ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 どうも、レイヴェルです。
 時間軸が滅茶苦茶になってきてますがゆるして。
 これで落ち着きますから。


 今回で通常話での100話目となりますね~ ありがとうございます~


第100話【挿絵あり】

-side 花陽-

 

「スクールアイドルかぁ」

 真姫の家でお茶をご馳走になった花陽は時間の問題もあり、そこそこで話を切り上げて帰路についていた。

(西木野さんは変わったなぁ。あんな嬉しそうな、吹っ切れたような清々しい顔は始めてみたかも)

 そう思い返すのは、アイドルを一緒にやろうと持ちかけてくれた時の真姫の顔だ。

 教室とかでは絶対に見せない感情のある顔で、いつもの仏頂面とは想像もつかなかった。

 そしてなにより....眩しかった。

(自分もスクールアイドルを....)

 

 小さい頃からの憧れであり、夢でもあった。

 受験当初はA-RISEを生で見ようとUTXに行くのも夢見たけれど、学力や凛ちゃんとの折り合いもあって音ノ木坂に行くことになった。

 その為最初はスクールアイドルがない音ノ木坂にはなんの魅力を感じなかった自分。でも凛ちゃんの学力では到底敵わないUTX、それでも凛ちゃんと違う学校に行くのは嫌だった。

 勿論、凛ちゃんに勉強を頑張ってくれと頼んだこともあった。どうしてもUTXを諦めきれなかった私が無理なお願いをしてなんとかUTXに入れるレベルになってもらおうと頑張ったっけ....

 それで一時期周りが見えなくなってもう少しの所で仲違いになることもあった。でも、その時に凛ちゃんが言ってくれた。

『アイドルが大好きなかよちんも凛は好きだよ?でもさ.....今のかよちんはなんていうか、寂しいよ。勿論、凛が馬鹿だからかよちんが勉強を教えてくれてるのも知ってる。でもいつもかよちん言ってるよね。アイドルは皆を笑顔にしてくれるって。....じゃぁ今のかよちんはどうなの?必死にしがみついてさ、.....最近笑ってないよね』

 そう言われた時、私はペンを思わず落としたのを今でも鮮明に覚えている。

 凛ちゃんからしてみれば、勉強が嫌になったことの八つ当たりだったのかもしれない。でもそのおかげで私は自分を見つめなおすことが出来た。

(凛ちゃんがあぁ言ってくれなかったら私は....どうなってたのかな)

 恐らく壊れていただろう。アイドルを妄信的に追いかけ、凛ちゃんと別れてでもUTXに行っていたかもしれない。

 

 その凛ちゃんの一言から私の人生はガラリと変わった。いや、変わった世界を正してくれたのかもしれない。

 

 ....それから元通りとはいえないけれど段々と凛ちゃんとの溝を直していった私は、中学を卒業する時には前と寸分変わらない付き合いを凛ちゃんとできていた。

 凛ちゃん自身も私が今まで通りに戻ったことを誰よりも喜んでくれたっけ、これこそ凛の大好きなかよちんだにゃーって。

「あれ?...ここって」

 ....少し考えすぎていたみたい。

 

 フッと街灯がチラついたことに反応して当たりを見渡すと、どこか通ったことのあるような道を歩いていた。

(いつ通ったのかな.....)

 少しキョロキョロしながら歩いていると、突き当りに和風の造りの建物を見つけて思い出す。

「あ、ここって高坂先輩の....」

 前に案内されてここの道を通ったのを思い出した花陽は、少し歩幅を小さくして歩いていた足を、いつ通ったかを思い出した安心感からか、いつも通りの早さに戻す。

「お母さんに、お饅頭買っていこうかな」

 前に頂いたのが美味しかったのも思い出し、折角通ったのだし買っていこうと穂むらの引き戸を開けた。

 

 

 

-side out-

 

 

 

