ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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どうも、レイヴェルです。


第68話

「.....遅い。もっとペース上げろ」

「そんなぁ!?」

 朝早く、神田明神の男坂にジャージを着た4人の男女がいた。

「昨日はあんなに早く走ったじゃないか。もう少し上げられるだろ?」

「これから学校もあるんですよ!?」

「そうか。なら、午後にやればペースを上げることは可能...と?」

「え゛っ」

 ストップウォッチを片手に呆れながら指摘しながらする男性。まぎれもない神綺だ。

 そして先程から地面に寝ながら喚いているのが穂乃果。

「き、きつくないですか?先輩」

 そう言うのは穂乃果の隣で同じく寝ているのがことりだ。

「そうか?ことりはともかく穂乃果は昨日すぐ復活したじゃないか。それだけ体力も余ってたってことだろ?」

「ですけど....」

「体力を余すことなく効率よく使うのは確かに難しい。だが、それができれば自分の持つ力を最大限に引き出せることになる。そうだろ?」

「たしかに...それは一理あると思いますけど...」

「ん?海未もこれには反対か?」

 神綺が寝ている二人にしゃがみながら言い聞かせていると、少し離れた階段に座っていた海未が苦笑いをしながら

「反対...というわけではありませんが、最初にしてはハードすぎませんか?」

「そうですよぉ!これじゃぁ体が持ちません」

 と半泣きになりながら穂乃果も訴えてくる。だが、

「何言ってんだ。時間が無いんだぞ?後何日あると思ってるんだ。1カ月ないんだぞ?これぐらいしなければ当日、体が持たないぞ」

「うぅ.....」

「大体なんだ。電話でなにかと思えば朝練がしたいから来てくださいって。曲もないのにどう練習するっていうんだ?」

「そ、それは....」

「ないだろ?ならば必然的にすることは体力作りしかないわけだ。それに加えて海未はまだいいが、お前ら二人は一周でぶっ倒れるときた。これで危機感を感じないとでも?」

「.......」

 神綺は表情にもでている通り、呆れていた。確かにまだまだ始めたばかりだ。しかし、持久力が余りにも2人はなかったのだ。

「こんなんじゃライブなんて無理だぞ。A-RISEの映像を思い出してみろ。今のお前らじゃぁ同じ動きをしたとしても20秒ぐらいでぶっ倒れるぞ」

 厳密にはそこに笑顔をしていられる持続時間もプラスされる為にもっと耐えられる時間は短いだろう。

「最低でも平均で今のタイムより30秒は短くしろ」

「そんなにですか!?」

「馬鹿言うな。海未を見てみろ、涼しい顔してるだろ?これが今のお前らの差だ」

 実際海未はそう言われてもさほど苦ではないのだろう。少し考える様なそぶりはしたもののそれだけで、穂乃果やことりの様に顔にまで絶望がでることはなかった。

「できるの海未ちゃん!?」

「え?え、えぇ...まぁ、不可能ではないかと....」

「嘘!?」

「ほら、もういいだろう。いい休憩になったはずだ。再開するぞ」

「もうですかぁ....」

「あのなぁ...俺からすればこんなんで横になることりに驚きなんだが...せめてもっと体力をつけてくれ」

「が、頑張ります....」

「......」

 力の抜けた弱弱しい答えに脱力を覚えながらも神綺は次の指示をする。

「....さぁ、次だ。腕立て30、次に腹筋20背筋20だ」

「わかりました」

 とすぐに腕立て伏せを始める海未。そして、

「えぇそんなにぃ...」

「ひぃぃぃぃ....」

 とひぃひぃ言いながらする穂乃果とことりであった。

 

(....これ本当に大丈夫か?流石に言葉もでないぞ....)

「頑張ってるね」

「っ 希!?」

 急に後ろから声が聞こえた神綺は反射的に後ろに振り返ると巫女服を着た希が箒を持って立っていた。

「おはよう、神綺君。それにみんなも」

「お、おはよう...」

「「「おはようございます」」」

「まさか朝からバイトしているとはな...」

「私からしたら神綺君達がいることに驚きだよ。朝練?」

「あぁ.....穂乃果から昨日電話が来てな。なにかと思えば朝練のお誘いだ」

「いいことじゃん。なのになんでそんな顔してるの?」

 確かに向上心がある、といい方向に捉えられる。だが、

「この状況を見ればわかるだろう....海未はいいが、穂乃果とことりは体力がなさすぎる。それに呆れてるだけだ」

「先輩の要求が高すぎるんです!」

「それでも俺に頼んだのはお前だろうが。前にいっただろう?やるからにはとことんやると」

「ですけど....」

「まぁまぁ神綺君。始めなんだから個人差なんてしょうがないよ。そこをどうにかするのが、神綺君の腕の見せ所?」

「なにが見せ所だ。これは初歩の初歩だ。できてもらわなければ困る」

 なんせ時間がないのだ。これが2カ月あれば違うのだが、一カ月では駆け足になっても仕方がない。

「うーん。でもそれで体を壊したら元も子もないんじゃない?」

「それはそうだが....」

「焦る気持ちもわかるけど、大事なのは確実性だよ?」

「...はぁ」

 確かに希の言い分にも一理ある。その為神綺はどうしたものかとため息をつく。

「うぅっ 東條先輩が女神に見える!」

「でも、そこで穂乃果ちゃん達が努力を見せないと報われないのも事実なんだよ?もっと頑張らないと」

 だが、一見甘いように見えてしっかり注意する所は流石希だ。

「さ、おしゃべりはもういいだろう。穂乃果、お前だけだぞ?背筋が終わってないの」

「えぇ!?」

 ことりと海未は今の会話中も手を止めずに背筋まで終わらせたが、穂乃果は腹筋の途中で話の方に神経がいって中断していた。

「本当に大丈夫なのかぁ?これで...」

「これからだよ神綺君。コツコツと積み重ねなきゃ」

「....善処するよ」

「あ、そうそう。折角ここに来たんだし、お詣りしたら?」

「お詣り?....それもそうだな」

 一応男坂を使わせてもらっているんだ。少しはそういう気持ちは大事だろう。

「ここはいろんな気があるまるスピリチュアルな場所だもん。しなきゃバチあたるよ?」

「またスピリチュアルか....まぁ、ここを使わせてもらってるんだ。お詣りぐらいするさ」

「?お詣りですか?」

 と、背筋を終えた穂乃果が地面に寝ながら聞いてきた。

「あぁ、お前達もするぞ。折角ここを使わせてもらってるんだからな」

「はーい」

「「わかりました」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バイトの仕事がある希と別れた後、神綺達はお詣りをする為に御神殿のさい銭箱の中にさい銭を入れた。

 そして二礼二拍手、とその時

「初ライブが上手くいきますようにっ」

 と穂乃果が呟いたのだ。それに神綺は内心

(それって口に出しちゃいけないんじゃ...)

 と思ったが、一度隅に追いやり、一礼した。

 




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