ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】 作:レイヴェル
今日中にあと1,2話行けるかな?
翌日。学院は今日から全学年が平常授業進行となり、部活動、委員会活動も再開される。各部とも今度1年生を対象に行われる新入生歓迎会の勧誘の為に必死だ。
そんな中、神綺 絵里 希の3人は放課後になると同時に生徒会室へと向かい事務作業をこなしている。
一年を通してみれば2番目に忙しい時期だ。手を抜けないし、暇もない。
黙々と作業をこなしていると絵里が手を止めて、
「ふぅ...ちょっと休憩するわ。お手洗いに行ってくるわね」
そう言い絵里は席を立つ。
「おぅ、行ってら」
「いってらっしゃい~」
と神綺と希は手を止めずに作業を進める。
絵里が出て行ってから1,2分だろうか、コンコン..と扉をノックする音が生徒会室に響いた。
「ん?どうぞ」
と神綺が答えると扉が開き、
「失礼しまーす...」
「「失礼します」」
と3人の女子生徒....穂乃果と海未、ことりが入ってきた。
「お前ら...どうしたんだ?」
「えっと....この書類を認可して頂きたくて...」
と穂乃果が恐る恐る出した書類に目を通すと脇から覗いていた希が、
「ん?部活申請?」
「はい。アイドル部設立の許可を....」
と海未が言うが、
「アイドル部?....名前を見れば...昨日やらないとか言ってなかったか?」
「えっと...その、気持ちが変わりまして....」
「そうか。....だが、今は生徒会長は席を外しててな。もう少しで戻ってくると思うから、そこの椅子に座って待っててくれ。丁度3人分あるだろ」
とほかの生徒会役員が座る椅子を指差し神綺は言う。
「え、しかし...」
「構わないさ。希もいいだろ?」
「うん。別に使ってないしね、待たせるのも悪いし」
と希もOKのようだ。
「「「ありがとうございます」」」
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キィィ...
「あら?高坂さん達じゃない」
と絵里が戻ってきた。
「あ、生徒会長。こんにちは」
「「こんにちは」」
「えぇ、こんにちは....どうしたの?」
「それはこっちに来てこれを見てくれ」
と神綺は穂乃果達が持ってきた申請書をヒラヒラと揺らして絵里の興味を引く。
「なに、それ?....部活申請書?」
「あぁ。アイドル部を作りたいんだと、俺では判断できないからな」
「そう....」
と絵里はさっきと違い、厳しい顔つきなり書類を見つめる。
「(ま、どうせ突き返すだろうけどな)」
部活内容がどうであれ、部活認定される最低条件は部員5人以上。しかし、この書類に名前は穂乃果達3人だけ。そもそもの条件を満たしていないのだ。
だが、海未がいるのにそんなヘマするとは....
そこで絵里が口を開いた。
「....残念だけど、認可できないわ」
「え....」
「...理由をお聞きしても?」
と穂乃果は間の抜けた顔をし、海未は納得のいかない顔をする。
「同好会でもそうだけど、部員は最低でも5人いなければならない決まりがあるのよ」
「しかし、5人以下の部活も存在すると聞きました」
「なるほどな。だからこれで来たのか」
そこで神綺は納得した。
「確かに、今は部員が2人。悪くて1人の所もある。だが、最初は5人以上いたんだよ。その後部員が抜けても残っているだけなのさ」
「そんな....」
「だから後2人だね。そうすれば、部活としても認可されると思うけど...」
と希はフォローするが言葉が詰まる。
「...今回は特殊だ。そうもいかない」
「どういうことですか?」
とことりが不安そうに聞いてくる。
「もうすでに存在しているのさ。『アイドル研究部』という似た部が」
「「「え?」」」
「し、しかし!そんな部は...」
「知らないのも仕方ない。なんせそこは部員一人だ。形として部室はあげているが部費は割り当てられていない」
まぁ、その部員は矢澤なのだが....
「では...どうすれば....」
「簡単だ。そこの部員と話し合って統合すればいいのさ。お前達がその部に入るという形でね」
「なるほど....」
「そうすれば態々こんな書類を書かずとも入部申請を出すだけでいい」
「....わかりました。行こ」
と穂乃果は生徒会室を出ようとすると不意に絵里が、
「ちょっと待ちなさい」
穂乃果達を引き止めた。
「なんですか?」
「どうしてこの時期にアイドル部を作ろうと思ったの?あなた達2年生でしょ?」
すると穂乃果は絵里と向き合い、
「..廃校をなんとか阻止したくて、その方法を色々考えたんです。その中にスクールアイドルがあって....今はすごく人気もあって、成功すればこの学校も!」
「....だったら、例え5人集めてきたとしても、統合するにしても認可するわけにはいかないわね」
「「「え?」」」
「.....なに?」
それには神綺も引っかかる。
「待て絵里。それの理由を聞かせてもらいたい」
「神綺君は黙ってて、これは私達の問題」
「関係大アリだ馬鹿が....俺は副会長だ。会長が悪い道に進むのなら俺達が止める役割を担っている」
「私が間違っているとでも?」
「それはお前のその発言理由を聞いてからだ。全うな理由なら俺は謝り、引き下がろう」
「いいわ.....部活は生徒集めの手段ではないわ。思いつきで行動しても、状況は変えられないわ」
とそれっきりなにも言わない絵里。
「....は?それだけ?」
「えぇ、これだけよ」
神綺は言葉を失った。...そして笑いもこらえられなくなる。
「く....くっはははははっ!」
「なにがおかしいのよ!」
「全部だ全部....おい絵里」
「な、なによ...」
神綺の声のトーン、目つきが変わった。
「どこの学校のスクールアイドルだって部活として活動している。それに体育会系の部活だって大会に優勝して人気を取り、部員増強を狙いとしている節もあるんだ。その言い分じゃぁ通用しないぞ?」
続けて神綺は、
「それと経験から言う。こいつらの目は本物だ。あの時のようにはならないぞ?」
「...あの時?」
と穂乃果は疑問に思うが、
「それは今度話すよ」
「....随分と彼女達の肩を持つのね」
と睨む絵里、しかし神綺は
「なにを勘違いしているかは知らないが、こいつらの言っていることは.....理事長室でお前がした行動より何倍もまともだということだ。昨日言ったろ?自分を見つめ直せ」
「...そうだね。取り敢えず、この紙は返すよ。アイドル研究部の人と話をつけて、統合するのを私は勧めるよ」
「ちょっと希!」
絵里にとってここはアウェーだ。神綺と希共に穂乃果達を支持している。
「絵里ち。ちょっと落ち着いて考えよ。私も穂乃果ちゃん達なら出来ると思う。カードもそう言ってるしね」
とタロットを見せる希。さっきまで希が無言だったのは占っていた為だろう。
「っ....私、帰るわ」
と絵里は鞄を持って足早に生徒会室を出て行こうとする。
「あ、おい絵里!」
と呼んだときにはもう遅く、扉が閉まる音だけが響いた。
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