ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 どうも、レイヴェルです。

今回はちと長いですね。読みにくいかもしれません。

ではでは、


第111話 説得

「...はい。確認をお願いします」

 放課後、今日のノルマである書類を書き終えた絵里は生徒会顧問の先生に提出する為、教員室に出向いていた。

 いつも通りに淡々と。特に世間話もなく事務的に交わされる会話に面白みは何もない。

「...よし。問題ないぞ、今日はあがっていい」

「わかりました。それでは失礼します」

「あぁ。おつかれ」

 もう何回とやり慣れたお辞儀をし、チラッと教員室内に掛けられている時計に視線を移しながら絵里は退室した。

 すると、

「お、待ってたぞ」

「え?神綺君...?」

 廊下の壁により掛かり、腕を組んでいる神綺がいた。

「なにかあったの?」

「いいや?ただちょっと絵里と話がしたくてな」

「話?」

「あぁ。だから...ほれ」

「それは...」

 組んでいる腕を解き、何かを持ち上げる神綺。それに絵里は首を傾げるも、すぐに神綺が持ち上げた物が自分の鞄だとわかると目を見開いた。

「どうして私のを?」

 バッグにはストラップがついている。だから自分のだと絵里は瞬時に確信できた。

「言ったろ?話がしたい、と。絵里には悪いが、希に荷物をまとめてもらってな。このまま直で帰ろうと思って」

「....そんなに長くなるの?」

「さぁな。それは絵里次第だ。...さ、行くぞ?」

「あっ 待ってよ!自分の鞄は自分で持つわよ...」

 

 

 

 

-------------------------

 

 

 私、絢瀬絵里は悩んでいた。古くからあり、お祖母様が通っていた音ノ木坂学院。

 小さい頃からお祖母様の所に行く度に、音ノ木坂の話をされたのを今でも覚えている。

 だからか、私は音ノ木坂学院に興味を持った。お祖母様が昔話をする時が面白いぐらいに楽しそうにしていたから。

 そして何よりも、私もそんな風に笑って思い出せる思い出を残したかった。

 

 

 

 そして数年が経ち、日本に本格的に移住をして住み始めるも、自分は最初マトモに日本語が話せなかった。

 一応ロシアにいた頃も日本語を勉強を必死にしていた。でもイマイチ理解が出来ずにあまり頭に定着しなかった。

 ....私は、日本とロシアのクォーター。普通、クォーターは4分の1であるロシアはあまり色濃くでないものの、私はなぜかロシアが前面に濃くでてしまっていた。別にそれをどうも思わないが、その容姿の異端さから、私は日本の学校で浮く存在になってしまった。

 一応好奇の視線はまだ大丈夫だったものの、ちょっとしたちょっかいや、いたずらを度々受けていた。しかし私はまだカタコトの日本語。

 十分に話せないあの時は、満足に話せずに言い返せない自分を家で泣きながら後悔したことが何度もあった。

 

 

 それからだった。私が今までにないくらいに猛勉強をして、がむしゃらに日本語を覚えたのは。

 努力は報われる。小さい頃にバレエの先生に言われたその言葉を信じてただただ、参考書とにらめっこをして無事、習得することが出来た。

 

 

 ....でも問題があった。たしかに自分は日本語を不自由なく使えるレベルにまでなった。

 しかし、日本語を覚えるのに時間を費やしすぎてしまったのだ。休み時間は当たり前として、授業が終わればすぐに家に帰って自室で集中するようなそんな日々。

 それが続いたせいで、外で同年代と交流は愚か、友達作りすらしていなかったのだ。

 これに気がついた時は冗談ではなく本当に膝から崩れ落ちたのを鮮明に覚えている。

 日本語をマスターしてしまったのが返ってアダになり、周りで楽しそうにしている会話や、内容が理解できてしまうのだ。惨めなことこのうえない。

 

 

 ....だから私は強引に誰かと繋がりを持とうとした。そして見つけたのがクラスの学級委員、クラスの長であり、まとめ役。これなら義理ではあるものの、クラスメイトとの交流はできる。

 今思えば呆れるの一言ではあるが、かといって立候補していなければ自分は今どうなっていたか、というのも考えたくない。絶対に真っ当に生きていないだろうと断言できる自信がなぜかあるから。

 

 

 そして仮初めの交流を始めて少しが経ち、中学1年生になった時に一生で二度とない転機が訪れる。...それは神綺君との出会い。

 

