ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】 作:レイヴェル
今回も希回ですね。
ではでは、
雲が少なく太陽が眩しいある日、
「いってきまーす」
神綺は眠そうに欠伸しながら、家を後にした。
そして何気なく昨日希が言っていた家に目を向けると、
「行ってきます!」
希も丁度学校へ向かおうと玄関から出てきた。
「(ふむ、声を掛けるべきなのだろうか)」
なんてどうでもいいようなことを考えていると、
「あっ神綺君?おはよう!」
希が神綺に気づいた。
「え?あっ おはよう...希」
神綺は未だに女の子に名前呼びをすることに抵抗があるため、ぎこちない返事になってしまった。
「神綺君のお家って近くなの?」
「あぁ、ほら....あそこだよ。白い壁で青い屋根した家」
そう言いながら自分の家を指さした。
「おぉ!ご近所さんってやつなんだね。今度、遊びに行っても...いいかな?」
「なんだって?」
「ダメ....かな」
会って間もないのに家に遊びに行くのか....
「別にいいが....なにもないぞ?」
「そうなの?」
そうなのだ。ゲームもあまり興味がなく、することといえば学校の宿題かニュースを見るくらいしかしないのだ。
「あぁ、ゲームや漫画もないからな....俺より他の子と遊んだほうが楽しいぞ?」
そう言うと希は不機嫌な顔をして、
「えー 神綺君と遊びたいんの!」
「んなこと言われてもな....」
現に遊べるものがないのだ。どうしようもない。
「っと、話すなら歩きながらにしよう。遅刻するぞ」
ちょっとでも話題を変えようと神綺は歩き始めた。
「むー....」
希は軽く唸りながらも遅刻するのは嫌なので、神綺について行った。
「そういえば....なぁ、希」
ふっと神綺はあることを思い出した。
「なに?」
「希の教科書ってさ、いつぐらいに届くんだ?」
神綺からすれば借りるよりも自分の教科書を使ったほうが気も楽だろうと思い。ある程度の日にちは知っておきたかった。
だが希からすれば、神綺が自分に教科書を見せたくないから早く自分のを使えっと受け取ってしまった。
「うぇっと....それが....」
「ん?決まってなかったのか、なら仕方ないか。この話はやめだな」
変に引っ張っても意味がないと思い、神綺はすぐに話題を変えようとした。
でも、希は心配になり聞いてしまった。
「えっと.....神綺君は...」
「ん?」
急に希が歯切れ悪くなってしまった為困ってしまった。
「神綺君は....私に教科書見せてくれるの....嫌、なんだよね?ごめんね、今日から反対側の子に見せてもらうから!」
「え?」
神綺は一瞬希がなにを言っているのかがわからなかった。だがすぐに理解し、
「あぁ、別に嫌ってわけじゃないんだ。ただ、希がずっと男の俺の教科書見るより自分のを見たほうが気が楽でいいんじゃないかと思ってな」
「そ、そうだったの?」
希はビックリした顔をした。
「あと、希」
「っ! なにかな?」
はぁ...そうため息をしながら神綺は希を見た。
「いい加減、人の顔色を見て話すのはやめろ。お前と俺は友達だろ?違うか?」
「っ!?」
希からすればバレるとは思わなかったため動揺してしまった。だが、相手は神綺。精神年齢がそもそも上な為、ちょっとした仕草もわかってしまう。
「今までお前になにがあったかは知らない。だが、もっと素直になろうぜ?その調子だとスグにバテるぞ?」
呆れながら神綺はそう言った。
「....いつから気がついてたの?」
希は若干声を震わせながらそう返した。
「最初から、かな。みんなから一線引いて顔色をチラチラ伺ってるのがまるわかりだ。少なくとも、俺の前ではそんなこと気にするな」
「で、でも....」
希の声はドンドン小さくなる。
そんな希に神綺はやれやれ、と言った様子で希の頭を撫でた。
「!」
「なぁ、希。もしそれで相手とぶつかったとしても、目を逸らさずに立ち向かわなきゃ駄目だ。そんなんじゃいつか....自分というものがわからなくなるぞ」
「自分が....わからなく?」
希にはどういう意味かわからなかった。
「そうだ。周りに合わせていると.....自分のやりたいことがわからなくなる。そうしたらそれは、人間じゃない。周りに流される人形だ」
「っ!」
希はそれっきり黙ってしまった。
それに困ってしまった神綺は強引に話題を変えようと、
「ごめんな、急に変な話して。さ、流石にもう行こう。本当に遅刻しちまう」
「....うん」
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今日も特に問題も起きずに授業は終わり、放課後となった。
「さて、帰りますかねぇ」
よっこらせっとオヤジくさい声と共に立ち上がった。
「神綺君!」
「っ なんだ....希」
今日の朝の一件から最低限しか話さなかった希が神綺に声をかけた。
「え?なに神綺。お前と東條さんってもうそこまで仲良くなったのか?」
佑樹が神綺と希の呼び方に反応して寄ってきた。
「希がな、そう呼んでくれってさ。それよりどうした、希」
佑樹を軽くあしらうように対応し、希の方を向いた。
「話があるの。ついて来て」
昨日に引き続きまたか、と思いながらも
「わかった」
断る理由がないため了承した。
「おーおーお熱いことで....」
あとでシバク。そう神綺は思いながら希を追った。
いつも通学路で通る公園に着き、希が急に振り返った。
「ここの公園で話そうかな。いいよね?」
「あぁ、構わない」
そういい、近くにあるベンチに腰掛けた。
「それで?話ってなんだ?」
すると希は、なにかを決めたような顔をした。
「あのね、なんで私はみんなの顔色を見てたと思う?」
なんで、か。神綺に思い当たる物は数個あった。
「問題を起こさないように、やんわりとみんなと過ごしたかったから。とか.....小さい頃から親の顔色を見ていたらそれが癖になってしまっている...とかか」
希は驚いた。本当に、そのとおりだったからだ。
「....お見通しのようだね」
「っ 当たってたのか」
神綺からすれば確証はなかったのだが、思い当たる理由がこれぐらいだけだったのだ。
「うん。私のお父さんとお母さんが転勤族っていうやつらしくてね。前から転校ばっかしてたの」
転勤族.....なるほどね。神綺の親も前世では転勤族だったのだ。
「転校するたんびにお父さん達からごめんね、とか....辛くない?とか色々言われるの。でも、私のせいでお父さん達を心配させたくないから....嘘ついたりしてたの。でも......でも......」
「自分が我慢しても、転校が終わるわけもなく、こうして今回も転校してしまった。ってとこか」
「.....」
そう声を殺しながら希は頷いた。
「でもお父さん達を心配させたくない。だから顔色を見て暮らしている内に学校でも顔色を見る癖がついてしまった、と?」
「....うん」
泣きそうな顔をして希は辛うじて返事をした。
閲覧ありがとうございます。
ちょっと今回はここまでです。時間がないのでw
蒼猫さん、Mr.エメトさん。投票ありがとうございます。