ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 どうも、レイヴェルです。

 遂に始まりましたねメドフェス!今回のことりちゃん可愛すぎんよ^^

 あ^~ことりちゅんがやんやんするんじゃ^~


にこ加入、そして後悔

「よかった。この天気だし来てくれないと思ってたぞ」

「誘っといて何よそれ、私はそんなに信用ない?」

「別にそういうわけじゃないが....」

 言葉の通り、この雨の中雨ざらしとなってしまう屋上に来てもらえないのではないか。と内心思っていた神綺だが、思った以上に律儀なにこを少し意外に思った。

「どうしたんですか?矢澤先輩」

「神綺に呼ばれたのよ。それに、私もあんた達に用があったから」

「? しかし、申し訳ありません。この天気ですのでお話する場所が...」

 にこと面識がない1年生組はあたまにクエスチョンマークが浮かんでいるが、前に会っている穂乃果達はにこを見るとぞろぞろと階段を降りていく。

「なら部室を使えばいいわ。この人数なら入るでしょ」

「いいのか?部室使わせて貰えるならありがたいんだが」

 どこか広い場所で、とも一瞬思ったのだがこの人数だ。そして徐々にではあるが認知されてきたμ'sが固まって行動してるなど好奇心のいい的だ。できればゆっくりと落ち着いて話がしたい。

「構わないわ。それより行きましょ」

 もう話すことはない。といった感じでサラッと切り上げて部室に向かおうとしたにこだったが、神綺は隣で濡れている穂乃果を見て、

「ま、待ってくれ!海未!穂乃果のタオル取ってこい!それに花陽もだ!凛の持って来い!」

「「はっ はい!」」

 実はさっきから穂乃果と凛の馬鹿二人は雨でずぶ濡れになっているのにも関わらず、拭いたりもしていない状態なのだ。今も二人の下は水たまりになっている。...いい迷惑だ。

 そんな神綺の気迫に押され、海未と花陽は一瞬肩をビクつかせて怯んだものの、大急ぎで各階へ向かって階段を駆け下りていった。

「....本当にこんなんで大丈夫なの?」

 

 

 

 

 

 

----------------

「すみません~ 遅くなりました!」

「ました!」

 体を拭いたり着替えたりをして遅れたお馬鹿二人がアイドル研究部の部室に入るなり謝罪?と共に素早く敬礼をした。

「あぁ、そういうのいいから。早く座れ」

 しかし神綺はそんな二人を冷たくあしらう。

「うぅ...先輩が冷たい」

「当たり前だ馬鹿野郎。なんで雨の中に自分から突っ込んでいくんだか....風引いたらどうするんだ?」

「...ごめんなさい」

 穂乃果も自分で分かっているのだろう。言い返さずに拗ねながらもちゃんと謝ってきた。

「今度からはお願いだからしっかりしてくれよ。お前なんてもう高2なんだぞ?」

「まぁまぁ....穂乃果ちゃんもこれで懲りたと思いますし...」

 と苦笑いで神綺と穂乃果の仲裁に入ることり。しかし、

「「ことりは穂乃果に対して甘すぎる!(甘すぎます!).....」」

 今回ばかりは、と神綺もことりに対して一言言わせて貰おうと思い叱るも、海未とタイミングがバッチリあってしまった。

「え、えっと....」

 それが恥ずかしかったのだろう。海未はさっきまでの怒っていた面影はどこに行ったのやら、顔をゆでダコの様に赤くして俯いてしまった。

「...はぁ。頼むからシッカリしてくれよ」

「あんた達はいつまで馬鹿やってるのよ。こっちは早く話進めたいんだけど?」

「え?あ、あぁ...悪い」

 唯でさえ雨でみんな無意識だが気分が暗いのだ。それに加えて穂乃果と凛の高校生とは思えないほどの無邪気でいい加減な行動により、にこのイライラは募っていく一方だった。

「...まぁ、いいわ。取り敢えずμ'sはこれで全員なのかしら?」

「あぁ。6人揃ってるぞ」

「ならいいわ。...遅くなったけど自己紹介ね。私は矢澤にこ、高3よ。あんた達より上だから言葉使いには気をつけなさいよ。いいわね?」

「わ、わかりました」

 これでも高3なんだからね。と高3をあまりにも強調するにこに一年生組は軽く引いてしまう。確かに身長的な観点で見ればぱっと見で高校生とは答えられないが....