『俺も前はあぁだったからだ』

 

 この言葉は絶対に忘れられない。

 中学で同じクラスに偶々一緒になっただけ。でも彼は他の子とは違うナニカを持っているというのはなんとなくわかっていた。

 でも極めつけはやっぱり私のことを見透かしたように言い当てていた時。あの時は声は勿論だったけど、彼の顔もチラッと確認していた。でもその時彼の目を見たら怖くなってすぐに前を向き直したんだっけ。

 日本人特有の黒い瞳。目も今の彼と同じでそこまで目つきがキツイわけでもなく、どことなく柔らかそうな雰囲気をしている。でもあの時の目は、日頃と同じで睨んでいるわけでもないのに、とても怖く感じた。自分の心を覗かれているようで...ま、実際同じようなもんだったんだけどね。

 

 あれから私は彼をちょくちょく追いかけるようになった。授業中も気が付かれない程度にチラッと見たり、彼が休み時間何をしているのかが気になったり.....

 あの時はどうしても知りたかったことがあった。それはどうして私のやってきたことが、知らないはずの神綺君があぁも簡単に言い当てられたのか。

 でも本人に聞く勇気がなかった私は情けなくもストーカーまがいな行動をしてしまった。

 ...あの頃は本当に人付き合いというものが慣れてなくて話しかけるのにも抵抗があった。それも友達がいて笑っている彼の顔を見たら尚更私にはハードルが高い。

 

 

 でもそれは早くも崩れた。自分が墓穴を掘る形で。

 彼を追うこと数日。いつもはHRが終わってもしばらくは教室で誰かと会話をする神綺君だったのだが、その日はすぐに帰る支度をして教室を出て行ってしまった。

 今までなんの変哲もない、ただの学校生活をしていた彼。でも私の事を見破ったあの観察力?がどうして身についたのかを知りたかった私は、なにかあるかもしれない、と思いきって後を追ったのだ。

 そして辿り着いたは学校の屋上。でも扉から見た屋上にはいるはずの彼の姿がなかった。

 

 それに私は驚いて隠れるのを忘れて思いっきり扉を開け、屋上を見渡した。

『どういうこと.....なぜ..』

 なぜ彼がいない。 そう呟いていると急に頭上から声がしたのだ。

『斎藤神綺はいない....か?』

 そして声する方を向こうとするも、まさか上にいるとは思わなかった私は無意識に後ろを向くが、そこには彼がいなかった。

『上だよ、上』

 そう笑いながら言われて上を見上げれば、屋根の上に仁王立ちをしている神綺君がいて思わず漏らしそうになったのは秘密だ。それだけ衝撃的で、なにより一瞬の時間で移動した彼が怖かったのだ。

 

 それからはなぜ自分が追っているのがわかったか、など色々気になるところを聞いていき、最後に肝心な案件もどさくさに紛れて聞いたんだ。

 そしてその答えがさっきのものになる。

 

 

『俺も前はあぁだったからだ』

 今まででこれほど胡散臭いことは聞いたことがない。それが本音だった。

 前は、ということは今は違うと言いたいのだろう。でもそしたらなぜ、今の状態になれたのか、変われることが出来たのか。それが私には理解できなかった。

 

 すると彼は優しく教えてくれた。どうして私のことを言い当てられたか。そして変われたかを。

 けれどそれは私には難しすぎる壁、彼の言う友達ができたから変われたというのは、あの時の私には到底叶えられないものだった。友達付き合いもろくにしらない私は、怖気づいてしまうと同時に、これからも自分はこのままなのだ。と遠回しに言われた気がした。

 

 

 そして彼は私のそんな様子を見て、友達がいないことまでも見透かされてしまった。こんなに恥ずかしいことはない。バカにされるのだろうか?とも思ったが、予想外にも彼は笑うこと無く、あろうことか手を差し伸べてこう言った。

『....友達になろうぜ、絢瀬』

 その言葉で私の世界観、人生は180度。いやそれ以上にも変わった。

 ロシアではなく、日本でできた初めての友達。

 幸い神綺君は成績も良く、私の分からない所も丁寧に教えてくれた。後は一緒に帰ろうと言えば、年頃で普通は抵抗があるはずなのに彼は二つ返事で快く頷いてくれた。

 自分を女性として見てくれていないんだろうか?とも思ったことがある。でもなによりも、それでも自分を相手してくれている。その嬉しさが何よりもたまらなかった。

 ....依存しちゃってるのかな?

