ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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どうも、レイヴェルです。
サブタイ通り、今日で引越しとなります。

ではでは、


引越し

「んぁ.......はぁ...はぁ...はぁ」

 時間はまだ朝の7時前。小さい頃から自分で起きていた神綺は親に起こされたことがない。

 今日もいつも通り、というわけでもなく下着は魘されたのか汗でビッショリである。呼吸と鼓動も速い。

 ゆっくり上体を起こし自分を落ち着かせ、今の状況を確認する。

「魘されて....いたのか」

 夢の内容は覚えてはいないのだが、最近これがよく続く。毎朝の様に起きると気分が優れずに汗をかいている。

「.....取り敢えず着替えるか」

 季節は冬。部屋も暖房を付けずにそのまんま。このままだと流石に風邪を引いてしまう。そう思い神綺はタンスに入っている自分の服を取り着替えた。

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 神綺は着替えたあと、顔を洗いサッパリさせてリビングへと向かった。

「あら、おはよう神綺......また魘されたの?」

 リビングには先に神綺の母親、陽子が椅子に座りコーヒーを飲んでいた。

「あぁ、母さん...おはよう。全く記憶にはないんだけどね....そうみたいだよ」

 そう言いながら神綺は冷蔵庫からお茶を取り出し、コップへと注ぐ。

「....悩みがあるなら私とかに言いなさいよ?....そうね、希ちゃんのこと?」

「っ!」

 神綺はお茶を飲もうとコップを持っていた手を止め、コップを置いた。

「違うよ....とは、言えないかな」

 神綺も心当たりはあったからだ。やっとできた2人目の友達、東條希との連絡手段がなくなったからだ。小学校を卒業したら会おうと約束をしたのだが、

「多分嫌われたんだと思うよ....」

 神綺は諦めた声でそう言ったが、

「それはないと思うわよ。だって、今までの希ちゃんの行動を思い出してみなさいよ」

「今までの....行動?」

「そうよ。毎朝の様にウチの前で神綺のことを待ってたのよ?嫌いな子にそんなことしないわよ」

 そう陽子は笑いながら言う。

「そう....だよね」

 神綺はコップに残っていたお茶を無理にでも飲み干し、気持ちを切り替えようとした。

「でも、無理はしないでね。昔から神綺は私達に相談なしになにか溜め込むんだから....まぁいいわ。朝ごはんにしましょ」

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「行ってきます」

「いってらっしゃい」

 毎日の様に、当たり前のようにやっている挨拶。でも、希がいない今はとても寂しく感じる。

「ははっ.....希には出会いの連続だとか格好つけといて自分はこれか。まだまだ俺も子供か...」

と、希が今まで住んでいた家の方を見ながらそう言った。

「元はといえば俺が周りに溶け込もうとしなかったからだ.....希はなにも悪くないんだ。俺が間違っているだけ....」

 そう、神綺はわかっていた。このモヤモヤは希と音信不通になったから感じてるのではなく、希と佑樹以外に友達がおらずにその内の希がいなくなった。そうしてまた友達は佑樹だけになってしまった虚脱感から来るものだと。自分がもっと友達を増やしていればここまでひどくはならなかった、と。

 

 

 

 希が転校してから1ヶ月が経った今。神綺を除いてクラスの雰囲気は今までに戻りつつある。しかし、希のお陰でクラスのあるところが変わった。

 それは神綺に対する、みんなの印象だ。今までの神綺は佑樹以外とは極力話さずに、ただ静かに時間が過ぎるのを待っている様な感じのするよくわからない子だった。

 だが、希が転校してきて初日の神綺の希に対する行動で一新した。

 案外優しい奴なのではないか。

 本当は俺らと変わりないんじゃないか...と。

 その後も希や佑樹と接している神綺を見ている内にみんなも神綺と普通に話せるんじゃないか、案外話が合うかもしれない。と言った考えを持つ子が増えたのだ。

 それからだ。神綺はクラスに段々と溶け込めるようになり交流も増え、友達が増えたのも。

 そして......希が転校してから2ヶ月。神綺は魘されることもなくなり、今まで通りとは言えないが、限りなく近いぐらいまでには戻った。

 

 しかし、それもここまで。神綺はある日、家に帰ると陽子に父さんが帰ってきたら話があると言われ、父親が帰ってくるのを待っていた。

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「神綺ー!父さんが帰ってきたわよ!.....ちょっと来なさい」

「はーい!」

 自分はなにかしてしまっただろうか、と今までのことを思い出しながら陽子に呼ばれリビングへと向かった。

「....すまない。神綺」

 そう苦い顔をした神綺の父、一樹が神綺を見ると謝った。

「えっ?どうかしたの、父さん?」

 神綺にしてみれば謝られることなんて思い当たらないからだ。そう疑問に思っていると陽子が暗い顔をして、

「....あのね、神綺。実は.....お父さんのお仕事の都合で東京にお引越しすることになったの」

「は?」

 神綺は陽子の言っている意味を理解できなかった。だってそれはつまり....