「神綺、あんた今変なこと考えなかった?」

「は?なにも?」 

 一瞬ギクリとした神綺だが、流石は中身は30代のオッサン。何もなかったかのようにしらばっくれる。

「...そう。まずは私はあんた達に謝らなくちゃならないことがあるわ」

 にこはそう言いながらパイプ椅子から立ち上がると、一歩その場から下がり、メンバー全員を視界におさめられるようにする。

 そんな行動に真姫が

「謝る...?」

「今朝の練習のこと。と言えばわかるかしら」

「っ」

 朝の練習。十中八九覗きだろう。だがこの件を知っているのはことりと海未と自分しかいない。

 だから今のにこの言葉に反応したのもことりと海未だけ。他は首を傾げている。

「ここ数日間。....勝手だけど、あんた達の練習をこっそり見てたのよ」

 そう言うにこの顔は暗い。まぁ、当たり前か。どんな目で見られるかわかりきっているもんな。

 しかし、そんな予想は裏切られる。穂乃果によって

「そうだったんですか!?なんだぁ....言ってくだされば目の前でお見せしたのに!」

 未だに穂乃果の頭の中にはスクールアイドルの先輩、というのが定着している為、逆にウェルカムといった感じで食いついたのだ。

 他の真姫達も穂乃果と凛が来るまでの間ににこと自己紹介や今までのことを軽く話していた為、穂乃果の言葉に頷く者も何人かいた。

「ちょっあんた達....」

「落ち着け穂乃果。....にこ、この中でお前に気がついたのはことりだ。皆に謝るのもそうだが、まずはことりに謝るんだな」

「そうなの?....あなたよね、ことりって」

「は、はい...」

 まさか自分をストーカー(?)していたのが学校の、しかもファーストライブにまで来てくださいとお願いした先輩だとは思ってなかったこともあり、軽くパニックになっていた。

 それがわかっているのかにこは軽く申し訳無さそうな顔になるも、首を横に降って気持ちを入れ替えて頭を下げた。

「...ごめんなさい。言い訳じゃないけど、どうしてもあんた達のレベルを見ておきたかったの」

「え?あ、あの!頭を上げてください」

「...でも、不安になって神綺に相談したんでしょ?私がやったことは頭を下げても、いや土下座しても済まないわ」

「......」

 そんな引くつもりのないにこにことりは言葉を失ってしまう。

 そして神綺はにこを見て納得する。

 これは仲間から去られたからわかること。少し方向性は違うとはいえ、精神的にダメージが入っているのをにこは見ぬいたのだろう。だからにこは迷わずに頭を下げることが出来た。

「...本当に、頭を上げてください。矢澤先輩」

「...わかったわ」

 ほんのすこし、いつもいる穂乃果たちでさえもあまり気にしない程に声色が変化したのをにこは察すると、恐る恐るではあるが頭をあげる。

 するとことりは先程とは違い、笑っていた。

「...え?」

「ありがとうございます。最初は誰だかわからない人で、それも斎藤先輩に逃げられたと言われた時は怖かったですけど、先輩で良かったです」

「あんた....」

「それも私達の実力を見定めるためだったんですよね?なら私は何もいうことはありません」

「...変わってるのね」

「いいんです。それより私は結果を聞きたいです」

「結果?」

「はい。その...私達の練習を見てどうでしたか?私達は先輩のお眼鏡にかないましたか?」

「あっ それは私も気になります!どうでしたか!?」

「凛も凛も!」

「まぁ確かに...気になるわね」

「...ちょっと待ってよ。私はあんた達に断りもなく覗いてたのよ!?なんでそんなに友好的なわけ?やっぱりおかしいわよ!」

 とにこは溜まった本音を叫んだ。

 それに穂乃果達は面食らうものの、それだけでまた笑顔になる。

「だって私はこの日をずっと待ち望んでたんです!先輩にμ'sのメンバーになってもらうのを!」

「っ」

 穂乃果はあの日屋上で言った。一緒にスクールアイドルをやらないかと。あの時はまだ人数も3人でグループ名すらも決まっていなかったが今は違う。

「忘れたとは言わせませんよ!私はずっと待ってたんですからね。ファーストライブの時はどこかへ行ってしまったのでお聞きできませんでしたが、今なら聞けます。...入って頂けますか?」

