ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 今回はファーストライブと言ったな。アレは嘘だ。





 ごめんなさい!自分も本当はファーストライブまで行く予定だったんです!でも...にこっちのことを考えたらできなくて...取り敢えず次話に伸びます!なので挿絵も次話です(泣)
 ですが!今日中にファーストライブを上げられるように尽力します!お待ちください!


ファーストライブ直前

「これで、新入生歓迎会を終わります」

 遂に穂乃果達μ'sのファーストライブ当日となった今日。神綺は絵里と一緒に生徒会の長として、新入生向けの新歓でマイクを握って壇上に立っていた。

 しかしそれも今の絵里の締めくくりの言葉で終わる。これで今日は一応解散だ。

 実際はこれから各部活もただでさえ少なくて貴重な新入部員を確保したい為に、放課後を使って勧誘を始める。

 今年の1年生は1クラス30人弱。いくら部活自体数えるほどとはいえ、30人全員が部活に入るとは限らないのだ。一人あたりの競争率は並ではない。

 そして今年は神綺も例外ではない。今まで神綺は部活に属してはいなかった。その為勧誘をしたことがない。されたことは男ということもあり、スポーツ系で抜擢されはしたが断っていた。

 だが今年は違う。今回は穂乃果達がいる。彼女達の為にも、チラシを配り、少しでも見に来てもらえるように行動に起こす。

 

 

 

 

 はずだった。少し前まではそう思っていた。

 神綺自身理解している。今自分が何をすべきか。しかし神綺はそれをするつもりは毛頭なかった。

 なぜなら無意味だから。

 

(穂乃果達は気がついているのか?それとも目を逸らしているだけ?俺の予想でいけば....ライブに人はこない)

 

 穂乃果達は言っていた。今までも何回か廊下ですれ違うたびに、友達などから見に行くと言われていると。

 だがそれは一部分しか発しられていない言葉を都合よく解釈しているに過ぎない。

 穂乃果達に言った彼女達の本心はこうだ。

 見に行くの言葉の前に、何もなければ、や。気が向いたら、がつく。つまり、優先順位は下なのだ。なにか他の用事がいかに小さくても、できればそっちを優先する。

 なんでそんなことを思うかだって?簡単だ。所詮、この学校内での穂乃果達への評価はその程度、ということ。

 今日の新歓まで、練習を初めて約1ヶ月。本格的な告知をし始めてからなら3週間あるかないか。

 そんな短期間で誰が本格的に応援しようなんて思う?男の間ではそうでもないが、女子の間では爆発的な人気を誇るスクールアイドル。いい例がA-RISEだ。たった3週間でA-RISEと同じレベルのパフォーマンスを見れると?素人同然でぽっと出の穂乃果達に心から応援できると?

本当に親密な関係を持っている友人であれば、心から応援するだろう。現に穂乃果と親しいらしい3人が率先的にライブを成功させようと行動をしてくれている。ハッキリ言って大助かりだ。なによりその3人の能力の高さに唖然とした記憶がある。

 しかし、それは少数だ。

 

 

 ただ何回かしゃべったから。同じクラスだったから知り合い、なんてレベルであれば....見に行くなんて言葉、社交辞令でしかないのだ。

 

 それがわかっているからこそ。俺は動く。全員を対象にして無理ならば、個を対象として動けばいい。一人でも、確実に来てもらえるように。

 

 

---------------------------

 

 

 そうして訪れたのは隣のクラス。勿論3年だ。狙いは....

