ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

111 / 148
 どうも、レイヴェルです。

 一週間も空いてしまいましたね。これも全てArma3ってやつがいけないんだ。


第103話

「凛ちゃん?」

 後ろから聞こえた声。それは花陽を呼ぶ凛の声だった。

 それに呼ばれた張本人の花陽は勿論、神綺と真姫も反射的に振り返る。

 すると、

「あれ?西木野さんに斉藤先輩?」

 角度のせいで花陽しか見えていなかったのか、こちらに近づいてくる内に神綺と真姫も一緒にいることに凛は気がつく。

「やぁ、凛ちゃん」

「こ、こんにちは」

 目をキョトンとさせている凛に神綺が挨拶をすると、慌てて返してきた。

 上級生だからか、それともいるとは思っていなかったからか、凛の顔は少し強張っている。

 しかし、そんな神綺の分析は外れることとなる。

「...なんで西木野さんがここにいるの?」

「え?」

 凛の顔が強張っていたのは神綺が原因ではなく、真姫の方にあったらしい。

 ....なにか喧嘩でもしたのだろうか。

「...ちょっと花陽と斉藤先輩に話があったからよ」

 といつもの癖である前髪をクルクルと弄りながら真姫は花陽の方を見る。

「話?」

「うん。私達、スクールアイドルをすることにしたんだ」

 なんのことだろう?と首を傾げる凛に、今まで悩んでいたのが嘘のように花陽は曇りのない笑顔で答える。

 すると凛は驚く。

「えぇ!?かよちんスクールアイドルやる気になったの?」

「うん。西木野さんと話し合ったり、斉藤先輩に相談にのってもらったりしてね」

「そっか.....頑張ってね!」

「うん!」

「.....」

 花陽がスクールアイドルをやる。そう聞いた時の凛の顔は一瞬ではあるが、どこか寂しそうにも見えた。

 花陽は純粋に友達が応援してくれていることが嬉しのかそれに気がついてはいないようだが、神綺と真姫にはなにかあると軽くだが眉をひそめた。

 

 

 

 

 

----------------------------

 

 

 

 

 

 

 その日の放課後。神綺は穂乃果達に練習には出れそうにない、と自主練をするように連絡し、1年生の教室の前の廊下で壁に寄っかかり、腕を組んで人を待っていた。

 やがて教室内が賑やかになり始め、廊下に生徒がゾロゾロと出てくる。HRが終わったようだ。

 すると当然ながら廊下に出た生徒は神綺に目が止まり、ザワザワと隣や近くにいる友だちと話始める。

 それはそうだろう。なんせ副会長が1年の教室の前にいるのだから。誰かが何かをしたのか?とか色々と警戒し始める。

 こんな状況で自分に話しかけるとすれば、勇気を出して理由を聞いてくる強者か、自分を知っている人物だけだ。

 今回こんな目立つことをしているのはその後者、凛ちゃんを待っているからだ。

「あれ、斉藤先輩?」

 少しすると、廊下のざわめきに興味を持った凛が教室から鞄を持って出てきた。

「さっきぶりだな、凛ちゃん」

「どうしたんですか?こんな所で」

「ちょっと話をな。これから時間あるか?」

 そんな神綺の言葉に周りの生徒は一層ざわめき始める。

 それに凛は少し驚くも

「え、えぇ。大丈夫です」

 と了承してくれた。それに神綺はホッと心の中で胸を撫で下ろし、

「じゃぁついてきてくれ」

 ここでは外野が多すぎる。もっと静かな場所に移りたいところだ。

 

 

 そう思いながら神綺は、学生が少なそうな公園へ足を運ぶことにした。

 

 

 

