ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】 作:レイヴェル
いや~昨日の節分で買った煎り豆が美味しくてしょうがないです。
さっきからポリポリ食べてます。
神綺は弁当を食べながら不意に身につけている腕時計に目を向けると、食べ始めて4分ぐらいが経っていた。しかし、未だにことりは海未にガミガミ言われていてもう涙目になっている。
穂乃果は何回か海未にもうやめるように止めようとするがなんだかんだ言い包められて止められずにいた。だが流石に度が過ぎている。
「せ、先輩....ことりちゃんが.....」
等々耐えられなくなった穂乃果が神綺に助け船を求めてきた。
「...はぁ」
神綺自身ももう耐えられない為にしょうがなく仲裁に入ることにした。
「なぁ、海未?」
「っ なんでしょうか...」
「もうやめとけって。ことりだって涙目になってるぞ?」
「しかし...いつもことりは!」
「そうだな。確かに俺から見ても穂乃果に甘いところもある。だがな?それをお前が怒れるほどお前はしっかりしてるか?」
「えっ?...それはどういう...」
なんと、海未には自覚が無いらしい。
「おいおい...俺や第三者から見ればお前も十分甘いぞ?そこまで怒るのは流石に自分を棚に上げ過ぎているぞ?」
「そんな....」
確定。完全に無自覚だったらしい。これはこれで厄介だ。表情を見ればわかる。
「とにかく、海未は言い過ぎだ。ことりに謝れ」
「っ.....すみませんでした...ことり」
「う、ううん!いいの....」
「...すみません。少し頭を冷やしてきます」
そう言うと海未は弁当を持って屋上から去って行った。
「.....どうしちゃったんだろう海未ちゃん」
「....いつもならあんなに怖い顔しないのに」
「確かに俺から見ても少し危ない感じはあったな....ストレスでも溜まってるのか?」
「どうでしょう....でも、ありがとうございました。おかげで助かりました」
とことりは神綺にお礼を言って頭を下げた。
「別にいいさ。...しかし、本当に海未はどうしちまったんだ?」
「わからないです....朝もそこまで変わった様子もなかったですし...」
「授業中だって普段通りでしたから...」
「そうか....」
とはいえあれは明らかに変だ。いつもなら一歩引いて周りを見る海未があそこまで暴走するとは....
「取りあえず、ことりは弁当を食べなよ。俺と穂乃果は食ったがお前はまだだろ?」
「えぇ...そうですけど....海未ちゃんが...」
....海未もいい友達も持ったな。あんだけ言われたのにそれでも心配してくれるとはね。
「海未も言ったろ?頭を冷やす、と。心配なのは確かだが...敢えて距離を離して落ち着かせるのも大事だ」
「...そうですね」
「んじゃ、俺は食い終わったから先戻るぞ。じゃぁな」
「あ、はい。さようなら」
「今日はありがとうございました」
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穂乃果達と別れ、教室に戻ろうと屋上の扉を開けて階段を降りようとした時。踊り場になんと海未がしゃがみ込んでいた。
「なっ!?海未!?」
「あっ....先輩でしたか....」
神綺が驚きの声をあげると海未が静かに顔をこちらへ向けてきた。
まさか頭を冷やすと言ってこんな近くで冷やしているとは思わなかった。普通ならもっと離れて考え事をするだろうに....取りあえずことり達に悟られないようにソッと扉を閉める。
「...まさかここにいるとはな」
「すみません...」
「いや、別に責めてるわけじゃぁないんだ。....弁当は食べたのか?」
食べていないように見えるが一応聞いてみる。
「まだです...」
「...少し付き合ってくれ。そこで弁当を食べるといい」
「えっ?」
「いいから来いって」
流石に昼食を食べずに午後の授業を受けるのは苦だ。取りあえず弁当を食べられる場所に移動することに神綺はしたのだ。ここだといつ穂乃果達が来るかわからないから。
「さ、入れ」
「お、おじゃまします...」
そう言いながら海未が入った場所は...
「本当にすみません...私なんかの為に」
「いいっていいって、生徒会室ならそう人も来ないからな。ゆっくり食べられるだろ?」
そう。少し職権乱用な気もするが、海未が弁当を食べられるように生徒会室を使わせることにしたのだ。ここなら机も椅子もあるから食べるのには困らない。
それに、なんで海未があそこにいたのかも大体予想がつく。
その神綺の言動に海未はハッとした顔をし、
「ま、まさか....先輩、気づいていたんですか?」
「ん?なににだ」
「そ、その....私があそこにいた理由を...」
と恥ずかしそうに言う。
「...まぁ、予想はな。大方、勢いで飛び出したはいいが、居場所がなかったんだろ?」
「....お見通しだったようですね」
「いつも穂乃果達とつるんでいるのなら、ほかの連中とはそう付き合いもないしな」
これは神綺自身もそうだった為にすぐに思いついた。
現に絵里や希とつるむようになってから彰達との交流が少なくなったのを自覚しているから....