「よ、久しぶりだな」

「さ、斉藤....どうしたの?」

 矢澤にこだ。

 あからさまに会いたくなかった奴に出くわした、みたいな顔をされ若干顔を引き攣らせる神綺だったが、咳払いをして誤魔化す。

「これから時間あるか?話したいことがある」

「話?....まぁ、いいわ。ついてきて」

 チラッと自分のつけている腕時計で時間を確認したにこは、一瞬考える素振りをするも、なんとか了承してもらえ、ホッとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さ、入って」

「お邪魔します」

 そうして案内されたのは、高1以来となるアイドル研究部の部室。あの頃はまだ駆け出しでいかにも使い始めたばかりです、みたいな小汚さと何もない虚しさがあったが、今の部室は一新され、棚にはアイドルグッズが大量に置かれ、壁にはポスターやタオル、タペストリーといったものまで飾られていた。...なんというか、進化しすぎている気がする。

「....変わったでしょ?」

「え?あ、あぁ。驚きだ」

「この2年間、色々あったから....はい、お茶」

「ありがとう。...悪いな」

「いいのよ。あんたには色々思うところはあるし、それにどうせ話って今日のライブのことでしょ?」

「察しがいいな。その通りだ」

 やっぱりね、なんてため息をつきながらお茶を啜るにこ。

「安心しなさい。見に行くわよ」

「助かる。....今回のライブはお前にとってもいい刺激になると思う」

「刺激?」

「あぁ。....俺としてはこれを気に、またスクールアイドルをして欲しいと思うんだが?」 

 そう言うとにこは血相を変えて神綺に突っかかる。

「絶対にごめんよ!...私にまたあの辛さを味わえっていうの!?」

 恐らくにこの言う辛さは、またメンバーがいなくなって寂しい思いをすることが嫌なのだろう。だが、神綺はそれが気に入らない。

「どうしてまた同じ過ちをする前提なんだ。あの時俺が言った言葉を忘れたのか?」

「え?」

 神綺があの時に言った言葉。それを思い出そうとした瞬間。待ってましたと言わんばかりにスゥっとすんなり頭に浮かんできた。

『今回のことを踏まえた上でまたアイドルを目指すのも悪くはないとは俺は思うぞ』

「っ」

 思い出したその言葉ににこは目を見開く。

「思い出したか?...お前は、もう一度、ステージに立ちたいとは思わないのか?」

「立ちたいわよ!?私はアイドルに憧れてここまで来たんですもの!そんな簡単に諦められるものじゃ無いわ!」

 と偽りのない本心をさらけ出す。しかし2年も表に出さずに仕舞っておいた気持ちはダムが崩壊するように一気に流れだす。

「あんたにはもうやらないなんて言ったけど!それでも影では何度か復帰しようと練習を再開したりもした!でも....でも後一歩が踏み出せないのよ!わかる!?」

「わかりたくない...と言いたいところだが痛いほどわかる。引っかかるんだろう?退部届を突き出された時の彼女達の目が」

「っ そうよ!その通りよ!?私にまたあのようなことが起こるかと思うと足が竦むわ!」

 そう言うにこの唇は震え、今にも神綺に殴りかかりそうな程の形相をしていた。

 それに神綺は一度目をつむり、自身の気持ちを落ち着ける。そして、

「....大丈夫だ」

「なにがよ!?」

「もう....あの時のようにはならない」

「はぁ!?何言って「今は俺がいる」っ....だからなによ」

 にこは怪訝な顔をするが続ける。これ以上にこの顔は見ていられない。自分からこの話題を振ったとはいえ、これは言わなくてはならない本心だ。

「お前もだが....俺もあの時とは違う。俺は....前を向いて歩き始めた」

「どういう意味よ...」

「矢澤には言ったか?俺がトラウマ持ちだったと」

「それは....いや、待って。だった?」

 にこは眉をひそめる。話題が逸れた為に少し冷静さを取り戻したにこ。だからこそ引っかかった、神綺の過去形の言い方に。

「あぁ。俺は....数週間前まで後ろを向いて立ち止まっていた」

「...だからどういう意味よ。全く話が見えないわ」

「俺は....前世の記憶を持っている」

 神綺は打ち明ける。これがどんなに馬鹿げていて、愚かな行為だとしても。これは....間違えなんかじゃないと直感でわかる。海未に説得したように、自分の気持ちに素直になること、それが一番だと神綺は確信していた。

