ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 どうも、レイヴェルです。


第74話

「あ、神綺君」

 部屋から出ると、廊下で待っていた希が一番に反応した。するとそれに続くように藤崎先生が腕を組みながら

「話は終わったのかしら?」

「えぇ、取りあえず後日また来るようにとのことです」

「そう....なら今日はもう帰りましょうか。時間も時間ですし」

 そう言われ腕に付けていた腕時計を見るともう17時半を過ぎていた。

「....えっと、東條さんと絢瀬さんは....俺の家を知ってたりします?」

「ん?うん、知ってるよ。何回かお邪魔したこともあったし」

「ならよかった。....地図かなにかで教えてくれないか?実は西木野さんもウチに泊めることにしてね」

「「「....え?」」」

 と先生含め3人が呆気にとられた表情をする。

「ち、ちょっと待ちなさい斎藤君。それはどういう....まさかあなたっ」

「....なにをご想像されているか知りませんが、やましいことはないですよ?」

「嘘だよ!なんで西木野さんを泊める必要があるの!」

「そうよ!泊める理由がないじゃない!」

「ちょっ ここは病院だぞ。声を抑えろ」

「「っ」」

 二人の声に反応した患者さん達がこちらを好奇の視線で見てることに気が就いた神綺は慌ててなだめる。

 それに呆れながら藤崎先生は、

「教育者として理由を聞きたいのだけれど?それに、親御さんには許可を取ってるのかしら?そして本人にも」

「案の定渋られましたが、理由を話したら快くとは言いませんが許可をして頂きました」

「....はぁ。見かけによらず強引なのね、君」

「状況が状況ですからね。.....理由ですが、簡単です。彼女を楽にしてあげたい、それだけです」

 と言いながら真姫の方を見て言う。

「楽に?」

「えぇ。彼女、責任感が強いのか結構重くとらえてしまってるようで....」

「そりゃ記憶が飛んでるんだからだれでもそうなるでしょうよ....」

「まぁ、それをどうにかしようと考えた結果。私のこれからの生活を見てもらって、問題ないと自分で見てもらいたいんです」

「....ん?ちょっと理解が...」

「言い方を変えましょうか。先ほど西木野先生も仰っていました。私の一生を奪ってしまった、と」

「えぇ...まぁ、私も同じ立場ならそう考えるわ」

「ですので、学力及び生活能力に支障がないぞと。これでも普通に生きていくことはできるぞ、というのを見せてあげたいんです」

「....それは確かに、効果はあると思うけど...本当に大丈夫なのかしら。あなた、記憶ないのよ?」

「先ほどの問診の時にも報告しましたが、日常生活においての思い出...つまり東條さん達との思い出は飛びましたが....ある程度の学力や生活必需知識は残っています」

 勿論、洗濯や料理の知識もある。ま、8割は前世の経験なのだが。

「...そう。でも、あなたの親御さんはそれに賛同するかしら?」

「私は一人暮らしと聞いています。それぐらいの融通は利くでしょう。....勿論、私が母たちから十分な信頼があればですけど」

「わっ 私は反対だよ!一つ屋根の下で一緒に暮らすんでしょ!?」

 と慌てながら割って入ってきたのは希だ。

「まぁ、そうなるな」

「間違いが起きないなんて保証は....」

「っ」

 と真姫の顔が強張る。

「...あのな?なんでそうなるんだ。確かに西木野さんは美人だ、それは認める。だがな?俺はそこまで下種じゃないぞ」

「そうだけど.....」

「だったら私達も泊まればいいじゃない」

「.....は?」

 一瞬神綺には絵里の言った意味がわからなかった。

「ほら、私達が監視の意味合いも込めて泊まれば....ね?」

「はっ!」

「なにがはっ、だ。何考えてるんだ.....」

「それはこっちのセリフだよ神綺君!神綺君が西木野さんを泊めることが理解できないよ!?」

「常識外れなことは俺自身も理解している」

「.....ねぇあなた達。ここは病院よ?言い合うのは構わないけどせめて出ましょうよ」

「「.....はい」」

 

--------------------------

「....ん?」

「今度はどうしたの神綺君」

 病院の外に出た神綺は今まで脱いでいた制服の上着を羽織ろうとしたとき、上着に何か重みのあるものを感じそれを取り出した。

「...なんだこれ?」

 取り出したのは端末、要はスマホだ。だが神綺には初めて見る物だった。今まで神綺はガラケーしか見たことがなかったからだ。

「ん?携帯だね。神綺君が使ってたやつだよ」

「これが携帯なのか....お、ついた」

 液晶の下にあるボタンを軽く押すと電源がついてパスワード確認画面が表示された。

「......」

「ぱ、パスワード....」

「うーむ」

 自分が考えそうなもの......何種類かが一応は思いついたが、

「これ、何回か間違えたらペナルティとかつくか?」

「一応ね。一般的には5回ミスしたら5分弄れなくなるよ」

「そうか....」

 とりあえず....ユニット結成日を入れてみる。

「あ、できた」

「おぉ 一発だね」

 すると

 ピロン ピロン ピロン ピロン

と立て続けに通知が表示される。それもすべて電話だ。

「う、うわぉ.....」

「...取りあえず掛けるか」

 母、と表示されているあたり母親からの電話だったらしい。希に使い方を教わりながら母親にコールをする。

「....あ、もしもし?」

『っ 神綺!?』

「!?」

 あまりにも大きい声だった為、反射的に耳から携帯を話してしまった。

「....えっと、はい。神綺です」

『わかる!?母さんよ!』

「...らしいね。でもどうしてあなたがこのことを?」

 前世で聞きなれた母の声に軽く懐かしく思いながらも聞く。

『学校から電話が来たからよ!それよりも...大丈夫なの?』

「それは...日常生活のことならば支障はないから安心して。幸い骨折とか入院沙汰にはなっていないからね。今病院から家に行こうとしていた所」

『そう....ごめんなさいね。今大事な時期でそっちに戻れそうにないの....』

「そっか。...あ、ひとつ聞きたいことが」

『ん?何でも言って』

「えっとね。家に....女の子を泊めてもいいかい?」

『.....え?』

「ねぇ、神綺君。それ、すっごい誤解される言い方だと思うの」

 と会話を聞いていた希がジト目で訴えてくる。

「そ、そうだな。....少し事情が事情でね、事故の相手が結構参っちゃっててね。少しでも肩の荷を下ろせてあげたらなと思って日常生活を普通に送れることを見せてあげたくてね」

『そ、そう....』

「ねぇ、神綺君。電話変わって」

「え?あ、あぁ...」

「もしもし、急ですみません希です-------」

 

 

 

 

 

 

「おまたせ。はい、携帯」

「あ、あぁ....」

 話が終わったのか、不気味なほどの笑顔で希が帰ってきた。

「ねぇねぇ絵里ち」

「な、なにかしら....」

 さすがの絵里も希の笑顔に引き気味なのか苦笑いだ。

「ちょっと耳貸して」

「? えぇ...」

「えっとね........」

「っ! ふふふ...」

「?!」

 なんということか。絵里まで不気味なほどの笑顔を....軽く寒気がして身震いした。

「ねぇ....神綺君」

「な、なんだ?」

「私達も泊まることにするね♪あ、拒否権はなしだよ。神綺君のお母さんからOKもらったから」

「.......達?」

「私もよ」

「アッハイ」

 なにをどうすればいいのかわからなくなった神綺は真姫に心配され、体を揺さぶられるまで只々立ち尽くしていた。




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