ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 どうも、レイヴェルです。

 メドフェスお疲れ様でした。
 自分は125956ptで3168位だったので無事3枚取りすることができました。やったぜ。



 とまぁ、メドフェスやら、穂乃果ちゃんの生誕祭に向けてのイラスト作成などで少し間空きました。ゆるして。


第101話

「まさか海未ちゃんがポーズの練習してたなんてね~」

「....まったくだ」

 

 

 

 

 

 

 

 あの後、店番を終えた穂乃果は海未がこけた音に驚いて2階に駆け上がってきた。

「どっ どうしたの!?」

「え?あっ す、すみませんでした!?」

 穂乃果の声で正気に戻ったのか、自分が何をしたのかを理解した雪穂は猛スピードでお辞儀をして謝ると脱兎のごとく自室へと引っ込んだ。十中八九着替える為だろう。

「....ビンタをされた」

「自業自得です!」

 左頬が見事に赤くなっている神綺を涙目で睨む海未。そんなよくわからない状況に穂乃果は思わず苦笑いになりながらも、四つん這いになって顔を押さえている海未に手を貸す。

「...大丈夫?海未ちゃん」

「あ、ありがとうございます穂乃果」

「えーっと.....なにがあったの?」

 それから簡単に事の流れを説明し、冒頭へと戻る。

 

 

 

 

 

 

「そもそも穂乃果が店番で上に来ないからです!」

「滅茶苦茶だなぁ、おい」

 未だに支離滅裂な事をいってテンパッている海未に神綺は呆れてしまう。すると海未は神綺を急に睨む。

「....どうして先輩は穂乃果の机の椅子に座ってるんですか?」

「...え?」

 なぜそんなことを?と疑問に思っていると、海未が間髪入れずに

「どうして私と距離を取るんですか?空いてるんですから座ればいいじゃないですか」

 そう言われて気がつく。確かに今の神綺は海未から一番離れた位置にいるからだ。

「そんなこと言われてもな、そこはことりの場所だろう?それに、別に避けてるつもりはないぞ?ただ制服がな...」

「制服ですか?」

「お前達はスカートだから気にならないのかもしれないが、俺のこのズボンはカーペットとかに座るとケバケバがだな....」

「あ、でしたら座布団お貸ししましょうか?」

 と穂乃果が自分で使っている座布団を渡そうとするが、神綺は手で止める。

「大丈夫だ。...いや、穂乃果が椅子からどいてくれって言うならどくが」

 神綺自身複雑なのだ。カーペットに座れば毛玉がつくし、かといってずっと立っているわけにもいかない。それでベットに腰掛けるのは無理なので仕方がなく机の椅子で落ち着いている。

