ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 どうも。お久しぶりです、レイヴェルです。

 真姫ちゃんのスコマが終わり、時間も取れるようになったので執筆です。

 そういえば絵里誕のイラストが完成しました!
 後は絵里誕話を作成するだけですのでお楽しみに!


第116話

 病院から薬を処方してもらい、家に帰った神綺は薬を口に含み、勢い良くコップの中に注いだ水を飲み干した。 

 

「...ふぅ。これで効くのを待つだけか」

 

 飲み干して空になったコップをシンクに置き、隣接した居間にある椅子にドカッと勢い良く腰掛けた。

 

「つぅっ...はぁ」

 

 しかしその勢いが頭に響き、余計痛くなってしまった。それに神綺はズキズキと痛む頭を押さえながらため息をつく。

 

「参ったな。こりゃマトモに生活も出来ないぞ...」

 

 神綺にはある長所があった。

 

 それは風邪を引かないということ。一見アホらしい長所だが、それだけ日常的に体調管理を徹底しているということ。

 

 だが裏を返せばそれは風邪に慣れていないということになる。

 

 つまり...

 

「もうダメだ...」

 

 普通ならば我慢なり根性なりで我慢できる痛みであっても、神綺にとっては未知の痛さであり、そこまで重症でなくてもバテてしまう。

 

 まだ洗濯物や掃除などやることは山積みなのだが、神綺は我慢ができずに寝てしまおうとフッと考えた時、神綺以外いないこの家の玄関が開いた音がした。

 

「...?希か?」

 

 そうは思うが、こちらへ歩いてくる足音は複数。つまりは一人ではないということ。

 

 ということは希という線は消える。

 

 なら誰だ?そう思っていると、見知った顔が廊下から顔を出した。

 

「...お邪魔します」

 

「ま、真姫?」

 

「「お邪魔します」」

 

「ことり?...にこ?どうしたんだお前ら...」

 

「私は南先輩から斎藤先輩が風邪だということを聞いたのでお見舞いに」

 

「お見舞い...?だがなんで入れたんだ?俺は鍵は閉めていたはずだ」

 

 いくら意識がもうろうとしているとはいえ、鍵を閉め忘れるなんてヘマはしない。

 

「忘れましたか?私合鍵まだ持ってるんですよ?」

 

 そう言いながら真姫はチャラチャラと指で動かしながら合鍵を鳴らして見せた。

 

「あぁ...そういえば持っておいてくれと言ってたか...」

 

 真姫がこの家を出て行く際、真姫は最初鍵を返すと言ったのだが、神綺が持っておいてくれと断って真姫に持たせていたのだ。

 

 困ったときはこの家に来いという意味で持たせたというのもあるが、実は合鍵の処理が面倒だったからそのまま持たせていたという面もある。

 

「それで...ことりとにこはどうしたんだ?」

 

「私達も同じよ、あんたが部室に来なかったから顔出しに来たってわけ、あんたに聞きたいこともあったし」

 

「そうか...まぁ座ってくれ。折角来たんだ、茶ぐらい出す」

 

 そう言いながらゆっくりと立ち上がる神綺だが、フラフラとしていて、とても一人でお茶を出せる様子ではない。

 

 そんな神綺に見かねたにこが呆れながら神綺を椅子に再度座らせた。

 

「はいはい、病人は病人らしく寝てなさいよ。全く...そんなこと任せてたら湯呑みとか割るでしょうが」

 

「...悪い」

 

「相当堪えてるようね」

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

 ついさっき学校であったばかりのことりは、神綺の様態の変わりように驚きを隠せなかった。

 

「大丈夫ではないな...正直今すぐにでも寝たい気分だ...」

 

「なら寝たほうが良いわね...ほら、立てる?」

 

「なぜだ?」

 

「なぜってあんたを布団まで連れて行くからでしょうよ。まさかここで寝る気?悪化するじゃない」

 

「いやしかし...まだやることが」

 

「馬鹿言ってんじゃないわよ。ほら立ちなさい」

 

 サッサとしなさい、と神綺を催促しながら肩を貸すが、にこの身長は約150cm。対して神綺は175cmと20cmは差がある。ということは神綺は自然とかがむような姿勢になり、意識が朦朧としていて足がおぼつかない...ここまで条件が揃ってしまえば、

「うひゃぁ!?」

 

「「にこ先輩!?」」

 

「てて...」

 

 神綺がバランスを崩して倒れてしまうわけで。神綺が下敷きになる形でにこと倒れてしまった。

 

「わ、悪い...」

 

「悪いじゃないわよ...てか早くどきなさいよね...」

 

「そうは言うが...俺が下なんだが」

 

「っ!」

 

 神綺は何も気にしなかったかのように振舞っているが、対するにこは初めて異性と密着したというのもあり、テンパッてしまう。

 

「わ、悪かったわね」

 

「いや、俺が悪かった...」

 

「大丈夫ですか?先輩」

 

「なんとかな...」

 

「立てますか?私がお手伝いしますよ」

 

「いやしかし...」

 

 呆れた顔でしゃがみながら肩を貸してくれる真姫だが、神綺はにこにやってしまったことをもう一度やりたくはなかった為、今度は自力で行こうと抵抗する。

 

 だが、

 

「何意地張ってるんですか。安心してください、私はにこ先輩よりも身長高いですし...」

 

「私もお手伝いします」

 

 真姫の反対側に笑顔のことりもしゃがみこんできた。これには神綺も抵抗できず諦めて、

 

