ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】 作:レイヴェル
活動報告で宣言した通り今週中に投稿できて良かったです。
それと珍しく2話連続で挿絵挿入となりますが、神綺君の顔が前に挿絵として挿入した時と変わっています。(ファーストライブらへん)
まぁ、数ヶ月描いてなかったんですし絵柄が変わるのは仕方がないことだと割りきって下さいな^q^
「先輩!もっと急いでくださいよ!」
「あぁ?!そんなに引っ張るなっ ケーキが崩れるだろう!?」
手早く会計を済ませてメイド喫茶を後にした神綺は、ことりに腕を引っ張られながら早歩きで写真が置かれているというアイドルショップに向かっていた。
だが俺が声を荒げていった通り、ケーキの入った箱を乱暴に扱ってしまえば中に入っているケーキはグチャグチャになってしまう恐れがあるのだ。急がなければいけないのは重々わかっているが、ペースを落とさざるをえない。
でもことりはそんなことはお構いなしにペースを落とす俺をグイグイと引っ張って急ごうとする。
なんで今日のことりはこんなにも強引なんだ。そうフッとことりの顔の方を見た時だった。
「っ」
内心俺は後悔した。なんでケーキなんか買うと言ったのだろう、と。
状況的にことりが先行している為に顔の表情を伺うことは出来ない。見えるのは足を進める度に靡く綺麗な髪と真っ赤に染めた耳。
しかも先程よりも自分の腕を握ることりの力が強くなってきている。
これからとある結論を導くのは容易だった。
(恥ずかしい...のか)
最初に喫茶店を出た時はそこまで恥ずかしがってはいなかった。だから口ではあんなことを言ってはいたものの、そこまでではないのだろう。と勝手に決めつけてしまっていた。
だが現実は違った。それもそのはずで、あの喫茶店は自分が入った時と同様に人通りが少ない。だからそこまで恥ずかしがらないのは当然である。
でも今いる場所は大通り。平日とはいえ賑わっているし、いくらメイド姿をしている人間がさほど珍しく無いとはいえ自然と視線は集まってしまう。
...それを理解してしまった俺はケーキぐらいがなんだ、と歩くペースを早めて軽く走る速度になる。食べ物を粗末にしてしまうのは抵抗がある。だが保冷剤をこれでもかと箱の中に入れてもらっているんだ。少しの衝撃ぐらいで得体の知れないナニカになることはないだろう。
「あっ 先輩!?」
「急ぐぞ」
「...はいっ」
急に速度を上げたことに軽く驚いたことり。その時に無意識だろうがこちらを向いた顔は予想通り真っ赤だった。それに申し訳なさを感じていると、ことりは俺の表情からなにか感じたのだろうか。軽く微笑むと俺に合わせるように走り始めた。
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ことりに連れられてやってきたアイドルショップは秋葉原駅からそう離れていない所にあり、店先からは駅の改札口が見える。
といってもこの近辺には同じアイドルショップが何軒もあるらしく、最初に出向いた所には写真がなかったのだが、店員さんが他の所にも店があるのだと教えてくれた。それが今いる2軒目のショップなのだが...今はことりが店の中に入り店員さんに聞いているところだ。ここにあればいいが....
「先輩!」
「ん、どうだった?アタリか?」
「はい!ありました!」
1軒目の時とは違って明るい顔だったからもしやとは思ったがよかった。これで問題は解決。
「なら戻るか」
「えっ でも...お店の方向と先輩のお家は方向が...」
「一人で出歩くのが辛いって言ったのはお前だろ?」
「それは...そうですけど」
「だったら早く行くぞ。お前まだシフt「っ!」うおっ!?」
シフト中なんだろ?と言いたかったのだが、急にことりに引っ張られて最後まで言えなかった。
「ど、どうしt「シーッ!静かに」......なぁ、どうしたんだよ」
まるで誰かから逃げ隠れるかのように、店と店の間の隙間に身を潜めた俺とことり。
...ただことりによって強引に建物の間に押し込められた時にケーキ箱からミシッという危ない音が聞こえたのは...うん、聞かなかったことにする。
だがどうして急に?隠れたいほどに恥ずかしくなった?いやないな。っというかどうしたと聞いたのに反応がないのだが....無視か?
