新スーパーロボット大戦OG64   作:舟太郎

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20話 THE ARROW OF DESTINY(後編)

 

「天上天下念動破砕剣!!」

 

リュウセイはT- LINKソードをRー1で使用していたパターンで発生させる。

 

「破ぁ!!!」

 

放たれたT- LINKソードはズフィルードのEフィールドに刺さると、炸裂しフィールドを崩壊させる。

 

「今だ!」

 

タックのガンアークがアークライフルを弓のような形状に変形させ最大出力で発射し、イクスブラウもそのタイミングでイオンブリットライフルを連射する。

 

『どうした、その程度か・・・?』

 

ズフィルードはダメージを受けるも、その直後に装甲が再生していく。

 

「そんな・・・!?」

 

それを見たバレルが諦めの表情をうかべる。

 

「このメンバーじゃ押し切れねえな・・・。」

 

普段は怖いもの知らずのリュウセイも、柄にもなくそう口にする。

これまでにアインストやダークブレインと言った人知を超えた強敵を撃破してきたリュウセイだったが、それはあくまでも後に鋼龍戦隊と呼ばれる仲間たちあってこその戦果だった。

 

「この状況を打開するには・・・本来は上層部とバルクホルツ博士の許可が必要だけど、仕方ないか・・・。」

 

フェイはそう呟きながら端末を操作する。

 

「タック中尉、情報部の権限で設計局のプロテクトを解除。中尉のガンアークによるガーディアンシステムへのアクセスを許可しました!」

 

フェイがタックにそう説明する。

 

「なんだこのモニターは!?ガーディアンシステム・・・あのベルクトが言っていた?フェイ中尉、ガーディアンシステムとは一体・・・!?」

 

「ガーディアンシステムとはかつてライネンプロジェクトによって開発された戦略支援システム、地球周辺宙域に浮かぶ戦闘衛星から発射されるE2物質によるエネルギー砲です。ガンアークはその戦闘衛星とリンクすることで、現場の判断で戦略兵器を戦術的に応用する事を目的として開発された機体・・・。」

 

「E2によるエネルギー砲・・・あの敵にはそれくらいじゃないと通用しないだろうが・・・だがどうすればいいんだ!?いきなり、こんな画面を映されても使い方がわからないぞ!!」

 

タックが肝心なところで機械音痴を発揮する。

 

「チッ・・・仕方がありませんね、今回は細かい設定は私がリモートで行います。タック中尉は敵機に接近してターゲットをロック、その後ガーディアンシステムの砲撃に自機が巻き込まれないように速やかに距離を取ってください。」

 

「フェイ、ひょっとしていま舌打ちした?」

 

バレルがコックピット内に聞こえたかすかな音に反応すると、フェイは「気のせいよ」と答える。

 

「足止めが必要になるな・・・ART-1のエネルギーももう限界だが・・・」

 

話を聞いていたリュウセイがフォローに回ろうとするが、ズフィルードに通用する武装を多用するほどの余力はART-1には残されていない。

 

「俺を呼んだか、リュウセイ!!」

 

そこへ地上から50M級の機体が上がってくる。

 

「アースゲイン、ブラッドか・・・別に呼んではねえけど助かるぜ!」

 

現れたアースゲインはそのままズフィルードへと拳を繰り出す。

 

「狼牙ぁ!!」

 

アースゲインは一撃でズフィルードのフィールドを砕く。

 

『たしかアースゲインだったか?ふむ・・・カナリを破ったか・・・。』

 

「今度はてめえの番だぜ・・・竜王双撃!!」

 

ブラッドは肘のブレードで斬撃を繰り出し、ズフィルードはクロスブレードでそれを受ける。

 

『闘争本能に任せた原始的な力・・・それこそが其方ら地球人の根源的な強さだ、褒めて遣わす。』

 

「そうかい・・・ありがとよ、大将!!」

 

ブラッドはそう言ってクロスブレードを弾き、距離を置いて虎閃掌を放つ。

 

「今だバレル、とにかく撃ちまくれ!!」

 

「うわあああっ!!!」

 

アースゲインがズフィルードから離れたタイミングで、ARTー1とイクスブラウが手持ちの火器で同時に砲撃を浴びせ、その隙にガンアークがズフィルードの上空に位置を取る。

 

「全員、離れろ!!」

 

