ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 どうも、レイヴェルです。

さて、この後学校行って、その後に4日の映画の席予約してきます。


第91話

「それでは!斉藤先輩の記憶が戻ったことを記念して...かんぱーい!」

『かんぱーい!』

 

 

 

 西木野病院での検査や判断能力の確認を終わらせた神綺は希達と合流し、穂乃果に確認したとおり、穂むらへと足を運んだ。勿論、藤崎先生は報告も兼ねて学校へと戻っていった。

 そして今、穂むらを貸し切り、パーティー状態になっている。病院に居た穂乃果達3人や絵里と希、真姫と花陽の他に雪穂も参加している。

 そんな中、神綺は彼女達から一歩離れた場所でお茶を飲んでいた。

「いや~ まさか斉藤さんが記憶喪失だったとは....」

 つい先程知らされた雪穂は信じられない、といった様子で神綺に串に刺さった団子を4本差し出してくる。

 そのウチの1本を貰いながら

「穂乃果が気を使ってくれてね。あまり言いふらすものじゃないって口を紡いでくれたんだ」

 と穂乃果のフォローをするが、納得いかないのか不満そうな顔をする雪穂。

「でも私に教えてくれてもいいじゃないですか?私も斉藤さんとそれなりに親しいですよね?」

「雪穂ちゃんの場合、女将さんに勢いで喋りそうだろう?」

「うっ....まぁ...」

「それを穂乃果は気にしたんだと思うよ。それじゃ、向こうに行ってくるよ」

 ぽんぽんと雪穂の頭を撫でて、穂乃果達が騒いでる方へと向かった。

 

 

「元気だな」

 4人がけのテーブルで希達の座る所に行こうとするが、

「あ!斉藤先輩もこっちきてくださいよ!先輩が主役ですよ!」

 なんて言いながら穂乃果に引っ張られて2年生組の方へ連れて来られてしまう。

「お、おい...」

 そして海未の隣に座らされた神綺は戸惑いながらもテーブルに置かれているほむまんが目に入る。

「ささ!これ食べてください!」

「ほむまんか?」

 未だに雪穂から貰った団子を一口も付けずにもったままなのにも関わらず、ほのかが目を輝かせてほむまんを勧めてきた。

「私が作ったんです」

「なるほど」

 ここまで来ていらない、とは言えないし。なにより自分はほむまんが食べたくて来たのだ。迷わずほむまんの積まれた皿へ手を伸ばす。

「...いただきます」

「はい!」

 一口。饅頭を齧ると、食べ慣れた、そしていくつでも食べたくなるようなしつこすぎない甘さが口の中に広がった。

「...どうですか?」

「美味しいよ。これだ....俺が食べたかったのは」

 記憶が失う前も生徒会やらなにやらで中々これていなく、食べたくても買いに行けない状況だったのだ。

 そして今、念願のほむまんを食べられたことに笑みがこぼれる。

 それに穂乃果は安心したように

「ありがとうございます!」

 眩しい笑顔でサッと頭を下げた。

「やったよ海未ちゃん!褒められた!」

「穂乃果は心配しすぎです。私が何度も食べてるじゃないですか」

 と心なしか機嫌が良さそうに見える海未。

「海未ちゃん、ほむまん大好きだもんね~」

「っ」

「そういうことか」

 確かに機嫌が良かったらしい。そりゃ好物を食べれば誰でも機嫌が良くなるか。

 しかし、ことりにからかう様に言われた海未は恥ずかしいのか顔を赤くして

「べっ 別にいいじゃないですか!」

「誰も悪いだなんて言ってないだろ?」

「そうだよ~」

「~~~~!」

 クスクスっとことりと神綺が海未を茶化していると、耐性がないのかすぐにぐぅの音もでなくなり、海未は固まってしまう。

 それに神綺は

「ははっ 悪い悪い、ふざけすぎたな」

「ごめんね海未ちゃん~」

「もっ もう!困ります!」

「でも意外だなー」

「ん?」

 ことりと神綺で海未を弄っているのをテーブルに肘をつきながら見ていた穂乃果がそう呟く。

「斉藤先輩、なんか変わりましたね」

「そうか?」

「えぇ。前なら私が先輩のポジションでしたもん」

 それにことりもハッとしたように

「そういえば.....今の穂乃果ちゃんと先輩が逆ですね」

「....そうか」

「あぁ!別に変な意味じゃないですよ?ただなんか....明るくなったっていうのかな。先輩が私達に心を開いてくれたような感じがして」

「俺はいつも通りのつもりなんだがな」

「ううん。変わってますよ先輩。それもいい方向に」

「ならいいんだが」

 なんとも複雑な気持ちである。褒められてるような、毒をつかれているような....

