ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】 作:レイヴェル
まだまだ続くよアニメ1期....こりゃNHKの1期終わってもこっち終わんねぇなぁ...
ことりがミナリンスキーとしてメイド喫茶でアルバイトをしていた、とカミングアウトをしてから数日が経ったある日。
放課後の教室でことりが一人でポツンと自分の机に向かって座っていた。
「.........」
それが気になり、俺と穂乃果、海未の3人が心配そうに見守る中、瞑想をしているかの様に目をつむり、ジッと動かなかったことりが深呼吸をして目を開いた。
どうしたのだろうか。そう怪訝そうに見ていると徐ろにことりがブツブツと何かを言い始めた。
「チョコレートパフェ....美味しい」
「...は?」
「ちょっ シッー!バレちゃいますよ!」
ことりの唐突な奇行に思わず素の反応をしてしまったが、穂乃果に小声で慌てるように口を塞がれ、我に返る。
「す...すまん」
それでも幸い、ことりは集中しているのかこちらに気づいた様子はない。今も念仏の様に続けている。
「五本指ソックス...氣持ちいぃ...」
「あ、それわかる」
五本指ソックス...それがどのようなものなのか、俺にはよくわからない。
ただ穂乃果が同意したということは、そういうことなのだろう。生地がいいのだろうか。
「うぅ....思いつかないよぉ....」
「あ、突っ伏した」
「やはり難しいようですね...」
なぜことりがあんな意味不明な言葉をツラツラと並べているのか。
それはつい先日のこと――――。
「アキバでライブよ!」
拡張された部室で絵里がそう宣言した。
「アキバと言えばA-RISEのお膝元よ!?正気?」
急な話にメンバーは困惑した表情を見せる中、にこが待ったを掛ける。勿論俺も同じ気持だ。
「えぇ。アキバはアイドルファンの聖地だもの。だからこそ、あそこで認められるようなパフォーマンスをしたいの。...そうすれば、大きなアピールになると思わない?」
「まぁ...一理あるのは認める。確かに秋葉原は一通りが多いし、アイドルに興味を持っている人が特別多いのも事実。だが、段階を飛ばしすぎてないか?」
まだ人数が増えて間もないし、いくら練習をしているとはいえ、9人全員が息を揃えて踊れている―――とは思えない。
いくらなんでも急ぎすぎだ。
「でも面白そう!」
「希...」
「だって今までは学校でしかやったことなかったじゃん。それが遂に外でできるっていうのは...ワクワクするよ!」
「いいと思います!」
「楽しそう♪」
「お前ら...よく考えろ。もっと慎重になってくれ...」
「そうですよ。秋葉原ってことは...すごい人なんですよね」
「人が居なかったらライブやる意味無いでしょう?」
「それは....そうですが」
「凛も賛成~」
「じ、じゃぁ私も!」
続々と賛成が増えていく中、唯一真姫だけが答えを出していない。
自ずと視線が真姫に集中する。
「...はぁ、あまりにも急だけどどうしたのよ?何かあったの?」
「実はμ'sの人気ランキングが50位まで上がったのよ」
『50位!?』
「そうなの。それでも十分凄いのはわかるんだけど...ラブライブに出場できるのは上位20位まで。だからもうひと押しの何かが欲しいの」
「...だから人目の多い所で一気に知名度アップを狙うってか」
「そういうこと」
「でもどうする気だ?何時頃にやりたいとか決めてんのか?」
「それは...まぁ追々決めるとして、まずは作詞のことなんだけど...ことりさん。お願いできるかしら?」
「えっ 私ですか?」
「ちょっと待て、なんで海未じゃないんだ」
「ちゃんと理由はあるわ。....なんせ今回は初めての外でのライブ。だから...その場所に因んだ、秋葉原をよく知っている人に書いてもらいたいと思ったの」
「そっか、ことり先輩はアルバイトしてるから...」
「それいい!凄くいいよ!」
「ほ、穂乃果ちゃん...」
絵里の言っている根拠は頷くことは出来る。だが、それにことりの意思は反映されておらず押し付けに近い。
だがそれに穂乃果達は気がつくこともなく、軽い気持ちで後押しをし始める。
「ことり先輩の歌詞...興味あるわね」
「いいんじゃない?私達も住んでいるとはいえ、馴染みあるかと言われれば微妙だもの」
「皆...」
「ファイトだよっことりちゃん!」
「あはは....わかったよぅ」
と周りに流されて引き受ける雰囲気になったことり。
流石に不味いと思って止めに入ろうとも思ったが、フッとことりにアイコンタクトで止めてくれと断るような目で訴えられてしまった。
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そんなこんなでことりが一人で作詞をし始めたのだが、先の様に奇怪な文章を並べていっているだけで、海未の書くようなモノとはぜんぜん違うある意味オリジナリティ溢れるモノになりつつある。