タックの合図と同時に各機が散開し、残ったズフィルードに上空から高出力のエネルギー砲が降り注ぐ。

 

『・・・これは!?・・・・おおおお・・・・!!!?』

 

ズフィルードはガーディアンシステムから発射されたE2の光に包まれ、その装甲は徐々に消滅していく。

 

『舐めるでない・・・余はジュデッカ・ゴッツォである!!』

 

一瞬、天使のような光がズフィルードに宿るようにに発生し、ガーディアンシステムの砲撃をかき消した。

 

『見事だ地球人、そなたらの表現で言えば「肝が冷えた」と言ったところか・・・。』

 

ゴッツォがボロボロに半壊したズフィルードから言葉を発する。

 

「馬鹿な!?今のでも仕留めきれないのか!?」

 

その姿を見たタックが動揺を見せる。

 

「け・・・けど、かなりダメージを負ってるみたいだ。今のうちに逃げた方が・・・」

 

「何言ってんだ!?たたみ掛ける好機だろうが!?」

 

「・・・どっちだ・・・ブラッドの言う通りヤツを仕留めるチャンスにも見えるが・・・」

 

バレルとブラッドが真逆の発想を口にし、リュウセイが迷う。

指揮官不在の寄せ集めであることが、ここに来て各々の判断を鈍らせた。

 

『どうした、攻めてこないのか?千載一遇の機会だぞ?』

 

ゴッツォがそう挑発すると、ズフィルードの装甲は徐々に復元していく。

 

「迷っている暇はないぜ・・・獅子吼烈破!!」

 

「待て、ブラッド!!?」

 

アースゲインが腕にエネルギーを集中させ、半壊したズフィルードに仕掛ける。

 

『其方らの戦いぶり、見事だったぞ。褒美としてそのまま補完してやろう・・・クリスタル・マスメル!』

 

ゴッツォがそう述べるとズフィルードの装甲は一瞬で回復し、そしてそれと同時に全身のクリスタルを発光させ、無数の欠片をアースゲインに向けて飛ばした。

 

「なにっ!?」

 

アースゲインは咄嗟に気を纏った拳でクリスタルの雨を弾きながら回避するも、その物量を捌き切れず脚部に被弾する。

 

「ちっ・・・・なんだっ!?」

 

脚部に刺さったクリスタルが、その装甲を侵食し広がっていく。

 

「やっ・・・やべえ!?」

 

「おらぁ!!」

 

ブラッドが焦りを見せた瞬間、ARTー1がチェーンソートンファーで浸食されるアースゲインの脚部を切り落とし、念動フィールドでクリスタルの雨を防ぐ。

それはリュウセイがL5戦役時にセプタギンが起動した折、SRXごとクリスタルに取り込まれかけた経験からの咄嗟の判断だった。

 

『ことごとく邪魔をしてくれるな・・・彼奴はこのズフィルードクリスタルの特性を知っているというのか?』

 

ゴッツォはリュウセイに対する警戒心を高める。

 

「騙したっていうのか!?一瞬で再生できたくせに・・・弱ったふりをして!?」

 

バレルが圧倒的な強さを持ちながら不意を突くゴッツォのやり方に困惑する。

 

『兵は偽りを厭わず、其方ら地球人の兵法であろう?』

 

「なにを・・・!?」

 

「兵不厭詐、戦闘において相手を騙すのは当たり前の事よ、バレル。」

 

「要は死んだふり作戦って事か、意外とセコイ手を使う奴だな・・・。」

 

フェイがゴッツォの言葉を説明し、リュウセイがまとめる。

 

「なんにせよ助かったぜ、リュウセイ・・・!?」

 

ブラッドがリュウセイに礼を述べようとした瞬間、息が詰まる。

 

「なんだこの感覚は!?」

 

それは突如現れた。起動兵器と赤い竜の中間ような生物的な巨人である。

 

《へえ、アタシを感じる事が出来んだネ、念動力者・・・》

 

「リュウセイじゃなくても分かるぜ・・・間違いない、コイツは危険なヤツだ・・・!」

 

「データ登録なし、類似システム無し、生体反応?推測不能ですって?あなた、何者なの!?」

 

ブラッドとフェイが動揺を見せる。

 

《アタシは[アヴィ=ルー]、[アル=イー=クイス]だヨ》

 

