ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 どうも、レイヴェルです。

 さ、今回から日常復活です。どんどんいきましょ~


第96話

 ファーストライブから数日。スタートダッシュは素晴らしい....ものにはならなかったが、それでもめげずに彼女達μ'sは日々練習とチラシ配りによる宣伝を怠ったりせずに続けている。

 そんなある日の昼休みのこと。神綺の元に穂乃果と海未が困った様子で相談してきた。

「ん、どうした二人共。3年のとこにくるなんて珍しいな」

 神綺は帰る支度をしながら横目で穂乃果達を見る。

「実は少し相談したいことがありまして...」

 と歯切れ悪く目を逸らす穂乃果の様子にただごとではないと察した神綺。あの元気でほぼ無策で突っ走る穂乃果がだ、なにか行動を移す前に相談など....しかも自信なさげに、これは思ったより重症らし。

「相談?てかことりはどうした」

 いつも3人で仲良く固まってる印象が強いのだが、そのことりがいないのだ。なにか物足りない。

「そのことで相談なんです。実は...」

 と海未が口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....なるほどね」

 事の発端はファーストライブの...いや、それ以前のスクールアイドルをするかしないかの時からだったらしい。

 なんでもここ、音ノ木坂学院に何の魅力があるかを探した時に、アルパカを飼育しているのに注目したとのこと。

 そこから数日おきかにことりがアルパカを見に飼育小屋へ足を運んでいたらしいのだが、その足を運ぶ頻度が最近急激に増えているから困っている。とのことだった。

「にしてもあいつアルパカが好きなのか。まぁ可愛いからな」

 神綺自身の興味本位で何度か足を運んでいるが、あそこのアルパカには愛着がある。

「斉藤先輩、ご存知だったんですか?」

 確かにここに通っている生徒でもアルパカがいるなんてことは数割しか知らないはずだ。知ってるのは飼育係を率先してくれている子や、学校の敷地内を散策してて偶然見つけた子ぐらいだろう。

「そりゃ生徒会の人間ですし。この学校のことは大まか頭に入ってるさ。それより、ことりは今も小屋にいるのか?」

「そのはずです」

「なら行ってみるか....俺も久しぶりに触りに行く」

「えっ 触って大丈夫なんですか?」

「あぁ。飼育係の子とかも普通に触ってるからな。余程変なことしなければ噛みはしないさ」

 

 

