7番道路の橋でカルムに追いつくと、ちょうどそこでショボンヌ城のご主人が「おや、きみたち」と気づいて振り返った。
「もしかして、ポケモンのふえを借りてきてくれたのかい?」
カルムはその質問に頷いてカバンからポケモンのふえを取り出すと、手渡した。
「……うん!」
「だって、おじさんにしか吹けないんでしょ?」
「寝ぼけたカビゴンが襲ってくるかもしれないけど、ふえを吹いてもいいかね?」
カルムは俺とサナを振り返って見てくるので、「問題ないぞ」と答えれば、「お願いします」とショボンヌ城のご主人に頭を下げた。
「うん……。手になじむね。じゃあ、はじめるとするかね」
そう言ってショボンヌ城のご主人はポケモンのふえを吹き始めた。リコーダーのような穏やかな音色が響くなか、カビゴンの目がぱっちりと開き、カルムへと襲いかかった。
俺とサナはその場に居たショボンヌ城のご主人ともう一人の男性を連れてその場を離れ、カルムにカビゴンの対応を任せる。
カルムの繰り出したゲコガシラは起きたカビゴンへ向けて『でんこうせっか』で先制攻撃をする。が、カビゴンはその分厚い脂肪で逆にゲコガシラを弾き飛ばした。
「……っ!なら、『みずのはどう』!」
弾き飛ばされながらも宙で体勢を整えて着地をすると、間髪入れずに『みずのはどう』を放つ。
しかし、今度は『ドわすれ』しながら『まるくなる』カビゴン。これによってぼうぎょが一段階、特防に至っては二段階上がった。
しかし、諦めることなく『でんこうせっか』や『いあいぎり』でカビゴンと張り合うゲコガシラ。そして、隙をついたカルムが投げたモンスターボールにカビゴンが入った。
カチッ
「……!よしっ!」
見事にカビゴンを捕獲したカルムは、嬉しそうにガッツポーズを取っていた。
「すごーい!カビゴン、つかまえちゃったよ」
興奮したようにサナが褒めると、照れくさそうに頰を掻くカルム。
「くわっくあん!」
「!」
背後から聞こえてきた鳴き声に振り向けば、パルファム宮殿のご主人がそのパートナーのトリミアンと共にやってきていた。
「あっ……」
サナが不安気な声を漏らす中、ショボンヌ城のご主人とパルファム宮殿のご主人、二人の様子を見守っていると
「わたしはポケモンのふえを飾っておくことしかできない。だが、小さなころから吹いていたきみはいい音色を響かせる」
そう言って微笑むと、傍らのトリミアンに視線をやり「わたしのトリミアンもふえの音色が好きなようだ。もちろん、わたし自慢のトレビアン花火の次だがね」と言って笑う。
ショボンヌ城のご主人はどう反応すればいいのかわからず、愛想笑いのまま「あ、ああ……。そうだね」としか言えていなかった。
「ただ、昔の方がもっともっといい音色だったな。ふえは預けておくからもっともっと練習するといい」
そう言って立ち去るパルファム宮殿のご主人。その後ろ姿を見送りながら、サナは「いまのって仲直りのつもり?」と少し不満そうに呟いたのだった。
思ったよりイベントあるなあ。
これ、男主人公とサナ、いい感じなんじゃね?ここにオリ主ぶっ込んで甘酸っぱさ感じるシーンを台無しにする奴がいるのか……!?と思いながら3DS片手に書いてました。
はい、わたしが犯人です。