----------------------

「....ふぅ」

 お腹も落ち着き、宿題をこなしながらことりを待っていると、引き戸が開いた。

 ことりが来たか?と一瞬思ったが、先ほど穂乃果に着くまでもう少しかかると言われていたことから、お客さんか、と興味を失ってまた宿題の残りに取り掛かる。

 しかし、隣で暇そうに神綺のこなす宿題を見ていた穂乃果が急に立ち上がった事により、再度中断する。

「花陽ちゃん!」

「...ん?」

 穂乃果の声に釣られるように開けられた引き戸の方へ視線を移すと、花陽が立っていた。

「こ、こんばんは」

「いらっしゃい。どうしたの?」

「偶々近くを通ったので、お母さんにお土産を、と」

「なるほど!あ、適当に座って。お茶持ってくるから」

 とお客が、更に今一番か二番目に注目している子が来たのだ。穂乃果のテンションは上がりまくりである。

「あ、はい....」

 そんなハイテンションな穂乃果についていけない花陽は少し顔を引き攣らせながらも、当たりを見渡す。

 そこで初めて神綺に気がついたのか、驚いた様子で会釈をした。

「さっきぶりだな。おっと、ここ座りな」

「あ、はい。....先ほどぶりです」

 そう控えめに返す花陽に神綺はずっと疑問だったことを聞く。

「そういえば何してたんだ?あんな所に隠れて」

「えっと....西木野さんを追いかけていたんです。生徒手帳が落ちているのを見つけたので届けようと」

「なるほどな。それで、ちゃんと渡せたのかい?」

「はい。お陰様で、西木野さんのお家にまで招待して貰って、お茶をごちそうになりました」

 それには流石の神綺も予想外な答えで驚く。

「西木野さんが家に?そりゃまた珍しいな....」

 あの他者との接点を極力嫌う子がだ。

 .....確かに他の子に比べて物腰が花陽に対しては柔らかいのは感じ取っていたが、家に招くまでになっているとは。

「私とお話したいことがある、と。....それでスクールアイドルを一緒にやろうと誘われました」

「へぇ、西木野さんから誘ったのか。....それで?答えは出したのか?」

「....まだ難しいです。もう少しで決心できそうなんですけど....」

「そうか....」 

 まぁまだ時間はある。落ち着いて悔いのない選択をすればいい。

 そうしていると、穂乃果がパタパタと厨房から顔をだした。

「あ、先輩!」

「どうした?」

「花陽ちゃんを上に案内して貰えませんか?少し話したいこととかあるので」

「....俺がか?」

 お茶はどうした、などと内心思うも、少し考える。

 今上に行っても、すぐにことりが来てくれる保証はない。だが、ここにずっと小泉さんを待たせておくのもなんか気が引ける。

「もうそろそろことりちゃんも来ますから!それに海未ちゃんの分のお茶も淹れないといけないんですよ」

「なるほどな。.....わかった。信じるよ」

 ことりがすぐ来てくれる。それを信じて神綺は残っているお茶を無理やり飲み干し、ご馳走様。と一言言ってから花陽の方を向く。

「というわけだ。....悪いが付き合ってくれ。西木野さんとの後にこれだが、大丈夫か?」

「え、えぇ....大丈夫です」

「.....穂乃果が迷惑を掛ける」

「....先輩も中々被害を受けているようですけど」

「...もう諦めた。それより行こう、裏に行くならこっちだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、お邪魔します」

 厨房の脇を通って裏の玄関へとついた神綺達は、靴を脱いで穂乃果の家へ上がる。

「お邪魔します。...さ、ここの階段を登ったら一番奥だ」

「わかりました」

 神綺はこれが3度目な為見慣れたが、花陽は初めてだからか辺りを見回しながら階段を登る。

 そして2階の廊下に出ると、左側に2つの扉があった。

 恐らく手前側の扉が雪穂で奥が穂乃果の部屋なのだろう。

「こっちだ」

 一瞬手前の部屋の扉を開けそうになった花陽を止めて奥の方の扉を開ける。

 

 

 

 すると、

 

 

「じゃ~ん!ありがと~~~」

「」

バタン

 

【挿絵表示】

 

 神綺は一度開けた扉を思いっきし閉めた。面白いぐらいに目を泳がしながら。

(な、なんだ今のは....落ち着け、落ち着け神綺。俺はいつも落ち着いているだろう)

 今見たものをなかったものとして扱おうと必死に心の中で言い聞かせる。

(俺は何も見てないし、何もなかった。うん、そうだ。アレは幻覚だったんだ)

 信じたくはないが、引き戸を開けて真っ先に確認できたのは青髪の少女。そこまではいい。

 ....その子が。海未がマイクを持って決めポーズの様なモノをしていなければ。

(悪い冗談だ。あの海未が?あのアイドルは嫌だと言っていた海未が?いや、そうだ。そりゃそうだ....あははっ なんせ幻覚だもんな)

 穂乃果達3人の中で唯一マトモな人間と思っていた海未がアイドルに染まっているなど.....考えたくもない。

「?」

 そんなことを頭で考えながら必死に扉を開けまいと足や手で穂乃果の部屋の扉をつっかえ棒の用に固定する神綺。

 そんな神綺に花陽はどうしたのだろうか?と首をかしげている。

 するとどうだろうか。穂乃果の部屋の中からこちらに向かってきているような足音が聞こえるではないか。

 そしてその音が止まると、

ガタタッ

「!?」

 開けようとしたのか、神綺の押さえる扉が急に音とともに動いた。

 それが中の人間にはおもしろくなかったのか。

『な!?なんで開かないんですか!?くっ この! ....はっ!ここは弓で!』

「馬鹿野郎!?人様の家壊す気か!?」

 絶賛錯乱中なのか、中の人間はあろうことか弓でこの押さえている扉を壊そうと画策し始めた。

 それに神綺は反射的にツッコミを入れる。

『っ その声は斉藤先輩ですね?見ましたか?見ましたか!?』

 もう逃れられない。この声は完全に海未だ。空似を疑ったが完全に海未だった....

「なっなんのことだ?それより腕が痛いから扉を開けようとするのをやめて欲しいんだが....」

『~~~~!? 見たんですね?!』

「だからなんのことだ!」

『なにもないのにどうして開けさせてくれないんですか!?やっぱり見たんですよね!?』

「知らん!」

 

 

 

 

 

 

 

 そんなやりとりは、隣の部屋で大声に苛ついていた雪穂が廊下に顔を出して怒るまで続いた。

 そしてその雪穂がバスタオル一枚だけの姿であり、それを見てしまった神綺が、顔を真っ赤にした雪穂にビンタをされ、その反動で固定が外れた扉が勢い良く開き、中から海未が前のめりで廊下に出てきて顔を打ったのは秘密。




 閲覧有難うございます。



 そして、お気に入り登録数1400件突破。とても嬉しく思います、これからもよろしくお願いします~
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