新スーパーロボット大戦OG64   作:舟太郎

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11話 戦う、私!

 

「社長が出撃されたのですか?」

 

日本に本社を構えるVTXユニオンの整備工場でヒロスケ・アマサキが社長秘書に尋ねる。

 

「ええ・・・パワーアップしたガイアーンの性能を試す良い機会だと言って・・・・。」

 

社長秘書が答える。一見無表情ではあるが、困っている様子が見て取れる。

 

「タカハシさん、サイトウ職長、クォークドライブの仕上がりは?」

 

ヒロスケは実験的にクォークドライブを取り付けたガイアーンの状態を、技術部のタカハシと整備部のサイトウに尋ねる。

 

「ガイアーンは古いがフレームは頑丈だしジェネレータの容量もでかい、問題ねえはずだぜ。」

 

「機体の整備も完璧だ、社長は防衛戦争時から度々出撃していたからな。」

 

「ふむ・・・であれば懸念すべきは・・・」

 

「お父さん!!」

 

スタッフ一同が話していると、そこへ一人の女子大生が現れる。

 

「ダメじゃないですかラミィ、この区画は一般人に開放していませんよ?」

 

ヒロスケは3年前に保護し、養子縁組を行い娘として迎え入れた少女、ラミィ・アマサキにに苦言を呈する。

 

「だけどお父さん、アレはレコーラル銀河の・・・!?」

 

「・・・分かっていますよ、ラミィ。社長であれば大丈夫です、安心して待ちましょう・・・。」

 

ヒロスケはラミィをなだめるようにそう言葉を掛けた。

 

 

▽▽▽

 

 

「もうほとんど終わってるじゃねえか!?これじゃツインザイルの見せ場が無くなっちまう!」

 

ウィンガストに吊るされて現れたツインザイルのコックピットで、ヘクトール・マディソンが呟く。

救援に駆け付けた時、すでに謎の生命体ミューカスはほぼ駆逐されていた。。

 

「アキラとBMXチームか、遅かったな!」

 

「アレはガイアーン・・・ダイマが駆けつけてくれていたのか。それにアレは、クサナギ隊長の試作モジュール!?という事は乗っているのは・・・」

 

ダイマ・ゴードウィンが声を掛けると、アキラ・カミヤがミューカスと戦う二体の起動兵器を見てその名を口にする。

 

「この機体はCF-00エグザード、試作モジュールの完成形です、アキラ少佐。」

 

「やはりセイシロウか、大きくなったな!」

 

「無敵のダイマと正義のスーパーロボット、ガイアーン!こんなところで会えるなんて感激だわ!」

 

ガイアーンの姿をみてパトリシア・ハックマンが歓喜の声をあげる。

 

「けどよぉ・・・ダイマ・ゴードウィンはともかくガイアーンなんてスゲェ昔のロボットだろ、今でも動くのかよ?」

 

「要らぬ心配だ、ヘクタール・マディソン。このガイアーンは技術の進歩と共にそのつど経費で強化している。性能面では最新鋭機に引けを取らんぞ!」

 

「人の名前を土地の面積みたいに呼ぶんじゃねえ、俺の名前はヘクトールだ・・・っと、なんか増えやがったな!?」

 

ヘクトールがダイマに文句を言ったところで、新たなミューカスの群れが山岳地帯から次々と湧いてくる。

 

「この辺りのどこかにミューカスゲートが存在しているはずです。それを破壊しなければ・・・」

 

「なんだそのミューカスゲートってのは?」

 

「この怪物たちの巣のようなものです。」

 

(コネクトって単なる民間の貿易会社のはずだが、この化け物を知っているってのか?)

