ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 どうも、一週間ぶりですね。レイヴェルです。

 色々絵を描いていたら知らない間に一週間も空いていたでござる。
 最近小説より絵の方を優先し始めたのでそのせいですね(震え声)


 それと今回は短いです。なんか思いつかなくて...ごめんなさい!



第110話 芽を摘むとき

「なぁ希」

「ん?」

「最近さ、絵里の様子変じゃないか?」

 ここ数日、神綺は穂乃果達μ'sの監督役を休み、生徒会の方へ頻繁に顔を出している。

 というのも、前にも言ったことだが最近は神綺なしでも円滑に練習が進むことになったこともあり、本来の生徒会業務の方をこなす余裕ができたのだ。

 それにより必然と絵里や希との接点も増え、会話も自ずと増える。だからこそ絵里の変化に神綺は気がついた。

「...まぁ確かに笑わなくなったね」

「やはりか」

 対する希は神綺よりも絵里と接する時間が長かったので前から薄々と気がついているようだ。

「あのPVを撮った頃くらいかなぁ?あの動画を絵里ちに見せた時もどこか上の空みたいな感じはあったし」

「そんな前からか?」

「うん。疲れてるのかなとか思ったけど...もう1週間は経つものね」

「...また何か抱え込んだか?」

「でも抱え込むって言ってもこの時期なら穂乃果ちゃん達の件しかないような...」

「...俺が原因か」

「そういうわけじゃないけどさ。...でも心配ではあるよね」

「このままじゃお前も切り出すに切り出せないもんな」

「なにを?」

「勧誘だよ。入れたいんだろ?μ'sに」

「でも...神綺君はいいの?私と絵里ちが入っても」

「俺は別に構わない。絵里は経験と技術があるからしばらく教える側に立ってもらえるし、希ならあいつらも懐くだろ。問題ない」

「私踊りとか素人だよ?」

「そんなこと言ったらにこ以外素人同然だ。構わん」

 実際にこはダンス教室に通っていた経験からか飲み込みも早いし筋もいい。逆に他のメンバーは着実に動きは良くなっているが、まだどんぐりの背くらべだ。希が入っても十分追いつける。

「ならいいけどさ....」

「暗いな。どうした?」

 神綺に加入のOKが出て胸をなでおろす希だが、まだ顔は優れない。

「ちょっとね。絵里ちがこのままずっとムスッとした状態だったらμ'sになんて入ってもらえないなって」

「だろうな。しかもその思い詰めている原因がスクールアイドルなら尚更か」

「うん....」

「...しゃーないか」

 よいしょっ、と神綺は椅子から立ち上がると筆記用具を鞄に仕舞い始める。

「え?どうしたの?」

「絵里を借りるぞ。少し話してくる」

「話すって...今のこと?」

「そうだ。前々から思っていたが、あいつの考えをもう一度知りたい。まだ教員室にいるだろ?」

「だと思う」

「ならいい。絵里の持ち物を纏めてくれ、今日はもうあがる」

「わかった。....はい」

「サンキュ。それじゃ」

 そう言うと神綺は絵里の鞄を受け取って生徒会室の扉のドアノブに手をかける。すると後ろから希が呟くように小さい声で、

「...お願い、神綺君」

 本人は神綺に向けて言っているようではなかったが、ここは生徒会室。ある程度防音もされている為に外の喧騒は聞こえずに中は静か。だからかその呟きは良く聞こえた。

 それに神綺は一呼吸空ける。

「あぁ。なんとかするさ」

 すると後ろでガタッと何か音がしたが、神綺は振り返らずに絵里がいるであろう教員室へと向かった。

 

 

 

----------------------

「なんとかするさ、かぁ」

 私は無意識に呟いた言葉がまさか聞こえているとは思わず、神綺君の返答に驚いて椅子に足を軽くぶつけてしまった。

 

 

 少し足が痛むが、私は今もボーッと彼が座っていた椅子を眺めながら親友であり、ライバルでもある絵里ちのことを思い出す。

 

 

 

 