「ま、ゆっくり食べな。俺は適当に事務でもしてるさ」
そう言うと神綺は書類を棚から取り出し、備品として置かれている鉛筆と消しゴムを引出しから取り出した。
「あ、ありがとうございます....では、いただきます」
そう言うと海未は上品に弁当のおかずをつまんで食べ始めた。
それを神綺は横目でチラッと見ながら事務作業を開始した。
それから何分が経っただろうか。時計のカチッカチッと秒針の音が響く中。互いに無言でいた。それに耐えられなくなった海未が、
「あの...先輩」
「ん、どうした?」
神綺は一旦手を止めて海未の方を見る。
「先輩は....さっきの私のこと、言いましたよね....棚に上げるな、と」
「....言ったな」
「私自身、そんな自覚がありませんでした。これでも穂乃果にも、勿論ことりにも変わりなく駄目なところは駄目と言ってきたつもりだったんです」
「それで?」
「ですから今回もことりに日ごろの駄目なところなどを注意していたのですが....私は人にとやかく言える立場ではなかったんですね」
「まぁ、棚に上げてしまうことは誰にでもあるっちゃぁあるが...今回の海未は少し様子がおかしかったぞ?」
「おかしかった...ですか」
「あぁ。俺の中では海未は一歩引いて周りをよく見る子だと思ってたんだが....どうにもストレス発散しているようにしか見えなくてな....なにかため込んでいるのか?」
「......」
しかし海未は無言のまま下を俯いてしまった。
「...言いたくないならそれでもいいさ。ただ、もしため込んでいるのならどこかで吐き出さないと....辛いだけだぞ」
と無理に聞き出すようなことでもない為、神綺は折れて書類の片付けを始める。
「....確かにストレスが溜まっているかと聞かれれば、yesです」
「....そうか」
しかし、海未が反応したので神綺は再度手を止める。
「あの穂乃果がスクールアイドルをやると言って....ことりはわかりませんが....私は不安でしょうがないんです」
「不安....か」
「私自身、スクールアイドルという言葉は知っていましたが....その人達がどのような活動していてどう人気が出ているかもわからなかったんです」
「まぁ、興味がなければそんなもんだろ」
「ですが私は首を縦に振ってしまった....今考えればとても浅はかなことをしたと後悔しかありません」
「だが、頷いてしまったからにはやり通さなければならない、か」
「はい....」
「なるほどな....でも、海未の本心はどうなんだ?」
「え?」
「海未の本心さ。リスクとかを考えないこととして....アイドルをやりたいか?それともやりたくないか? 恥ずかしいとかは考えなくていい。自分の気持ちを教えてくれ」
これが一番大切だ。海未みたく周りを見る人間は特にリスクに敏感だ。現実を見て息詰まる。それも悪いことではないが....いいとも言えない。
「自分の....気持ちですか」
「ま、海未のルックスなら無問題だろう。可愛いしな....心配することはないだろ」
「なっ!?なにを言うですか急に!?」
「ん、なんか変だったか?」
海未は顔を赤くしたが、神綺には海未の驚いた反応が不思議でしかなかった。
「いやだって...可愛いって....」
と海未はモジモジしながら俯く。
「ん?だってそうじゃないか」
「うぅぅ.....」
もう海未の顔は赤いを通り越して真っ赤だ。
それに神綺が呆れていると、
『キーンコーンカーンコーン...』
「ん、予鈴か...」
昼休み終了5分前の鐘が鳴った。
「うぅ...あぅ」
「さぁ海未。休み時間が終わるぞ。教室に戻れ」
「へ?」
「へ?じゃない。今予鈴が鳴ったろ?ほら」
と神綺は海未に腕時計が見えるように袖を捲る。
「あっ!あ、あの!生徒会室を貸していただきありがとうございました!では!」
とあわただしく礼を言って海未は顔が赤いまま生徒会室を出て行った。
「....本心を聞けなかったな。今度聞けばいいか」
閲覧ありがとうございます。
驚きですよ。まだ希の一件の翌日なんですよ?進行遅すぎぃ!!
なんとかならないもんですかね....
LADUREEさん、土佐さん。投票ありがとうございます。