新スーパーロボット大戦OG64   作:舟太郎

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10話 BREAK OUT

 

■■■■■

 

 

「ヴィカジに続いてアギーハとシカログもやられちゃったね。」

 

防衛戦争末期、インスペクターの前線基地[スカルヘッド]でウェンドロ・ボルクェーデが呟く。

 

「・・・このままでは我々は全滅でしょうな。」

 

その兄であり、部下でもあるメキボス・ボルクェーデがそう返答する。

 

「まさか帝国観察軍の横槍が入るなんて・・・やはりここは手を引くしかないようだね。」

 

「損失ですね、これほど兵器開発に秀でた星をみすみすバルマーに奪われるのは。」

 

「そうとも限らないよ。バルマーは分っていない、この星に住んでいるのが人の形をした害虫でしかないという事を・・・連中も地球人に喰いつくされるだけさ。」

 

「だとすれば地球人はその後、宇宙全体を支配しようとするのでは?特にあの男は・・・」

 

メキボスはある男を思い出しながら不愉快そうに呟く。

 

「そうならないようにメカギルギルガンとアレの種を置いていく。この星は廃棄処分だ。さあ、別の星の監査をしに行こう。」

 

 

■■■■■

 

 

『それじゃあ今からツインザイルの最終テストを開始する。パット、ヘクトール、準備は良いか?』

 

地球連邦あらため、UCE極東方面軍伊豆基地の訓練所で、管制室からロバート・オオミヤが50M級の人型起動兵器にに通信を入れる。

 

「いつでもOKだ、博士。腕がなるぜ!」

 

「これをクリアすればようやくこの子も実践投入できるのね!」

 

副座式のコックピットの中でヘクトール・マディソンとパトリシア・ハックマンが答える。

NGC-01の後継機、ツインザイル。全身にエネルギー系の武装を内蔵した格闘タイプの特機である。

 

「けど最終テストって何をすりゃいいんだ?」

 

『これから現れる機体と対戦して、相手がお前たちの出来栄えに納得できれば合格だ。』

 

ロブがヘクトールの問いに答えると、ツインザイルの正面のリフトからこの世界における元祖スーパーロボット、超闘士グルンガストが現れる。

 

「グルンガスト!赤い機体色に龍型の頭部(ドラゴンヘッド)って事は、もしかしなくても今回の相手は・・・」

 

パトリシア・ハックマンが見覚えのある機体に動揺する。

 

「パット、ヘクトール、久しぶりだな二人とも!準備は出来ているな!」

 

「げっ!?アキラ教官!!?」

 

目の前に現れた赤いグルンガストに乗っていたのは、かつてのPTXチームの教官を務めた男、アキラ・カミヤだった。

 

「そのツインザイルを物にできればお前たち二人も晴れてスーパーロボット乗りの仲間入りだ。さっそく始めるぞ、グルンガストビーム!!」

 

「きゃあ!!?」

 

グルンガストの全身が発光し、指向性のビームとなってツインザイルを襲う。

 

「チェーンジ、ガストランダー、スイッチオン!!」

 

続けてグルンガストは重戦車形態ガストランダーに変形し、爆音を響かせ大地を駆ける

 

「ビィィッッグゥ、ミサァァイル!!」

 

「相変わらずいきなり仕掛けてくるわね・・・ヘクトール、迎撃お願い!!」

 

「わーってらい、根本的ショットガンランチャー!!」

 

ツインザイルの肩部のキャノン砲が稼働し、腕部に装着されると、そこから発射されたキャノンがガストランダーから発射された巨大なミサイルを打ち落とす。

 

「ドリルアターック!!!」

 

「なんのこれしき、論理的防御だ!!」

 

ツインザイルはガストランダーのドリルアタックを正面から受け止め、なんとか凌いだ。

 

「よくもやったわね・・・!今度はこっちの番よ、破壊的パーンチ!!」

 

ツインザイルは防御体勢から一転し、渾身の拳を繰り出す。

 

「チェーンジ、ウィンガスト!スイッチオン!」

 

ガストランダーは高速戦闘機ウィンガストに変形し急上昇、ツインザイルから距離を取り、その攻撃を回避する。

 

「チェーンジ、グルンガスト、スイッチオン!ブレイクゥゥ・クロォォス!!」

 

そして再びグルンガストに変形し、上空からツインザイルに向けて無数の手裏剣を発射する。

 

「回収式ザイルアロー、発射!!」

 

ツインザイルは全身の砲門から無数の光弾を発射し、それを迎撃する。

 

「今度こそ・・・自走式ローラーパーンチ!!」

 

ツインザイルはローラーダッシュで距離を詰め、それに対してグルンガストも拳を構える。

 