「重症...ですね」
「お前達が半ば押し付けたんだから助けてやれよ...」
「そう言われてもどうやって....」
「そんなの海未がいつも書いてるんだから...なにかないのか?書くコツとかさ」
「ありませんよ....思い浮かんだ言葉を並べているだけなんですから....」
「ふむ...」
俺は踊りしか出来ないから手伝うことなんて無理だ。アドバイスなんてできっこない。
「んー....ことりちゃんは歌詞が思い浮かばないんだよね」
「...そうだな」
「それで....ことりちゃんが抜擢されたのはバイトしてるからだから....あぁ!」
「「っ!?」」
ことりにバレないようにヒソヒソと顔を近づけあって話していただけに、急な穂乃果の大声に俺と海未は顔を引き攣らせて耳を手で押さえた。
それに加えて、流石のことりも今の穂乃果の声には気がついたようで、こちらをすごい形相で睨んできた。
「.....いたんだ」
「や、やぁことりちゃん....」
「....どこから聞いてた?」
「うぇ?!えーっと...チョコレートパフェから....」
「~~~~~~っ!!」
「お、おお落ち着け!な?」
「恥ずかしい!恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいよぉ!?」
「気持ちはわからなくはないが...な!落ち着け!」
「斎藤先輩も落ち着いて下さい」
「これで落ち着いていられるとでも!?なんで海未はそんな澄ました顔してんだ!」
「? 驚く理由が無いじゃないですか。歌詞を聞かれて恥ずかしいのは当たり前ですから」
「あっ.....」
「海未ちゃん.....」
「な、なんですか急に大人しくなって...」
「い、いや....海未ちゃんも苦労してるんだねって....」
「今更ですか!?私は最初に言ったはずです!恥ずかしいと!」
「えへへ...そうだっけ?」
「そうですよ!まったくもう....それでことり、作詞は上手くいってないようですけど...」
恥ずかしさと惨めさで一杯になった海未はワザと振り払うかのようにことりのことへ話を変えた。
「えっ う、うん...全く思いつかないの」
「...そういえば穂乃果が何か思いついたんだよな?なんだったんだ?」
「そうだよ!ことりちゃんは秋葉原でバイトしてたから作詞に抜擢されたんでしょ?だったら私達も同じバイトをすればいいんだよ!そうすれば手伝いもできるんじゃない?」
「...条件を一緒にするってか」
「そゆこと!」
穂乃果らしい...頭の柔らかさではあるが―――バイト先がな。あのメイドだぞ...よりにもよってあのだ。
「....それでは私もその...メイド服を着る、ということですか?」
ワナワナと身を震わせる海未。恐らく自分がメイド服を着ている姿を想像しているのだろうが...海未って見かけによらず想像力が豊かな子だ。どんな妄想をしているのかが心配になる。
「そうなるね」
そんな海未に真顔で穂乃果が返せば、海未は顔を真赤に染めながら声を絞り出した。
「...お断りします」
「え~!?なんで!ことりちゃんを手伝おうよ!」
「なんでそれをやる前提なんですか!駄目です!恥ずかしすぎます!?」
どんなメイド服を想像しているかはしらないが、男の俺でも恥ずかしいと思う。
逆に抵抗を全く見せない穂乃果が異常にさえ思えるのだが、それ以前の問題があるだろう。
「なぁ、まずバイトで採用してもらえるかだよな」
何も店側も無条件で採用するようなことはしない。穂乃果達を認めるかどうか...いや、まず無いだろう。ビジュアルは問題無いにしても、接客が....
「それは....まぁ人手は足りてないから大丈夫...かな?」
人手が無いからといって二つ返事で採用してもらえるかは...ん?待てよ。
考えてみれば穂乃果は穂むらで売り子を経験しているしそこら辺は問題ないのか。
「よぅし!そうと決まれば直行だ!」
「待ってください!私はやると一言も...」
「あれぇ....海未ちゃんはことりちゃんのお手伝いしたくないんだ。幼なじみなのに?」
「うっそれは...」
「可哀想だな~折角ことりちゃんは頑張ってるのに海未ちゃんは頑張らないんだ」
「うぅ....」
「それじゃ仕方ないな~穂乃果とことりちゃん二人で作詞することにするよ!」
「...わ、わかりました!私も...着ますよ...」
「そうこなくっちゃ!」
穂乃果の煽りに耐えられなかった海未。
してやったりとご満悦な穂乃果を睨むも、やはり幼なじみで自分だけなにもしないという事実を認めたくなかったのだろう。
流石は穂乃果。長い付き合いなだけあって頑固な海未も捌き方をよくわかっている。
「...大丈夫かなぁ」
勝手に盛り上がる2人を尻目に一人つぶやくことりであった。
閲覧有り難うございます。
いやはや時間が空いてしまいましたね...申し訳ない!
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