ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】 作:レイヴェル
今回も希ちゃんメインですね。
ではでは、
「あぁ、そうだ。斎藤君、ちょっとこっちへ」
急になにかを思い出したかのように先生が俺を呼んだ。
「なんでしょうか」
「東條さんのことなんだが、なんでも彼女のとこに着いてるはずの教科書がまだ届いてないらしいんだ。だから、見せてあげてくれ」
教科書がないのか。遅れてるんじゃしょうがない。
「わかりました」
「頼むよ。それじゃ、席について」
「さ、東條。教科書まだ届いてないんだって?見せてあげるから机をこっちに、くっつけないと見にくいでしょ?」
「えっ...でも」
希は申し訳なさそうに目をそらした。
「遠慮はなしだ。教科書が遅れてるのは君のせいじゃないんだから。ほら...」
そういい神綺は自分の机を希の机へと近づけた。
観念したのか希も机を近づけた。
「はい、これが次の算数の教科書ね。48ページのここからが今日の授業だから」
「あっありがとう....」
その時、神綺は視線を感じそちらを向くと。
「....な、なんだよお前ら」
クラスのほとんどの生徒が神綺と希の方を興味深そうに見ていた。
「い、いや....斎藤君が優しいなって....」
「は?」
呆気にとられたというところだろうか。
神綺からすればいつも通りに接しているつもりだったが、クラスメイトからすれば佑樹以外とはほぼ無口で、いつも静かに机に座り腕を組んで目を瞑るいる姿を見るのが殆どであった為。希へ教科書を見せたりしているのがとても珍しく見えたのだ。
「俺はいつも通りだが.....てかこのくらいで優しいってなるのか?」
神綺はただ教科書を見せただけ。所謂不良が更生したら、すごいと思われる的なやつである。
「よし、東條さんも用意が終わったようだし授業を始めよう。さ、昨日宿題でだした48ページを開いて」
そう言い先生はなにもなかったように授業を始めた。スルースキルが高いようだ。
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授業も特に問題もなく終わり、放課後。
「さ~って帰るか....」
軽く伸びをして神綺は家に帰ろうと歩きだした時、
「さ、斎藤君!」
希が後ろから神綺を呼び止めた。
「ん? どうした東條?」
神綺は呼び止められる理由が思い当たらない為、軽く動揺した。
希はちょっともじもじしながら、
「えっと....一緒に帰ろ!」
「.....え?」
神綺は面をくらった顔をした。そりゃそうだろう。
「お?神綺。早速一緒に帰るのか?やるね」
っと、ニヤニヤしながら佑樹が神綺に近づいてきた。
「なに言ってんだよ....俺はいいが...」
少し驚いたが、特に拒否する理由もないためOKした。
「ほっ ほんと!?」
「あ、あぁ...」
「そ、それじゃぁ帰ろ!」
「おーおーお熱いことで...じゃぁな神綺」
「え?あ、あぁ...また明日」
神綺は流れに乗れずに、佑樹への返事も生返事になってしまった。
「? 斎藤君、行こ!」
「え、あぁ...」
対して希は嬉しそうにしながら神綺の手を引っ張って昇降口へ向かった。
学校から少し歩いた所で神綺は疑問だったことを希へ聞いた。
「なぁ、東條」
「?」
希は可愛らしく首をかしげた。
「どうして俺と一緒に帰ろうと思ったんだ?」
そう、一番疑問に思っていたことだ。今日が初対面なのに、しかも異性と一緒に帰るなど...まぁ神綺の考えすぎという部分もあるのだが、
「それはね。斎藤君にお話があったから...かな?」
「...話?」
「うん。ちょっとね、クラスの女の子から斎藤君のことを聞いたんだ」
「俺のことを?」
そう。と言いながら希は神綺へ振り返った。
「斎藤君が私に教科書を見せてくれた時のみんなの反応が気になったの」
「なるほどね」
神綺はすぐに理解した。今までの自分の行動を思い出せばわかることだから。しかしおかしい。
神綺のいつもの様子を聞いたと所で話題にするほどのことでもないのだ。
「だが、話って....」
「あのね....私と友達になってください!」
「友達に?」
友達....神綺にとってみれば珍しい響きだった。友達と言えるのは佑樹しかいないから。改めて自分の交流のなさに悲しくなったのは秘密。
「うん....最初は斎藤君がどんな人だったのかが知りたかったの....怖い人だったら嫌だなって。でも、そんな雰囲気じゃなかったから不思議だったの」
「そうだったのか....」
「それで、彩乃ちゃんに聞いたの。斎藤君は普段どんな感じなのか」
彩乃、それは希の2つ前の席の子の名前だ。
「なるほどねぇ....」
「どう....かな?」
希は恐る恐るといった感じで神綺の返答を待った。
「......いいよ。友達になろう、東條」
「っ! いいの!?」
「あぁ。っていっても俺は友達と言える奴なんか少ないからな、こんな俺で良ければ喜んで」
「うん!よろしくね!」
「.......」
神綺は見とれてしまった。今までオドオドしていた希が初めて笑ったからだ。
「っ あぁ、これからよろしく。東條」
「む.....」
「どっ どうした?」
急に笑顔が消え、拗ねるような顔をした希に神綺は焦った。
「....希って呼んで」
「え?」
驚愕。これしか言葉がでない。知り合った当日に名前で呼んでなど...
「希って呼んで!」
「えっ だが...」
「いいの!呼んでみて」
女の子の下の名前を呼ぶのは抵抗があるが、呼んでと言われたら呼ぶしかない。
「.....希」
「っ!......うん!よろしくね神綺君!」
「なっ!?」
自分も名前呼びされるのか!? っと神綺はビックリしながらも、希はお構いなしに、
「じゃぁね!ここが私のお家なの!また明日♪」
「えっ、あぁ...じゃぁな...」
神綺はもう思考が軽く停止していて生返事になってしまった。
って、
「ここがとう...希の家って.....俺ん家からすぐじゃねぇか....」
そうなのだ。神綺の家から数軒しか離れていない。
「引越し業者なんか止まってたかな.....」
疑問に思いながら神綺も家へ入った。
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