「はぁ?今度は前世ですってぇ?オカルトとかには興味ないんだけど?」

「茶化さないでこれ。これは至って...真面目な話だ」

「...無理があるわよ」

「それでも今俺がここにいる。それが証拠だ。....俺は、アイドルをしていた」

 アイドル。その言葉ににこは神綺の胸ぐらをつかむ。

「なんですって!?嘘も程々にしておきなさいよ!?.....あたしはあんたのことを過大評価してたみたいね。出てって!」

「拒否する」

「冗談じゃないわよ!これ以上アイドルを侮辱しないで!」 

 きた。神綺はこの言葉を待っていた。

「侮辱をしているのはどっちだ!」

「っ。....なによ」

 神綺の叫びに近い声ににこは怯む。それに神綺は男、それなりに威圧感もある。

「俺のことをどう言ったっていい。実際俺は途中で折れてアイドルを辞めた身だ。....だが、矢澤。お前は人のことを言えるのか?たった一度の挫折で怖気づいて、目を背け、アイドルとは何たるかを理解しているくせに、逃げたお前を!」

「逃げてないわよ!」

「いいや逃げてるな。間違いは誰にだってある。それこそ度合いはあるにしろ、抜けた奴らに謝って普通のアイドル研究会としてアイドルについて談笑することだって可能だったはずだ!」

「っ」

 そう。可能ではあったのだ。にこが謝り、彼女達のことを見つめ直せば。だがそれをせずに、目を背けて現状維持という最悪な形でこの2年間を過ごしてきた。

「確かに可能ではあるが厳しいだろう。だが、その道をとったほうがお前にとっては明るい学園生活ができたんじゃないのか?」

「できるんなら....そうしてたわよ。.....でも私には....」

 泣きながらしゃくるにこ。そして徐々に神綺の胸ぐらをつかむ手の力は弱まっていく。

 そして手が離れようとした時、神綺はにこの手を握った。

「....なによ」

「まだ、間に合う」

「...え?」

「今。2年経った今、これほどにないチャンスができた。」

「は?何言って...」

「スクールアイドルだ。俺が手がけた、最高の」

「...そうよ!なんであんたは関わってるのよ!トラウマは!?私の時は何だったのよ!」

「だから言っただろう?数週間前まで後ろを向いて立ち止まっていた、と」

「......」

「俺は歩き出した。形はどうであれ、俺は今、前を向いている」

 そして握っていた手を離して立ち上がる。そして、

「彼女達。穂乃果達、新星のスクールアイドルのおかげで」

「...え?」

「彼女達が俺に手を差し伸べてくれた。いつまでも立ち止まっていてはダメだ、ってね」

「......」

「彼女達には人を変えるだけの力が、雰囲気が、魅力がある。お前もそれを感じて...諦めかけていた夢を追い直してみたらいいんじゃないか?まだ.....完全に終わったわけじゃない」

 そう言い神綺はにこに手を差し出す。

「一緒に進もうじゃないか。一度挫折した同士、彼女達の元で」

 一緒に進もう。その言葉ににこは一度止まったはずの涙がまた溢れだす。

「えっ お、おい...泣くなよ」

 だが神綺の言葉はにこには聞こえていない。それよりもにこは自分の思考に沈んでいた。

 

 

-side にこ-

 

 

 今までずっとそうだった。いつも自分より先にいるか、自分が引っ張って後ろに誰かがいるか。妹や弟しかいない、ということもあり、自分はいつも表立って行動していた。妹達に悲しい思いをさせない為に。だけど、その延長線で学校でそれをやった結果。周りに人はいなくなっていた。見放され、完全なるひとりぼっちとなり、何ヶ月も授業が終われば一人でこの部室に来て途方に暮れる。勿論、話しかけてくれる人も居なければ自分から話しかけることもなかった。

 

 ....でも今斉藤は言った。一緒に進もうと、対等に、隣に立って、並んで進もうと。さっきまで怒りが渦巻いていた自分が、今は嘘のように穏やかでそれで暖かい感じがする。