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「お~い!ことり~!」

「ふぇぇ~...あっ 斉藤先輩!それに穂乃果ちゃん達も...どうしたの?」

 早速飼育小屋に来てみると、白い毛のアルパカの首を優しく撫でているところだった。

「お前がずっとここにいるから困ってるってさ。にしてもどうしたんだ急に」

「え?あー....可愛いのでつい...」

 と神綺が呆れながら言うとことりはバツが悪そうに頬をかく。

「ま、確かに可愛いわな」

 そう言いながら神綺も飼育小屋へ近づく。それに穂乃果は腕を組んでもう一頭いる茶色い毛のアルパカを見ながら、

「か、可愛い...かな?」

 とジーッと茶アルパカを見ていると、

「フーッ!」

 と威嚇をしてきた。

「「うわぁ!?」」

 それに驚く穂乃果と海未。そんな初々しい反応に神綺は笑いながら茶アルパカに近づいて来るように手招きする。

「ははっ 俺も最初は驚いたな。...ほれ、こいこい」

 するとすんなり神綺の方へ寄って行くことにまた穂乃果と海未は驚く。

「す、すごい....」

「人間の言葉がわかるのでしょうか....」

「こいつらも頭が良くてな。結構わかってくれるんだよ。....よしよし。やっぱ撫でるならお前だよ」

 と微笑みながら茶アルパカの頭や首を撫でてゆく。そしてアルパカの方も満更ではないようなご様子。

 しかし、そんな神綺の言葉に、

「え~ こっちの子の方が可愛いですよぅ」

「めぇ~」

 とことりが隣で白アルパカを撫でながら拗ねる。

「確かにそっちも可愛いが...うん。やっぱこっちだろ。目が毛で隠れてるとことかさ、色もいい色してるし」

「....帰っていいかな?」

「駄目ですよ。これからチラシ配りしなければならないんですから」

 と自分達とはどこか違う所にいるなぁ、と神綺達を遠い目で見ながら呆れる穂乃果。だがそれも海未の冷静な正論で潰される。

 しかしそんな会話はアルパカワールドに旅立っていることり達には聞こえない。

「はぁ~幸せ~」

 と先ほどよりも大胆に首の後ろまで手を伸ばすことり。すると、

「ひゃぁっ!?」

 と急にアルパカに顔をなめられた。

「ことりちゃん!?」

「ことり!?」

 驚きのあまり後ずさりをして尻もちをつくことり。

「おぉ、珍しいな。そっちが舐めたり唾かけるのは初めて見たぞ」

 と茶アルパカを撫でるのをやめてことりに手を差し伸べる神綺。

「あ、ありがとうございます....」

「顔洗って来い。早く洗わないと結構臭いキツイからな。帰るときとか周りの目が痛いぞ?」

「うぅ...このくらい大丈夫なんだけどなぁ。...行ってきます」

 ことり自身はなんともないようだったが、やはり周りの目は気にするらしい。当たり前か。

 少し悩む素振りを見せ、しょんぼりという表現が似合う顔でアルパカの方に手を振りながら校舎の方へと駆け足で向かっていった。

「結構動物に慣れてるんだな、ことりって」

「「え?」」

「いやな、アルパカもそうだが、獣の臭いとか唾液の臭いが苦手な人って多いだろ?」

「まぁ、動物園とかの匂いはあまり好きではないですね...」

「だがことりは驚きはしたものの、気味悪がる素振りはしてなかったからな」

「そういえば....ん?」

「どうした穂乃果?...あぁ」

 言われてみれば確かに~なんて納得していると、穂乃果がこちらに向かってきている人影を見つけた。

 それに釣られて神綺も穂乃果の向いている目線の先を見ると花陽が干し草の入ったダンボールを持ちにくそうにしながらゆっくり歩いていた。

「あれ....あれって花陽ちゃん?」

「言われてみれば....」

「そうか、小泉さんは飼育係やってたのか」

「お~い!花陽ちゃ~ん!」

 と穂乃果が大きく手を振る。それに花陽は驚きながらも軽く会釈をしてからまた飼育小屋目指して歩き始める。

「にしても持ちにくそうだな....」

 と花陽の持ち方があまりにも危なっかしい為、神綺は花陽の所に駆け寄る。

「大丈夫か?持つぞ」

「い、いえ!大丈夫です。....それよりどうしてここに?」

「....今ここにいないんだが、ことりがさっきまで白い方のアルパカにお熱でなさっきまで撫でたりしてたんだが、舐められてな?今顔洗いに行ってるよ」

「南先輩に....白い子が?」

 と白アルパカを驚いた顔で見つめる花陽。

「そうなんだよ。茶色い方は何度か見てるんだが、白い方は初めて見てな....ま、遊んただけだろう...な?」

「めぇ~」

 と白アルパカが返事をしてくる。

「わぁ、すごい。斉藤先輩は理解があるんですね」

「伊達に2年間ここに通ってないさ。それに、俺はこっちの茶色い方が好きなんでね。何度かここに来てるのさ」

「なるほど...珍しいですね。友達は大体白い子を気に入るんですけど..」

 とことりの時同様、アルパカの話で盛り上がる二人。それを少し離れた所で見ている穂乃果達は、