「なぁ...」
「静かにお願いしますっ」
「いやだから、なんで隠れてるのかを知りたいんだが...」
「...穂乃果ちゃん達がいます」
「...なに?」
そう言われてこっそりとことりと同じ方を見ると、思わず顔をしかめた。
なぜならこの暑い7月中旬。セミも鳴いてるし、暑さで陽炎さえ見える。なのに通りの真ん中でピンク色のマフラーに厚手のコートを着てマスクにサングラス...どう見ても今の季節に似合わない格好であるし、悪目立ちして不審者の様にも見える。
しかもことりに言われた通り、各々に見覚えのある髪ときた。こりゃ十中八九μ'sだろう。
「なんでここに...」
「それよりもなんであんな馬鹿みたいな格好してるのかを考えような」
「私だってメイド服ですし人のことは言えませんよ...」
「そ、そうか...」
にしてもどうしたものか。突発的とはいえ、ことりが隠れたということは少なからず彼女達には見つかりたくなかったのだろう。...そういえば。
『さぁ...でも最近からなんですよ。ことりが早く帰るようになったのは』
『今までは一緒に帰ってたのに...穂乃果のこと嫌いになったのかな?』
いつも一緒にいる穂乃果と海未でさえ、こうしてことりがメイド喫茶でバイトしているのを知らなかったのだ。それほどまでに見つかることを避けているのなら...余程の理由があるのだろう。
...仕方がない。
「ことり」
「...なんですか?」
「俺があいつらの所に行って気を引くからお前は店に戻れ」
「え?」
「どうせあのあかりって人は外でチラシ配ってるんだろ?連絡して一緒に付き添ってもらえ」
「......」
「無理か?」
本当は俺もことりに付き添いたいところだが、あの馬鹿やってるμ'sを見た限りでは、黒髪のツインテールのにこが他のメンバーに何やら力強く語っている。
ということはにこが強行手段に出てあいつらは付き合わされている可能性があるのだ。...絵里や希がこういうのに乗るとは思えないのだが、念には念をだ。こんな暑い日にあの重装備。いつ熱中症で倒れるかわかったもんじゃない。早急にやめさせなければ...
そして肝心のことりは少し考える素振りを見せて黙りこんでしまった。あのあかりという人には頼めないのだろうか。
「...ことり?」
「あの...先輩」
「なんだ?」
「私...このまま穂乃果ちゃん達に内緒にしててもいいんでしょうか」
「...どうした急に」
「なんか穂乃果ちゃん達を騙してるようで...」
「...いいじゃないか。人間秘密の一つや二つはある。それに相談なら後で聞く。今はそれよりもやらなくちゃならないことがあるだろ?」
「...そうですね、ごめんなさい」
「別に構わない。あかりって人とは連絡取れそうか?」
「呼びました?」
「うおっ!?」
急にことり以外の声がしたことに驚いた俺は情けなくも声を裏返してしまう。
「そんなに驚くことないじゃないですか...」
「いやだって...って貴方は」
「どうも、あかりです。ことりちゃんから呼ばれてましたので」
とこの狭い所で器用に名刺を渡してくる。....なんなんだこの人。
「実は写真を返してもらった時にメールで迎えに来てもらうようにお願いしてたんです」
「そうだったのか...」
「でもまさかこんな所に居るとは思わなかったですけどね」
「全くだ」
「うぅ...」
「とにかく、今はことりちゃんがピンチなんですよね?」
「そうですね...俺が気を引くのでその隙にお二人は喫茶店へ向かって下さい」
「了解です」
「わかりました...あの、先輩。相談のことですけど」
「バイトが終わったらメールをくれ。こっちもあいつらが解散したらメールをする」
「...お願いします」
「では俺はこれで...」
あかりさんに軽く頭を下げると俺はあいつらが目を離している隙に通りに戻り、傍かも今来たばかりです。という様子で近づいた。
