「ここは・・・テスラ研か・・・?」
「無事に戻ってこれたみたいだな、キョウスケ中尉。」
テスラ・ライヒ研究所での模擬戦の最中、突如発生した転移現象に巻き込まれたアルトアイゼン・リーゼとART‐1だったが、惑星エリアでのシーズンとの決戦後、仲間たちが発生させた転移現象によってテスラ・ライヒ研究所に舞い戻った。
「妙だな・・・サイバスターの姿が無い・・・。」
「マサキは元々俺達とは別の場所から惑星エリアに飛ばされたんだ、きっとアイツも元居た場所に戻ってるはずだぜ。」
キョウスケ・ナンブの言葉にリュウセイ・ダテは楽観的に答える。
「それだけじゃない、妙に静まり返っている・・・研究所内とも連絡が取れん。」
「確かに、ロブや他のスタッフが居たはずなんだが・・・どうなってるんだ?」
「熱源反応!?テスラ研内部からだ・・・!!」
そのときテスラ・ライヒ研究所から起動兵器部隊が現れる。紅い戦車のような機体と同型の緑色の機体が複数現れる。
「なんだあの機体は・・・ラーズアングリフやランドグリーズに似ているが・・・?」
現れたその部隊は部隊はいきなりアルトアイゼンに砲撃を開始した。
△
「ゲシュペンストmarkⅢ・・・シャドウミラー隊はやられてしまったのか!?」
紅い機体がアルトアイゼンに攻撃を仕掛ける少し前、テスラ研の内部で外の様子を伺いながら、紫の髪の女性パイロットが嘆く。
「・・・隣の機体はなんだ?エルアインスに似ている・・・Rシリーズなのか?」
緑色の機体に乗る男がART‐1をみて疑問に思う。
「よくわからねえな、なんでRシリーズの機体がSRXを破壊したベーオウルフと一緒に居るんだ?」
「・・・Rシリーズの方は仕掛けてこない限り相手にしなくていい、標的はベーオウルフだ!」
「ちょっと待てよセレイン、俺達だけでベーオウルフに仕掛けるってのかよ!?」
「シャドウミラー隊のアクセル隊長やレモン博士を失えば私たちマーチウィンドにも勝ち目はない。今の状況を正確に把握する必要がある、仕掛けるぞハミルトン!」
紅い機体、スヴァンヒルドをかる女性、セレイン・メナスはそう言ってアルトアイゼンに砲撃を仕掛けた。
▽
「最初から最大火力で叩きこむ!」
スヴァンヒルドはバルカンファランクスで牽制しながら120mm無反動砲を発射する。
「前に出過ぎだ、セレイン!スヴァンヒルドもシグルーンも砲撃戦用の機体なんだ、markⅢに接近されたらひとたまりもないぞ!」
スヴァンヒルドの量産機[シグルーン]のパイロット、ハミルトンがセレインに促すも、すでに手遅れだった。
アルトアイゼン・リーゼがスヴァンヒルドの砲撃を装甲板でそらしながら一気にスヴァンヒルドに距離を詰める。
「・・・速い!?」
「いきなり仕掛けてきたのはそちらの方だ・・・遠慮はしない!」
アルトは体当りで相手の態勢を崩したところに5連チェーンガンを撃ちこみながらプラズマホーンで斬りかかる。
「クッ!?」
スヴァンヒルドが咄嗟に実体剣[ヴァルキュアソード]でプラズマホーンを受け止めると、同型の緑色の量産機[シグルーン]がアルトを取り囲みミサイルランチャーを撃ち込んだ。
「・・・こっちは無視かよ?アルトだけを狙ってんのか!?」
ART‐1がアルトの背後に回り、念動フィールドで防御する。
「リュウセイ、助かる。・・・こいつ等が何者か知りたい、コックピットは避けてくれ。」
「妙な戦い方だと思ったらそう言う事かよ。任せな、ART‐1はアルトの武装ほど使いにくくねえからな!」