「必殺、ブースト、正拳突きィィ!!!」

 

両者の拳が重なると同時に、激しい衝撃音が周囲に鳴り響いた。

 

 

「あんな旧式に苦戦するとはどういうことだ、博士!!?ツインザイルでグルンガストを圧倒し、BM計画の新型特機としての拍を付ける手はずだっただろう!!」

 

伊豆基地司令、ケネス・ギャレット少将が模擬戦を見て怒鳴る。

出世欲の塊であるケネスは優秀な起動兵器を伊豆基地から輩出し、自分の成果とする事に執着している。

そのため新型機のツインザイルが比較的旧式のグルンガスト相手に圧倒出来ない事が不満だった。

 

「既に参式までが作られているとは言え、SRG-01グルンガストもスターロード博士が開発した傑作機、まだまだ現役です・・・。基本性で勝ったとしても、練度では教官とグルンガストには及びませんよ。」

 

かつてアキラ・カミヤと共にグルンガストの調整と立ち上げを行ったロバート・H・オオミヤがそう返答する。

 

「アキラ少佐には新型機に花を持たせるよう伝えてあるんだろうな!?」

 

「一応言ってありますが・・・あのアキラ教官ですし、かつての教え子相手に手を抜くようなことはしないかと・・・。」

 

「なぜ最終評価試験を少佐に任せた・・・なんだ!!?」

 

突如警報が鳴る。

 

「民間のシャトルから救難信号、敵生体に襲われているとのこと・・・!」

 

「敵生体だと?レーダーにはシャトル以外移っていないぞ!?」

 

ロバートがオペレーターの報告を聞き、疑問符を打つ。

 

「映像、出ます!!」

 

モニターにシャトルから映し出された映像が映し出される。そこには見た事もない怪物の群れが映っていた。

 

「なんだアレは!?鳥や飛行機・・・いや、深海の生物の様にも見えるが・・・明らかに攻撃用の器官が付いている?」

 

暗い色調の外殻の飛行物体が映し出される。背面には植物の根のような触手を生やしつつも、生物的な外観をしている。その本体の下部には鋭い刃や打突用の錘、更には明らかにキャノン砲をぶら下げた個体も確認できる。

 

「ふむ・・・最終試験は中止、ツインザイルは直ちに救援に迎え。」

 

映像を見た即座にケネスがそう告げる。

 

「馬鹿な・・・部隊を派遣せずにツインザイルだけを向かわせると言うんですか!!?」

 

「新型特機ならば単機で何とか出来て当然。未知の敵に対応すればこそ、BM計画の評価も上るというものだ!」

 

「しかし・・・!?」

 

「いいからさっさと行かせろ!これは命令だ!!」

 

ケネスはまくし立てるようにそう命令を下した。

 

 

△△△

 

 

少し前、一機の民間シャトルが大気圏を抜け、極東地区に飛来する。

 

「そろそろ日本だよ、スオル叔父さん。それにしてもうちの会社も軌道に乗ってきたんだから、いつまでもこんなオンボロシャトルを使わなくてもいいんじゃない?新しいの買おうよ。」

 

シャトルのブリッジで操縦士が宇宙貿易会社[コネクト]の団長であるスオル・ダグラスにそう愚痴を漏らす。

 

「贅沢を言うな、アイビス。地球圏の情勢は今だ混乱しているんだ、新品を買って壊れたら損失がデカすぎるだろう。このシャトルは使い潰すまで乗り続けるぞ。」

 

スオルは操縦士のアイビス・ダグラスにそう返す。平行世界では起動兵器のパイロットとしてリュウセイやキョウスケと共にインスペクター事件や修羅の乱を戦い抜いた女性である。そしてそれとは別の世界でもまた、オンボロシャトルの操縦士として非公認の運送業者を営んでいた。

この世界では親戚が経営する宇宙貿易会社で働いている。

 

「そうよアイビス、大気圏内外を行き来できる輸送機なんて民間で保持するのは大変なんだから。」

 

オペレーターのツグミ・タカクラが諭すようにアイビスに告げる。

 

「しかしスオル団長、アイビスの言う事ももっともですよ。この船で戦闘に巻き込まれればひとたまりもない。」

 

スタッフらしき青年がそう発言する。

 

「俺たちの今後の活動を考えればもっと足の速い輸送船が必要になってくるでしょう。例えばあのトレイラーシップのような・・・!!?」

 

青年が話していると突如、地上から謎の飛行生物の群れが向かってくる。

 

「馬鹿な、なぜ奴らが地球に・・・!?ツグミ、伊豆基地に向けて救難信号を出せ。」

 

