ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 どうも、レイヴェルです。




第124話 見つめなおす時

「遅いわよ!もっとキビキビ動けないの?」

 

「ひぃぃぃぃ」

 

 ある時はテンポがズレた子に向かって冷たい一撃が心に刺さったり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなんじゃ笑顔なんて無理よ!もっと体力を付けなさい!」

 

「はっ はいぃ!」

 

 ある時は立て続けに行われる練習に体がついていけなくなりバテた子に叱咤したり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこ!もっと足上げなさい!」

 

「えぇ!?倒れちゃう!」

 

「体幹をもっと鍛えなさい!貧弱だから出来ないのよ!」

 

 ある時はバランス感覚が他のメンバーより少し劣っている子に現実を見せて落としたり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 となんともハードでスパルタンな指導にμ'sの面々は悲鳴を上げ始める。

 

「ひぃぃぃぃ 体中が痛いぃぃぃ」

 

「うぐっ...腹筋が...あーもぅ駄目...」

 

「歩けないにゃぁ...」

 

 阿鼻叫喚。この言葉がこの場にはピッタリだろう。

 

 そんな中、俺は彼女達から少し離れた場所でボーッと休憩しているμ'sを眺めながらここ一週間あったことを思い出す。

 

 

 

 

----------------------------

 

 

 

 オープンスクールまでの課題。それは衣装や曲が決まっていないことだった。

 

 別に公式のライブではないのだから、今までのPVや、START:DASH!!をすればいいんじゃないかと俺は言ったものの、それじゃ面白く無いからとその案は蹴られ、1から作ることになった。

 

 だが如何せん、時間が足りない。いくらメンバーが増えたことで人出があるとはいえ、素人が曲を作れるわけがないし、裁縫ができるわけでもない。

 

 結局は知識や経験がある少数でやるしかないのだ。

 

 

 

 だが悪いこと尽くめではない。

 

 俺自信もスケジュールを考えるまで見落としていたのだが、もう期末試験も終わり、後は夏休みに突入を待つのみとなった今の時期。授業がないのだ。

 

 そりゃそうだろう。テストが終わってしまえば、もう勉強することもないのだから。

 

 勿論、授業がないから終業式までの間は、名目上は自宅学習日となるが、実質ただの休みだ。だから朝から夕方までミッチリ練習ができる。

 

 そして穂乃果達μ'sはアイドル研究部というれっきとした部だ。元々は文化部に分類されているが、理事長承認の元、運動部と大差ない待遇。つまりは練習場所の確保が保証されている。ここで言うなら屋上だな。

 

 ...ま、あまりにも気温が高かったり、日射しが強ければ長時間練習できないのが痛いがな。

 

 しかし他に練習場所がないのはわかりきっている。無い物ねだり程惨めなことはないから対策をするしかない。

 

 メンバー内でお金を出し合いクーラーボックスを買って保冷剤を入れておいて休憩中にそれでクールダウンさせることや、同じくボックスに入れて保冷をしておいたスポーツドリンクを飲ませるなど、熱中症の対策は徹底している。

 

 だがこれもあくまで気休めだ。いくら音ノ木坂学院が高台にあり、遮るものがないから風通しは良いとはいえ、逆に遮るものがないから常時日射しにさらされる屋上は、日中になると表と影の気温差が激しくなってしまうのだ。だから日中は練習がしたくても屋内に避難するしかない。...結局は朝練と午後練プラスαの微々たる時間しか取れないのだ。

 

 

 

 

「うーむ」

 

「なーにサボって考え事してんのよ」

 

「っ にこか...どうした?」

 

 どうやら回想が過ぎたようだ。急ににこに声を掛けられ、俺はよっこらせと立ち上がる。

 

「絵里がさっきから呼んでるのに無視してるからよ。早く行ってあげなさい」

 

「あぁ...すまん」

 

 ...ほんとだ。助けてほしそうな目でこっちにSOS出してる。...え?何があったの。

 

 

「...悪い。考え事してた。んでどうしたんだ?」

 

「神綺君...どうしよう」

 

「だからどうしたんだよ」

 

 いつもキリッとしている絵里にしては珍しく、花陽の様におろおろとしている。...いやほんと、さっきの練習中の厳しさはどこに行ったんだよ。

 

「えっと...もう皆体が動かないって言って...」

 

「ふむ...」

 

 確かに絵里の練習は、今までの俺のメニューと比べたら断然厳しい。

 

 だが、

 

「それでもやると言い切ったのはあいつらだ。俺はそれを信じる。...それに、あぁやって疲れたって騒げる体力があるんだ...まだできるだろう」

 

「でも!」

 

「...いいか、絵里。たったの2週間ぽっちで完璧なモノができるだなんて俺は思ってない。確かにそうなってほしいとは思うがそれは理想論でしかないんだ」

 

「.....」

 

「逆に聞くが絵里。ここで疲れたからといって休むとしよう。...もしもの話だからなんとも言えないが、この少しの休みのせいで廃校になったらお前達は自分を許せるか?」

 

「っ!」

 

「辛いのはわかってる。でもやらなきゃならないんだ。...わかるだろう?」

 

「わかる...けど」

 

「...少しみんなと考えてくれ。今日の練習はここまででいいから」

 

「そんな!」

 

「...別にあいつらの身を案じてのことじゃない。これはお前達がどのくらいの気持ちで廃校を阻止しようとしてるかなんだ。...ここ数日見てみればなんだ。疲れた疲れたって、そういうことを言いたいのもわかる。だが、それでも前を向いて体に鞭打って動くしかないんだよ。...そこの所を良く皆で考えて、結論を出してくれ。ここで止めるか、血反吐を吐いてでもやるか」