 

ヘクトールが今まで存在が確認されていなかった正真正銘のアンノウンについて言及するセイシロウに疑問符を打つ。

 

「だったらそのゲートを見つけて壊せばいいのね?」

 

ヘクトールとパットがツインザイルを前進させる。

 

「ヘクトール、今こそツインザイルの力を見せるわよ!」

 

「おっしゃ、任せろ!戦術的~、なにもしない!」

 

ヘクトールがそう叫ぶと、ツインザイルは動きを止め沈黙する。そこへミューカスの群れがツインザイルを囲むように集まってくる。

 

「一体何を考えているんです!?危険だ、動きを止めるな!!」

 

「安心しろセイシロウ、あのツインザイルは単機で戦局を覆すための機体、一対多でこそその真価を発揮する!」

 

セイシロウがツインザイルの動きに戸惑っているとアキラがそうフォローする。

 

「排他的ターンランチャー!!」

 

ツインザイルが両肩のショットガンランチャーを腕に装着すると、腰部を高速回転させながら周囲のミューカスに向けて乱射する。

 

「連動式ダブルショットガン、流動的ヘッドビーム、回収式ザイルアロー、同起確認!」

 

「全部一気にに発射よ!!」

 

両腕のショットガンランチャーと同時に額からは高出力のビームが発射され曲がるように発射されミューカスを薙ぎ払い、全身からは無数の光弾が発射される。

 

「更に行くぜぇ、圧倒的クローレーザー!!」

 

ショットガンランチャーを解除し、左右の拳を合わせると腕部装甲が開き複数のレーザー砲が向きを変えながら斉射され、辺りを焼き尽くした。

 

「流石はBM計画の最新鋭機とアキラの教え子たち、見事だ!」

 

「教え子を褒めてくれるのはありがたいが、どうやら本命が現れたようだぞ、ダイマ。」

 

ダイマがツインザイルの戦いを見て満足そうにしていると、ツインザイルが攻撃した跡から種子のような、あるいは卵のような巨大な球体が姿を現し、その手前には両翼に二つの錘を付けた一際巨大なミューカスが陣取っている。

 

「あれはギガネクトン!?」

 

ギガネクトンは二つの錘を左右に広げると、背面だった位置に頭のような部位が現れ半人型を形成していく。

 

「さしずめ巣の守り人ってところか・・・。」

 

ギガネクトンが額から広範囲にスパーク状のビームを斉射し、両肩からエネルギーの球体を複数発射させる。更にはエネルギーを纏った両腕部を地面に叩きつけ、辺り一帯を爆散させた。

 

「きゃあ・・・っ!!?」

 

「ちっ、連続攻撃!?意趣返しのつもりかよ!!」

 

ギガネクトンの攻撃に対し、各機は防御し対応する。

 

「見た目通り、他の奴らとは違うという事か・・・しかしこの星の平和は俺たちが守って見せる!!!」

 

「その通りだ、アキラ!!」

 

グルンガストとガイアーンはギガネクトンを挟み込むように移動する。

 

「グルンガスト・・・!」「ガイアーン!」「「ダブルパンチ!!」」

 

ガイアーンとグルンガストはその巨大な拳で同時にギガネクトンに殴りかかる。ギガネクトンはアームガードでそれを防ぎ、再び額からビームを放とうとする。

 

「俺たちのダブルパンチが効いていないだと!?」

 

「なるほど、見た目通りの耐久性という事か・・・。」

 

「一心一意・・・この隙は逃さない!!」

 

そのタイミングでエグザードが突撃し、ライコウブレードでギガネクトンの頭部らしき部位を切り落とし、その発射を防ぐ。

 

「・・・頭を切り落とされてまだ動いやがる!?」

 

「こいつにとってはあの頭はさほど重要な器官じゃないみたいね?けどノーダメージじゃないでしょ!!」

 

ヘクトールとパットがギガネクトンの生命力に驚きながら、追撃に移る。

 

「ヘクトール、アレをやるわ!」

 

「任せろ、雪崩式ザイルレーザー!」

 

ツインザイルの右腕部から放たれる青い光線がギガネクトンを四角く包み込むように照射され、その動きを拘束する。

 

「あたしのパンチ!正義を込めた、あたしのパンチ・・・・これこそがあたしの必殺技、超破壊的パワーブロー!!」

 

ツインザイルは赤いエネルギーを纏った左の拳でギガネクトンをガードの上から殴りつけ、その両腕を粉砕した。

 

