ラブライブ! -彼はどう変わる?-【リメイク】   作:レイヴェル

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 どうも、レイヴェルです。

 念願のファーストライブです。
 今までもこれからも、100間近でファーストライブをする人は現れないでしょう(笑)


 そして閲覧前に注意をば、今回の挿絵は宣言通り載せはしましたが、挿絵を見る場合は自己責任でお願いします。特にグロいだとか暴力的だとかではないのですが、クオリティがあれでして....バランスが悪いやつをみたくないという方は非表示で閲覧して頂けると幸いです。


 それでは、長くなりましたが、どうぞ。


ファーストライブ!【挿絵あり】

「ねぇ、神綺」

「ん?」

 アイドル研究部の部室を後にした二人は廊下を歩いて講堂を目指す。そしてにこがチラッと教室の扉に取り付けられている窓から見える教室内の時計を見て口を開く。

「ライブっで確か16時からよね」

「そうだな」

「私の目がおかしくなければまだ1時間は余裕ある気がするのだけれど?」

 そう、今の時刻はもう少しで15時になるというところ。

「ライブ前に彼女達の所に顔を出すのさ。リハーサルとかもやるだろ?」

「なるほどね。....なら私は講堂の席で待ってるわ」

「なに?裏には顔を出さないのか?」

「そしたら彼女達緊張するでしょうが、端っこの目立たない所で本でも読んでるわ」

「そうか、わかった」

 

 

 

 

-------------------

「お疲れ様」

「あ、副会長!お疲れ様です」

 講堂へ顔を出すと、穂乃果の友達の一人、確かヒデコだったか。彼女がいた。

「チラシ配りは終わりました。後は照明などの調整だけです」

「了解した。穂乃果達は?」

「今控室でミカと一緒に着替えてる頃だと思います」

「わかった」

 となれば後は控室に行くだけ。どうしても伝えなければならないことがある。

「それはそうと...こちらの方は?」

 とヒデコがにこを見ながらそう言う。

「彼女は矢澤にこ、観客だ」

「え!?」

「どうも。....ま、まだまだ時間はあるし適当に座らせてもらうわ」

 と素っ気なく話を終わらせるとにこは当初言っていた通り、端っこの方に向かい、腰掛けた。

「すごいですね、先輩...」

「なにがだ?」

「あの矢澤先輩をお連れになるとは.....」

「なにかあるのか?あいつに」

「ちょっとした噂ですけどね。....なんでも他者を寄せ付けずに、いつも一人で無口だとか。近づきにくくて話しかける人もいないって私達下級生の中でも結構有名なんですよ」

「そうなのか」

 それがにこに対する第三者からの印象。いくら彼女自身がその道を選んだとはいえ、あまりにも寂しすぎる。

「ま、高1の頃にあいつと少し接点があってな。俺も呼びこもうと考えた時に思いついたのがあいつだったんだ」

「そうだったんですか....あ!こうしちゃいられない!音響室行ってきます!」

「行ってらっしゃい」

 とハッと思い出したヒデコは駆け足で音響室へ通ずる階段を登っていった。

「それじゃ、俺も控室の方へ行きますかね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここに通い始めて2年と少し、集会でここを使うことも少なくなく、生徒会として壇上に立つこともあった。それにより講堂の裏、つまり控室になるような部屋なんかも頭に入っている。その為、節電のためか照明が非常灯しかついていない廊下でも、迷わず進むことができた。そして扉は閉まっているが、他と違い唯一扉と壁のちょっとした隙間から光が漏れている部屋を見つけた。おそらくここを控室としているのだろう。

 そうして神綺はノックをした。

 

コンコン

 