 

 

 

 

 なにはともあれ、神綺君のおかげで色褪せていた学生生活は楽しくなり、自分で言うのもアレだが、笑う機会も増えた。

 

 

 でも、問題が起きてしまった。

 それは音ノ木坂学院『廃校』の通知。

 自分が輝かしい学校生活を夢見て入学し、生徒会長にまで上り詰めてより良い学校にしていけたらいいとずっと思いながら送ってきた学院生活。

 けれどたった一回の通知でそれは崩れ落ちてしまった。

 特段学院の為になることをしたかと言われれば何もしていないからなにもいえないが、それでもお祖母様が通って愛したこの学院がなくなるなんてことは絶対に認めたくなかった。

 だから私は神綺君同伴の元、理事長室へ行って早速意見具申を試みた。

 けれども失敗。自分が首を突っ込みすぎたというのもあるが、理事長にやんわりと断られてしまった。

「..り。...え..り」

 

 それが最初は理解できなくてトゲトゲしくなっちゃったっけ。後から同じような理由で話をしに行った高坂さん達が活動を認められたからっていうのもあるけど...私は納得できなかった。

 

 

「絵里!」

「ひぅっ!?」

「どうしたんだ固まって。呼んでも反応ないから焦ったぞ?」

「え?...え?」 

「...どうしたんだ?ほら、着いたぞ」

 そう神綺君に言われて辺りを見渡すと、見慣れた公園だった。

「本当だ....」

「考え事か?ずっと黙ってたけどついてはきてたから何も言わなかったが」

「...ちょっとね。昔のことを思い出してたの」

「昔?」

「神綺君に初めてあった時のこと」

「あぁ、中学の。でもなんでそんなことを?」

「私にとっては重要な事よ?...それで?話って何かしら」

 何の話かはわからないが、態々移動してまで話すことなんだ。普通の世間話ではないだろう。

「まぁ焦るなって。飲み物買ってくるから待ってな」

 

----------------

「はいよ」

 そう言いながら渡されたのは、ココアの缶だった。

「ありがと...いくら?」

「奢られとけ。今日は俺から強引に誘ったんだ、そんくらいする」

「...ありがと」

 本当はわかってた、お金はいらないって言うこと。

 でもこれで受け取ったはいいけど飲まないのはそれはそれで失礼だからプルタブを開けて一口飲む。...うん、美味しい。

「それじゃぁいきなりだが、本題に入らせてもらうぞ。なぁ絵里、単刀直入に言う。μ'sに入ってくれ」

「....え?」

 私は一瞬、神綺君の言っていることが理解できなかった。....μ'sと言った?それはおかしい。なんせそれは高坂さん達がやっているスクールアイドルの名前と同じだから。

「驚くのも無理はないが、俺は本気だ。音ノ木坂学院のスクールアイドルであるμ'sのメンバーになってくれ」

 と今度は頭を下げてまでお願いをしてくる神綺君に私は慌てて神綺君の肩を掴んで頭をあげさせる。

「ちょっ ちょっと待って?どうして私なの?それにもうあの子達はもうそれなりの人数でしょう?」

 相手を批判するのであればまずは情報収集。馬鹿げているかもしれないが、私は高坂さん達を否定するために色々なスクールアイドルについて調べた。

 ...でも、今の彼女達の様に大人数で活動しているスクールアイドルはいないわけではないが、多くもなかった。あの大所帯に私も加えるなど...無謀でしかない。なんせ人数が多ければ多いほど、統制をとるのは難しいからだ。

 

 いやいや、それよりもだ。

 なぜ私?自分は生徒会の人間であり、今はそうでもないが、当初は彼女達に突っかかっていた自分だ。受け入れるはずがないし、今更入れてくださいなんて口が裂けても言えない。