「アヴィルークイズだと!?てめぇ、そりゃ一体何なんだ!」

 

「名前、混ざってるわよ。しかもなんだか楽しい感じに・・・。恐らくは[アル=イー=クイス]という勢力の[アヴィ=ルー]という個体でしょ?」

 

フェイがブラッドの間違いを正すと、それを聞いたバレルが「訂正されても分かりづらいな」とブラッドに同調する。

 

《分かンなくていいのサ、アンタたちはこの惑星圏の中じゃ突出した潜在能力があるみたいだケド、今回用があるのはそっちのバルマーの方だからネ》

 

『アル=イー=クイス・・・大銀河の意志。面白い・・・余を、このジュデッカ・ゴッツォを試そうと言うのだな?』

 

《行くヨ、エスレルム》

 

アヴィ=ルーが駆る[アヴィエスレルム]が辺り一帯に炎の雨を降らせる。

 

《この炎に耐えられるカイ?》

 

アヴィエスレルムが発生させた炎の雨[ギガフレア]が周囲を焼き尽くす。

 

『オメガウェーブ、照射。』

 

ズフィルードはギガフレアごとアヴィエスレルムを吹き飛ばした。

 

《ククク、まだまだだヨ。アンタの力はまだこんな物じゃナイ。サァ見せておくれヨ。もっと、もっと、でなきゃ死んでしまうヨ!!》

 

オメガウェーブによって消滅したはずのアヴィエスレルムは当然の様に復活し、刃の付いた腕部[スラッシュネイル]を切り離しズフィルードに向けて飛ばす。

 

『小賢しい!』

 

ゴッツォはクロスブレードでスラッシュネイルを切り払う。

 

『アルドレーザーα!!』

 

今度はズフィルードが両手を正面で組み、その腕部から高出力のエネルギー波を発射する。それに対してアヴィエスレルムも高出力の火炎砲[ファイヤーカノン]を発射し、互いのエネルギーが辺り一帯に爆散した。

 

 

▽

 

 

「うぅ・・・なんなんだ・・・なんなんだこいつ等は・・・!?こんな奴ら、どうやって戦えばいいんだよ!?」

 

「全員撤退だ・・・全力でこの戦域を離れるんだ!」

 

両者の戦闘を見てバレルが動揺し、タックが各機に撤退の指示を出す。

 

「撤退って・・・アイツらをこのままにしといていいのかよ!?地球がぶっ壊れちまうぞ!!」

 

「ブラッド、はっきり言うが、今あの戦いに割って入ろうとしても死ぬだけだぜ。ここから先は、まだ俺達地球人の踏み込めるステージじゃねえ・・・」

 

リュウセイもタックに同調し、ブラッドを説得する。

 

「ちくしょう・・・」

 

苦渋に満ちたブラッドと片足を失ったアースゲインを各機が支えながら一同はセントクルスを離脱した。

 

 

▼

 

 

『逃げたか・・・まあいい、今は余の存在をこの宇宙に示すことこそ肝要である・・・』

 

ゴッツォは逃亡するリュウセイたちを確認するも、意にも介さずアヴィエスレルムへの攻撃を続ける。

 

《少し本気でイクヨ》

 

アヴィエスレルムは無数に分身し、そのそれぞれがズフィルードに猛攻を仕掛ける。

 

『児戯だな・・・』

 

ズフィルードに再び天使のような影が憑依し、青白い光を放つ。

 

『大銀河の意志よ、汝に十の神罰を下す・・・』

 

辺りの空間が歪み、アヴィエスレルムの分身体は消滅し、気づけば本体は巨大なズフィルードの手の中に納まっていた。

 

《すごいネ・・・感じるヨ、銀河に広がる怨念・・・負の力・・・その片鱗ヲ》

 

『潰えよ、ジーベン・ゲバウト!!』

 

ズフィルードはそのままアヴィエスレルムを握りつぶした。

 

 

▽▽▽

 

 

「ズフィルードと言ったか・・・あんな物を打倒せねばならんとは、なかなか難儀だな・・・。」

 

セントクルスを離れたコア・フォートレスの中で、映像を見たエイム・プレズバンドが呟く。

 