 穂乃果にしては珍しい敬語。少しむず痒くはあるが、神綺は優しい目でにこの方を見る。

「....私を?μ'sに?」

「はい!先輩からしてみれば私達はまだまだ未熟かもしれません。ですが、どうしても廃校を阻止したいんです!なのでお願いします、力を貸してください」

 そう言い切ると今度は穂乃果に加え海未とことりも頭を下げ始めた。それに若干話について行けない一年組はつられて頭を下げる。

「.....」

「よかったな。μ'sの方からお願いされてるぞ」

「神綺、あんた....」

「お前は自分で思っているほど落ちていない。まだ戻れるしそれ以上に羽ばたけるぞ」

「.....」

「自分に自信を持てよ。お前の夢はここで終わるような小さいものじゃないだろ?」

「でも私は...」

「覗きはことり本人がOKしてんだからもう気にすんなよ。もうその話は終わってるんだ。それこそ申し訳なく思ってるならことりの質問であるお眼鏡にかなったかどうか答えてやれ」

 そう言われたにこは数秒黙りこんで考える。

 

 

 

 

 そして、

「...いいわ。ハッキリ言って私からすれば踊りも歌もまだまだよ」

 とバッサリ言い切られ少し顔を引き攣らせる穂乃果達。だがにこは続けて

「でもあんた達を眩しいとも思ったわ。....なぜかしらね、技術はそうでもないのに引きこまれたわ。十分合格。いえ、私が合格とか決められるレベルじゃないわね」

「それじゃぁ...」

「...私が入ったら足を引っ張るかもってのは否めないけど...それでもいいなら私もいれて欲しい。....それが私の夢だから」

 小さい頃からの憧れであり夢。2年前に一度は崩れ落ちてしまった夢だが、まだやり直せる。

 それに一度挫折しているのだ、もう一度同じ状況に近づくとしても未然に察知し、対応もできる。

 そしてなによりも、

「...はい!これからよろしくお願いします!」

『よろしくお願いします!』

 あの頃とは何もかもが違う。メンバーのやる気も、状況も。今の彼女達ならどこまでだって行けるだろう。

 

 

 

 

 

 これでμ'sは7人という大所帯となった。

 ....だがまだ足りない。何かが足りないのだ。今の彼女達でも十分やっていけるとは思う。けど神綺の経験からまだ彼女達には足りないものがあるように思えてしかたがないのだ。

 そう顎に手をやり、この引っ掛かりはなにかと考えていると、不意に対面に座っていたことりと目が合った...のだが。

「...ことり?」

「あのね、斎藤先輩?」

「な、なんだ?」

 なんだこの寒気は。にこが入ったことが嬉しいのか笑顔なのはまぁ、わかる。だが無性にこの笑顔に恐怖を覚えるのはなぜだ!?

 周りの面子もことりから距離を取り始めているし。

「ちょっと来てもらえますか?」

「..わかった」

 何がしたいのかわからないが、椅子から立ち上がったことりが着いてきてください。と言いながら部室のドアの方に向かって歩いて行くのを見て、神綺も恐る恐るではあるが、着いて行く。

 

 

 そして廊下へ出て部室の扉を閉めた途端、ことりが神綺の肩を力強く掴んで壁に押し付けた。

 逆壁ドンに近いものである。

「...ことり?」

 はたから見れば羨ましがられる様な光景ではあるものの、神綺からすれば冷や汗が止まらないのだ。

 なんせあの温厚なことりが力一杯肩を掴んでいるのだ。それも漫画よろしく背中から『ゴゴゴゴゴ』とオーラが出ているような気迫で。

「ねぇ先輩?」

「だからなんだ...」

「今朝のことなんですけどぉ」

「...あぁ」

「最初から知ってたんですか?矢澤先輩が犯人だってことぉ」

「あ、あぁ。一応捕まえて顔も見たからな....」

「へぇ~ じゃぁことりに嘘ついたってことですかぁ?矢澤先輩を庇うために?」

 ここでようやく神綺は理解した。ことりがなぜこんなことをしているのか。

 それは考えてみれば簡単なこと。

 ことりからしてみれば、朝からずっと得体のしれない覗きに対する恐怖で震えていたのに、午後になって流れるままに話を聞いていれば覗きの正体はまさかのスクールアイドルの先輩にあたるにこ。

