新スーパーロボット大戦OG64   作:舟太郎

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5話 VIOLENT BATTLE

 

 

■■■■■

 

 

「結局、ゾヴォークが掲げる『銀河系の秩序』ってのは、ゾヴォークによる支配でしかないわけじゃない?居住可能な惑星を見つけて原住民を従属させる。こんな仕事に関わってるとさ、思う訳よ。『ああ、私の星も同じように侵略されたんだな』ってね。この感じ、デルファルテ家の御曹司には解らないでしょうね?」

 

シュリコ・ハバーテがグロフィス・ラクレインに話す。

彼女の現在の任務は地球圏の状況調査、いずれゾヴォークが地球を支配するための下準備の一つである。

 

「昔の話だ・・・シュリコ、キミの様なものからしたら気に入らないだろうが、今の俺はグロフィス・ラクレイン、ただの傭兵だ。」

 

グロフィスはシュリコにそう返す。

彼らの社会もまた地球と同じく、家柄や出身地(惑星)が人生を大きく左右する。ウォルガやソガルといった権力の中枢は古から続く名門の家系が大半を占め、後からゾヴォークに加盟(従属)した辺境惑星の民族が重用されることはほぼ皆無だ。

しかし管理され、再教育され、ゾヴォークにとっての『理想的な国民』と化した彼らが逆らうことも無い。権力には従うだけだ。

そんな『覆る事のない権力』を持つ中枢の人間は、より尊大に、より傲慢に、ただひたすら増長していく者が多い。

そしてその権力を自ら手放す者がいるとすれば、それは相当な変わり者なのである。

 

「確かに、御曹司の癖に才覚が備わっているなんて、ある意味憎たらしいけどね。ま、だからこそ私みたいな地方の出身者が欲しくて欲しくてたまらないほどの立場を、いとも簡単に捨てられるんでしょうけどね・・・・。」

 

シュリコはその言葉にやや嫌味を込める。

 

「キミほどではないさ。こんな言い方は失礼かもしれないが、キミの出自でウユダーロ級を与えられる者など他にはいまい。」

 

グロフィスはそんな嫌味を意にも介さずシュリコを褒める。

シュリコもまたウォルガやソガルといった中枢の勢力には属していない。辺境の惑星出身の彼女にとって、傭兵として働き成果を上げることが、最も出世できる可能性が高い選択肢だった。

 

「田舎者は辛いわ・・・」

 

「そんなキミから見て地球人をどう思う?本当に救いようのない種族だと思うか?」

 

「正直、文明に見合わない軍事技術がどうとか、知性と力のバランスがどうとか、どんな難癖よ?って感じね。あの優秀なボルクェーデの坊ちゃんが失敗したにもかかわらず、あくまでも地球人は『軍事力と戦闘力にのみ特化した存在』だからだって?ダッサ、どんな負け惜しみよ?」

 

グロフィスが地球人の評価を尋ねたにも関わらず、シュリコの口から飛び交うのは上層部に対する文句だった。

 

「面白いな、キミは。」

 

そしてグロフィスにとってそれは新鮮なものだった。

 

「もちろんそんな報告はしないけどね。結局は上が求めてるのは地球人の悪口、欲しいのは『対等な交渉相手』ではなく『粛清すべき愚かな種族』、擁護しても喜ばれないわ。侵略する口実が欲しいのよ、誰に対する大義名分なのかは知らないけどさ。」

 

シュリコの現政権に対する愚痴が止まらない。もちろんそれは目の前の受け手であるグロフィスが、あえて権力を捨てた人間だからこそ言えるものだった。

 

「闘争心がヤバいって点だけは同意だけどね・・・。少なくとも無気力に飼いならされて思考停止してる故郷の連中よりはずっとマシな気がするわ。結局は私も御曹司と同じで故郷に嫌気がさしてたのかもね・・・やっぱりこの世界、気力が大事よね。」

 

そう言いつつも、シュリコの表情はどこか故郷を懐かしんでいるようにも見える。そしてグロフィスもまた、そんな彼女の様子を見てシンパシーを感じる。

 