「いいえ?先輩が大丈夫なら穂乃果は気にしませんよ」

「....本当に先輩のことがわかりません」

「どういう意味だ?」

「穂乃果の部屋は苦手だと言ってましたのに、いつも穂乃果が使っている椅子に座るとは...」

「俺自身困ってるさ。だが、ことりがくるまで待つと言ってしまった以上我慢するしか無いだろ」

「...困ったものですね」

 と、海未が呆れた時。不意に引き戸が開いた。

「おじゃましま~す」

「あっ ことりちゃん!」

 誰かと思えば待ち望んでいたことりであり、そのことりは部屋に入って真っ先に目に止まった神綺を認識して目を見開く。

「あれ?先輩?」

「おぅ、海未に誘われてな」

「なるほど....なんか左頬赤くなってません?」

 と心配そうに頬を見てくることり。それになぜか気恥ずかしくなった神綺はチラッと海未を見てから口を開いた。

「色々あったのさ。...それより、穂乃果に頼まれたものはいいのか?」

「あ、そうでした。っと、あら?」

「ど、どうも。お邪魔してます」

 と神綺の方に目が行って花陽に気が付かなかったことりは身を乗り出して目を光らせる。

「もしかしてっ スクールアイドルに?」

 それに花陽は少したじろぎながら

「い、いえ...偶々お邪魔しまして」

「家族の人にお土産買おうと思って寄ってくれたんだってー」

 と穂乃果はお茶うけに持ってきていたほむまんを持ちながら、

「穂むら名物、ほむまん!是非後で買って行ってね!」

 と営業をする。....和菓子屋の娘なだけあって侮れない。

「そっかぁ。あ、穂乃果ちゃん。持ってきたよ」

 予想が外れたことが悲しかったのか少し暗い顔をすることりだが、すぐに切り替えて鞄のチャックを開ける。

「あ、ありがとう。ごめんねーこういう時に限って壊れちゃって」

 たはは、と故障したのであろうPCの方を指差す穂乃果。

「どこが壊れたんだ?」

「んー なんか電源が入ってくれないんですよね。バッテリーだってあるし、コンセントも繋いでるのに」

「へぇ」

 偶に聞く故障例だな、と軽く頷いた神綺は立ち上がり、穂乃果が指さしたPCを持ち上げる。

「どうしました?」

「いや、こっちはいいからそっちを進めてくれ」

 これは単なる好奇心だ。機械弄りは昔から好きな為、触りたくなってしまう。

 そんな神綺に軽く首をかしげるも、穂乃果はことりにPCを出すのを促す。

「ね、ね!パソコンだして!」

「わかった。....あ、ごめん」

「いえ....」

 穂乃果に言われるがままPCを取り出したことり。しかし御膳の上にはせんべいや饅頭が置かれているままだった。それを花陽が手早く回収してPCをおけるスペースを確保する。

「それでありましたか?動画は」

「まだ確かめてないけど多分ここに...」

 と操作をし始めることり。それに神綺は

「動画?」

「私達の動画です。ファーストライブの時の」

「へぇ」

「誰かが撮ってくれてたみたいで」

 まぁ撮ったのは希でアップしたのは神綺だが。

「あ、あったよ!」

「本当だ!あった!」

「本当ですか?」

 とやはり自分達の踊りが気になるのかP再生されはじめた動画に食いつく3人。

 それを微笑ましく思っていると、なんとなく花陽の反応が気になり、そっちを向く。

 するとどうだろうか、3人とは比べ物にならないほど真剣にPCの画面を見つめていた。

(....やはり好きなんだな、アイドル)

 この中であれば一番アイドルに精通しているといっても過言ではない花陽。やはり...彼女のスキルは必要だ。できれば入ってもらいたい。

 すると、動画を見ていた海未が

「すごい再生数ですね」

「こんなに見てもらったんだぁ」

 実際、彼女達の動画の再生数はハッキリ言って異常もいい所だと神綺は思う。

 いくら今注目されているスクールアイドルとはいえ、今回神綺が投稿した方法はゲスト投稿。つまり匿名で投稿できるというものだ。それにも関わらず無名であり、知名度ゼロからスタートしたこの動画が、再生数をグングンと伸ばしている。

 しかも酷評や、ただ覗かれただけではなく。好評価やこれからもがんばってという応援コメントもそこそこ書かれているのだ。

 嬉しい半面、これで彼女達が天狗にならないか、という不安がでてきてしまうのもしょうがない気がする。

「ここの所、上手くいったよねぇ」

「何度も練習してた所だったし、決まった時に思わずガッツポーズしそうになっちゃった」

 それは神綺もわからなくはない。自分の場合は本当にしてしまって怒られたが、あれもいい思い出だ。

 そう懐かしみながら穂乃果のPCのバッテリーを外していると、花陽がすごい食い入る目でPCの動画を見ていることに気がついた。

「あ、ごめんね花陽ちゃん。そこじゃ見にくいよね」

「......」

 と少し花陽に見やすい用にPCを傾ける穂乃果。しかし、花陽の反応はない。

 それにことりと海未も気がついたのか、3人で顔を合わして頷くと、海未が花陽に声をかけた。

「小泉さん」

「っ は、はい!」

「スクールアイドル。本気でやってみない?」

「え?でも....私、向いてないですから」

 と穂乃果が誘うも花陽は声を小さくしながらそう言う。

「私だって、人前に出るのは苦手です」

 そう言うのは意外にも海未だった。それに神綺は思わず

「....あんなポーズ決めてたのに?」

「そっ それは偶々です!と、とにかくですね!私だって本当は....」

「?」

 と顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった海未を、事情を何もしらないことりは首をかしげる。