 そして神綺は何もかも知っているかのように話を進め、にこをμ'sのメンバーにさせた。

 つまりは、神綺は今朝犯人を、にこの顔を見ていて敢えて庇った。でなければこんなに話はなめらかに進まない。そう思ったのだ。

 そこで神綺は苦虫を潰したような顔になってしまう。落ち着いてみれば肩をつかむことりの腕は震えているのだ。

 

(...俺の身勝手な考えでことりに怖い思いをさせちまってたのか)

 さっきまでことりの心情を分析していたのが馬鹿みたいに思えて神綺は思わずため息をついてしまった。

「っ」

 それがことりには良くなかった。目が一段ときつくなる。

 しかし、

「...え?」

 次の瞬間、ことりは今までの怖い顔がウソのようにぽかんと目を見開く。

「...すまない。俺が勝手に思っていた以上にお前を不安にさせてたんだな。こればっかりは言い訳する気もない」

 こんなので許されるとは思っていないが、少しでも怖かったという不安感を払拭できれば、と神綺は数年ぶりにことりの頭を撫でたのだ。

 そして優しく語りかける。

「お前は穂乃果達と違って周りに敏感で感受性も豊かだもんな。そこまで知っているのに俺は...本当に馬鹿だな」

 人間、外的損傷はある程度治るが、精神的損傷はそう簡単には治らない。それは自分もよく知っている。

 だからこそ、尚更自分の行いが愚かだったことを痛感せざるを得ないのだ。

 どんどんと神綺は自嘲的な笑みになっていく。

「せ、先輩.....」

「逃げられたってのは本当だが、それは関係ないか。黙ってたのには変わりないもんな」

 怖い思いをさせてすまない。と神綺はもう一度謝ると、

「っ ことり?」

 ことりが肩を掴むのをやめて神綺に抱きついたのだ。だがことりの体はまだ震えている。

「....本当に怖かったんですからね」

 そう呟く声も震えていて、肩も小刻みに揺れて泣いているのもわかる。

「...すまない」

 何度目だろうか。だが神綺にはこれしか思い浮かぶ言葉がない。語彙のなさに呆れながらもことりが落ち着くまで頭を撫でたり子供をあやすように背中をポンポンと優しく叩いていると、

「う、うわぁぁ?!」

「ちょっ?!うひゃぁ!」

「「っ!?」」

 不意に扉が勢い良く開く音とともに穂乃果達が廊下へ雪崩出てきた。

 それに驚いた神綺もだが、ことりも勢い良く神綺から離れて穂乃果達と距離を取る。

「....なんのつもりだ」

 状況からするに覗き見だろう。まったく質が悪い。そして、

「あんたこそなんのつもりよ?!アイドルに恋愛は禁物なのよ!」

 あろうことか2度目の覗きをしたにこが開き直ってきた。

「今のどこに恋愛があった!?付き合ってもねぇよ!それより覗きとはいい趣味だな!えぇ?」

「先輩とことりちゃんがそんな関係だったなんて....」

「破廉恥です!?」

「だから付き合ってねぇって言ってんだろうが!」

「大胆だにゃぁ~」

「す、すごいものをみちゃった...」

「...希先輩に報告ね」

「おいお前ら!ってか真姫!希に何報告する気だ!?」

「ま、まぁまぁ...」

「お前はいいのか!?」

 こんなにニヤニヤされながら滅茶苦茶言われていることにことりは何も感じないのか?と神綺は声を荒げてしまう。

「まぁ....悪い気は、しないかな?」

『...お?』

「お?じゃねぇよ。ことりもなに言ってんだ...」

「そうよ!恋愛はアイドルには必要ないのよ!」

「お前もいつまでそれ言ってるつもりだ!てか部室にもどれ!」

 そう神綺が一喝すると、以外にも彼女達はアッサリ引き下がり、ぞろぞろと部室に戻っていった。

 小さい声ではあるものの、いや~先輩って偶にからかうと面白いよね。なんて声が聞こえたのは気にしない。いや、気にしちゃいけない。

 そして残ったことりが背伸びをうんとしながら神綺の耳元で、

「...今度埋め合わせお願いします♪ そうすれば許してあげますよ」

 と悪魔の囁きを残して部室へと入っていった。




 閲覧有り難うございます。


 お気に入り数1500件突破ありがとうございます!これでまたモチベが上がりました。

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