「・・・御曹司は止めてくれ、近しい友人はロフと呼ぶ。」

 

「・・・ま、考えとくわ、御曹司。」

 

 

 

■■■■■

 

 

 

「・・・俺たちは傭兵だ、覚悟はできている。・・・だがっ!!」

 

ゴライクンルの傭兵、グロフィス・ラクレインのカレイツェドは現れた地球人の機体、[オルフェス]に斬りかかる。その足元には大破したレストグランシュの残骸が散らばっている。

 

「・・・後味が悪いのはお互い様だ、異星人!」

 

地球側の傭兵、リチャード・クルーガー少佐は青い人型起動兵器[オルフェス]のマニピュレータに光の錐、エナジーピックを発生させ、カレイツェドのレーザーソードを受け流す。

 

「少佐、今援護を・・・!!」

 

そこへ赤い戦闘機[ライラス]が現れ、カレイツェドを対空機銃で牽制する。

 

「この機体と意匠が近い・・・支援機の類か?」

 

グロフィスはライラスの攻撃を避けながら、そう推測する。

カレイツェドとの距離が開いたタイミングで、オルフェスはエナジーピックを投擲する。グロフィスは飛来する光の錐を、レーザーバルカンで打ち落とした。

 

「やはり警戒するべきは人型の方か・・・・!!?」

 

「良い腕だが、戦場で俺に出会うとは・・・お前さん、運が無かったな。」

 

オルフェスは再び掌にエネルギーを集中させる。

 

「マニピュレータにエネルギーを収束させた貫手・・・それがシュリコを仕留めた武装か・・・ならば。」

 

両者の距離が縮む中、カレイツェドの胸部が開きにエネルギーが収束していく。

 

「今だ!」

 

オルフェスが接近したタイミングで、カレイツェドの胸部から大口径ビーム砲が発射される。

正面から迫っていたはずのオルフェスの姿が消え、カレイツェドの背後から出現する。

 

「後ろだと!?そんなバカな!!?」

 

「お前の判断は間違っちゃいない。だが相手が悪かったな、異星人!」

 

リチャードはそう言ってラストテスタメントを繰り出した。

 

 

クレーターの中心部から回収された物体がゼガリオに格納されようとした時、高出力の艦砲射撃がゼガリオに直撃し、回収物は再び落下した。

 

「馬鹿な・・・私のゼガリオが!?」

 

キナハ・ソコンコが落ちるゼガリオを見て慟哭する。

 

「・・・あれは新連邦軍の・・・援軍なの!?」

 

マナミが状況を確認する。

現れたのは新連邦軍に所属するスペースノア級万能母艦[シロガネ]だった。

 

「インスペクターの残党が居ると聞いて来てみれば、なんだこの状況は?」

 

「連中と戦っているのはアンノウン・エクストライカーズと名乗る傭兵です。あの赤い機体に乗っているのがハミル伯爵家の令嬢ようです・・・。」

 

シロガネのブリッジで艦長であるリー・リンジュンが副長と状況を確認する。

 

「ハミル伯爵家か・・・A級市民である貴族の娘が傭兵を雇うなど、世も末だな・・・まあいい、機動部隊を出せ。・・・あの連中にも準備させておけ。」

 

リー・リンジュンがあっさり話を進める。イングラム・プリスケンの謀反によって家族を失った向こう側とは違い、その表情は比較的穏やかだった。

シロガネからザドック部隊が降下し、次々とレストジェミラを撃退してく。

 

「許さない・・・許しませんよ地球人!よくも私のゼガリオを・・・一体いくらの損失になると思っているんだ・・・!!?」

 

キナハ・ソコンコが恨み言を口にしながら落下した回収物に接近する。次の瞬間、それは起動し、辺り一帯に重力波が発生する

 

「機体が重い・・・何事なの!?」

 

「むう、これはただ事ではございません!!?」

 

スイームルグが重力波に巻き込まれ、その中心から100Mを超える機械仕掛けの怪獣が現れる。

 

