無事カルムのニックネームがカルやんで決まると、サナはティエルノの方を向き、「はやくみんなのパートナーになるポケモンに会わせて♪」と可愛らしく催促すると、
「だよねえ!ぼくとトロバっちがポケモンと出会ったときの感動サナたちもあじわってねえ」
と、3つのモンスターボールを取り出した。実を言うと、俺達男組は博士からでは無くそれぞれ別口で既にパートナーをゲットしている為、吟味している彼らを微笑ましく見ていると、カルムはすっ……とケロマツの入ったボールを手に取った。
「選んだポケモンにニックネームをつける?」
とサナがカルムに尋ねると、首を横に振る。その様子を見て「ニックネームはつけないのね♪」と笑い、「じゃあたしのパートナーはフォッコちゃんね!」とフォッコの入ったボールを手に取った。
「わーあたしたちのコンビかわいすぎてどーしよー♪」
と言ってフォッコの入ったボールに頬擦りするサナを横目に「アタシはセレナ。よろしくねハリマロン」と優しくボールを撫でるセレナ。個性が出ているなぁ。なんて思いながら見ていると、
「ありがと!アナタのおかげでポケモントレーナーになれたわ」
とセレナが笑顔でティエルノにお礼を言った。そこに、「あのう……ぼくも預かってきたものがあるんです」とおずおずと言うトロバに視線が集まる。それに一瞬怯んだ様子を見せるも「いいかえればポケモンを深く理解するための大事なものです」と言葉を続け、サナ、セレナ、そしてカルムにポケモン図鑑を手渡した。
「あっ、あのですね……。いまお渡ししたポケモン図鑑は出会ったポケモンを自動的に記録していくハイテクな道具なんです。ちなみにポケモン博士はぼくたちがポケモンと旅をして図鑑を完成させることを期待なされています。いいかえれば博士からの大事なミッションです……きっと」
「もう!トロバっちはマジメマジメしすぎなんだから。あのねカルやん。これも受け取ってよ。博士からのてがみ、きみのママに渡してだって!」
長文で話したトロバにツッコミを入れつつ、手紙を手渡すティエルノ。それをカルムが受け取ったのを確認すると、
「よーし!博士に頼まれたおつかいも無事にすんだし、ぼくとトロバっちはポケモンを探すとするよ!」
「いこうトロバっち!」と言ってティエルノとトロバはハクダンの森の方角へと走り去った。
「それじゃあ、俺も行くわ」
遠ざかる二人の背中を見届けると、俺も席を立ち、机の下に置いていたリュックサックを背負い直すと、右手を挙げてカルム達に別れを告げる。「じゃーねー♪」と手を振るサナに苦笑しつつも、留守番を頼んでいたパートナーを回収する為に、一度家まで戻ることにした。