「人数なんて知らん。絵里が必要だから誘っているだけだ」

 ...毎度毎度思うけど神綺君はなにかと際どいこと言いすぎよ。一瞬ドキッとしたじゃない。なんせ真剣な顔なんだもの。

「で、でも....」

「...はぁ。最近、理事長室によく顔を出してるそうじゃないか?」

「えっ そ、そうだけど...」

 なんで神綺君がそのことを知っているのかしら。...まさか希?あ、ありえるわね。

「どうしてまたこんな時期に?」

「....教員室でサラッと聞こえたのよ。もう廃校確定だなって話してる先生方がいて...」

 数日前だったか。いつも通りに生徒会のノルマを提出しに行った帰り際に、教員室内でお茶を飲んで一息ついていた先生方が話しているのを聞いてしまったのだ。

 その内容は、もう廃校しか道がないというもの。なにをしてももう駄目だろう楽観的に喋っているのを見てイライラしてそそくさと家に帰ったのだ。

「...それで心配になったお前はもう後に引けないと焦って理事長に生徒会でまた活動させてくれってお願いしていたと?」

「....そうよ」

「まじか。.....でも断られたんだろ?」

「えぇ。毎回同じようにやんわりとね」

「なら行くのやめてやれよ。理事長も忙しいんだからよ」

 そんなことわかってる。でも

「でも...そしたら何も出来ずに廃校に...」

「その廃校に立ち向かうために動いてんのが穂乃果達μ'sだ」

「...そうね」

 そんなことわかってる。でも私は自分で動きたいんだ。自分の手で、廃校を止めたい。

「ま、その顔じゃ自分がやらなきゃ気がすまないって感じだな」

「...お見通しってわけね」

 神綺君の見透かす力は慣れたけど、こうもズバッと言われると少しムッとしてしまう。

「誰でもわかるっての。...そこでだ、絵里もμ'sに入れば?なんと自分も活動できて上手く行けば廃校阻止だ」

「そうは言うけど...」

 私は生徒会長。流石に生徒の長が部活動に興じるなどできない。

「...そうか。でもな絵里、ハッキリ言わせてもらうが。お前が入ってくれないと、廃校しかないんだよ」

「....え?」

 それはどういうことだろうか?私がいなければ廃校?つまりは失敗するということ?

「今あいつらには矢澤にこっていう3年生が加わったろ?」

「えぇ、知ってるわ」

 あのツインテールの子のことだろう。私も何度か見かけている。

「あいつが今のところはリーダーとなってあいつらをまとめている。...少し危ないところはあるがな。でもそれは一時的だ。その内まとまりがとれなくなる」

「...それで?」

「そこでだ。あいつらのまとめ役が必要だ」

「...それで私?」

「あぁそうだ。お前は何かとまとめるの好きだろう?」

 確かに好きだ。それは認める。

「でも私は生徒会よ?」

「俺だって生徒会だ」

 そんなのわかっている。言いたいのは、

「私は..「生徒会長、だろ?わかってるさ」....ならなんで?」

「はぁ。ここで廃校のことを発表された時のこと思い出してみろ。お前は理事長室に行ってなんて言われた?」

「それは...私達は楽しんで高校生活に臨んでほしいと思っています、よね?」

「あぁ、そうだ」

「でも無理よ。廃校するって言われているのに楽しめるわけないじゃない」

「それはなんでだ?」

「...え?」

「なんで楽しめない?」

「なんで...?」

 そんなのわからない。逆にどうして楽しんでできるの?もうすぐそこまで廃校という問題が近づいてきているのに。

「それはな?絵里。今のお前には楽しみ心の余裕が無いからだ」

「....?」

「穂乃果達はな?楽しんでいるんだよ。今の時間を大切にしたいから」

「...どういうこと?」

「自分達が成功すれば、そりゃ廃校問題もなくなって万々歳さ。でも失敗したら?その後のことを考えてみろ」

 その後...まるでさっき考えていた私がクラス委員になっていなければ...に似ている。

 でもそんなの、

「後悔するわ。折角の学院生活なのに...そんな必死でやっているだけで報われないなんて....」

 それはとても...悲しい。

 

 そんなことを思っていると、神綺君は驚いたような顔をした。

「なんだ。わかってるんじゃないか」

「え?」

「その言葉。そっくり絵里に返すぞ」

 ...どういうことだろうか?自分の言った言葉....あれ?

「気がついたか?今お前がやろうとしていることまんまだぞ、それ」

「....自分でも驚きだわ」

「わかったろ?失敗した時に後悔したくないから。今を全力で楽しんで前へ進む。それがあいつらだ」

「....でもそれで失敗したら!」

「本末転倒。最初にお前が言った通り、やったけど遊びすぎて駄目でした。みたいになるだろ」

「だったら!」

「けれど理事長が賭けたのはその一握りの可能性だ」

 可能性?