「....転勤ってこと?」

本当は違うと言って欲しい。そう思いながら言ったが、

「そうだ....」

一樹が肯定した。

「そ、そう....」

「ごめんなさい、神綺。でも....これからを考えると私も神綺も東京に引っ越さないといけないのよ....」

 陽子は声を震わせながらそう言った。

「これから....将来の...為?」

 神綺はなにも喋らずに黙り込み、考え込んだ。

 

 どういうことだ。これからのため?ということは...いや待て。東京と言ってたな....受験の為か?他には....ん?

 

 

「ねぇ、母さん」

「なにかしら....」

 陽子は神綺になにを言われるかを考えながら、

「ここから引っ越す先は東京って言ったけど、東京のどこ?」

 

「あぁ、御茶ノ水よ...」

 また神綺は考え込む。

 

 ふむ、御茶ノ水か。っとするとやはり受験の為?しかし....だったら今俺らが引っ越さずに単身赴任でも行けるはずだ....だが単身赴任って金かかるんだっけか....仕方ない...か。

 

 

「し、神綺?」

 陽子は急に黙り込んでしまった神綺を不思議に思った。

「あぁ、ごめん。ちょっと考えてたんだ。それで、引越しっていつから?」

 神綺は頭を整理し、最低限の情報は得ておこうと思い聞く。

「えっ.....いいの?」

「ん?なにが?」

 陽子にしてみれば神綺に反対だ。とか、どうにかならないのか。とかを言われると思っていたのだが、そんな様子もなく話が進むから疑問に思ってしまった。

 対して神綺にしてみれば、前世でも転校はしていたこともあり、仕方ないかと思う所があるのだ。しかし、最近になって友達も増え、学校が楽しいと思えてきた時期に転校と言われ、戸惑っただけだったのだ。

「い、いや....なんでもないわ。引越しの日よね、今週の土曜よ」

 陽子はコーヒーを口に含み自分を落ち着かせて、ひと呼吸置いて言った。

「っとすると、あと3日か.....結構急だね」

 希の時のそうであったが引越しとはこんなに急だったか、と神綺は前世を思い出したが、ここと前世は違う。ということで結論づけた。

「なにせ辞令が今日出されたからね.....本当にすまなかった」

今まで口をつむんでいた一樹がもう一度謝った。

「いいよ、父さん。決まった以上仕方ないよ。それに.....さっき母さんが言ったこれからのことって、受験のことでしょ?」

「「っ」」

 今神綺達が住んでいるのは千葉県の木更津だ。

そこから将来通うかも知れない大学へ行くには御茶ノ水の方が便が良く、選択肢も多いからだ。

 そのことを小学4年に見破られた二人は。

「驚きだな.....そのとおりだ。先の事を考えると....ここよりも都会の向こうのほうがお前の選択肢も広がるだろう...と思ったんだが」

「そうね....まさかあの一言だけでそこまで読まれるとはね」

 驚きと喜びの半々といった顔で二人は顔を見合っていた。

「ははは....偶々だよ」

 やべぇ、そう思いながら神綺は焦った。そうだ...この体は小4だ、と。

「それより.....明日にでも、友達とお別れしてこいよ....ここにはもう帰ってこないかもしれないからな」

 急に一樹は真剣な顔で神綺を見つめながらそう言った。

「わかってる。折角できた友達だもの.....しっかり言ってくるよ」

「よし....」

 神綺の力強い返事に安心した一樹は微笑んで湯呑に入っているお茶を飲み干した。

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 今回の引越しも急であった為にお別れ会は行われずに、お別れの挨拶だけでみんなとは別れた。

 神綺は佑樹と希以外の友達がやっとできたという時に引越しとなった為、人一倍悲しくはなったが、希に言ったことを覚えているため長くは引っ張らなかった。




閲覧ありがとうございます。
そして、沢山のアドバイスありがとうございます。
まだまだ私は初心者ですので、ご指導いただければと思います。

floweringさん、草掛論さん、ruhaさん、sonictahさん、盛氏さん、ドドルゲンさん、A4用紙さん、れいあさんさん、黙阿弥さん、リードウェルさん、城霊さん、vangenceさん、Faultさん、『ぬ』のパンティーさん。投票、コメント。ありがとうございます。
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