『あ、ヒデコ?今3人共着替え終わったところだよ!でもノックなんて珍しい....』

 中から帰ってくる声。恐らくミカだろう。どうやら来たのはヒデコだと勘違いをしているらしい。

「3年の斉藤神綺だ。入ってもいいか?」

『え?ふ、副会長!?どっ どうぞ!』

 と動揺はしているものの、OKはでたのでドアノブを引く。

「失礼するよ」

「どうしたんですか?というかよくここがわかりましたね...廊下も暗いのに」

「集会とかで俺や絵里もここ使うからな。構造は頭に入っている」

「なるほど」 

「ねぇ先輩!」

 とやっと納得して落ち着いたミカの後ろから穂乃果が顔を出した。

「ん?」

「じゃ~ん!どうですか?これ」

 とクルクルとその場で数回転する穂乃果。昨日ことりに見せてもらった衣装が余程気に入っているのか、目を輝かせている。

「似合ってるぞ。これならアイドルと言える」

「本当ですか!」

 やったねことりちゃん!なんて言いながらことりとハイタッチをする穂乃果。

「ことりも似合ってるな」

 ハイタッチをする穂乃果につられてことりの方を見ると、穂乃果のピンクを基調とした衣装とは違い、ライトグリーンを基調とした衣装を着ていた。

「えへへ....嬉しいです。ありがとうございます」

 しかし....制服とは違い、腰や足といったラインがよりくっきりと見えるせいか少し目のやり場に困ってしまう。

 と目をそらした時、なにかが足りないことに気がつく。

「ん?......そうだ、海未はどこだ?」

 先ほどミカは全員着替え終わったと言っていた。なのに今この場に海未はいない。トイレに行くにしても、裏にはないので表まで出てこなくてはならない。しかし、自分とすれ違っていないということはその線はなくなる。

「あぁ、海未ちゃんならそこに」

 とことりが苦笑いで指差す場所は、

「...中にいるのか」

「はい...」

 控室となっているこの部屋の一角にカーテンで仕切られた空間がある。その中に海未がいるとのこと。

「おい、海未。なにしてんだ、着替え終わってるんだろ?出てこい」

 なぜ中にずっといるのかは知らないが、出てきて欲しい。やっぱり揃った衣装を着ている3人を見たいから。

「で、ですが....」

「いいじゃん海未ちゃん!ほら!」

 と渋る海未にしびれを切らした穂乃果がカーテンを豪快に開けて中から海未を引っ張りだす。

「ほ、穂乃果!?」

「海未ちゃんだって可愛いんだから恥ずかしがること無いじゃん!」

「だ、駄目です!恥ずかしいです!?特に斉藤先輩がいるんですよ!?」

「え、俺?」

 特にと強調されて少し顔がひきつったのは秘密。

 と言い合いながらも出てきた海未はアイスブルーを基調とした衣装.....とプラスでジャージのズボンを履いていた。.....え。

「なんで....ズボン履いてるんだ?」

「い、いえ...こ、これなら大丈夫だと思うので、あはは...」

「何言ってるのさ海未ちゃん!」

「あ、あぁ!?」

 と穂乃果は迷いなく海未の履くズボンを脱がそうとする穂乃果。....男の俺がいる前でそれはどうなのだろうか。と呆れながら神綺は後ろを向いてため息をつく。

「馬鹿やってないで早く準備しろ....リハーサルだってあるんだ。いつまでもここで油売ってるわけにはいかないだろう」

「しかし!」

 それでも引かない海未に誰にも見られない角度を向いて軽くニヤつきながら神綺は言う。

「諦めろ。こうなったら穂乃果はてこでも動かない」

「私だってうごか...っ」

 海未も理解したのだろう。この言葉は....昨日海未から神綺に向けられて言われた言葉だ。

 そして海未が何を言うとしたかもわかる為、

「観客の迷惑になってもか?ずっと.....ここで言い合ってライブ時間が遅れたらどうする?」

 してやったり、仕返し完了。

「....わかりました。覚えておいてくださいよ?斉藤先輩」

「はて、なんのことやら」

「....後でお話があります。斉藤先輩」

「ほぅ、話とな。ライブ成功のお礼か?」

「っ 茶化さないでください!」

「はいはい、そこまで。副会長の言うとおり、時間もないし行こうよ」

 とヒートアップする海未を宥めながらも的確に提案ミカ。中々あなどれない。

「っと...そうだ。待ってくれ穂乃果達」

「「「??」」」

「....なら私は先に行って用意してますね」

「助かる」

 本当に彼女は何者だろうか、場の読みから何やらまで頭がよく回る。しかし、本当に助かる。

「ライブ前にお前達に言っておかなきゃならないことがある。俺がここに来たのもこれを言っておきたかったからだ」

 それを聞いて息を呑む3人。そして一息開けて、

「俺の初ライブ。その観客は.....2人だった」

「え?」

「2人...?」

「そうだ。恐らくお前達はライブが始まる頃には人が一杯いる観客席を想像していると厄介だからな、その鼻を折りに来たんだ」

「なっ」

「それと、保険のようなものだ。....よく聞いてくれ。俺は最終的には大人気とまで言われたグループにまで成長した。だが、それでも下積みは絶対にあるんだ。要はスタートはいまいちでも、そこからの努力次第で道は無限大に広がる、ということ」

「「「.....」」」

「だから....もし観客が少なくても、決して諦めないでくれ。たった1人でも、来てくれればその人は立派な観客には代わりはないんだ。観客が少ないから、自分達が想像していた人数より少ないから、だから全力をださない。なんてことは絶対にやめてくれ。もしそうする、そうしたのなら.....俺はコーチを降りる」