「まぁいいや。でもそんなこと言ったら私もだよ?歌詞忘れちゃったりするし....運動も苦手なんだ」

 確かにことりはこの3人の中で一番運動が苦手だろう。だが、穂乃果や海未と違い、驚くほどに体が柔らかいのだ。そこをちゃんと活かしてほしいと神綺は密かに思う。

「私なんかすっごいおっちょこちょいだよ!」

「馬鹿の間違いじゃないか?」

「ひどい!?」

 あながち間違ってないと思う。なんせ海未も頷いている。

 しかし、そう自分達のコンプレックスというのだろうか。悪目立ちするところをあげるも、花陽はどもる。

「でも....」

 そこで神綺は少し眉を潜める。なぜ彼女はそこまでして引き下がるのか。もう少しで、しかもメンバー本人達から勧誘されているのにも関わらず、尻すぼみをして立ち止まってしまう。そこが神綺にはどうしても解せなかった。

 すると、ことりはもうひと押しとでも思ったのか、徐ろに立ち上がる。

「プロのアイドルだったら私達はすぐに失格だよ」

 その通りだ。プロを目指してのオーディションであの踊りなら間違いなく蹴られる。だが、大事なのはそこじゃぁない。

「でも、スクールアイドルならやりたいって気持ちを持って、自分達の目標を持ってやってみることはできる!」

 そうだ。大事なのはそこなんだ。スクールアイドルはアイドルであって、アイドルではない。

 そんな相手を蹴落として勝ち取るようなドロドロした職業のアイドルではなく、好奇心、向上心で頑張れるアイドルに似た様なモノ。それがスクールアイドルだと俺は思う。

 彼女達は学生なんだ。楽しまないと続かないし、なによりお客さんに気持ちが届かない。

 現に彼女達の気持ちや思いは動画で視聴者に伝わっている。

このことを俺自身は彼女達に教えたこともそれらしいこともほのめかしたこともない。.....彼女達が自力で答えを出した。これはとても嬉しく思う。

 これは絵里も.....見習って欲しいものだな。

 

 

 

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「....そろそろお開きにするか。時間も時間だ」

「え?あ、もうこんな時間....」

 時計を見ればそろそろ17時半になるかならないか。 もう帰らなければ辺りが暗くなる。

「....ことりと海未は二人で帰れるか?」

「え?はい。いつも二人ですから」

「そうか。なら気をつけて帰ってくれ。俺は小泉さんを送るよ」

 別にやましい気持ちはない。ただどうしても聞きたいことがあるのだ。聞くのなら、ここしかない。

「....そうですね。お願いします」

 それを察してくれたのだろうか。特に突っかかることもなく、海未は引き下がる。

「えっ 大丈夫ですよ?」

「....ことりと海未は2人だからまだいいが、君は1人になるだろ?」

「まぁ、そうですけど....」

 と花陽が渋っていると、穂乃果が

「大丈夫だよ!斉藤先輩がいれば夜道も安心だよ!」

「は、はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「買うもの買ったか?」

 ことりと海未が穂むらから帰るのを見送った後、お土産を買い終えた花陽に神綺は聞く。

「はい、これだけ買えばお母さんも喜ぶと思います」

「そうか。....なぁ、穂乃果」

 満足そうにしている花陽を見た後、見送りにわざわざ降りてきてくれた穂乃果に神綺は振り返る。

「はい?」

「パソコン、あれバッテリー抜いたままコンセント挿して電源入れてみな。つくぞ」

「本当ですか!?」

「あぁ、あれ結構買ってから経つだろ。バッテリーの劣化だろうな」

「そうなんですか....」

「そういうことだ。それじゃ、お邪魔しました」

 そう言って神綺は穂むらの引き戸を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

「.....なぁ小泉さん」

「はい?」

 神綺の声色から感じ取ったのか、真剣な顔つきをする花陽。それを横目に神綺は続ける。

「スクールアイドル。やりたくないのか?」

 敢えて遠回りにせずに直球で聞く。これは変にはぐらかされないようにだ。

「それは.....」

「今日も見て今まで感じてた違和感がわかったんだ」

「違和感、ですか?」

「そう。ずっと不思議だった。君はアイドルが好きだ、でもそのアイドルをやっている穂乃果達に誘われているのに、普通に考えたら又と無いチャンスのはずだ。なのに....君はそれを断ろうとする」

