア》
「……っ!?」
《おじさん》
「おじさんもSNSとかよくやるんだ。だから、城ケ崎さん……いや、城ケ崎先生といった方がいいかな。城ケ崎先生のイラストをよく拝見していましたよ」
《おじさん》
「でも、だからこそ驚いたよ。まさか、あのスプレーアートたちが魔法で描かれていたなんてね。人によっては……“騙された”なんて思うんじゃないかな」
《城ケ崎ノア》
「………………………………」
《城ケ崎ノア》
「………………のあは悪くないもん」
《城ケ崎ノア》
「のあはただお絵描きが好きなだけだったの!みんなが勝手に“バルーン”に期待して……だからのあは……」
《おじさん》
「…………えっ?」
《おじさん》
「ええええええ!? 城ケ崎さんがあの“バルーン”だったの!?」
《城ケ崎ノア》
「……ふえ?」
《おじさん》
「も、もしかして……知らなかったのおじさんだけなのかな? 他の女の子たちはみんな知っていたの?」
《城ケ崎ノア》
「……おじさん」
《おじさん》
「……はい」
《城ケ崎ノア》
「おじさんは弁護士なんてやめて詐欺師をした方がいいと思う」
《おじさん》
「あはは……返す言葉もないよ。ごめんね。少し騙してしまった」
《おじさん》
「まさか城ケ崎さんが“バルーン”の正体だったとは……だから、あの作品たちが魔法で──ある種ズルい手段で描かれたということが知られて怖くなっちゃったんだね」
《城ケ崎ノア》
「はあ……もしかして、のあが騒がなかったらこんな大事にならなかったのかな」
《おじさん》
「そうなるね。でもまあ……」
《おじさん》
「これでおじさんの命も安泰かな」
《城ケ崎ノア》
「どうしてそんなに余裕なのかな? もしかしておじさん、のあと仲良くお話ししたら見逃してもらえると思ってた?」
《おじさん》
「そうじゃないよ。城ケ崎さんの悩みがわかって、たまたまそれがおじさんが解決できる類のものだってことがわかったから」
《おじさん》
「だってここから先は……法律の話(おじさんの領域)だから」
《城ケ崎ノア》
「……のあのこと、おじさんに説得できるかな」
《おじさん》
「できるとも。始めよう──第三審。これで最後だ」