 今ならなんとなく、感じる。この男がいれば、斉藤がいれば...自分が間違っても道を正してくれるんじゃないか、と。

 

 

 

 そう結論つけると、にこは笑いながら、神綺の手を取った。

「ちょっとかっこ悪いんじゃない?一緒にとか言っておきながらあの子達を頼るなんて」

「う、うるさい。俺だってそんなことはわかっている。だが....俺はスクールアイドルじゃない。彼女達の方が、お前を変えてくれる。そう、信じている」

「なにそれ、完全に他力本願じゃない。情けないわね、それでも男でしょ?」

 そう思わず笑ってしまうにこ。しかし対して神綺は複雑な顔で拗ねる。

「なんだよ。こっちはでっかい賭けしたんだぞ?そりゃねぇよ....」

「賭け?」

 そんなものあったか?なんてことを考えていると、

「...前世の記憶。あれは本当だ」

「なっ!?」

 ここまで来てもそれを言うか、と呆れるが、神綺の目を見てその呆れは霧散する。あれは嘘をついている人間の目ではない。

「...もし、お前がスクールアイドルに入ることに、μ'sに入る気がアレば俺はそのことについて話そうと思う」

「ち、ちょっと待って!それじゃなに?あの子達はアイドルから教わってるとでも?」

「そうだ。これでも俺は人気アイドルグループの一人だった。経験もあるし、知識もある」

 これにはにこも絶句してしまう。

「ま、これは秘密で頼む。そう知られていいものではない」

「べ、別に口外するつもりはないわよ...それって、あの子達は知ってるの?」

「あぁ。話した結果、前に進もうと手を差し伸べられたんだ。だから俺はここにいる」

 もうなにがどうなっているのやら、といった感じである。ごちゃごちゃだ。

「...もういいわ。わかった、信じるわよ」

「本当か?」

「こんなんで嘘言わないわよ....私もその手の小説を読んだこともあるからある程度はわかるけど...実際に起こるなんて微塵も思ってなかったわ」

 世界は広い。

「そうか....」

「てことではあれでしょ?あんた前世の性別は知らないけど、精神年齢オッサンでしょ?悪趣味ね」

「あ、悪趣味!?」

 そう言われたのは初めてなのだろう。目に見えて神綺は動揺する。

「だって、そうでしょう?外見はそこそこ良くてムカつくけど、オッサンが元女子高に入り浸って、それに部室で私と二人っきり...はっ 私って狙われてる?きゃ~」

 なんてワザと自分のペースを取り戻そうと必死になる自分。偶にこんな自分が嫌になる。

「....はぁ。いいからその芝居やめろ。鳥肌が立つ」

「なによ!?」

 だが少しは反応を見せて欲しかった気もする。

「取り敢えず、そろそろライブだ。....来てくれるんだろ?矢澤」

 そう言いながら席を立つ神綺。

 それに釣られるようににこも席を立つ。

「えぇ。あんなに言われたら行かないわけ行かないじゃない。...それに、自分と何が違うのか、斉藤がどれほどの腕前なのかをキッチリテストしないとね?」

「はは、テストか。まぁ、いいだろう。これでもあいつらは素人からのスタートだ。お手柔らかに頼むよ、矢澤」

 そして神綺が部室のドアノブに手をやった時、

「待ちなさい、斉藤」

「なんだ?」

「私はにこよ。そう呼びなさい」

「は?」

「その代わり私は神綺と呼ばせてもらうわ」

「...はぁ。まぁ、いいさ。それより行くぞ、遅れる」




 閲覧有難うございます。


余談ですが、9時半からのラブライブ!の映画三回目見てきました。そしてポスターとシリアルを入手...したのですが。ことりちゃんでした。


....スクフェスが絡むと大体コトリちゃんが出るんです。URもことりちゃんだけ3枚ありますし。だから私思うんです。ことりちゃんに好かれてるんじゃないかって(錯乱)

 俺は海未ちゃんとのんたんが好きなんじゃ!


 あっ いや、ことりちゃんも好きだけどね!?
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