「相手もいい腕だ、油断するなよ!」
アルトアイゼン・リーゼとART‐1はスヴァンヒルドとシグルーン相手に向かって行く。
「HGリボルバー、乱れ撃つぜ!」
リュウセイはそう言いながらもシグルーンの四肢を狙って撃ち抜いていく。
「射撃は得意じゃないが・・・この距離、取ったぞ!」
アルトは再び左腕の5連チェーンガンを斉射しながら右腕でM16ショットガンを持ち斉射する。
「強すぎる・・・しかしなんだこの違和感は、これがベーオウルフなのか?」
「餓狼爪撃!」「閃剣斬!」
上空から50M級の二体の巨人が現れ、アルトアイゼンに襲い掛かる。キョウスケは咄嗟にその攻撃を躱す。
「ソウルゲインとヴァイサーガだと!?」
「アースゲインとヴァイローズ、ブラッドとカーツが来てくれたか・・・」
セレインが現れた味方機に反応する。
「セレイン、無事か!?」
「なかなか戻ってこないと思ったら、まさか悪名高きあの孤狼とやり合ってるとはな・・・」
アースゲインとヴァイローズの乗り手、ブラッド・スカイウィンドとカーツ・フォルネウスがセレインに話しかける。
「けど敵が二機だけならベーオウルフを仕留めるには絶好の機会だ!隣の見慣れねえ奴は任せるぜ、カーツ!」
「奴はアクセル・アルマーが仕留められなかった相手だ・・・油断は禁物だぞ、ブラッド!」
アースゲインとヴァイローズはそれぞれアルトアイゼンとART‐1に仕掛ける。
「行くぜベーオウルフ!狼同士の共食いだ、喰らいやがれ・・・狼牙!」
「拳と肘のブレードを中心とした格闘術、細部は異なるがやはりソウルゲインと同系統の機体・・・ならばこちらも読みやすい!」
アルトアイゼンは迫りくるアースゲインの拳を下から5連チェーンガンで弾く。そしてそのまま体当りでアースゲインの態勢を崩した。
「この距離、取ったぞ!」
アルトアイゼンがプラズマホーンでアークゲインに斬りかかり、アークゲインは腕のブレードでそれを受け止める。
「このサイズ差で押し負けてる!?なんつうパワーだよ!?」
ブラッドは自機の半分以下のサイズのアルトに押し切られ驚嘆した。
「羅刹刃!」
ヴァイローズがART‐1に連続蹴りを繰り出す。
「つま先の刃による高速の斬撃・・・ヴァイサーガとは違って剣じゃなくてこいつも格闘主体か?それもカッコいいが・・・!」
リュウセイはそんな感想を抱きながらヴァイローズと距離を取りながらブーステッドライフルを構える。
「明らかに遠距離は苦手だろ、ブーステッドライホウ!」
「こんなもので・・・!?」
カーツはヴァイローズの腕部を盾代わりに被弾しながら迫ってくる。
「腕は要らねえってのかよ?随分と無茶な戦い方しやがるぜ!・・・現時点で決めつけるのは危険だけどあのフォルム、ひょっとして蹴り技しかねえのか?」
リュウセイはそんな予想をしながら器用に戦い方を組み立てていく。
「アークゲインとヴァイローズがパーソナル・トルーパー相手に押されている・・・なんて奴らだ!?」
戦闘に割って入ることも出来ずに、ハミルトンがそんな感想を抱く。
「けどどうも様子がおかしい・・・戦闘スキルこそ圧倒的だが、話に聞いていたベーオウルフとは明らかに違う。」
戦闘に違和感を感じたセレイン・メナスはアルトアイゼンに通信を送る。
「・・・こちらはレジスタンス組織[マーチウィンド]所属、セレイン・メナス。・・・応答願います、キョウスケ・ナンブ大尉」
「(大尉だと?)・・・いきなり仕掛けてきた理由を聞かせてもらおうか?それにお前たちは何者だ?」