「......」

「最初は西木野さんと同じなのかと思ったな。イザとなると照れ隠しをするように天邪鬼になる。でも君はそうじゃなかった。.....前も言ったろ?もっと素直になったらどうだ。自分の気持ちをもっと表に出さないと辛いぞ?」

 と優しく語りかけるも花陽は俯いたまま。それに加えて足すら止めてしまった。

「....小泉さん?」

「..い...す」

「ん?」

 何か言っているようだが、生憎小さくて聞き取れない。

「怖いんですっ!」

「っ ....なにが怖いんだ?」

 もっと聞こえるようにと耳を近づけたが、急に花陽が顔を上げて丁度神綺の耳にダイレクトに声が届くことになり、神綺は反射的に飛び退いて耳を塞ぐ。

「あ、ごめんなさい...」

「いや、いいんだ。それで?何が怖いんだ?」

「私は.....前にアイドルを盲目的に追ったことがあります」

「盲目的に....か」

 捉え方はいくらでもあると思う。でもここでの盲目的は、....周りを配慮せずに突っ走ったってところだろうか。

「はい。....それで友人関係が崩壊寸前にまでなりました」

「それでまたアイドルに関わることになれば、またそうなるかもしれないし。今度は穂乃果達も巻き込んでしまう。そう言いたいのか?」

「....そうです。それが怖いんです!今度は凛ちゃんだけでは済まなくなっちゃいます!?」

「ふむ」

 凛が絡んでくることに驚く神綺。だが、持ち前の頭の回転で答えを探す。

「本当は....私もアイドルをやってみたいです。西木野さんも一緒にやろうと言ってくれた。でもそれでまた二の舞いにでもなったら.....皆の好意を私は....」

「気持ちはわからなくはない。衝動的に来てしまうものだからな。だが、俺は言ったはずだぞ?それを避ける為に、アイドルに対する思いを閉じ込めて煮詰めない為に、アイドルへの思い、自前で分析した傾向、まだまだ色々あるが、それを俺に教えてくれと」

「....確かにそうです。ですが」

「そんなので収まるわけがない?それともあれか?俺にそういうのを語るのはイヤってか?」

「そういうわけじゃ....」

「やってみなければわからないことだ。穂乃果も言ったな、やりたければやるべきだ。それがスクールアイドルだってな。今の君にはぴったりなものだと俺は思う」

 そう言っている内に花陽の家が見えてくる。送り迎えもここぐらいまででいいだろう。

「....小泉さん!」

「はっはい!」

「....これは西木野さんにも言ったことだが、できるだけ悔いのない選択をして欲しい。このまま立ち止まってモヤモヤを心の中に仕舞って過ごすか、自分でステージに立って輝こうとするか。....安心してくれ、もし君が周りが見えなくなって亀裂が生まれそうになっても俺がなんとかする」

「そんな...」

「無責任か?それは違うな。俺はあいつらのコーチでもあり、マネジャーだ。知ってるか?マネジャーってのはな、選手のメンタル面のケアも仕事の内なのさ」

「.....」

「俺をあまり甘く見るなよ?それと...」

 これが一番大事だ。と神綺は言いながら、

「今俺はある子をμ'sに勧誘している」

「え?」

「そいつはなんていうか...君と似ている。その子の場合は君みたく踏みとどまれずに亀裂が生まれて崩れてしまったがな。...でも、アイドルに対する気持ちは君といい勝負をしていると思うんだ。....だからさ、その子と一緒にアイドルのことについて語ることもできる。いい話だろ?」

「.......」

「俺は君なら、スクールアイドルで輝けると思っている。だから....悔いない答えを出してくれ」

 そう言うと、神綺は花陽に軽く手を振って帰路へついた。




 閲覧有難うございます。

 え?最近神綺は場をかき混ぜるだけかき混ぜて去ってるって?気のせいだって(白目)




 フライングハッピーバスディ穂乃果ちゃん。
 気が早い?だってできるときにやっておかないと当日に投稿できないかもじゃないですかー

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