「「「っ」」」

「それぐらいの覚悟でライブに望んでくれ」

「....わかりました」

「勿論です!穂乃果はいつだって全力です!」

「精一杯頑張ります!」

「...よろしく頼む。これだけは絶対に言っておきたかったんだ」

 それじゃ、と残して神綺は控室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

--------------------

「あら、もういいの?」

「後はあいつら自身の問題だ。裏方の俺はもう終わりさ」

「あっそ。....後10分だって言うのに誰もいないじゃない。どうするのよ」

 控室から講堂の表へ戻ってきた神綺を見つけたにこは読書を中断して神綺の方へと近づいてくる。

「いいんだ。お前がいる」

「....なにそれ、口説いてるみたいで鳥肌立つんだけど」

「....とにかく、一人でも観客がいるんだ。俺にも考えがないわけじゃない」

「ふーん。.....ほんと、神綺といると調子狂うわ」

「どうした急に」

「なんでも先を読んでるようで、見透かされているようで、考えるのがバカらしくなってくるわ」

「あらゆる可能性を考え、今起こりうるであろうモノを可能性と照らしあわせて行動しろ。恩師の言葉だ」

「恩師ねぇ...それでも私なら出来ないと思うけど」

「俺だって初めは苦労したさ....ま、経験さ。お前も言ってただろ?俺の中身はオッサンだ。お前とは生きている時間が違う」

「本当に年寄り臭い事言うわね。ま、そのとおりか」

 とこの話題に興味を無くしたのか、講堂の出口の方へ向かうにこ。

「帰るのか?」

「そんなわけないじゃない。私は言ったことを放棄するほど無責任じゃないわ。ただ、後ろからの方が全体をしっかり見れるじゃない」

「なるほどな。....それじゃ俺もそうするか」

 とにこの後ろをついていく神綺。それににこは振り返り、

「....本当に私の事狙ってるんじゃないでしょうね」

「自分からそんなこと言ってるやつを好きになることはねぇよ。俺もコーチだ。お前の言ってることは理にかなってると思う、だから真似をするだけだ」

「....釣れないわね」

 神綺が動揺もなにも反応しないことが不満なのかそんな言葉を残してまた階段を登り始めた。

 

 

--------------------------

 

 

 

 俺ができることは全て手を打った。後は彼女達がどこまでめげずに突き進むことができるか。

 幸いここにはにこがいる。少しならにこ自身からなにか喝を入れてくれるだろう。

 

「時間まで、5,4,3,2,1,0」

 と腕時計を見ながら神綺は呟く。そして、時刻になると同時に深呼吸をし、神綺も最悪の状態を覚悟してブザーと共に開き始めた幕を睨む。

 

 

 

 

-side 穂乃果-

 やっとここまで来たんだ。何度も挫けそうになったけど、海未ちゃん達のおかげで...斉藤先輩のおかげでステージに立つことが出来た。後やることは....ライブを最後までやり遂げること!

 

ブーーーーーー

 遂にこの時が来た。お客さんの為に、私達は歌う!

 

 しかし、現実は観客0。いや、軽く見渡せば壁の所に斉藤先輩と矢澤先輩が並んで立っていた。

 

 

 .....わかってた。別に目を背けていたわけじゃない。斉藤先輩にも言われたこともしっかり理解している。でも......実際その現実を目の当たりにすると、心臓を掴まれたかのように胸が痛くなる。

 海未ちゃん達も同じなのか、ただ言葉が出ずに固まっている。

 すると、

「ごめん....頑張ったんだけど....」

 と申し訳無さそうな顔をしたフミコが舞台したから私達の様子を伺っていた。

「穂乃果ちゃん....」

 今だ状況を完全に直視できていない自分を泣きそうな顔で呼んでくることりちゃん。

「穂乃果....」

 ことりちゃんと同じように心配そうな顔で自分を見る海未ちゃん。

 ....駄目だな、私。さっき一緒に頑張ろうと思ったのにこれだよ。

 ....また、やっちゃったなぁ。起こってからじゃないとわからない私の悪い癖。

 私が二人を無理やり引っ張って、進んで....結果がこの始末。何度目だろう....二人に迷惑が掛かっちゃってるの。私のわがままのせいで....