「(・・・意識がはっきりしている?)このテスラ・ライヒ研究所であなた方ベーオウルブズとシャドウミラー隊との戦闘があったと報告を受けています。」
「ベーオウルブズとシャドウミラー隊だと?まさかこのテスラ・ライヒ研究所は・・・」
▽▽
「・・・・平行世界・・・なるほどそう言う事ですか。シャドウミラー隊が・・・」
セレイン・メナスはキョウスケとリュウセイの話を聞いてそう頷く。
「おいおい、こんな話を信じるのかよ!?コイツはあの悪名高いベーオウルフなんだぞ!?分かってんのかセレイン!?」
シグルーンのパイロットの一人、ハミルトンが物申す。
「へへへ、随分と嫌われたもんだなキョウスケ中尉。」
「・・・・・。」
話を聞きながらリュウセイが少しからかうようにキョウスケに絡む。
「おまけにリュウセイ・ダテ少尉だと!?アンタはベーオウルフとの戦闘で死亡したはずだぞ!」
「なんだって!?やいキョウスケ中尉!よくも俺を殺してくれたな!?」
「とんだ冤罪だ・・・。」
リュウセイは打って変わって今度は食って掛かる。
「存在しないRシリーズに加え、このアルトアイゼンも資料のゲシュペンストmarkⅢと細部は異なる。更にはキョウスケ・ナンブ大尉とベーオウルフに殺害されたはずのリュウセイ・ダテ少尉がこうして一緒に行動しているとなると信じるほかない。」
ハミルトンの言葉やキョウスケやリュウセイのやり取りを意にも介さずセレインはそう述べる。
「にしても・・・アンタたちの機体はなんなんだ?ラーズアングリフやランドグリーズに似てるが、なんつうか簡素だな。」
「俺たちはシャドウミラーから回してもらった型落ちの機体を使ってるからな。シグルーンはヴァルキュリアシリーズのType28、セレインのスヴァンヒルドなんて更にその試作機にあたるType27だぜ。」
「型落ちか・・・だが悪くない機体だ。十分現役で通用するだろう。」
型落ち代表のような機体を駆るキョウスケがType30ランドグリーズの前身にあたる機体を見てそう述べる。
「って事は、こっちのアースゲインやヴァイローズもソウルゲインやヴァイサーガの元になった機体なのか?」
リュウセイは改めてアークゲインやヴァイローズを見つめながらそう口にする。
「お前ら俺たちの機体に興味あんのか?」
二機のパイロット、額に傷のある青年がキョウスケたちに話しかける。その後ろには不機嫌そうな顔をした男がキョウスケやリュウセイを睨んでいる。
「(なんだこいつ等・・・顔が怖え・・・!!?)」
その凶相にリュウセイは若干たじろいでいる。
「お前達がこの機体のパイロットなのか?」
「ああ、俺はブラッド・スカイウィンド。このアースゲインの操者だ。そんでこっちがヴァイローズの乗り手・・・」
「カーツ、カーツ・フォルネウスだ。」
カーツがキョウスケを睨みながら名乗る。
「貴様がベーオウルフか・・・悪名は聞いてる、敵味方問わず喰い潰す害獣だとな・・・。」
「害獣か・・・反政府勢力が言ってくれるな、だったらどうする?機体から降りている今のうちに始末するか?」
こちら側のベーオウルフと混同され、キョウスケがやや不機嫌そうに答える。
彼らがシャドウミラーの起こしたクーデターに同調していたレジスタンスであるならば、連邦と敵対する勢力という事になる。
「新連邦の犬が・・・舐めるのは主の指だけにしておけ!俺たちの武機覇拳流は起動兵器による最強の格闘術だ。貴様がmarkⅢに乗っていようとも遅れはとらん!始末されたいなら今すぐ機体に乗り込むがいい、狂った孤狼ごと破壊してやる!!」