「もぅ....どうして急にあんなことを?明日みんなに質問攻めされるじゃないですかー」

 公園へと向かう途中、凛は拗ねるように口を開いた。

 言わずもがな、先ほどの廊下の件である。

「仕方がないだろ。昼休みの時に聞き忘れたんだから」

「そういえば、話ってなんですか?」

 と神綺より一歩前を歩いていた凛はクルリと振り返る。

「....ここならいいか。実はな、凛ちゃん。俺は君を勧誘しに来た」

「勧誘?なんのですか?」

 部活?なんて首をかしげる凛。だが神綺が生徒会に所属しているのは知っている為に尚更、なにに勧誘するのかわからないようだ。

「勿論、スクールアイドルにだ。俺はあいつらのコーチだからな。一緒にやってくれるメンバーを探しているんだ」

「スクールアイドルですか?でもそれはかよちん達が....」

「そうだな。今日小泉さんと西木野さんは入ってくれることになった」

「なら私には....それに私には向いてないですよ」

 とフッと昼休みの時に見せた暗い顔をする凛。それを神綺は見逃さずに答える。

「人数なんて関係ない。それに俺は凛ちゃんなら向いていると思って誘ってるんだ」

「そんなことないですよ。....私には無理です。髪だって短いし」

 と真姫とは違い、サラッと髪を撫でながら遠くを見る凛。そんな仕草に神綺は目を細めながら、

「....でもやってみたいんだろ?」

「え?」

「さっきもそうだ。昼休みの時といい、どうしてそんなに寂しそうに遠くを見る?」

「......」

「...スカート」

「っ」

 あまりいい手段ではないが、凛ちゃんには自分から本心を言って欲しい。

 小泉さんから少しは離しを聞いているから、今の凛ちゃんの心境は検討がつく。

 しかしそれはあくまで第三者から見た見解。やはり本人から聞かなければどうしようもないこともある。

 そして凛ちゃんが今一番気にしているワードをボソッとつぶやけば、思ったどおりに反応を見せた。

 .....俺は汚い人間だな。目的のために手段を選ばない。それが最近になって目立ってきた気がする。

「どうしてそのことを....?」

「なにも考えなしに凛ちゃんを誘ってるわけじゃない。小泉さんを誘う過程で凛ちゃんのこともあの子が少し教えてくれてな」

「かよちんが....」

「まだ気にしてるのか?スカートのこと」

「そりゃ気にしますよ。確かに先輩はあの公園で嬉しい事を言ってくれました。....でもやっぱり抵抗はあります」

「....そうか」

「だから今回もそうです。あのライブの日、私は感動しました。こんなに輝いている人達がいるんだって。....でも私はその舞台には立てません」

「それはなぜ?」

「先輩方は可愛いし、綺麗です。それにかよちんの影響で少しは他のスクールアイドルの人の顔やパフォーマンスも見たことがあります。....でも、私にはそこまで輝けないし、可愛くもない」

「.....それで髪か?」

「そうです。スクールアイドルをやっている人達も見ても、私見たく髪が短い人は少ないし、言いたくないですけど人気の出ている人は皆髪が長し、輝いていて眩しい。.....こんなんで私が入ったって足を引っ張るだけです」

 と凛は自嘲気味に神綺の方を見て笑う。

 普通の人ならここで言葉が詰まるだろう。ここまできつそうな顔をしているのを目の当たりにすれば。

 だが神綺は違い、直ぐに口を開いた。

「それは少し違うな。輝いている奴は皆夢を持っている。要は誰でも夢を持てば輝けるということだ」

「夢?でもスクールアイドルの人は夢や目標を持ってやるものですよね?」

「そりゃそうだ」

「....?」

 凛は神綺の言っていることがよくわかっていないらしくクエスチョンマークを浮かべている。

 それに神綺はおかしくてクスッと笑ってしまうが、話を続ける。

「よく言うだろ?努力しなければ成功はない、と」

「えぇ、まぁ」

「これも同じことが言えるぞ?そうだな、短距離走で例えようか。ゴールが成功だとすれば、努力はスタートダッシュだ。....どうだ?よーいドン、で努力をはじめなければいつまで経ってもゴールには近づかないだろ?」

 そりゃそうだ。ずっとスタート地点で立っているだけになるのだから。

「...あっ」

「走りださなければ何も変わらない。時にはそれもいいかもしれないが、どんな時でもいいわけではないんだ。肝心なのはやるかやらないではないんだよ。やり始めてからどう行動するか、それが大事なんだ」

「....なるほど」

「もう1つ。俺がなぜ凛ちゃんだけちゃん付けで呼んでいるか知っているか?」

「....え?」

 記憶喪失をしている間に知り合った西木野さんと小泉さんを除けば皆苗字の呼び捨てだ。

 だが凛ちゃんだけは最初から許可も取らずにちゃん付け。その理由は、

「君が女の子だからだ」

「...へ?」

 イマイチ神綺の言っていることがわからない凛は間の抜けた声を出す。

「あの時、凛ちゃんは悩んでたよな。自分は女の子っぽくないのか、と」

「そうですね...」

 その時のことを思い出しているのだろう。また暗い顔をし始める。

「本当なら俺は呼び方を改めようかと思ってたんだが、それはしなかった。それは君が女の子だから。周りからなんと言われようと俺は君を女の子として見ている。だからちゃんつけで呼んでいたんだよ」

「.....」

「もっと自分に自信を持って欲しい。君がスカートを履いても似合うのは制服を見ればわかる。それにそのサラサラな綺麗な髪にパッチリとした目。十分、可愛いと思うぞ」

「....ふふっ」

「ん?」

 まさか笑われると思わなかった神綺は思わず怪訝な顔をしてしまう。

「すみません。....ただ、あの時も似たような事を言われたなーっと」

「...そういえばそうだな」

 思い返してみれば確かにそうだ。....今の自分の気持ちをそのまま言っているだけだからあまり気が付かなかった。

「ひとつお願いがあります。斉藤先輩」

「なんだ?」

「あの時のように...頭をなでてください」

 と恥ずかしそうに言うと凛が神綺の方に頭を傾ける。

「....わかった」

 一瞬どうしようかと迷ったが、このまま待たせるのもアレだと思い、優しく頭を撫でる。

「...へへっ。あの時と同じだな~」

「なにがだ?」

「なんだか安心するんですよ。....学校でも何度か先輩とお話しようと思っても先輩方が近くにいて近づけなかったですし。なんか嬉しいです」

 恐らく絵里達のことだろう。

「そうか。....なぁ、凛ちゃん」

「なんですか?」

「スクールアイドル、やってみないか?」

 ここで話をぶり返すのは少し気が引ける。だが、とあることを成功させるには今聞くしか無い。

「....そうですね。まだ少し考えたいって気持ちもありますけど、今回は先輩に騙されたと思ってやってみます」

「騙されたって...お前なぁ」

「だってそうじゃないですか。....今でも自分が輝けるとは素直には思えんません。だから騙されたと思ってやるんです。肝心なのは入ってからなんですよね?」

「そうだな。その通りだ」

「....かよちんと話せる時間が少なくなるのは嫌ですし、なにより先輩と話せる時間が増えるならそれもいいかなって思います」

「俺と?」

「そうですよ。色々お話したいことあるんですよ?」

「...そうか」

「だからこれからよろしくお願いします。斉藤先輩!」

「....あぁ、よろしく」




 閲覧有難うございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。