「だがグリーンフラワーさえ落とせばアレを直接撃破する必要はない。いかに超常的な起動兵器だろうと拠点を失えばそれまでだ。異星人と言えど乗り手は生身の人間、永遠に戦い続ける事など出来んさ。」

 

それに対しルド・グロニアが答える。

 

「呂布を無視して虎牢関を攻めるか、それしかないだろうな・・・」

 

「エイム、キミの声で三國志を語ると妙にしっくりくるな。」

 

エイムの例えを聞いたグロニアがそう言って笑みを浮かべる。

 

「カール・シュトレーゼマンやブライアン・ミッドグラッドは今後も帝国観察軍に従うだろう。これでUCEは完全に二つに分かれることになる・・・」

 

「ですが状況は分かりやすくなりました。あなた方やグラスマン議員が立たれるのであればギャスパル・ギラン元帥もそれに応じるでしょう。」

 

同席していたエルリッヒ・シュターゼンがグロニアにそう答える。

 

「グライエン・グラスマンはかつての防衛戦争の様に、レジスタンスを利用して独自の組織を作ろうとするだろう。ギャスパル・ギランは逆に、連邦軍のみの戦力で異星人を打開し、再び地球圏に連邦軍を中心とした軍閥を築きたがっている。両者の足並みは揃わんだろうな。」

 

エイム・プレズバンドがエルリッヒをはじめとする目の前のメンバーにそう説明する。

 

「元帥がそう考えてんだったら、その判断が正しいだろ。連邦軍ならいざ知らず、レジスタンスやゲリラ共がUCEの政治家なんぞにに従うはずないぜ。なにせA級市民、B級市民と人類をランク付けして自分たちはうまい汁を吸ってる張本人共だからな。」

 

リッシュ・グリスウェルが軍人としてギャスパルを支持する。周りは政治家であるルドとエイム、貴族であるアイシャ・リッジモンドと言ったA級市民が同席しているにもかかわらず物怖じする様子はない。

 

「いや、グラスマン議員のそばにはエルガン・ローディックがいる。」

 

エイムが話を続ける。

 

「エルガン・ローディック?」

 

「たしか地球連邦軍の初代総司令が同じ名だったはずだが・・・。」

 

リッシュが聞き馴染みのない名を繰り返すように尋ねると、エルリッヒが自分の記憶と照らし合わせてそう口にする。

 

「アホか、連邦軍が出来て200年近く経つんだぞ!本人なわけねえだろ!」

 

リッシュがエルリッヒに対しぞんざいに異を唱える。

 

「エルガン・ローディックはUCE国連平和理事会の代表を務める議員だ。政治家としての地位は高くは無いが、あらゆる国や組織、民族に異常なほどに顔の利く男だ。嘘か真か、500年以上を生き、歴史の裏で暗躍し、歴史上のあらゆる組織の創設にも関わっているとか・・・初代総司令と同一人物と言う話も耳にしたことはある。無論、噂話だがな。」

 

エイムが政界の噂話を一同に語ると、それを聞いていたアイシャが「まるで旧西暦のサンジェルマン伯爵のようですわね」と呟く。

 

「まさか本当に・・・?」

 

「そ・・・そんなわけねえだろ!?所詮は噂話だって!そう言うのは尾ひれがつくもんなのさ!!」

 

エルリッヒが噂話の信憑性を示唆すると、リッシュが動揺を見せる。

 

「ひょっとしてリッシュ特尉はオカルト話は苦手でらして?不死人などと呼ばれてらっしゃるのに・・・」

 

リッシュの様子を見てアイシャが呆れたようにそう言うと、リッシュは否定せずに「ほっとけ」と呟く。

 

「そのエルガン・ローディック議員がレジスタンスやゲリラを従えているという事ですか?」

 

「いや、従えているわけではない、彼が行っているのは提示だ。ボートマンの名でレジスタンスに情報を渡し、選択肢を与える。そしてその動きを予測して自らのプランを組み立てるのが彼のやり方だ。現に先の防衛戦争では連邦軍とレジスタンスが協力体制を組むよう立ち回り、LIFEの結成にこぎつけた。」

 

「ではマナミさんがレジスタンスの支援に乗り出したのもエルガン議員の差し金だと・・・?」

 

エイムの説明を聞き、アイシャがそんな想像を働かせる。

 

「聞き捨てならんな・・・。」

 