スオルがツグミにそう指示を出す。

 

「了解・・・・今、映像を送りました!」

 

ツグミはシャトルからの映像を伊豆基地に転送する。

 

「奴らの狙いはおそらくはアレだろう、頼んだぞセイシロウ!」

 

「ええ、了解ですスオル団長。エグザードでミューカスを駆逐します!」

 

コネクト所属のパイロット、セイシロウ・クサナギはそう言って格納庫に向かった。

 

 

 

 

シャトルの周りを囲むように飛ぶ生物[ミューカス]の群れがスパーク状のビーム砲撃を浴びせる。

 

「くっ・・・このままじゃ・・・!?」

 

特徴的な突起をぶら下げた紫のミューカス[ネクトン・アサルト]が刃状の突起を前身に展開し、シャトルに突撃してくる。

しかし次の瞬間、シャトルから20M級の起動兵器が出撃し、日本刀の形状をした実体剣でそのミューカスを切り裂いた。

 

「CF-00エグザード、システムオールグリーン。ライコウブレードもいい仕上がりだ、これなら草薙流の技を存分に振るえる!」

 

セイシロウはミューカスの群れをエグザードの腕部から発射されるマルチランチャーで牽制しながらライコウブレードで切り裂いていく。

ミューカスは標的を変更し、エグザードに群がってくる。

 

「よし、いいぞ付いて来い!」

 

エグザードは加速し追従するミューカスと距離を取ると、機体を翻し群れに向けてウェーバーガンを斉射する。

 

「数が多すぎるな・・・まさかミューカスゲートが日本のどこかににあるのか?」

 

『セイシロウさん、いま伊豆基地から救援が出動したわ!それまで何とか持ちこたえて・・・!』

 

ツグミからエグザードに通信が入る。

 

「こちらも伊豆に向かいながら戦えば早く合流できるな・・・シャトルは先に行ってくれ!」

 

『・・・了解!』

 

エグザードはシャトルを先行させ、単機でミューカスを撃退していくも、徐々にその数に翻弄されていく。

黄色いミューカスが紅いミューカス、ネクトン・クリークが下部の錘を前身に展開し、エグザードに突進してくる。

 

「くう・・・・多勢ぶぜいか・・・!?」

 

エグザードが衝撃を受けて体制を崩すと、緑のネクトン・シューターと黄色のネクトン・ハウザーが一斉に砲撃を仕掛ける。

 

「・・・!!?」

 

突如、エグザードの前に50M級の機体が現れミューカスの砲撃を遮った。

 

「無敵断光砲!」

 

現れた特機は胸のクリスタルから高出力のエネルギーを発射し、ミューカスを一掃する。

 

「ダイマ・ゴードウィン社長・・・どうしてここに!?」

 

「到着が遅れているようだったので直接迎えに来たぞ、草薙征士郎!君もサラリーマンならば時間は守れ!遅刻するくらいなら法定速度を突破しろ!!」

 

現れたのは日本に本社を構える巨大複合企業[VTXユニオン]の現社長[ダイマ・ゴードウィン]とその愛機[ガイアーン]だった。

 

「・・・法定速度は守って下さい。」

 





【人物紹介】

「スーパーロボット大戦F」
パトリシア・ハックマン(CV:林原めぐみ)
ヘクトール・マディソン(CV:石野竜三)

アキラ・カミヤ[ドラマCD] (CV:神谷明)

「スーパーロボット大戦OE」
セイシロウ・クサナギ(CV:四宮豪)
スオル・ダグラス

「スーパーロボット大戦T」

ダイマ・ゴードウィン (CV:江原正士)


【ロボット紹介】

「スーパーロボットバトルメーラー」
ツインザイル

「スーパーロボット大戦OE」
エグザード
ミューカス各種

「スーパーロボット大戦T」
ガイアーン(ゲーム未登場)


アイビス達は登場する予定はなかったんですけど、OEのスオル団長と苗字が同じだったのでコネクトの一員としてちょっとだけ出してみました。

ツインザイル、なんとなく双機兵ジェミニクラスを思い出してしまい(全然似てはないのですが)、ツインザイルという名前にも引っ張られて二人乗りになりました。

赤いグルンガスト、本編に登場するグルンガスト2号機とはちがい設定だけ存在している龍型ヘッド。別の色にしようかとも思ったんですけど、パイロット的に赤色のドラゴンが良かろうと思いこうなりました。鷹型(ホーク)じゃなく隼型(イーグル)があればそちらでもありでしたが。

ガイアーンに関しては基本設定が存在しないので勝手に「小さいダイガイアン」というイメージで登場させてみました。なので技名は適当に考えます
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