「じゃぁ...頼む」

 

 ゆっくりと二人の力を借りながら立ち上がった。

 

 

 

-----------------------

 

 神綺を自室に寝かせた後、3人は居間でお茶を飲んでいた....なんてことはなく。

 

「えっと...これがこっちね」

 

「ことりー そっちはどう?」

 

「畳み終わりましたよー」

 

「そう。じゃぁこっちも終わったし、纏めておきますか」

 

 絶賛洗濯物を畳む作業をしていた。

 

 実はベッドに横になっても神綺は中々寝ようとせずに、真姫とことりに頼みごとをしていた。それは、『希の服を取り込んで畳んでおいてくれ』というお願い。

 

 というのも、流石の神綺も異性の下着を扱うのは抵抗がある為、代わりにとりこんでおいてくれと頼んでいたのだ。

 

 だがそれを聞いたことりと真姫は、ついでということで神綺の分の洗濯物も取り込んで一緒に畳みはじめ、今に至る。

 

 だがここで問題が発生する。

 

「これは...」

 

「っ」

 

 なぜ神綺が希の物だけをお願いしたか。それは逆に自分のは触らせたくなかったからだ。理由は同じ、異性に下着を触られる、見られるのに抵抗があったから。

 

 しかしそんな言外の意味を汲み取ること無く、その場の勢いでサッサと取り込んできた彼女達は今目の前にある物に思わず言葉を失った。

 

 そして今真姫が掴んだ物。それはまさしく神綺が危惧していた下着だった。

 

「ちょ、真姫あんた...」

 

「真姫ちゃん...」

 

「なんなのよその目は!?私が何したっていうのよ!」

 

「しー!先輩起きちゃうよ!」

 

「っ...あーもうっ!」

 

 神綺の下着をジーッと見つける真姫に怪訝な視線を送る二人に突っかかろうとするが、ことりになだめられ、行き場のない怒りと羞恥で顔を真っ赤にする。

 

「もう情けないわねー 男の下着見たくらいで固まってんじゃないわよ」

 

「え?にこ先輩はなんとも思わないんですか?」

 

 あっけらかんとしながらパッパと要領よく洋服を畳んでいくにこにことりは思わず聞いてしまった。

 

 すると、

 

「ただの布じゃない。使ったままならともかく洗ってあるんだから気にするところなんてないじゃないよ。それこそ外歩いてればベランダに干してあるの嫌というほど見るでしょうが」

 

「あぁ...」

 

「確かに...」

 

 言われてみれば確かにそうだ。だが二人はにこと違い、そう簡単に切り替えることは出来なかった。

 

「...はぁ。まぁいいわ。はい、私の分は終わったし帰るわよ」

 

「え?もうですか?」

 

「私だって忙しいのよ、妹達の世話もあるし」

 

「でも先輩に聞きたいことがあるんじゃなかったでしたっけ?」

 

「あんな調子の奴に聞いてもこっちがイライラするだけよ、本調子に戻った時に問いただしてやるわ」

 

「そうですか...」

 

「それじゃ、そういうことだから先に帰るわね。あいつによろしく言っておいて」

「わかりました」

 

 そうことりが反射的に返事をすると、にこは手早く身支度を整えて玄関へと向かっていった。

 

 

 

 

「...行っちゃったね」

 

「そうですね。...これどうします?」

 

「んー...畳むしかないよね」

 

 にこがまだいれば頼めたのに、と後悔する二人だが無い物ねだりをしていても埒が明かない。

 

「...やりますか」

 

「そうだね...はぁ、初めてだよぅ男の人のなんて」

 

「私もですよ...いつも洗濯はママがやってますし」

 

「ね~...あ、こっちのシャツはこんな感じかな?」

 

「それっぽく畳めてればいいと思いますよ」

 

「じゃぁこれでよしっと。真姫ちゃんの方はどう?」

 

「私もこれでなんとか...ただ折るだけでいいのかしら」

 

「それもそれっぽくでいいんじゃない?」

 

「...じゃこれで」

 

「後は纏めておけばいいかな?」

 

「そうですね。邪魔にならない所に置いておけばいいかと」

 

「なら...あそことかどう?」

 

 そう言いながらことりが指差したのはソファの上だった。

 

「あぁ、確かにあそこなら邪魔にもありませんね。...よっと」

 

「決まりだね。じゃぁこれとこれを持ってっと...ほい。この後どうする?」

 

「そうですね...浴槽が洗ってあるか確認してきます」

 

「わかったよ~」

 




 閲覧ありがとうございます。
 お見舞い...まだまだ続くんだなこれが。


 感想、ご指摘ドシドシ募集中です!


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 ...では、ここから先は告知とさせて頂きます。

 前回の、9月12日のことりちゃんの誕生日に引き続き、10月21日の絵里ちゃんの誕生日と、11月1日の凛ちゃんの誕生日の時に、夜咲麗(@K2S11)様主催のお誕生日企画に再度参加させていただける事になりました。
 内容は同じく、有志でイラスト作成し、秋葉原のSEGAで展示をしてお祝いをするものです。

 前回と違い、最初から展示する前提で作成をした為、絵里ちゃんのイラストは力が入っています!
 なので是非足を運んでいただけたらな、と思います。
 場所はJR秋葉原駅「電気街口」目の前のセガ秋葉原です。
 21日当日は秋葉原で私と握手!(誰得)
 
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