ポケットモンスター 影   作:瓶詰め蜂蜜

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第3話 パートナー

 サナ達と別れて家に戻ると、「ぶーい♡」と言う鳴き声と共に勢い良く何かが飛んできた。慌てて抱き留めると、「ぶいぶい♡」と俺の胸元に頭を擦り寄せてくる。

 

「あのなぁ……。いきなり飛びかかって来るのはあぶないだろ」

「ぶい〜?」

 

 注意しても「なんのこと〜?」と言わんばかりに惚ける、俺のパートナーに思わずため息が出そうになる。

 そう、このポケモン、イーブイが俺のパートナーである。

 元々は親戚のおっちゃんの家で見つかったたまごを、「うまれた子をシェードのパートナーにしたらどうだ?」と譲ってくれて、イーブイはそのたまごから生まれたのだ。かれこれ既に2年は一緒に暮らしており、今はスクールに行っている妹も嫉妬するレベルでの絆である。

 

「まあ、いいや。イーブイ、遂に俺達旅立ちのときが来たぞ」

「ぶいっ!?……いっぶい!」

 

 真剣な顔を作ってイーブイに呼びかけると、イーブイもキリッとした表情で返事をし、俺の手から離れると、「ぶいぶーい!」と勇ましく……勇ましく?声を上げた。

 

「旅の荷物も準備オッケーだし、早速行くぞ」

「ぶーい!」

 

 声を掛ければ、ぴょーいと俺の肩に飛び乗るイーブイ。背負ったリュックサックも足場にして、器用に乗っかっている。

 

「まったく……。おまえはいくつになっても甘えん坊だな」

「ぶい〜」

 

 顎を撫でつつそう言えば、蕩けた声で鳴くイーブイに苦笑しつつ、玄関の扉に手をかける。

 

「それじゃあ、行ってきます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 家を出てハクダンシティへ向かおうと歩いていると、ばったりとアサメタウンの方から来たカルムと遭遇した。

 

「よっ、カルム。さっきぶり。プラターヌ博士からの手紙は渡せたのか?」

「はい」

 

 こくりと頷くカルムに「それはよかった」と言いながら、一緒になってハクダンの森へと向かう。と、

 

「あ、カルやんにシェードくん」

 

 と、2番道路の草むらの前でサナとセレナに合流した。

 

「一緒にポケモンの捕まえ方教えてもらお!セレナのパパもママもすごーいトレーナーなの!」

 

 「だからポケモンの捕まえ方や勝負のこと詳しいんだって!」と言うサナに「うーん、パパやママがそうでもアタシには関係ないけど」と、少し複雑そうな表情を浮かべるセレナ。そして、まるでしょうがないかと言わんばかりに息を吐き「ちょっとみてて」と草むらに入ると、飛び出してきたホルビーに対してヤヤコマを繰り出した。

 

「ヤヤコマ、『たいあたり』」

「ぴぴぴっ!」

 

 セレナの指示にすぐさま反応して、ヤヤコマは勢いよく体をホルビーにぶつける。それにイラついたのか、ホルビーはヤヤコマを『にらみつける』。が、

 

「ポケモンは弱らせてからボールを投げたほうがいいわ」

 

 と言って、セレナはホルビーへ向けてモンスターボールをホルビーへと投げた。

 ボールの中へと吸い込まれるホルビー。地面に落ちたモンスターボールが3回ほど揺れ動くも「カチッ」とした音と共に動かなくなる。

 

「ほお、無事に捕まえたな」

 

 俺がそう言えば、ニコリと自慢げに微笑むセレナをよそに、「うわあポケモンがボールの中に!?」と大袈裟な反応をするサナ。それに対して「まあサナったら」とおかしそうに笑うセレナ。

 

「アナタのフォッコはなにに入ってるの?」

 

 とツッコミを入れられたサナは少し照れながら「あはは」と笑って誤魔化そうとしている。

 

「まったくサナは……。よし、モンスターボールは俺がやるよ。ほれ、持ってきな」

 

 ポケットの中に入れていた空のモンスターボールを10個ずつサナとカルムに手渡すと、

 

「モンスターボールだ♪これであたしポケモン捕まえられる?」

「この辺りのボールを投げれば捕まるわね」

 

 わくわくそわそわとした様子のセナに苦笑気味にセレナが伝えれば、「うん!あたしかわいいポケモンとであったらボールをどんどん投げておともだちになっちゃお♪」と嬉しそうに話した。

 そして、カルムへと向き直るとセレナは「野生のポケモンを捕まえても自分のポケモン育つの」

 

 「じゃがんばって」と言い残して、ハクダンの森へと向かうセレナを見送ると、カルムも「じゃあ」と言わんばかりに片手を挙げて、その後を追うように去っていくのだった。

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