すると不審者の格好をしているウチの一人が俺に気がついて慌てた様子でマスクとサングラスを外した。
「せ、先輩!?」
『えっ!?』
真っ先に気がついたのは真姫で、その声につられて各々がこちらに視線を向ける。...近寄れば近寄るほど頭が痛くなってくる。
「何してんだお前ら...遂に暑さで頭がおかしくなったか?」
「何よ馬鹿にして!これは立派な変装よ!」
呆れながら言い放った俺の冷たい言葉に食って掛かってきたのはにこ。やはりこの首謀者らしい。
「変装って言葉を辞書で調べてから言え。...それとお前ら、早く脱げ。死にたいのか」
「うぅ...やっぱり暑いぃ...」
「あれ...夏なのに凄く涼しく感じるわ...」
俺の言葉に皆が一斉に暑いといいながらコートを脱ぎ始める。それに絵里、お前この気温で涼しいと思えるとかどんだけ辛かったんだよその格好。
「ちょっとあんた達!?なんで脱ぐのよ!暑いのなんか我慢しなさいよ!」
「だって暑いんだもん!」
「こんな真夏にコートとかアホか!?熱中症になったらどう責任取るってんだ!えぇ!?」
「それは...」
「希と絵里もだ!お前らがにこを止めないでどうする!」
「ご、ごめんなさい...」
「私アイドルに関しては全くわからないし...にこの熱意がすごかったからツイ...」
「...はぁ」
なんてことだ。上級生の二人がこれではにこを止める者がいなくなってしまう。
ならば。
「にこ。お前は当分の間は独断で何かするの禁止な」
「なっ!?」
「一歩間違えれば大事件だったという自覚を持て、もう高3だろ」
複数人が夏にコートを着て熱中症だなんて傍から見れば自殺もいいところだ。それも今はμ'sの人気が出始めたばっかりでマイナスになるようなことはしたくない。今が一番大事な時期だという自覚がこいつらにはあるのだろうか...
「うっ...悪かったわ」
と言いながら渋々コートを脱ぎ始めるにこ。取り敢えずはこれで一難は去った。
後はことりか...
とさり気なくことり達がいた方を見ると、立ち去ったのか姿はなかった。
これで俺の仕事はこいつらを帰すだけか。
っと、どうやって解散させるかを考えている矢先に大声が神綺の耳に飛び込んできた。
「神綺君!!」
「だぁっ!?」
今日何度目になるかわからない裏返った声を出してしまう、自然と体温が上がる。やはり恥ずかしい。
「もー やっと反応した!」
「な、なんだよ...」
「じーっとアイドルショップの方なんて見てどうしたの?」
「い、いや別に...」
ま、不味い。折角ことりが上手く逃げたのに俺が尻尾を出したら何もかも終わりだ。なんとかせねば!
「...神綺君って嘘つく時右目のアタリがピクつくよね」
「!?」
馬鹿な。そもそも俺は嘘なんてあまり...いやついてるな。日常的に希をあしらうのに。
「図星でしょ。あまり私を舐めないでね!」
「ぐっ」
嘘が見透かされていることにも驚きだが、俺自身嘘をつく時はそんな癖があるのか...ってことは日常的についてるアレもバレてるってことじゃ....嘘だろ?
と戦慄している所に助け舟が現れた。
「...何してるんですかお二人は」
「あ、海未ちゃん」
「もう皆アイドルショップの方に行ってしまっていますよ?」
「あ、本当だ」
「な゛っ」
馬鹿な。早く帰さなければならないというのに....
「さ、行きますよ」
「よぅし行こう!さぁさぁ神綺君も行こ!行きたかったんでしょ?」
「いや、俺は別に...」
「斎藤先輩がアイドルに興味を持たれるなんて...意外ですね」
「だから違うって。...おい、引っ張るな!」
「いーからいーから!」
....すまんことり。こいつらを帰すのは難しそうだ。
閲覧有り難うございます。
みなさんはクリスマスどうでした?
私は関係なく絵を描くかゲームしてました。
感想、ご指摘お待ちしております。