「おーし、げんきになったなー」
「ぶーいっ♪」
ハクタイシティに到着した時には既に夕暮れ時で、ポケモンセンターに着くとイーブイの治療を頼みつつ、今晩の寝床を確保した。
そして、治療が終わったイーブイを抱き上げて晩飯を食べにまちへと繰り出す。
一応ポケモンセンターでもご飯を買えるっちゃあ買えるのだが、微妙なのだ。美味しくもなく不味くもない。量も中途半端でまだ入るけどおかわりは無理。……と言った感じで、あまり進んで食べたいとは思えないのだ。
「よーし、うまいもん食いにいくぞー!」
「ぶーい!」
抱きかかえていたイーブイはするりと抜け出していつものポジションにひしっ……と落ちないようにしがみつきながら高らかに鳴く。……さっきそこから落ちたばっかなのに、懲りないな、こいつ……。
翌朝。
イーブイとヤヤコマの分のポケモンフーズを出した後、洗顔と歯磨きを行っていると、窓の外に見覚えのある人物を見かけた。
丁度、ポケモンセンターに入っていくタイミングだった為、ぱっぱと支度を済ませると、センターの一階へと降りる。
「おはよう、セレナ」
「あら、おはようシェード。ポケセンに泊まっていたのね」
フレンドリィショップから出てきた所のセレナに声を掛けると、一瞬驚いた顔をした後、笑って挨拶を返してくれた。
「そういうセレナはどこに泊まってたんだ?」
「アタシはホテル。流石に雑魚寝はきびしいから」
「あー……」
眉を顰めながら言うセレナの言葉に納得していると、セレナは「そういえば……」と話し始めた。
「4番道路の入り口でポケモンルポライターのパンジーさんって人にきいたんだけど、カルムはもうハクダンジムを突破して、ミアレシティにむかったらしいわ」
「うわお、マジかそれ……」
セレナの言葉に驚いていると、セレナも「スゴイわよねえ」としみじみと頷いている。
「それじゃあ、セレナもジムに挑むのか?」
「ええ。そういうシェードは?」
「そうだなぁ……。俺も挑んでみようかな?いい記念になりそうだし」
そう言うとセレナは「もう、勝ち気は無いの?」と眉を顰める。それに慌てて、「勝つつもりではあるよ」と弁明をすれば、「それならいいけど……」とすんなり矛を収めてくれた。
「そういうセレナはもう挑むのか?」
「ええ。カルムには負けていられないからね」
そう言うと、「それじゃあ」とポケモンセンターを出て行くセレナを見送ると、俺は一度泊まっている部屋へ戻ることにした。
イーブイに留守番を頼んでいるとは言え、流石に集団で泊まっている部屋に荷物を長時間放置はしたくないので。