 最初に絵里ちの異変に気がついたのは本当にPVを見せようとしたあの日だった。

 教員室から戻ってきた絵里ちを驚かそうとドアの裏に隠れて待機していて、しばらくしたら足音が聞こえてきたのだが、構えていても一向に扉が開く様子がなかったのだ。

 一瞬気がつかれた?とも思ったけど。ドア越しにでも一声かければそれで終わる。絵里ちはそこら辺は頭を入れる前に潰すタイプだからだ。

 でもそんな様子はなく、ずっとドアの前で立ち止まっているような感じだけが自分にはわかった。

 なら他の生徒?でもその時間は放課後と言っても最終下校時間間近で生徒会室に来る意味が無い。だからこの可能性は潰れる。

 しかしこのまま待っているのもアレなので、自分から動くことにしたんだ。

「あれ?絵里ち?」

 意を決して、偶々扉を開けましたって雰囲気を出しながら扉を開けると目の前にはやっぱり絵里ちが立っていた。

「希?ごめんなさいね。どくわ」

「え?う、うん」

 自分が飛び出したことに驚いた様子だった絵里ち。でもどこか上の空でススッと私が生徒会室から出れるように前からどいてくれた。

 でもここで何でもないと言って戻るのは怪しまれるのでお手洗いに形だけいくことにした。

 ....バレてないよね?

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま~」

「おかえり、PVはどうだったの?」

「ん、そこに置いてあるカメラにあるよ。見てみる?」

 お手洗いから帰ると絵里ちは自分を待っていたようで、帰る準備がすでに終わっていた。

「...今日はいいわ。さ、帰りましょう?」

「そう?わかった」

 この時はまだ疲れてるから今度ジックリと見たいのかな?とも思っちゃったんだよね。

 絵里ちってやるなら万全な状態でって所あるし。

 でもそれが違うっていうのは日にちが経つに連れてわかってきたんだ。だって生徒会の仕事で少し焦ってるような感じで書類をこなしていたり、理事長室に何かを話しに行くような機会が増えたんだよね。

 前はそこまで理事長室に顔を出さなかったし、出すにしても神綺君を誘ってから。

 でも今回は神綺君は何もしらないようだし、明らかに1人でなにかやろうとしている感じがする。

 もうそろそろどうにかしなきゃ。自分はそうは思った。....思ったけどどうしても切り出せなかった。

 なんで悩んでいるのかも時期的に大方検討はついていた。受験関係はまず成績的にありえないし、それだけ悩むのなら私に相談だってしてくるはず。でもそれをしないってことは...廃校問題のナニカ。自分はそう目星はつけている。

 でもそれは穂乃果ちゃん達スクールアイドルとも関係がある問題であり、思い切ってμ'sに入って欲しいとは切り出せなかった。

 今の切羽詰まった絵里ちじゃ何を言っても入ってもらえないからっていうのもあるけど、何よりも今絵里ちに必要なのは私の声なんかじゃない。

 誰でもない神綺君だ。

 

 

 

 

 

 

 

 何を根拠の無いことを、と思うかもしれない。でもこれはしょうがないんだ。

 今まで絵里ちに質問をし、ヒントを出し、なんとか正解らしい正解にたどり着かせようと神綺君は種を沢山撒いてきた。

 でもそれがいけなかったんだと思う。ある程度の種なら、余分な芽は摘めばいい。けど今の絵里ちの周りには摘むには量が多すぎる芽が出て、しっかり根を張ってしまっている。

 そこまでひどい状態になってしまえば、答えを知っている神綺君ならともかく、第三者の私の声なんて届きやしない。

 ....なにも出来ないのは悔しいけど、あの神綺君なら上手くプラスの方向に動かしてくれるはず。

 

 勿論、これも根拠が無いわけじゃない。ここを出て行く時の彼の目、彼の言葉を借りるわけじゃないけど目を見ればわかった。

 あの目はもう何もかも把握している目だった。ちょっと悔しい気がするけど、神綺君は恐らく私の考えていることもお見通しだと思う。だから彼はこの部屋を出るときに私が呟いても驚かなかったんだ。

 まぁ、まさか呟くとは。とかは思ってそうだけどね。

 

 

 取り敢えずもう私にできることは果報を待つだけ。

 神綺君には撒いた種を自分で回収してもらわなきゃならないね。ここまで深刻化するとは私も思わなかったけど、ここまできちゃうとそのうち穂乃果ちゃん達にも冷たく当たりそうだし、そうならない内に沈静化しておきたい所。

 だから....

 

「お願い、神綺君....」

 私はもう一度祈るように夕日で朱色に染まり始めている空を窓越しに眺めながらポツリと呟いた。




 閲覧有り難うございます。


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