「私は今の先輩の方がいいです。前の先輩は...どこか達観してましたし」

 そう言い残すと、

「それじゃ私は雪穂の手伝いしてきますねー」

 と席を立ち、神妙な顔から笑顔に戻り、パタパタと駆け足で雪穂がいるであろう厨房へと走っていった。

「私も...穂乃果の言うとおりだと思います」

「ん?」

「先輩は、今までも私達に助言や手助けを一杯してくださりました」

「そこまでのことは...」

「いえ、私にとってはとても助かってるんです。でも、それでも先輩はどこか線を引いてました。私の人見知りとは違った線引きをして、一定の距離から先には踏み込ませないようにしてましたよね?」

「......」

 心当たりがないといえば嘘になる。

 恐らく海未が言っているのは前世の記憶のことを探られないように距離をとっているのをそう感じたのだろう。

「ですが、今の先輩は...なんていうんでしょうか。砕けている様な感じがします」

「チャラくなったと?」

「いえ、そうじゃないのですが....物腰が柔らかくなったような気がします」

 そう海未が言うとことりもうんうんと何度も頷く。

「俺も心当たりがないわけじゃないが.....まぁ、悪くなってないのであれば今はそれでいいよ。実は俺もまだ記憶が戻ったばかりで色々と混乱してるんだ」

 この言葉は半分本当で半分嘘だ。

 本当は混乱なんかしてないし、心当たりはバリバリある。

 彼女達が俺が変わったと思う原因。それは間違いなく、消えた俺だろう。生まれ変わってから大人の汚い事情などを度々見てきた俺と違い、町工場で働いたいた直後にほぼ同年代の希達とつるんだある意味幼い俺。

 今ならなんとなく思う。神綺という男の本質はあっちで、逆に俺は偽物なのではないか、と。

 そんな消えたもう一人の俺が過ごした記憶がこっちに流れてきた。

 それによって斉藤神綺という人格が足して2で割られたんだと思う。

 だからある意味線引きをせずに親しい友人として過ごせるようになった。

 それを砕けたと海未は表現した。....あながち間違いではない気がする。

「せ、先輩...」

 そう沈黙して考えている自分をことりは相当堪えているのだろうと受け取ったらしく、心配そうにこちらを見ていた。

「ん?あぁ、すまん。少し考え事をだな」

「あの、すみませんでした。先輩がそんなに辛い思いを....」

「あぁ、待ってくれ。俺は別に大丈夫だ。....それより少し席を外す。西木野さんの様子を見てくる」

「あ、はい」

「悪いな、空気を悪くして」

 そう謝りながら神綺は席を立ち、真姫と花陽が座っているテーブルへと向かう。

 

「あら?どうしたんですか、先輩」

 なにやら話し途中だった所に来てしまったらしいが、切り上げて真姫がこちらを見上げた。

「なに、俺から誘ったのにずっと待たせるのも悪いからね」

 ごめんね、小泉さん。といいながら神綺は座る。

「い、いえ!」

「もう...大丈夫よ。先輩は怖くないわ」

 そう真姫が言うも、怯えてしまっている。

「その...なんだ。遅くなったが、怪我はないか?」

「へ?は、はい....私は大丈夫です」

「なら、よかった。それで?なんで君は俺に怯えてるんだ...」

 前の時もそうだった。凛ちゃんと一緒にいる時もどこか自分に怯えていた。

「この子、男の人とあまり接点ないみたいで。それに先輩体格もそこそこいいですよね?それで余計怖がらせちゃってるみたいで」

 どうしましょうか、なんて苦笑いで呆れる真姫。

「ふむ。....なぁ、小泉さん」

「...はい」

「君は...俺が怒ってると思う?」

「え?そ、それは....そのぶつかってしまいましたし、まして病院にも....」

 とそう言いながら軽く涙目になり、俯く花陽。

 それに神綺は顔を引き攣らせながらも、落ち着いて、花陽の頭をなでる。

「....えっ」

「大丈夫だ、俺は怒ってない。それに、君が怪我していないのなら俺はそれでいい」

「ほら、言ったでしょう?斉藤先輩はこういう人よ」

 と呆れたように言う真姫。しかし神綺は少し気に食わなかった。

「なんだ、その言い方は。俺が変人みたいじゃないか」

「実際そうでしょう?やられた方なのにやった方を心配するなんて、どうかしてるわ」

 はぁ、と溜息をつく真姫に軽く苛立ちを覚え、なにか仕返ししてやろうと口を開きかけると真姫が先に

「さ、先輩は気が済んだでしょう?」

「なに?」

「後ろ見てください。後ろ」

「え?」 

 急になんだ、と言われた通り振り向くと、

「.......」

 遠くのテーブルからこちらをガン見している希がいた。

「早く行ってあげてくださいよ。東條先輩がこっち睨んでるから花陽が怯えてるってのもあるんですからね?」

「え?」

「さ、行った行った!」

「あ、ちょ」




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