「今がチャンスだ、一気に決めるぞ!!アキラ、俺に続け!!」

 

ダイマの合図と共に、ガイアーンは巨大な実体剣を取り出す。

 

「ああ、任せろダイマ!天に二つの禍つ星・・・・」

 

グルンガストの正面に黒いゲートが展開され、そこから一本の剣が現れる。

 

「計都羅喉剣、暗剣殺・・・斬!!」

 

グルンガストは高速で移動しながら黒いゲートから計都羅喉剣を抜き、ギガネクトンに対しすれ違いざまに横一文字の斬撃を繰り出す。

 

「必殺、無敵断獄剣、唐竹割!!」

 

続けてガイアーンがその大剣をギガネクトンの真上から振り下ろし、二体のスーパーロボットによる斬撃はギガネクトンを十字に切り裂いた。

 

「VTX社訓!!『お前はもう、死んでいる。』」

 

「それは俺の社訓だ!!」

 

「教官に社訓なんてないでしょ!?」

 

「いや、そもそも社訓の内容がおかしいけどな。」

 

アキラがまるで自分のキメ台詞を取られたと言わんばかり文句を言うと、パットがそれに対してツッコミを入れ、ヘクトール更に苦言を呈した。

 

「みなさん、まだ最後の仕上げが残っています・・・。」

 

セイシロウが各機にそう促し、ミューカスゲートを取り囲む。

 

「断光砲、マキシマムブレイクだ!!」「グルンガストビーム!」「連動式ショットガンレーザー、集中砲火!!」「ウェーバーガンも、多少は・・・!!」

 

4機の同時攻撃によってミューカスゲートは消滅した。

 

 

▼▼▼

 

 

「アレを放置すればこの太陽系はレコーラル銀河と同じ末路をたどる所でしたが、とりあえずはゾヴォークによって送り込まれたミューカスは地球人が撃退したようです。」

 

ニブハル・ルブハルがジュデッカ・ゴッツォにそう報告する。

 

「ゾヴォーク、自ら破滅を呼び込むとは・・・愚かな者達だ。」

 

ゴッツォが答える。

 

「ゾヴォークは自らが優れた人種だと思い込んでいるエリート意識とプライドの高い種ですから。ある意味、自分たちが見下している地球人以上に俗人的ですらある。」

 

ニブハル・ルブハルはゲストやインスペクターを嘲笑するように語る。

 

「コネクトと言ったか・・・ミューカスに対応していたのは。」

 

常に穏やかな表情を浮かべながらも、どこか物事に無関心な雰囲気を出しているゴッツォが、やや興味を示す。

 

「表向きは小規模な貿易会社のようですが、どうやらかなり以前からミューカスに付いての調査と対策を講じていたようです。しかし不明な点も多く、その全容は把握出来ておりません。」

 

「ガイアーンとやらの方はどうなっている?あの機体から検知出来たエネルギー、アレは惑星ダーブネスで製造されたクォークドライブによるものだろう?」

 

「ええ、アノ技術を地球にもたらしたダーブネス人については目星はついております。必要とあらば身柄を押さえますが?」

 

「判断は任せる・・・どうやらこの星には複数の異物が紛れ込んでいるようだな。」

 

ゴッツォは普段通り、薄い笑みを浮かべながらニブハルに告げる。

 

「地球の環境を考えればミューカスの増殖はあの程度ではないでしょう。今回の件が呼び水となり、他の群生を呼び寄せる可能性もある・・・。」

 

「そうなればまた一歩、この宇宙は終焉へと近づくだろう。」

 





【人物紹介】

[スーパーロボット大戦T]

ヒロスケ・アマサキ
ラミィ・アマサキ

社長秘書
技術部のタカハシのおやっさん
整備部のサイトウ職長


「戦術的何もしない」は意味不明かもしれませんが、ツインザイルに設定できる行動の項目の一つなんです。とにかく使いたかっただけですが・・・。

セイシロウは原作ゲームだと基本的に周りが年下ばかりなので、結構印象が変わってしまうかも(ブライトですら年下という状態)
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