「あれは確か、防衛戦争でインスペクターが送り込んできた生物兵器・・・。」

 

「なるほど、彼らの目的はあれの回収でしたか・・・。」

 

マナミとローレンスが現れた機械仕掛けの怪物に対して最大級の警戒を示す。

 

『そう、かつてこの星を恐怖に塗りつぶした惑星制圧用生体兵器、メカギルギルガン。闘争を好むお前たちにとってはさぞ戦いがいがあるだろう!』

 

キナハ・ソコンコがゲイオス=グルードの中からオープンチャンネルで叫ぶ。

 

『薙ぎ払え!』

 

「ガオオオオオン!!!」

 

メカギルギルガンは大きく口を開き、超破壊光線を発射する。その光は荒れ果てた大地を抉りながらザドックの部隊を消滅させた。

 

「・・・これがメカギルギルガンか・・・主砲、発射体制。残ったザドックに足止めさせろ。」

 

「艦砲射撃で狙うのですか?」

 

戦艦の主砲は威力があるが、起動兵器に対して命中させるのは困難を極める。

 

「いちいち質問を返すな。指示に従え、あのサイズなら当たらん事もない。」

 

シロガネが主砲をメカギルギルガンに向ける。それと同時に残ったザドックがビームを発射する。しかしザドックの放ったビームライフルはメカギルギルガンに吸収された。

 

『フッフッフ、通常のビーム兵器など通用しませんよ。』

 

「構わん、足は止まった、主砲発射だ!」

 

シロガネの連装衝撃砲がメカギルギルガンに命中する。

 

「やったか!?」

 

しかしメカギルギルガンは連装衝撃砲の直撃を受けながらも、それをものともせずにそのまま歩を進め始める。

 

「行かせないわ、ローレンス、アルティメットビームよ!」

 

「かしこまりました、武器設定、アルティメットビーム。」

 

シロガネとメカギルギルガンの間にスイームルグが割って入る。

スイームルグの背中にエネルギーの翼が現れ、結晶化したビームが放たれる。

 

「ガオオオオオン!!」

 

メカギルギルガンはその巨大な爪でアルティメットビームを砕きながら、更にシロガネに迫っていく。

 

「・・・そんな!?」

 

「メカギルギルガン、止まりません!!?」

 

「く・・・・っ!Eフィールドを展開、距離を取れ!NGCはまだか!?」

 

リー・リンジュンに促され、オペレーターが格納庫に確認する。

 

「こちら格納庫、NGC-01、発進します!」

 

シロガネのカタパルトから水色の無骨な特機が発進する。

 

「究極、メガトンキック・スマッシュ!!」

 

出撃した特機は50M級のその巨大な体でメカギルギルガンへ向けて飛び蹴りを繰り出す。メカギルギルガンは進行を遮られ、再び地面に落下していった。

 

「まさかあのメカギルギルガンと再び戦う事になるなんてな・・・。」

 

NGC-01のコックピットの中で、パイロットは口癖を叫んだ。

 

「燃えるぜ!」

 





【ロボット紹介】

[スーパーロボットバトルメーラー]
NGC-01 

[スーパーロボット大戦UX]
オルフェス 

「スーパーロボット大戦シリーズ多数」
メカギルギルガン  


【解説】

NGC-01、Windows用の「スーパーロボットバトルメーラー」というソフトに登場する6体のオリジナルロボットの一体です。

メカギルギルガン、一応バンプレストオリジナルキャラクターではありますが、OGには絶対に出れないのでここで登場させてみました。
サイズに関しては設定されてないのですが、ギルギルガンが登場する原作の時点でゲッター2がドリルで体内を掘り進む描写が入るくらい巨大なんです。(それがパワーアップしてるわけだから100Mじゃ足りなかったかも)

作中では過去に起こったインスペクターとの戦いの事を「防衛戦争」と言っていますが、これはACE3から見た前作ACE2での戦争「第一次防衛戦争」から拝借しました。
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