それまで黙っていたカーツがそこに異を唱える。

 

「確かにきっかけを作ったのはボートマン・・・そのエルガンとやらかもしれんが、俺たちは信念をもってLIFEに参加した。それは出資者であるマナミ・ハミルも同じだろう・・・。それをまるでボートマンの掌の上であるかのように語られるのは不愉快だ。」

 

「カーツ、キミたち武機覇拳流はなぜレジスタンスに参加していたんだ?」

 

エルリッヒがカーツに尋ねる。

 

「俺とブラッドは山にこもり修行に明け暮れていた時、マナミ・ハミルが[ザ・ストーム]と名乗る男と共に我が師、ヴィロー・スンダに協力を求め尋ねて来た。だがその時には師匠は既に病で亡くなられていた。」

 

「つまり、師匠がいなくて支障をきたしたわけだ。」

 

リッシュがそんな茶々を入れ、それに対し一同が白い眼を向けると「スマン」と謝る。

 

「恥ずかしながら俺たちは俗世との関わりを絶っていたため、地球がインスペクターに占領されている事すら知らなかったんだが、俺とブラッドはマナミとザ・ストームの話を聞き、レジスタンスに協力する事にした。」

 

「そのザ・ストームって男は何者なんだ?」

 

「ザ・ストーム、個人で大財閥を管理する火星帰りの快男児。けれど詳細は不明、正体も不明、実在しているかすら怪しい噂の人物でしかありませんでしたけれど・・・。」

 

リッシュの問いにアイシャが伝聞で見聞きしたことのある情報を答える。

 

「俺も詳しくは知らんが、ハミル伯爵家と共にLIFEに出資していた資産家の一人らしい。「余のため人のため」が口癖だったが、防衛戦争後は財閥ごとその姿を完全に眩ませた。まるで最初から存在していなかったかのように。」

 

「快男児ならぬ怪談児ってか・・・またその手の噂話かよ、嫌だ嫌だ。」

 

話しを聞きながらリッシュが心底嫌そうな顔を見せる。

 

「話を戻しましょう・・・エルガン議員であれば連邦軍とレジスタンスをうまく連携させることが出来るとして、ギャスパル元帥も表向きはグラスマン議員に協力せざるを得ないでしょう。」

 

エルリッヒがそう言って状況を整理し直す。

 

「けれどルド・グロニア副大統領、アルバート・グレイ大統領亡き今、UCEの意思決定権は貴方にこそある。副大統領があの方々をまとめ上げ、ご尽力なされば必ずや異星人を打倒できましょう。」

 

エルリッヒに続くように、アイシャがグロニアに物申す。

 

「随分と実直だな、キミ達は・・・」

 

「何か間違ったことを口にしてしまいましたか?」

 

「いや、その感性は好ましいものだ。だがグラスマンとギャスパル・ギランが表面上は協力し合ったとしても、今後彼らが目指すのは『自らの采配』で地球を救い、英雄となる事だ。そうなれば互いに足を引っ張り合うとまではいかなくとも、いかに相手を出し抜くかを考えるようになる。」

 

「勝てる前提で考えているのか、まるでゲーム感覚だな・・・呑気なもんだぜ。」

 

リッシュが溜め息をつく。

 

「そうなれば勝てる戦いもとりこぼす可能性が出てくる。であれば、グライエンやギャスパルに限らず、この星の群雄たちそれぞれが地球のために戦い、誰が最初にグリーンフラワーを攻略するか競い合う方が有効だろう。旧西暦以前の時代に秦を滅ぼした項羽と劉邦のように・・・」

 

「では貴方も独自に戦力を集め、英雄を目指すと言うのですか?」

 

エルリッヒが尋ねる。

 

「私は私の確固たる意志で成すべき事を成す。だが私が目指すのは英雄、あるいは救世主などといった他者の視点と評価によって成立するような俗物的な存在ではない。」

 

グロニアは得意げに答える。

 

「私が成りたいのは『正義の味方』だよ。」

 





ジーベン・ゲバウト、新版ズフィルードには無い技ですが、戦闘シーンを描写するにあたって攻撃のバリエーションを増やしたくて使用してみました。(クリスタル・マスメルも本来はセプタギンの武装)

ザ・ストーム、もちろんこの作品には出てきません。オリジナルあだ名を出してみたかっただけです。
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