「理事長は、一生に一度しかない学院生活をそんなハイリスクなモノに費やしてほしくないから、楽しんでくれ。と言っているんだ」

「.....」

「なぁ、絵里。お前は何がしたくてこの音ノ木坂に入った?」

「何がしたくて?それは...」

 自分がしたいこと....

 

『笑って思い出せる思い出を残したい!』

 

「っ!」

「....わかったか?」

「私は....私は思い出を残したくてこの音ノ木坂に入ったわ」

「そうか、思い出か....もう高3だ。今までで胸を張って言える思い出はできたか?」

「それは....」

 出来た、そう言おうとした。神綺君がいて、希がいて。とても充実した学院生活であったことは間違いない。....でも、なぜか言い切れなかった。

 本当に?これで本当にいいの?私は....なにがしたいの?

「さぁ、絵里。これからどうする?生徒会での活動を夢見て必死にあがくか、何もしないで穂乃果達が成功するのを見届けるか、自分もスクールアイドルの輪に入って輝くか」

 そんなの....

「そんなの決まってるわ」

「なら?」

「私は....スクールアイドルを選ぶわ」

 私は....進む。建前でもいい。生徒会の長として、今の1年生で代を終わらせない為にも....自分の夢の為にも....進まなければならない。

 

「...よし、いい目になった」

「色々悩んだわ。...私は生徒会長。そんな私が、部活なんかに明け暮れていいのかって...」

「そんなお前を選んだのは生徒だ。構わないさ。...それよりもその言い方だと、前から入りたかったのか?」

「え!?そ、それは...」

 これは不味い。こればっかりは言いたくない。....μ'sのファンになった亜里沙に毎晩の様に洗脳まがいな熱弁を繰り広げられて興味が沸いただなんて...言えない!?

 

「...ふむ。まぁいいがな。さっきも言ったが、立候補した絵里の後押しをしたのは紛れも無い音ノ木坂の生徒だ。そんな絵里がスクールアイドルやるって言うなら何も言わないだろう。...書類とかで問題を起こさなければな」

「そこは神綺君や希に手伝ってもらうしかないわよ。....でも本当にいいの?私なんかが入って。最初の頃あの子達にキツくあたってでしょう?」

「あぁ、あいつら気にしてないから安心しな。逆に喜ぶぞ~?なんせ絵里が入るんだからな」

「...なんで?」

「なんせスタイルバツグン、容姿端麗、おまけにバレエの経験者ってのを教えれば飛びつくぞ、特に穂乃果」

「あぁ....」

 ちょっと褒められて照れたけど、高坂さんの名前が出て容易に想像できて少し冷めた。

 あのテンションにはちょっとついて行けない。

「まぁ、なんだ。加入おめでとう?絵里」

「まだメンバーじゃないわよ?本人達の意思も聞いてないし」

「あいつらならOKするから大丈夫だ。心配しすぎだぞ?」

「誰のせいよ...誰の。あんなこと言われたら進む道これしかないじゃない」

「当たり前だろう?言ったはずだ。絵里が入ってくれなければμ'sは終わるって。入ってくれるまで説得するつもりでいたんだからな?」

「珍しく強引ね」

「それだけ大事な存在なんだよ、今の音ノ木坂にとってμ'sは.....なんせ俺の夢でもあるんだからな」

「夢?」

「あぁ。絵里に聞いたが、俺の音ノ木坂に入った理由。それはお前と、お前達と一緒にいたかったからだ」

「え....」

 不覚にもドキッとしてしまったが、不意打ちの様なものだったからしょうがないだろう....でも彼にそういう気がないことはわかっている。

「俺の大切な友達と一緒に、そして楽しく過ごしたい。これが俺の描きたい学院生活だ」

「ふふっ 私もよ」

「ならいい。一緒に楽しもうぜ、希も入れてな」

「勿論よ。私達3人で仲良く、でしょ?」

「そういうことだ」

 私は、久しぶりに笑えた気がする。あの頃と、中学の頃と同じように、また神綺君の助けで私は笑っていられる。

 

 

 ありがとう、神綺君。




 閲覧ありがとうございます。

 なんか原作よりも早く絵里ちが加入する流れになりましたね。

 感想、指摘、などなど受け付けております。
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