カーツもまたキョウスケの態度に食って掛かる。
「待てよカーツ、さっきの話じゃこのキョウスケ・ナンブはベーオウルフとは別の同一人物らしいぜ?」
「意味が解らん、なんだ別の同一人物とは!?」
「別に理解しなくていい。こちらもテロリスト集団に関わるつもりは無い。」
「キョウスケ中尉も、ここは穏便に行こうぜ。マサキじゃねえけど、俺たちゃ言わば迷子なんだからよ。」
珍しくリュウセイが仲裁に入る。
「アースゲインとヴァイローズか、カッコいいぜ!」
「だろ?こいつ等こそ俺とカーツが技とともに師ヴィロー・スンダより受け継いだ人機一体の格闘術[武機覇拳流]の体現者だぜ!」
「この二機もシャドウミラーから?」
「ふざけるな!EG-XやVR-02などはこの二機の模造品に過ぎん!データこそ提供してやったが断じて後継機などではない!!」
キョウスケの言葉にまたしてもカーツが激昂する。
「落ち着いてカーツ。それであなた達はこれからどうするつもりです、キョウスケ大尉?」
「中尉だ。セレイン・メナスだったな、俺たちの事は他言しないでくれ・・・不必要にこちら側の世界に干渉するつもりは無いからな。」
「どうやらそうもいかないようです・・・。」
キョウスケの言葉にセレインが答えると上空に蜂のような形状の起動兵器が現れ、こちらの様子をうかがっている。
「エアロゲイターのバグス!?」
「あれは再編された新連邦軍が使用する[シース]と呼ばれる無人機です、機体に乗り込んだ方が良い。じきに新連邦の部隊が攻め込んでくるでしょう。」
セレイン達はそう言って再び戦闘配備に付いた。
▼
「シャドウミラー隊の姿はないようだが、ベーオウルブズによって撃退されたというわけではないんだな?」
シースから贈られた映像を見ながらテスラ研を包囲する部隊の若い指揮官が部下らしき銀髪の女性に尋ねる。
「はいエルリッヒ特尉、シャドウミラー隊はテスラ・ライヒ研究所のヘリオス・オリュンポス博士が開発していた次元転移装置を作動させこの地を去っただけです。もっとも、プランEFが成功したとは限りませんが。」
女性は上官であるエルリッヒ・シュターゼン一級特尉の質問にそう答える。
「平行世界への転移、にわかには信じがたいが・・・結果的にシャドウミラー隊はこの世界から消え去り、ゲシュペンストmarkⅢだけが残ったという訳か。キョウスケ・ナンブ大尉、友軍ではあるが・・・。」
エルリッヒは言いながら頭を抱える。
「ベーオウルブズの暴走は周知の事実。それに加えてレジスタンスと交戦後、接触を図っています。身柄を拘束、あるいは撃破する理由は十分なのでは?」
女は感情を出さずにそう提示する。
「技術畑のキミには解らんかもしれんが、ベーオウルフを取り押さえるとなると一筋縄では行かんぞ?なにせキョウスケ・ナンブ大尉は豹変する以前から凄腕のパイロットだったのだからな。」
「ですが不可能ではありません。何故ならあのmarkⅢは・・・いえ、何でもありません。」
女は言葉を止め、思案する。
(・・・アルトアイゼン・リーゼにART‐1、あの二機が何故こちら側の世界に?)
【ロボット紹介】
[スーパーロボット大戦64]
スヴァンヒルド
シグルーン
アークゲイン
ヴァイローズ
[新スーパーロボット大戦]
シース
【人物紹介】
[スーパーロボット大戦64]
セレイン・メナス
ハミルトン
ブラッド・スカイウィンド
カーツ・フォルネウス
エルリッヒ・シュターゼン