ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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遅れました。どうも、レイヴェルです。


第53話

 翌日。神綺は登校中に自分より前を歩いていた希を見つけ、声をかけに近づいた。

 

「おはよう、希」

「っ あぁ、神綺君...おはよう」

 急に話しかけられた為に驚いて肩をビクッとさせた。

「驚かせるつもりはなかったんだが...すまんな」

「ううん。いいの....」

 ここで神綺はおや?っと思う。心なしかいつもと希の様子が違うような気がしたのだ。

「...どうかしたのか?」

 今の希はどう見ても元気がない。いつものような、キャピキャピした感じがしないのだ。

「...わかっちゃう?」

「そりゃぁな....昨日のことか?」

 考えられるとすればそれしかない。

「うん。...えっとね!昨日の夜に考えたんだ」

「なにを?」

「私ね、やっぱりアルバイト辞める」

 と無理矢理な笑顔を作り希は言う。

「....は?」

 神綺は一瞬何を言っているのか理解できなかったが希は構わず言葉を続ける。

「だってさ、私が遅くまでアルバイトしてるから神綺君が付き添ってくれるんでしょ?だったら...そのアルバイトを辞めれば.....解決でしょ?」

「ちょっ、ちょっと待ってくれ.....」

 ここで考え方の食い違いが起こる。

 希はこれ以上神綺に迷惑を掛けたくが無い為にこの決断をしたのだが、神綺からすれば自分と帰るのが嫌なのかと受け取ってしまった。

 しかしそれもしょうがないこと。神綺にとってあの騒動は些細なことなのだ。それよりも自分と一緒に帰るのをアルバイトを辞めてまで断られたのか、と考えてしまう。

「そ、そんなに俺と帰るのが...嫌だったのか?」

「え!?ど、どうしてそうなるの?」

 希は思っていた反応とかけ離れていたために焦る。

「いやだって....俺と帰るのが嫌だから....その口実を消すために辞めるんじゃ....ないのか?」

「...ちょっと待って神綺君。すごい勘違いしてると思うの」

 思い切ってこの話題を切り出した希だったが、神綺のぶっ飛んでいる返答に頭を押さえる。

「ねぇ、神綺君。聞いて?」

「...なんだ?」

「私はね?これ以上神綺君に迷惑を掛けたくないから辞めるって言ったんだよ。次は何があるかわからないし....それで神綺君が怪我したら私は....」

 と希は次第に俯いてしまう。

「....はぁ」

 とため息をつきながら神綺は、

「いいか希?そう何度も起こることでもないし、これからは日が暮れる時間も遅くなる。それにできるだけ早く切り上げられるように調整すればいいことだ....違うか?」

「そうだけど....」

「あまり深く考えることじゃないさ....でも、ありがとう」

「え?」

 感謝されるとは思っていなかった為に希は呆気にとられた顔をしてしまう。

「目に軽く隈ができるまで考えてくれたんだろう?」

 そう。若干だが、希の目の下に薄く隈ができている。

「えっ いや、その...」

 と希は慌てて顔を手で覆ってしまう。

「取り敢えず希....アルバイトは続けなよ」

「っ でも....」

 神綺の言葉に反応して希は覆っていた手を下げて複雑そうな顔で神綺を見る。

「お前が自分でやりたくて始めたんだろ?それを俺の我儘で辞めさせる訳にもいかない」

「........」

「一応聞くよ。アルバイトを続けたい?」

「....うん。続けたい」

 と小さい声だが、神綺にはハッキリと聞こえた。

「そうか。なら俺は付き添うのを辞めるよ」

「えっ...」

 そりゃぁそうだろう。昨日は頑固で曲げずに付き添うと言い切った神綺がこうもあっさりと引いたのだから。

「それならお前は気にせずバイトを続けられるだろう?」

「....神綺君はそれでいいの?昨日はあんなに...」

「流石にこればっかりは身を引くよ。昨日あんなことを言っちまったが、流石に辞めると言われると...な」

「ご、ごめんね」

「謝るのはこっちだ....すまなかった。まさかそこまで追い込んでるとは思わなかった」

 と素直に神綺はお辞儀をして謝る。

 それに希は、

「え!?いっ いいよ別に!頭上げて!」

 と慌てる。

「私もあまり考えずにアルバイト始めちゃったのが悪いんだし....おあいこって...ダメかな?」

「....そう言ってもらえると助かる」

 とそこで神綺はやっと頭をあげるが、そこで二人の後ろから

「あら.....なにしてるの?」

 絵里が不思議そうな顔をしながら首を傾げていた。

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 絵里と合流した神綺達は生徒会室に向かいながら、簡単にだが神綺が頭を下げていたことを説明した。

「そんなことがあったのね....」

「俺の我儘のせいだからな。希はなにも悪く思うところはないはずなんだが....」

「こら、神綺君。もう仲直りしたんでしょ?ならもういいじゃない」

「....そうだな」

 絵里はまた面倒くさくなるような予感がした為に神綺に釘を刺す。

「それより今日は高坂さん達が来るんでしょ?」

 と絵里は空気を変えるために話題を変える。

「あぁ。講堂許可を貰いに提出しに来るはずだ.....寝坊とかしなければな」

「それならそれで仕方ないわよ.....取り敢えず今日中に持ってきてもらえればそれでいいわ」

「ちゃんと持ってくるだろ。海未とことりが何とかするはずだ」

 穂乃果一人ならすっぽかしそうだが、ことりと海未はしっかりしている。忘れることはない...だろう。

「まずは一ヶ月後の新歓に関係する資料だとか整理しないとね」

「そうだね~ 後は今の部員数の確認とかもね」

「それと新歓用のパンフ原稿も手配しないとな....課題は山積みだな」

 とこれからのことを考えながら神綺達は生徒会室へと向かった。




閲覧ありがとうございます。
中々思いつかずに遅れた挙句文字数もいつもより若干少なくなってしまいました。すみません。

ノーカロさん、ruhaさん、hideさん。投票ありがとうございます。そしてお気に入り登録数900件突破、ありがとうございます!
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