 

「でもそれじゃ...体が持たないわよ。そしたらラブライブは!」

 

「絵里!」

 

「っ」

 

「...絵里、俺達の当初の目的は廃校阻止だ。その後のことを...俺は考えたことはない」

 

「......」

 

「それじゃぁな、お疲れ様」

 

 そう絵里に言い残すと俺は穂乃果達のことは目もくれずに屋上を後にした。

 

 

 

-----------------------------------

 

 

「神綺君...」

 

「ち、ちょっと絵里!大丈夫?...どうしたのよ、神綺のやつ」

 

 神綺の上げた声が気になったにこは呆然とする絵里に心配そうに駆け寄る。そしてにこに続くように、希達も絵里の周りに集まった。

「絵里ち!」

 

「絵里ちゃん!」

 

「皆...」

 

「ひどい顔だよ!保健室行く?」

 

「いいえ、問題無いわ...」

 

「でも!」

 

「本当...大丈夫だから」

 

 絵里自身体調に問題はない。ただ神綺に言われた言葉に何も言い返せない自分がいたことがひどく...情けない。

 

「...ねぇ、絵里。神綺に何言われたの?」

 

「...実はね。----------------」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...そう」

 

「そっか...そうだったんだ」

 

 神綺に言われたことをそのまま伝言ゲームの様に伝えた絵里は、自分の不甲斐なさに泣きそうになってしまう。

 

「ち、ちょっと!?なんで絵里が泣きそうになってるのよ...」

 

「そうですよ、絵里先輩。何も貴方が泣くようなことでは...」

 

「ううん。違うの...なんか、神綺君に何も言い返せなかった自分が...許せなくてっ」

 

 絵里は。いや、全員が勘違いをしていた。

 

 絵里は今までの経験から、穂乃果達はたった数ヶ月で人気が出てきたことに胡座をかき、天狗になっていたのだ。だから神綺にできるのかと聞かれた時も力強く首を縦に振ったし、それが自信にもなってここまで自分なりに頑張ってきたつもりだった。

 

 だが実際はどうだ。確かに日頃よりは頑張っているが、不満はタラタラで、ついさっきも廃校阻止に向けて頑張ろうという空気は全く無かった。

 

 

 

 

 だからこそ、神綺が練習に参加しなかった理由でもある。最初こそは絵里と一緒に参加していたが、2,3日前から練習に参加しなくなったのだ。穂乃果達が理由を聞けば、全体の動きを一歩引いたところから見たい。と返してくるだけで、皆内心サボっているとも思っていたぐらいだ。

 

 だが今の話を聞いてどうだ。サボっていたのは自分達の方じゃないか、と穂乃果達は気がつきはじめる。

 

「そっか....」

 

「私達...先輩のこと裏切ってたんだね」

 

「そりゃそうよね...教えてほしいて言った本人達のやる気がないんだもの」

 

『........』

 

 重い空気に自然と口数は減り、皆黙り込んでしまう。

 

 けど、その空気をなくそうと必死に元気つけようとする者がいた。

 

 それは...

 

 

 

「皆!...まだ時間はあるわ。今こうやって落ち込んでるよりも、やることがあると思うの!」

 

「...絵里」

 

 泣きそうなのを今も我慢している絵里だった。目も潤んでいるし、歯も食いしばっている。

 

 でも、それでも皆、自然と絵里の真剣なブルーの瞳に見とれた。

 

 これは...バレエで思い通りにならなくて挫けたことがあるからこそ、言える言葉。

 

「確かに私達は甘えていたわ。心の何処かでなんとかなると思っていたのかもしれない。...でも、まだ挫ける時じゃないと思うの」

 

「けど斎藤先輩が...」

 

「私達が続けると彼に言えばいいだけよ」

 

「でも...」

 

 さっきの刺々しくて、拒絶された、見限られたと思えてしまうような物言いが頭をよぎるのだろう。

 

 だが絵里は躊躇いなく、首を横に振る。

 

「いいえ、神綺君なら絶対に引き受けてくれるわ」

 

「...なんで言い切れるのよ」

 

「それは...神綺君だからよ」

 

「...はぁ?」

 

 絵里は確信していた。神綺ならまた引き受けてくれると。

 

 自信はない。けれど長年過ごしてきたからこそわかる。神綺が何かを途中で放り出すということがないことを。...あったとしてもそれは何かしらの目的のためにやむなくという場合しかないのだ。

 

「私もそう思う...神綺君、何があってもやり遂げる人だから」

 

 それは一緒にいる希もわかることで、それだけ二人が神綺を見ているからでもある。

 

「...だから皆の気持ちを教えて欲しいの。このまま続けるか...諦めるかを」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだ修正は効く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ころんだのなら、またここから前を向いて歩き出せばいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どんなに道が険しくても、だ。




 閲覧有り難うございます。


 神綺君が急にトゲトゲしく!

 これは何を思っての行動だったんですかねぇ....次回に続きやす。


 感想、ご指摘お待ちしております。



 ここからはちょっと私事になるのですが。

 昨日、HtHのCDを買ったんです。そしてシリアルがついてきたのですが...これがタイプCの絵里、ことり、凛でして...

私は推しである真姫、希がいるAか、海未ちゃんのいるBが欲しいのです...

そこでトレードをさせて頂きたいんです。

いいよ、というお優しい方。トレード方法などご説明しますので、個人メッセージの方に連絡をお願いします。

 
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