「....ねぇ、海未ちゃん。帰っていい?」

「....いけません。なんでしたらチラシ配りに行ってください」

 デジャブではあるものの、先ほどと違い、海未も一瞬返答に躊躇いが見て取れた。恐らく海未も帰りたいのだろう。

「おっと、悪い。そっちはそっちの仕事があるんだったな。引き止めて悪かった」

「いえ...普段話せないようなことを共有できる方がいて嬉しかったです」

「なら良かった。....面倒見るの大変だと思うが頑張ってくれ、それじゃ」

「はい」

 とずっと花陽の作業のじゃまをするのも悪い、とやっと気がついた神綺は花陽に別れを言ってから、遠くで白くなっている二人に声をかける。

「わ、悪い」

「あ、終わりました?」

「....はぁ。まさか先輩までことり側だったとは」

「悪かったって。...流石にまだことりは戻ってきてないか」

「校舎まで少し距離がありますからね」

「....俺達も校舎に戻るか。チラシ配り...しないといけないし」

「先輩がそれを言いますか....」

「だから悪かったって!」

「あはは....あ!ちょっと花陽ちゃん!」

「は、はいぃ!?」

 神綺が海未から冷たい視線で射抜かれている時、急に穂乃果が花陽の名前を呼びながら花陽に駆け寄った。

「いい忘れてたんだけどさ。....花陽ちゃん、アイドルやらない?」

「...え?」

「いきなりだな」

「穂乃果ですから」

 それもそうか、と海未の言葉に頷きながら神綺も穂乃果の方へと歩く。

「君は光っている....大丈夫!悪いようにはしないから!」

 と穂乃果は花陽の肩をガッチリ掴んで詰め寄る。だが、

「おい、穂乃果。顔、顔。悪い奴のソレじゃねぇか」

 どう見ても嵌めようとしている裏のある笑みにしか見えない。

「同感です。...なんかすごい悪人に見えますね」

「あはは...」

「でも少し強引なくらいで頑張らないと...ほら!ライブにも駆けつけてくれたし、なにかの縁だよ!きっと」

 と穂乃果は言うものの、

「だからってここで強引は駄目だろうが....時と場考えよう...な?」

 よりによって推しに弱そうな花陽だ。萎縮するのが目に見えている。

 

 現に、

「あ、あの...」

「ん?」

 とても小さな声になって聞き取るのも一苦労だ。

「西木野さんが...いいと思います」

「西木野さん?あぁ、西木野さんならもうウチのメンバーだぞ」

 と神綺が言うと

「「えぇ!?」」

 肝心のμ'sである穂乃果と海未が驚きの声を上げた。

「そ、それは本当ですか!?」

「いつのまに!?」

「は?だって曲作ったの彼女なのは知ってるだろ?」

「え?えぇ...」

「だったら彼女ももうメンバーだ。彼女がいなければライブは出来なかったんだからな」

「なるほど」

「た、確かに....しかしそれもそれで強引な気が...」

「ま、本人に言っても反発はなかったからそれはそれでいいんだろ」

「えぇ?!私がさっきも勧誘に行ってきましたけど絶対に嫌だって...」

 と穂乃果が信じられないと言った顔でそう呟く。

「照れ隠しだろ。ま、今度行くときは俺も連れてくんだな。そしたら多分OKするぞ」

「なんですかそれ....」

「こればっかりは彼女の性格を考えてやるしか無い。説明でどうこう出来るもんじゃないからな」

「むむぅ....」

 と穂乃果が唸っていると、花陽が申し訳なさそうに、

「す、すみません...余計なことを」

「え?ううん。そんなことないよ。西木野さんの歌声は私も好きだし」

 と穂乃果はなんともないよ、と手をひらひらさせていると遠くから、

「か~よち~ん!」

 と凛が花陽を呼んでいた。

「早くしないと体育遅れちゃうよ~!」

 と言われて神綺もフッと腕時計を見る。

「げ、確かに戻らないと遅れるな」

「えぇ!?」

「あっあの!失礼します!」

「え?あ、あぁ...」

 さっきまでのオドオドはどこにいったのか。ササッと俊敏な動きで凛の元へ走って行く花陽。

 それに軽く唖然としながらも、ハッと気を取り直す。

「そうだ。俺らも戻らないと...それとことりとも合流しねぇと」

「そうだよ!ことりちゃんどこ行ったんだろう....」

「教室にいればあえますよ。さ、行きましょう」

「おぅ。じゃぁな、アルパカ達」

「めぇ~」「フーッ!」

「...本当にアルパカがお好きなんですね」

 帰り際にも声をかけるのを忘れない神綺に海未は顔を引き攣らせながらも、先を歩く穂乃果達に駆け足で追いかけた。




 閲覧有難うございます。



 そうだ。もう見つかってしまったので隠す必要もないのでここでお知らせ?を。
 私はこの作品用に作成している挿絵をpixivの静画に投稿しています。偶にこの作品と関係なくラブライブ!の絵を投稿していることもあるので、興味がありましたら『レイヴェル』でユーザー検索をかけてみてください。
 ヒットしたら私です。


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