「...ふふふっ そりゃそうだ....世の中はそんなに甘くない!.....ごめん、二人共....」

「「っ」」

 と俯いた時、

「「いい加減にしろ!(しなさいよ!)」」

 二人の男女の言葉が講堂に響いた。

 

 

-side out-

 

 

-------------------------

「世の中そんなに甘くない!」

 と無理やり笑顔を作って自分の溜め込んでいるのを表に出さないように我慢している顔をする穂乃果。

「....どうするのよ。これ」

 

【挿絵表示】

 

「どうするもなにもない。やることはひとつだ、手伝ってくれるか?」

 特に打ち合わせをしているわけでもない。だが、アイドルを志し、進んだ二人だからこそ、これからしなければならないことが頭に浮かんできた。

「まぁ、いいわ。癪だけど...ライブも見ないで終わるのは...ごめんだわ」

 とにこはやれやれと言いながら深呼吸をしてタイミングを伺う。

 そして神綺はアイコンタクトをしながら双方で頷き、

「「いい加減にしろ!(しなさいよ!)」」

 同時に叫んだ。

「「「っ」」」

 それに驚いた穂乃果達は目を見開いて神綺達を見る。

「いつまで待たせるのよ!ブザーなってから何秒経ってると思ってるの?やる気はあるのかしら?」

「っでも!」

「観客がいないからライブはできないなんて言うつもりじゃないでしょうね!」

「っ」

「観客ならここにいるわよ!私が!」

 その言葉に穂乃果は思い出す。先ほどの神綺の言葉を、

『もし観客が少なくても、決して諦めないでくれ。たった1人でも、来てくれればその人は立派な観客には代わりはないんだ』

「っ」

 聞いた直後はなにを当たり前なことを、とも思った。でも、確かに穂乃果はその当たり前なことができていなかった。

「それにお前らはライブというものを勘違いしているようだな!」

 とにこに続くように穂乃果達を睨みながら神綺は口を開いた。

「勘違い...」

「そうだ。ライブというのは、観客に見せるだけのものじゃない。今までお世話になったコーチ達に、これが今の自分達の全力です。集大成です。と披露する場でもあるんだ。そしてそんな俺がいるのに....ここでライブもせずに立ち止まる気か!?俺に手を差し伸べたお前達はこんなものだったのか!?」

「......」

 神綺の言葉に思うところがあるのだろう。穂乃果達は黙りこみ、俯く。

 それを見たにこが小声で、

「どうするのよ。やったはいいけどあの子達まだ駄目みたいよ。後ひと押しか何かしないといけないと思うんだけど?」

 と複雑そうな顔をする。だが、対して神綺は笑った。

「ふっ」

「な、なによ...」

「このライブ、成功だ」

「どういう意味よ...」

 と怪訝な顔をしながらも、神綺が向いている方向、つまり開きっぱなしになっている講堂の扉の方を見る。それと微かにだが、駆け足でテンポの早い足音が聞こえてくる。

 そして神綺は、

「...観客が、来た」

 と言うと同時に、肩で息をしている花陽が講堂の扉から顔を出した。

「あ、あれ....ライブは?...あれぇ...」

 と時間を過ぎているのになにも始まっていないことに困惑しながらチラシに表記された時間と今の時間を見比べる花陽。

「花陽ちゃん....」

 と先程までも弱々しい声ではなく、少し元気が戻ったような声で呟く穂乃果の声を神綺は聞き逃さなかった。

「穂乃果!どうだ!お前達が待ちわびた、純粋な応援をしてくれるファンが来てくれたぞ!それでもまだ、ライブはしないつもりか!」

「もう2分は経ってるんだけど?早くしなさいよね!」

 と予想外なことに、にこも助け舟を出してくれる。これで、穂乃果達も進んでくれるだろう。

 そう期待しながらステージを見ていると、穂乃果が一歩前に出た。

 .....勝った。

「やろう」

「「えっ...」」

「歌おう!全力でっ だってそうでしょう?その為にここまで頑張ってきたんだから!」

 そうだ。あの苦しい練習をムダにしない為にも、あの過ごした時間は決していらない時間じゃなかったと証明する為にも、進まなければならない。

「「...うん!(えぇ!)」」

 そうして、彼女達は一度止まった。だが....再度歩みだす。これが、彼女達の『START:DASH!!』になる。




 閲覧ありがとうございます。

....皆さん言いたいことは色々あるでしょう。まぁ....一つだけは謝らせてください。
 挿絵のクオリティがいまいちですみませんでした!なんか自分でもいつつけたかわからん白い線が神綺の制服についてますし...その他にもアレな部分は多いです。
 見苦しいようでしたら挿絵は消しますので感想なりなんなりでお申し付けください。
 

 ....今回のでわかったことがあります。これからの挿絵はできるだけ人数を抑えて描くことにします。人数を多くした結果がこれでして....後日に急遽書き足したにこだけがクオリティ段違いですし...^q^



そして遅くなりました。aimkutさん、青坂さん、VERTEXさん、夜霧さん。投票ありがとうございます。
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