ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】 作:レイヴェル
「失礼します」
そういいながら案内された部屋に入ると、2人の男性が座っていたソファから立ち上がり、軽く頭を下げた。
そのウチの一人がこちらに駆け寄り、それに神綺は軽く顔が強張る。なんというか、威圧感というか...威厳があるのだ。
「君が....斎藤神綺君だね?」
「え、えぇ」
斎藤と呼ばれることに慣れていないため、反応が少し遅れてしまった。
「...申し訳ないことをした」
「...え?」
「私も学校説明会に顔を出したことがあるんでね。君のことは知っているよ。真姫の父親だ」
「あなたが....しかし、説明会とは?私は...なにか重要な役に就いていたんですか?」
となにもしらない神綺は藤崎先生にSOSをする。
「...副生徒会長よ」
「生徒会....なるほど」
「本当に記憶がないようだな...」
「はい...気が付けば見知らぬ方ばかりです」
とそこで今までずっと立ったままだったもう一人の男性が
「初めまして、だね。僕は大本和樹、精神科医をここでやらせてもらっています」
と握手を求めてきたのでそれを快く返す。
「斎藤神綺です。...よろしくお願いします」
精神科医なんてカウンセリング以来だなぁと思いながらそういえば、と真姫の父親の方に視線を移す。
「そういえば自己紹介がまだだったね。...西木野雄二だ」
「遅れましたが、音ノ木坂学院で養護教諭をしています。藤崎です」
「...西木野真姫です」
「さ、自己紹介はこれぐらいにしましょう。皆さん、そちらに掛けてください。色々お聞きしたいこともありますので」
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「えーでは、西木野さん。その時の状況を教えてください」
「はい...えっと、私が学校の3階から下の階に向かって階段を駆け足で降りていたんです。それで3階と2階の間の踊り場から2階に行こうとしたら、目の前に斎藤先輩がいて...でも私は急いでたので止まることができずにそのまま先輩を押し倒す形で接触しました....」
「ふんふん、なるほど」
と大本先生がメモをしていると、西木野先生が
「斎藤君。君はその時のことを覚えているかい?」
「...全く」
「そうか、なら次だ。今気分はどうだい?」
「というと?」
「気持ち悪いとか、ないかい?人間は脳にダメージがいくとなんらかの作用が働くからね。...ほら、脳が揺れると、酔う様に気持ち悪くなる」
「なるほど....大丈夫です。頭を打ったであろう場所は痛みますが、そういう症状はないです」
「...そうか」
その後も問診や念のためのCT検査をしたが、内出血などは認められず、安心していいとのことだった。
そして診断は終わり、一先ずお開きとなったのだが、西木野先生に呼び止められた為、真姫と3人で部屋に残っている。
「本当にすまなかった。君は高校3年生なんだろう?そんな大事な時期に....」
「起きてしまったものはどうしようもありません。それに、西木野さんがすべて悪いわけではありません。少なくとも、私が階段の所にいなければ事故は起きなかったんです」
「そうは言うが.....」
「いいんです。幸い、記憶は飛んだようですが骨折などはしていません。先ほどの検査でもそこまで重症ではないと聞きましたし、それだけで私は十分です」
「だが、これからの生活はどうするんだい?記憶がないんじゃ家だってわからないだろう?」
「っ....そ、そうですが....」
痛いところを突かれた。早めに切り上げて帰ろうと模索していたが、実際場所も知らなければ、金庫などの番号も知らないのだ。
「正直君には驚いたよ。まだ気持ちの整理ができていないからなのかもしれないが、君は私達に突っかかったりしないからね」
「....それをしたところで双方嫌な思いをするだけです。それよりも、私は西木野さんが無傷だったことの方がうれしいですよ」
「...なに?」
「例え話になりますが、もし私が階段の所に行かずに、西木野さん一人で階段を降りていたとしましょう。そこで西木野さんが躓いたらどうなりますか?もしかしたら頭を打つかもしれない。もしくは、変な体制で転がって体を痛めたかもしれない......それを防げたのであれば、それはそれでいいかな、と思っています」
「...君は、自分より相手の心配をするのか?」
「相手が男なら対応も変わったでしょうが....女性で、しかも美人ですからね....心配もしますよ」
「び、美人....」
「.....面白いな君は、記憶がもし戻ったらもう一度話をしたいね」
「.....」
先生のナニカに触れたのか、急に目つきが変わった。それに神綺は金縛りに掛かったかのように固まる。
(...俺なにかまずいこと言ったか?...めっちゃ怒ってるんだが...)
「ま、それは置いといてだ。....困ったことがあったら言ってくれ。力になろう、これがせめてもの償いだ」
「っ 償いだなんて...」
「記憶喪失にも種類があってね....君の場合は治る確率があるにはあるが、保証はないんだ。そうなると.....君の一生を私達が無くしてしまったのと同意義なんだ」
「....幸い、学力に関しては今までには劣るかもしれないですが、人並みには今も持っていると思います。なので受験などは少しレベルを落とせば可能でしょう....なのでそこまで重症とはいえません。記憶が戻らなくても....家さえあればなんとかなる...と思います」
「...そうか。なら、その言葉を信じても...いいのかね?」
「それこそ保証はできません。....ただ、これだけはお願いしたい」
このまま面倒くさい話を続けても平行線だと思い、唐突に本題を持ち込む。
「....なんだね?」
「しばらくの間、西木野さんを私の家に泊めさせて頂きませんか?」
「...どういうことだね?」
「彼女に私がそこまで深刻ではないという証拠を見せてあげたいだけです。もう大丈夫だ、と日用生活において彼女自身思えば少しは楽になるでしょう。論より証拠、百聞は一見にしかずです」
「...なるほどな。真姫はどうだ?」
「私は.....」
「強制するつもりはまったくないぞ。ただ、彼がここまで言ってくれているんだ。....私としてはあまり勧めたくはないが、彼に下心があるとは思えないのでね」
「......」
「俺自身も無理を言っていることは承知している。嫌なら蹴ってもらって構わない。....別に今日中に結論を出さなくてもいいんだ」
「.....ます」
「ん?」
「付き合います。私のせいですから....」
と俯きながらそう真姫は言う。だが、お願いした側の神綺が口を開く。
「....罪滅ぼしでOKを出すのならやめるんだ。これはあくまで君自身が少しでも気が楽になればと提案しただけだからね。そこをはき違えてはダメだよ」
「わかっています。....それでも、付き合います」
「...そうか。ということだ斎藤君。私としてはこんな事態前代未聞だからね、判断に困ってしまうが.....仕方がない。だが、なにかあればすぐにそれ相応の対応をさせてもらうぞ?」
「わかっています。無理難題を申し訳ありません」
「....はぁ、まさかこんなことになるとはな。まぁ、今日はいろいろあって斎藤君も疲れただろう。また2,3日したらここに来てくれ、経過を報告させてもらう」
「わかりました。.....では、失礼しました」
「...また後で、パパ」
閲覧ありがとうございます。
....ほんと、どこに向かってるんでしょうね(白目)
とにかく矛盾がないように尽力します。
書いてる私自身がこんがらがってきましたよ.....